Category : ミリタリー
アメリカが大好きな航空掃海を邪魔する方法なのだけれども。繋維掃海に限れば、オブストラクター(Obstructor)混用に対して相当に困るんじゃないかな。イランあたりが使ったら、大混乱するかもねえ。
アメリカは航空掃海を活用している。大型ヘリで掃海具を曳航する方法である。掃海具は、感応掃海具だけではなく、繋維掃海具も曳航される。繋維掃海具とは、水中でギロチンワイヤを引っ張る仕組みだと考えればよい。繋留索で繋がれた繋留機雷、海底からロープやワイヤで繋がれた種類の機雷を掃海する仕組みである。繋留部分を切断された機雷は浮き上がり、そこで銃撃処分される。
繋維掃海具はギロチンワイヤのようなものである。戦前には文字通りワイヤで引き切る方式もあった。特殊鋼で作ったワイヤ・ソーを曳航することもあった。今、主要されるのは、ワイヤ各所にカッターを取り付けたタイプ。カッターは釣り針のような、ひらがなの「し」の形をしており、その内側が歯になっている。物によっては、火薬で動作するノミが取り付けられている。機雷繋留索は拘束されてから切断される。
この繋維掃海具には、対抗方法がある。オブストラクターがそれだ。オブストラクターは繋維掃海を妨害する。簡単なものでは、極太ワイヤーやチェーンを使ったブイがある。太く強度が高いため、繋維掃海具では切断できない。繋維掃海を中断させ、水中作業を強要する効果が見込める。積極的なものでは、繋維掃海具切断を狙うタイプもある。繋維掃海で使われるカッターをブイや機雷に取り付けるタイプである。繋維掃海具破壊と、面倒な交換・再投入を強要できる。珍しいものでは、機雷下部にスリ抜け機構をつけようとしたものもある。海自掃海関係者は「知恵の輪オブストラクター」と呼称していた。「実在するかどうかは知らない」とのことであるが、"America's Use of Sea Mine"に機構が出ている。
実際にオブストラクターは多用されている。ドイツは第二次世界大戦で25万個機雷を使用した。そしてオブストラクター5万個を投入している。ドイツだけではなく、日本も戦前に各種を製造している。今日も、オブストラクター対策を謳った繋維掃海具やカッターが存在する。既述した爆破カッターそのものが、ある程度までチェーン切断を狙ったものである。
このオブストラクター投入により、特に航空繋維掃海は阻害される。繋維掃海具が切断した場合、ヘリ側では対処はできない。掃海母艦に戻ってからの作業が必要になる。拘束された場合でも、ヘリや舟艇から水中処分員を回復に投入する必要がある。厄介さは掃海艇の比ではない。
アメリカによる航空掃海は、面倒な機雷やオブストラクターを意識していない。大面積を急速掃海することを目的にしている。米海軍による対機雷戦そのものが、上陸戦準備に特化している。現在開発している航空掃討や、LCS等による掃討も同様である。大面積を急速に清掃できるものの、対象は比較的単純な機雷原であり、仕上がりも粗くてよいとされている。複雑巧緻に構成された機雷原に立ち向かいものではない。繋維機雷に関しては、オブストラクターが多数混用された状態には向いていない。
実際のとこ、繋維掃海具で切れないヒモで、浮きとオモリを結ぶだけでもいい。丈夫なヒモで発泡スチロールとコンクリート塊に結んで、機雷原に混ぜて沈めれば航空掃海は相当にメンドくなる。ドイツの高性能爆破カッターが「チェーンは20mm、ワイヤは25mm、合繊ロープは40mmまで切れるよ」と謳っている。だから、25mmのチェーンとか、径30mmのワイヤとか、50mmの合繊ロープを結んでおけば、米軍は面白いことになるカモ。
新型爆破カッター対策? そのカッターを繋留索に取り付ければいいんじゃね? もともとアメリカは対機雷戦に真面目じゃないから、てんやわんやじゃないのかな。
アメリカは航空掃海を活用している。大型ヘリで掃海具を曳航する方法である。掃海具は、感応掃海具だけではなく、繋維掃海具も曳航される。繋維掃海具とは、水中でギロチンワイヤを引っ張る仕組みだと考えればよい。繋留索で繋がれた繋留機雷、海底からロープやワイヤで繋がれた種類の機雷を掃海する仕組みである。繋留部分を切断された機雷は浮き上がり、そこで銃撃処分される。
繋維掃海具はギロチンワイヤのようなものである。戦前には文字通りワイヤで引き切る方式もあった。特殊鋼で作ったワイヤ・ソーを曳航することもあった。今、主要されるのは、ワイヤ各所にカッターを取り付けたタイプ。カッターは釣り針のような、ひらがなの「し」の形をしており、その内側が歯になっている。物によっては、火薬で動作するノミが取り付けられている。機雷繋留索は拘束されてから切断される。
この繋維掃海具には、対抗方法がある。オブストラクターがそれだ。オブストラクターは繋維掃海を妨害する。簡単なものでは、極太ワイヤーやチェーンを使ったブイがある。太く強度が高いため、繋維掃海具では切断できない。繋維掃海を中断させ、水中作業を強要する効果が見込める。積極的なものでは、繋維掃海具切断を狙うタイプもある。繋維掃海で使われるカッターをブイや機雷に取り付けるタイプである。繋維掃海具破壊と、面倒な交換・再投入を強要できる。珍しいものでは、機雷下部にスリ抜け機構をつけようとしたものもある。海自掃海関係者は「知恵の輪オブストラクター」と呼称していた。「実在するかどうかは知らない」とのことであるが、"America's Use of Sea Mine"に機構が出ている。
実際にオブストラクターは多用されている。ドイツは第二次世界大戦で25万個機雷を使用した。そしてオブストラクター5万個を投入している。ドイツだけではなく、日本も戦前に各種を製造している。今日も、オブストラクター対策を謳った繋維掃海具やカッターが存在する。既述した爆破カッターそのものが、ある程度までチェーン切断を狙ったものである。
このオブストラクター投入により、特に航空繋維掃海は阻害される。繋維掃海具が切断した場合、ヘリ側では対処はできない。掃海母艦に戻ってからの作業が必要になる。拘束された場合でも、ヘリや舟艇から水中処分員を回復に投入する必要がある。厄介さは掃海艇の比ではない。
アメリカによる航空掃海は、面倒な機雷やオブストラクターを意識していない。大面積を急速掃海することを目的にしている。米海軍による対機雷戦そのものが、上陸戦準備に特化している。現在開発している航空掃討や、LCS等による掃討も同様である。大面積を急速に清掃できるものの、対象は比較的単純な機雷原であり、仕上がりも粗くてよいとされている。複雑巧緻に構成された機雷原に立ち向かいものではない。繋維機雷に関しては、オブストラクターが多数混用された状態には向いていない。
実際のとこ、繋維掃海具で切れないヒモで、浮きとオモリを結ぶだけでもいい。丈夫なヒモで発泡スチロールとコンクリート塊に結んで、機雷原に混ぜて沈めれば航空掃海は相当にメンドくなる。ドイツの高性能爆破カッターが「チェーンは20mm、ワイヤは25mm、合繊ロープは40mmまで切れるよ」と謳っている。だから、25mmのチェーンとか、径30mmのワイヤとか、50mmの合繊ロープを結んでおけば、米軍は面白いことになるカモ。
新型爆破カッター対策? そのカッターを繋留索に取り付ければいいんじゃね? もともとアメリカは対機雷戦に真面目じゃないから、てんやわんやじゃないのかな。
Category : 有職故実
東京の地下鉄は東西で違っている。市内東側、皇居を中心に12時から6時の部分では地下鉄は網目状に走っている。でも西側、6時から12時では、皇居を中心に放射状に走っている。
西側だと乗り換えがすごく不便。たまたま交差しない限りは乗換ができない。
営団が止まって振替となったとき、エライ遠回りをさせられた。その中途、ホーム地下鉄を待っているとき、貼ってある営団の地図を見て気づいたのが、「東京西部では、台地が多く、地下鉄は台地を避け谷地を通っている」という点。
南から時計回りに、高輪・広尾・原宿・新宿・戸山・目白台・豊島岡−小日向・白山・上野の台地があるが、地下鉄はその間にある「谷」を選んで走っている。台地を横断して走っている地下鉄は大江戸線くらい。
なんでそうなったかについては、地形(a)と土地利用・所有(b)を考えついたのだけれども、そもそもbもaの結果のような気がする。
a-1 台地では浅く掘れば線形(勾配)が悪くなる
a-2 深く掘ると掘削量やズリの処理で高価になる
b-1 地下鉄工事がしやすい街道は、線形の関係から谷地に沿っている
b-2 地下鉄工事がしやすい河川敷(お堀とか溜池とか神田川とか)も低地にある
対して、東京東部には台地も谷地もない。線形も気にしないでよい。さらに大震災と空襲で2回ほど丸焼けして、都市計画もしっかりしているので道路も碁盤状に整備されている。その下に地下鉄を通すことは容易である。だから地形の制約を受けず、利便性を追求した、乗換しやすい路線網になっているのだろう。
2010年07月02日 MIXI日記より
西側だと乗り換えがすごく不便。たまたま交差しない限りは乗換ができない。
営団が止まって振替となったとき、エライ遠回りをさせられた。その中途、ホーム地下鉄を待っているとき、貼ってある営団の地図を見て気づいたのが、「東京西部では、台地が多く、地下鉄は台地を避け谷地を通っている」という点。
南から時計回りに、高輪・広尾・原宿・新宿・戸山・目白台・豊島岡−小日向・白山・上野の台地があるが、地下鉄はその間にある「谷」を選んで走っている。台地を横断して走っている地下鉄は大江戸線くらい。
なんでそうなったかについては、地形(a)と土地利用・所有(b)を考えついたのだけれども、そもそもbもaの結果のような気がする。
a-1 台地では浅く掘れば線形(勾配)が悪くなる
a-2 深く掘ると掘削量やズリの処理で高価になる
b-1 地下鉄工事がしやすい街道は、線形の関係から谷地に沿っている
b-2 地下鉄工事がしやすい河川敷(お堀とか溜池とか神田川とか)も低地にある
対して、東京東部には台地も谷地もない。線形も気にしないでよい。さらに大震災と空襲で2回ほど丸焼けして、都市計画もしっかりしているので道路も碁盤状に整備されている。その下に地下鉄を通すことは容易である。だから地形の制約を受けず、利便性を追求した、乗換しやすい路線網になっているのだろう。
2010年07月02日 MIXI日記より
Category : ミリタリー
チベット国境はレーダ網も粗いだろうから、中国への航空侵入は難しくないんじゃないかな。
『鏡報』今月号に、梁天仞さんが「中国建成全天域空軍」を載せている。「人民解放軍がついにチベット上空を掌握した」とする内容である。しかし、実態としては、それほどは掌握していないのではないか。
随筆風であるので曖昧ではあるが、記事趣旨は「中国はチベット高原での制空権を掌握した」となるだろう。
梁さんによる記事は、概ね2つで構成されている。チベットでの空軍演習と、参加した殲10戦闘機である。前者は2012年2月に行われた演習についてである。『中国軍網』と『印度時報』に掲載された記事を元にしている。後者は殲10開発経緯※※とエンジンに関する内容である。
概要としては、中印国境に沿った航空基地と、高原での運用に適した新型機が配備された。空気希薄な高原地帯での航空機運用は容易ではないと述べ、チベット高原では中国空軍のみ制空権を掌握する。(解放軍已牢牢掌控了全天域制空権)と結論づける内容である。
しかし、中国は果たして制空権を掌握できるのだろうか。
もちろん、チベット高原での空中戦であれば、中国戦闘機は優位に立てる。仮想敵のインド機に対して、殲10は劣るものではないだろう。侵入側に較べて、邀撃側は優位に立つ。燃料には余裕がある。パイロットも疲労は少ない。飛行場周辺であれば、ある程度、レーダ等から支援を見込むこともできる。
だが、制空権が掌握できるかどうかになると、難しい。中国だけがチベット上空を独占利用できるわけではない。他国であっても、中国国境を超えること、チベット上空で飛行することは不可能ではない。
中国は、充分な対空監視網を持っていない。中国防空網は緻密とは考えられない。人口希薄であり、国境線も長大なインド・中央アジア・シベリア方面にレーダ網を建設することは難しい。現況を窺う資料はないが、レーダは重要地点に点在する程度だろう。
日本のように、隙間なくレーダ監視できる国は例外である。北米であっても、一部はレーダ覆域に収まっていない。旧ソ連、おそらく今のロシアも、極東・北極海方面はザルになっている。米ソとも、不足するレーダ覆域をカバーするために、代替としてOTHレーダを開発している。
米露同様に、中国でのレーダ網も濃密とは考えがたい。優先するとしても海側である。最大の仮想敵である米国、その海空軍力に直面する海岸部はそれなりにレーダ網を整備しなければならない。内陸側国境は後回しである。そもそもチベット、ウイグルには開発度が低く、エリアとして守るべき人口稠密地ではない。
チベット上空に侵入することは、極端に困難ではない。レーダ網は濃密ではない。もちろん、レーダや対空監視等で捕捉され、邀撃を受ければ大変なことになる。だが、人口希薄であり、面積に較べ、駐屯する軍隊も少ない。その可能性は高くはない。
冷戦期にU2は中央アジアからソ連に侵入している。この時にはパキスタンから新中国に入り、そこからカザフスタンに侵入している。※※※ チベットやウイグル防空網は、いまでも似たようなものだろう。
まあねえ、梁さんの言う「チベット上空を掌握」は、空白ではなくなったよ程度のニュアンスなんじゃないかな。事実上、航空戦力でカバーされていなかったチベットに、「実戦部隊が展開したよ」程度ではないけど。逆に言えば「これまでは飛んできたのを見つけても、対処できなかったんじゃないの?」ということも窺えるけどね。
※ 梁天仞「中国建成全天域空軍」『鏡報』418(鏡報文化企業有限公司,香港,2012.5)pp.82-85.
※※ 「殲10は、クフィール国産計画が起源」としており、興味深い。
※※※ (著者、記事名はメモを忘れた)Prologue(National Archive and Records Administration, Washington 2009 winter)p.21
『鏡報』今月号に、梁天仞さんが「中国建成全天域空軍」を載せている。「人民解放軍がついにチベット上空を掌握した」とする内容である。しかし、実態としては、それほどは掌握していないのではないか。
随筆風であるので曖昧ではあるが、記事趣旨は「中国はチベット高原での制空権を掌握した」となるだろう。
梁さんによる記事は、概ね2つで構成されている。チベットでの空軍演習と、参加した殲10戦闘機である。前者は2012年2月に行われた演習についてである。『中国軍網』と『印度時報』に掲載された記事を元にしている。後者は殲10開発経緯※※とエンジンに関する内容である。
概要としては、中印国境に沿った航空基地と、高原での運用に適した新型機が配備された。空気希薄な高原地帯での航空機運用は容易ではないと述べ、チベット高原では中国空軍のみ制空権を掌握する。(解放軍已牢牢掌控了全天域制空権)と結論づける内容である。
しかし、中国は果たして制空権を掌握できるのだろうか。
もちろん、チベット高原での空中戦であれば、中国戦闘機は優位に立てる。仮想敵のインド機に対して、殲10は劣るものではないだろう。侵入側に較べて、邀撃側は優位に立つ。燃料には余裕がある。パイロットも疲労は少ない。飛行場周辺であれば、ある程度、レーダ等から支援を見込むこともできる。
だが、制空権が掌握できるかどうかになると、難しい。中国だけがチベット上空を独占利用できるわけではない。他国であっても、中国国境を超えること、チベット上空で飛行することは不可能ではない。
中国は、充分な対空監視網を持っていない。中国防空網は緻密とは考えられない。人口希薄であり、国境線も長大なインド・中央アジア・シベリア方面にレーダ網を建設することは難しい。現況を窺う資料はないが、レーダは重要地点に点在する程度だろう。
日本のように、隙間なくレーダ監視できる国は例外である。北米であっても、一部はレーダ覆域に収まっていない。旧ソ連、おそらく今のロシアも、極東・北極海方面はザルになっている。米ソとも、不足するレーダ覆域をカバーするために、代替としてOTHレーダを開発している。
米露同様に、中国でのレーダ網も濃密とは考えがたい。優先するとしても海側である。最大の仮想敵である米国、その海空軍力に直面する海岸部はそれなりにレーダ網を整備しなければならない。内陸側国境は後回しである。そもそもチベット、ウイグルには開発度が低く、エリアとして守るべき人口稠密地ではない。
チベット上空に侵入することは、極端に困難ではない。レーダ網は濃密ではない。もちろん、レーダや対空監視等で捕捉され、邀撃を受ければ大変なことになる。だが、人口希薄であり、面積に較べ、駐屯する軍隊も少ない。その可能性は高くはない。
冷戦期にU2は中央アジアからソ連に侵入している。この時にはパキスタンから新中国に入り、そこからカザフスタンに侵入している。※※※ チベットやウイグル防空網は、いまでも似たようなものだろう。
まあねえ、梁さんの言う「チベット上空を掌握」は、空白ではなくなったよ程度のニュアンスなんじゃないかな。事実上、航空戦力でカバーされていなかったチベットに、「実戦部隊が展開したよ」程度ではないけど。逆に言えば「これまでは飛んできたのを見つけても、対処できなかったんじゃないの?」ということも窺えるけどね。
※ 梁天仞「中国建成全天域空軍」『鏡報』418(鏡報文化企業有限公司,香港,2012.5)pp.82-85.
※※ 「殲10は、クフィール国産計画が起源」としており、興味深い。
※※※ (著者、記事名はメモを忘れた)Prologue(National Archive and Records Administration, Washington 2009 winter)p.21
Category : 有職故実
繁華街で宮廷料理云々って看板見た時に思いついたことなんだが。本当の宮廷料理は旨いものかね。実際のとこは微妙な味じゃないかな。本当に旨い料理って、市中のブルジョアが食ってたあたりじゃないの。「宮廷料理」のお店、実際にはそういった市中料理を牽強付会で宮廷云々を称して出してるんじゃないかと。
少なくとも、日本の宮廷料理は食うものでもなかった様子。
宮中儀礼で出てくる御膳は食べるものではなかった。生の蕪だの、火を通していないスルメだのです。幕末の公家も「食べても構いませんが、食べた人は見たことありませんな」(下橋敬長『幕末の宮廷』)と言うくらい。餅だか饅頭だかの「おあさ」は、「これは眺めるだけで食べるものではありませぬ」。宮中御用達がつくる饅頭も「昔の砂糖が入っていない饅頭なんて食えたものではないですね」とか…まあ、下橋さんは「これもこれで昔を思い出していいものだ」とかも言ってますけど
畏き辺りも、実際に食べるものは、市中と大差のないです。食中毒でダメとか忌みも多いからアレですが、基本は市中と大差はない様子。料理上手のお炊さんが作ってくれた膳のものを、好きなお酒と一緒に深夜まで召し上がっていたとかいいます。これは宮廷料理とは呼ばないでしょう。
日常食は将軍も、似たような感じです。『江戸のファーストフード』(だったか?)でも、結構、禁忌食材があって、料理法もお上品なのであまりねえ。鶴の吸い物とか、豪華だけど、おいしいものではないと思うのですけどねえ(食べたことないけどさ)
満漢全席も宮中料理とは異なるとか。まあ、中国は贅を尽くしそうだけれども。でも、清朝にできた満漢全席も、実際には清滅亡以降に、清朝をイメージして作られたとも言われています。実際には、市中の美味いものを統合したんじゃないかなあ。
宮廷料理は上品や由緒が重視される。だからあまり美味しくないんじゃないかと。
仮に今日、宮廷料理屋さんが、真に宮廷が出したそれを出しても、垂涎の味が出てくるとも思えないね。
実際には、お国風の、市中のブルジョア食をだすのだろうけれども。それでも、看板に宮廷料理なんてかいてあると、上品な味(薄味とか量も少ない)で雰囲気で金を取られそうな気がする。
己は、小汚い店で安くて旨いものを食いたいから、まず行かないけどね。
2011年07月30日MIXI日記より
少なくとも、日本の宮廷料理は食うものでもなかった様子。
宮中儀礼で出てくる御膳は食べるものではなかった。生の蕪だの、火を通していないスルメだのです。幕末の公家も「食べても構いませんが、食べた人は見たことありませんな」(下橋敬長『幕末の宮廷』)と言うくらい。餅だか饅頭だかの「おあさ」は、「これは眺めるだけで食べるものではありませぬ」。宮中御用達がつくる饅頭も「昔の砂糖が入っていない饅頭なんて食えたものではないですね」とか…まあ、下橋さんは「これもこれで昔を思い出していいものだ」とかも言ってますけど
畏き辺りも、実際に食べるものは、市中と大差のないです。食中毒でダメとか忌みも多いからアレですが、基本は市中と大差はない様子。料理上手のお炊さんが作ってくれた膳のものを、好きなお酒と一緒に深夜まで召し上がっていたとかいいます。これは宮廷料理とは呼ばないでしょう。
日常食は将軍も、似たような感じです。『江戸のファーストフード』(だったか?)でも、結構、禁忌食材があって、料理法もお上品なのであまりねえ。鶴の吸い物とか、豪華だけど、おいしいものではないと思うのですけどねえ(食べたことないけどさ)
満漢全席も宮中料理とは異なるとか。まあ、中国は贅を尽くしそうだけれども。でも、清朝にできた満漢全席も、実際には清滅亡以降に、清朝をイメージして作られたとも言われています。実際には、市中の美味いものを統合したんじゃないかなあ。
宮廷料理は上品や由緒が重視される。だからあまり美味しくないんじゃないかと。
仮に今日、宮廷料理屋さんが、真に宮廷が出したそれを出しても、垂涎の味が出てくるとも思えないね。
実際には、お国風の、市中のブルジョア食をだすのだろうけれども。それでも、看板に宮廷料理なんてかいてあると、上品な味(薄味とか量も少ない)で雰囲気で金を取られそうな気がする。
己は、小汚い店で安くて旨いものを食いたいから、まず行かないけどね。
2011年07月30日MIXI日記より
Category : ミリタリー
海自哨戒機は平時からガンガン飛んで中露ほか周辺国艦船を監視している。従来は「そこに船が居るとしか分からない」と見られてきたけど。実際には、レーダ画像だけで軍艦か否か、何級であるか、識別されているのかもね。
防衛省が公表しているとおり、P-3CとSH-60KにはISARが搭載されている。ISARとは、逆合成開口レーダを略したものであり、長距離から船体形状を確認する能力を持っている。
艦船は航海中に動揺する。ピッチング(縦揺れ)、ローリング(横揺れ)、ヨーイング(方向揺れ)がある。その時、重心から離れた位置にある、マスト、艦橋、煙突、艦首艦尾は円運動をする。
動揺で生じる円運動は、航空機に搭載したレーダから見れば、距離方向への前後運動としての成分を持つ。
レーダに対して前後運動は、ドップラー・シフトを起こす。近づく救急車が出すサイレンが高く聞こえる。遠ざかるときには低く聞こえる。それと同じ理屈がレーダでも起きる。
ISARはドップラー・シフトを利用して船体形状を識別する。艦首、艦橋、マスト、煙突、艦尾が動揺で起こす前後運動で形状が判明する。
具体的に例を挙げると、理解しやすい。ISARを搭載した飛行機の真正面から衝突コースで進んでくる※艦船があるとして説明する。
ISARは、距離方向での分解能力も高い。雑誌記事に掲載された写真からすれば、分解能は距離10mとか5m※※といったものだろう。ISARで真正面から観察した場合、艦船は全長が判明する。艦首から跳ね返った反射波が最初に到達し、艦尾から跳ね返ってきた反射波が終わるまでの時間から計算できる。
この時に受波したレーダ反射波を、仮に10m刻みでスライスして周波数変化を分析する。重心から離れるほど、前後運動が大きくなり、ドップラー・シフトも大きくなる。つまり、周波数変化量が高さを示す。高さは相対的であるものの、
概略ではあるが、ISARで船体形状が判明する。レーダに真正面であれば艦首から艦橋・マスト、煙突、艦尾までの距離は正確にわかる。また、相対的ではあるものの、高さも判明する。もちろん誤差を減らすために、何回も繰り返す。成果として、ピンぼけ写真風ではあるにせよ、船体のシルエットを得ることができる。
ただし、レーダに対して船体が斜めであると、不正確になる。まず全長は縮んで見える。見かけ上で全長方向のスライスも甘くなる。ピッチングによる前後運動も見かけ上では、小さくなる。
しかし、プロポーションは変化しない。シルエット中で、艦首、艦橋、マスト、煙突、艦尾が示す比率は変わらない。艦船針路からある程度は船体はどの向きであるかも推測できるので、それなりに補正もできる。
ピッチングが起こす周波数変化も、ある程度はヨーイング、ローリングで代替できる。横から見た艦船イメージがわかるピッチング利用に対して、ヨーイングは上からみたイメージ、ローリングは正面から見たイメージなる。イメージとして使いにくいものの、ないよりはマシである。
実用的には、常に艦船がレーダに正体しているわけではない。ISAR画像で識別するためには、斜め位置から得られたピンぼけ写真を見て、船体プロポーションでの比率で判断することになる。
初期には、人間が識別していた。ン年前にP-3CでISAR画像を見たことがある。その時には、画像にディバイダー(両方が針のコンパス)を当てて、全長と、艦橋、マスト、煙突位置の比率を見て判断していた。もちろん、煙突が2本とかそういった特徴も加味するが、人間が判断していた。
しかし、現在では機械が行っている様子である。
まず、SH-60KにもISARが搭載されていることがその証拠である。これが船体イメージ取得用であり、機上で解析もできるISARだとすれば、自動で識別しているということになる。ヘリ機上で、ピンぼけ写真で比率だけ見て判断は無理であるからだ。
また、ISARでの軍艦画像識別に関し、自衛艦シルエットを用いた論文が存在する※※※ことも証拠である。河原ほか「一部欠損のあるISAR画像における白色化部分空間法を用いた船舶の自動識別」では、検証モデルとして、自衛艦である「ちよだ」「こんごう」「むらさめ」「むろと」「しらね」が利用されている。艦首、艦尾がちぎれた画像でも、それなりに似ている「こんごう」と「むらさめ」を識別できると主張している。
論文著者に東芝の肩書きもある。P-3C、SH-60Kのいずれか、あるいは両者には、東芝製識別機構が搭載されていると推測できる。
実際にどの程度まで識別できるかは不明である。器械による類識別機能が実用に達しているか、いないかを伺うことができる話は出ていない。
自動識別が実用水準にあれば、ISARだけで、リアルタイムでの類識別が可能ということになる。洋上で発見した目標が軍艦であるか否か、軍艦であるとしたら、何級であるかが判明する。ISAR搭載機は水上目標捜索で今まで以上に優位に立てる。
もちろん実運用によるデータ蓄積やフィードバックが重要であるが、日本にとっては難しい話ではない。日本はP-3C、EP-3、OP-3を約100機ほど保有している。P-3Cはそのうち60機分が飛び回っている。日中双方での新聞報道によれば、日中中間線から先にあるガス田監視は毎日行われている。冬季にはオホーツクでの流氷観測も毎日実施されている。実哨戒頻度、機数、方面、コースは公表されていないが、相当に高頻度で飛行している。
平時であれば、じきに精度はあがる。ISARでイメージ取得し、その後に目標を目視、光学で観察ができる。また、ESMとの連接もできるだろう。
ISAR装備は、海上戦力での日本側アドバンテージになるんじゃないのかな。
ま、そのうち、中露ほか大型水上艦は、港を出た段階で識別されるようになるのではないかな。艦隊を組んでも、大遠距離から、その構成が丸裸になる。有事には相当、不利になるのではないかな。
「中国やロシアも導入するから、チャラ」っていうのは違うと思う。中国やロシアがISAR技術だけをもってもどうしようもない。そもそも実用までの試行錯誤も難しい。海上哨戒機も数が少なく、専用機でもない。中国哨戒機は日本の太平洋側までまず飛んでこない。ロシア哨戒機も滅多にとんでこない。ISARによる識別以前に、単なる水上監視も難しいからねえ。
※ レーダに衝突コースである必要はなく、どの角度でもいい。飛行機側からみて、正面あるいは背後であれば理想的である。ピッチングの揺れがそのまま前後運動になる。
※※ Hewish,Mark,The eyes and ears of maritime patrol,Jane's Internatinal Defence Review,(Jane's,London,1996.10)p.p.28-35
※※※ 河原智一ほか「一部欠損のあるISAR画像における白色化部分空間法を用いた船舶の自動識別」『電子情報通信学会技術研究報告』(電子情報通信学会、2011.7)pp31-36 で認識させたモデル画像として「ちよだ、こんごう、むらさめ、むろと、しらね」が挙げられている。
防衛省が公表しているとおり、P-3CとSH-60KにはISARが搭載されている。ISARとは、逆合成開口レーダを略したものであり、長距離から船体形状を確認する能力を持っている。
艦船は航海中に動揺する。ピッチング(縦揺れ)、ローリング(横揺れ)、ヨーイング(方向揺れ)がある。その時、重心から離れた位置にある、マスト、艦橋、煙突、艦首艦尾は円運動をする。
動揺で生じる円運動は、航空機に搭載したレーダから見れば、距離方向への前後運動としての成分を持つ。
レーダに対して前後運動は、ドップラー・シフトを起こす。近づく救急車が出すサイレンが高く聞こえる。遠ざかるときには低く聞こえる。それと同じ理屈がレーダでも起きる。
ISARはドップラー・シフトを利用して船体形状を識別する。艦首、艦橋、マスト、煙突、艦尾が動揺で起こす前後運動で形状が判明する。
具体的に例を挙げると、理解しやすい。ISARを搭載した飛行機の真正面から衝突コースで進んでくる※艦船があるとして説明する。
ISARは、距離方向での分解能力も高い。雑誌記事に掲載された写真からすれば、分解能は距離10mとか5m※※といったものだろう。ISARで真正面から観察した場合、艦船は全長が判明する。艦首から跳ね返った反射波が最初に到達し、艦尾から跳ね返ってきた反射波が終わるまでの時間から計算できる。
この時に受波したレーダ反射波を、仮に10m刻みでスライスして周波数変化を分析する。重心から離れるほど、前後運動が大きくなり、ドップラー・シフトも大きくなる。つまり、周波数変化量が高さを示す。高さは相対的であるものの、
概略ではあるが、ISARで船体形状が判明する。レーダに真正面であれば艦首から艦橋・マスト、煙突、艦尾までの距離は正確にわかる。また、相対的ではあるものの、高さも判明する。もちろん誤差を減らすために、何回も繰り返す。成果として、ピンぼけ写真風ではあるにせよ、船体のシルエットを得ることができる。
ただし、レーダに対して船体が斜めであると、不正確になる。まず全長は縮んで見える。見かけ上で全長方向のスライスも甘くなる。ピッチングによる前後運動も見かけ上では、小さくなる。
しかし、プロポーションは変化しない。シルエット中で、艦首、艦橋、マスト、煙突、艦尾が示す比率は変わらない。艦船針路からある程度は船体はどの向きであるかも推測できるので、それなりに補正もできる。
ピッチングが起こす周波数変化も、ある程度はヨーイング、ローリングで代替できる。横から見た艦船イメージがわかるピッチング利用に対して、ヨーイングは上からみたイメージ、ローリングは正面から見たイメージなる。イメージとして使いにくいものの、ないよりはマシである。
実用的には、常に艦船がレーダに正体しているわけではない。ISAR画像で識別するためには、斜め位置から得られたピンぼけ写真を見て、船体プロポーションでの比率で判断することになる。
初期には、人間が識別していた。ン年前にP-3CでISAR画像を見たことがある。その時には、画像にディバイダー(両方が針のコンパス)を当てて、全長と、艦橋、マスト、煙突位置の比率を見て判断していた。もちろん、煙突が2本とかそういった特徴も加味するが、人間が判断していた。
しかし、現在では機械が行っている様子である。
まず、SH-60KにもISARが搭載されていることがその証拠である。これが船体イメージ取得用であり、機上で解析もできるISARだとすれば、自動で識別しているということになる。ヘリ機上で、ピンぼけ写真で比率だけ見て判断は無理であるからだ。
また、ISARでの軍艦画像識別に関し、自衛艦シルエットを用いた論文が存在する※※※ことも証拠である。河原ほか「一部欠損のあるISAR画像における白色化部分空間法を用いた船舶の自動識別」では、検証モデルとして、自衛艦である「ちよだ」「こんごう」「むらさめ」「むろと」「しらね」が利用されている。艦首、艦尾がちぎれた画像でも、それなりに似ている「こんごう」と「むらさめ」を識別できると主張している。
論文著者に東芝の肩書きもある。P-3C、SH-60Kのいずれか、あるいは両者には、東芝製識別機構が搭載されていると推測できる。
実際にどの程度まで識別できるかは不明である。器械による類識別機能が実用に達しているか、いないかを伺うことができる話は出ていない。
自動識別が実用水準にあれば、ISARだけで、リアルタイムでの類識別が可能ということになる。洋上で発見した目標が軍艦であるか否か、軍艦であるとしたら、何級であるかが判明する。ISAR搭載機は水上目標捜索で今まで以上に優位に立てる。
もちろん実運用によるデータ蓄積やフィードバックが重要であるが、日本にとっては難しい話ではない。日本はP-3C、EP-3、OP-3を約100機ほど保有している。P-3Cはそのうち60機分が飛び回っている。日中双方での新聞報道によれば、日中中間線から先にあるガス田監視は毎日行われている。冬季にはオホーツクでの流氷観測も毎日実施されている。実哨戒頻度、機数、方面、コースは公表されていないが、相当に高頻度で飛行している。
平時であれば、じきに精度はあがる。ISARでイメージ取得し、その後に目標を目視、光学で観察ができる。また、ESMとの連接もできるだろう。
ISAR装備は、海上戦力での日本側アドバンテージになるんじゃないのかな。
ま、そのうち、中露ほか大型水上艦は、港を出た段階で識別されるようになるのではないかな。艦隊を組んでも、大遠距離から、その構成が丸裸になる。有事には相当、不利になるのではないかな。
「中国やロシアも導入するから、チャラ」っていうのは違うと思う。中国やロシアがISAR技術だけをもってもどうしようもない。そもそも実用までの試行錯誤も難しい。海上哨戒機も数が少なく、専用機でもない。中国哨戒機は日本の太平洋側までまず飛んでこない。ロシア哨戒機も滅多にとんでこない。ISARによる識別以前に、単なる水上監視も難しいからねえ。
※ レーダに衝突コースである必要はなく、どの角度でもいい。飛行機側からみて、正面あるいは背後であれば理想的である。ピッチングの揺れがそのまま前後運動になる。
※※ Hewish,Mark,The eyes and ears of maritime patrol,Jane's Internatinal Defence Review,(Jane's,London,1996.10)p.p.28-35
※※※ 河原智一ほか「一部欠損のあるISAR画像における白色化部分空間法を用いた船舶の自動識別」『電子情報通信学会技術研究報告』(電子情報通信学会、2011.7)pp31-36 で認識させたモデル画像として「ちよだ、こんごう、むらさめ、むろと、しらね」が挙げられている。
Category : ミリタリー
コミケ作業でソ連/ロシアの極東航路を調べようとしたのだけれども。※(※2007年夏コミ合わせね)
グーグルで検索しても「最狭幅5マイル、航路幅500m?、水深4−20m?」としか分からない。
海図3512『オホーツク海』でも、間宮海峡の水深は全然書いていない。海図は軍事上にある秘密で、水深がブランクだったり、わざと肝心なところをボカす場合がある。ソ連潜水艦(ウイスキー級)がスウェーデン領海内でが座礁した「ウイスキー・オン・ザ・ロック」事件も、海図上で水深を秘密にしたせい。
単に「水深測量していません」とか「アムール河口なんで、堆積が変化が著しくて、水深も航路幅も変動します。浚渫する意思もないので、航路幅は保証しません。」 かもしれませんけどね。
しかたがないので、旧日本海軍が昭和16年に作った軍機海図を見てきたのです。実際には最狭部は埋まる寸前で、その中に1本だけ極浅い航路がある。ふつうの船舶は通れません。商船や潜水艦が通れるようにするにしても、浚渫土量は膨大にすぎる。さらに堆積防止のため、アムール河の付け替えもしなきゃいけません。
ソ連やロシアでは春節は無理。近所で施工可能なのは、日本のマリコンだけでしょう。
間宮海峡は、海としてつながっているだけで、南北を連絡する航路としては使えないでしょう。
2007年6月30日 MIXI日記より転載
※ 2007年夏コミ合わせね
グーグルで検索しても「最狭幅5マイル、航路幅500m?、水深4−20m?」としか分からない。
海図3512『オホーツク海』でも、間宮海峡の水深は全然書いていない。海図は軍事上にある秘密で、水深がブランクだったり、わざと肝心なところをボカす場合がある。ソ連潜水艦(ウイスキー級)がスウェーデン領海内でが座礁した「ウイスキー・オン・ザ・ロック」事件も、海図上で水深を秘密にしたせい。
単に「水深測量していません」とか「アムール河口なんで、堆積が変化が著しくて、水深も航路幅も変動します。浚渫する意思もないので、航路幅は保証しません。」 かもしれませんけどね。
しかたがないので、旧日本海軍が昭和16年に作った軍機海図を見てきたのです。実際には最狭部は埋まる寸前で、その中に1本だけ極浅い航路がある。ふつうの船舶は通れません。商船や潜水艦が通れるようにするにしても、浚渫土量は膨大にすぎる。さらに堆積防止のため、アムール河の付け替えもしなきゃいけません。
ソ連やロシアでは春節は無理。近所で施工可能なのは、日本のマリコンだけでしょう。
間宮海峡は、海としてつながっているだけで、南北を連絡する航路としては使えないでしょう。
2007年6月30日 MIXI日記より転載
※ 2007年夏コミ合わせね
Category : ミリタリー
回覧板なんかをまわず板バサミ。紙板にクリップを取り付けたクリップボード。アレ、裏に返却元が書いてあるのだけれども、律儀に返却されることはほとんどない。
同一部隊内は、混交があたりまえ。基地内でも混ざる。命令系統全く別の部隊の板バサミが混じっている。横須賀総監部なら、当直でオペ室に詰めると試験艦の板ハサミがあったりする。近隣地区で命令系統も異なる「誘訓隊」(船越地区にある)とか書いてある板バサミがあったり。あるいは、命令系統は同じだけど、はるか館山にある「しらせ飛行科」とかあって、誰も気にしないで使っている。
これが航空部隊になると、全国的に混交する。P-3CやUS-1は旅客機みたいなものだから。航空機用のバインダーだけではなく、板バサミも日常的に乗っかってくる。航空部隊や航空基地内にある機関なんかだと、鹿屋(だったと思う)のASWOCとか、2整補の武器(光学ショップだったか?)とか、裏に書いてある板バサミが流通している。
83空と書いてあるものがあって「岩国かねえ」と話をしていると「8番台は81空で終わり、空自だろうな」という。調べてみると那覇の空自83空。海空で一緒の那覇で混ざって、それがここまで来たのだろうと。
板ハサミの裏書きにはあまり意味はないね。なんせ「行ったまま帰ってこない」「足りなくなった」といって総務に行くと「適当に持っていけ」と顎で示される。それで済んでしまう。「持ってたら返せ」と電話やメールが来るのって、3年に1回もない。天下の廻りものなんだろう。
小出庫(基地内にある、消耗品が補充できるコンビニみたいなもの)から持ってきたばかりの板バサミに部署名を書いたり、ボールペン透明な軸に返却元の紙を入れたりするのは、無駄なあがきだなと思う。
同一部隊内は、混交があたりまえ。基地内でも混ざる。命令系統全く別の部隊の板バサミが混じっている。横須賀総監部なら、当直でオペ室に詰めると試験艦の板ハサミがあったりする。近隣地区で命令系統も異なる「誘訓隊」(船越地区にある)とか書いてある板バサミがあったり。あるいは、命令系統は同じだけど、はるか館山にある「しらせ飛行科」とかあって、誰も気にしないで使っている。
これが航空部隊になると、全国的に混交する。P-3CやUS-1は旅客機みたいなものだから。航空機用のバインダーだけではなく、板バサミも日常的に乗っかってくる。航空部隊や航空基地内にある機関なんかだと、鹿屋(だったと思う)のASWOCとか、2整補の武器(光学ショップだったか?)とか、裏に書いてある板バサミが流通している。
83空と書いてあるものがあって「岩国かねえ」と話をしていると「8番台は81空で終わり、空自だろうな」という。調べてみると那覇の空自83空。海空で一緒の那覇で混ざって、それがここまで来たのだろうと。
板ハサミの裏書きにはあまり意味はないね。なんせ「行ったまま帰ってこない」「足りなくなった」といって総務に行くと「適当に持っていけ」と顎で示される。それで済んでしまう。「持ってたら返せ」と電話やメールが来るのって、3年に1回もない。天下の廻りものなんだろう。
小出庫(基地内にある、消耗品が補充できるコンビニみたいなもの)から持ってきたばかりの板バサミに部署名を書いたり、ボールペン透明な軸に返却元の紙を入れたりするのは、無駄なあがきだなと思う。
Category : 未分類
米軍基地開放行事の体験談を拝見すると、食い物が大雑把だなとする観想がある。確かに大味だよねと。
米海軍士官室も将校クラブも微妙な味なんだよねえ。もちろん、終戦後の日本人なら垂涎モノなんでしょうけど。舌が肥えて、外食も高水準にある今の日本人からすれば大味。もちろん、不味いわけではないのだけれども。
肉料理は決して不味くはない。盛り合わせが雑なのも、気にしなければいいのだけれども。付け合せとかサラダとかが、味のついていない玉ねぎだけとか、じゃがいもだけとか、そこらへんは大味だなと。一番アレなのは、デザートのケーキが、砂糖と小麦粉と着色料の混合物に、糖蜜掛けた感じで、どーも食べる気がしない。
米海軍の食事よりも、日本艦の食堂(士官室も、CPO部屋も、科員食堂も料理そのものは同じ)とか、大湊や八戸基地での給養(なんせ「蟹まるごと1杯」とか出る)の方が質は間違いなく高い。米将校クラブよりも、基地の外に食いにいった方が質が高いと思う。
海兵隊の食事にも招かれたこともあった。質素な感じで、味も「まあねえ」だった。王城寺での15榴実弾射撃でLOとして現地詰めしてた時、特に昼食に招かれた(こっちも作業服じゃなくて常装で行った)ので、それなりに頑張ったと思うんだけどね。お世話になった陸自業務隊の食事の方が質が高い※と思った。
しかし、英蘭留学組に言わせると、両国海軍はもっと酷いらしい。もともと普段の食事もアレな上に、レセプションでさえも、具の少ないサンドイッチしか出てこない※※とか。日本式の、寿司、蕎麦、天ぷらの屋台(経補要員がやる)とか、餅つきと搗きたて辛み餅とかああいったハレな雰囲気はない。そりゃ、日本レセプションは好評になるでしょう。
英国海軍が酷いだろうなと想像できる節はある。国際観艦式で乗員遠足と指揮官遠足の企画・実施を担当したことがあった。そんときに拝見したニュージーランド海軍の昼食がエライ質素で驚いた。サンドイッチを2個で、バケットみたいなパンに薄いハム1枚挟んだだけ、味は…だろうねえ。後は皮を剥いていないリンゴを一つ齧るだけ。飲み物は非保温水筒。
近場に座ったマレーシア海軍と交歓してたけど、オカズもらっていて喜んでいたもの。英国海軍もあんなものだろうなあと。
そう、同じ英連邦海軍でも、マレーシアはお弁当に彩りがあったのよね。件の屋台料理詰め合わせだけど、確かに美味しそうだった。正午には礼拝前に足をすすいで※※、それから適当な単位でキャフフしながらのお弁当だった。
アジアの軍隊は結構いいもの食ってんじゃないかな。タイ海軍もモコモコみたな目玉焼きがついたお弁当持っていた。シンガポール※※※も、キチンとお弁当だったと思う。
※ マズイマズイといわける陸自だけれども、学校なんかだと、海自よりも味も工夫もしている。麺類の日はラーメン、うどん、蕎麦から選べるとかね。
※※「イラン海軍はもっと酷い、酒は出てこないで、オレンジジュースと甘いお菓子」というのはイスラム国に酷な評価。まず彼が酒飲みだからだけども。
※※※ シンガポールの艦艇には、中国人民解放陸軍-海軍部の留学生さんが乗艦していて、遠足にも参加していたよ。シンガポールの立ち位置も微妙だからね。
米海軍士官室も将校クラブも微妙な味なんだよねえ。もちろん、終戦後の日本人なら垂涎モノなんでしょうけど。舌が肥えて、外食も高水準にある今の日本人からすれば大味。もちろん、不味いわけではないのだけれども。
肉料理は決して不味くはない。盛り合わせが雑なのも、気にしなければいいのだけれども。付け合せとかサラダとかが、味のついていない玉ねぎだけとか、じゃがいもだけとか、そこらへんは大味だなと。一番アレなのは、デザートのケーキが、砂糖と小麦粉と着色料の混合物に、糖蜜掛けた感じで、どーも食べる気がしない。
米海軍の食事よりも、日本艦の食堂(士官室も、CPO部屋も、科員食堂も料理そのものは同じ)とか、大湊や八戸基地での給養(なんせ「蟹まるごと1杯」とか出る)の方が質は間違いなく高い。米将校クラブよりも、基地の外に食いにいった方が質が高いと思う。
海兵隊の食事にも招かれたこともあった。質素な感じで、味も「まあねえ」だった。王城寺での15榴実弾射撃でLOとして現地詰めしてた時、特に昼食に招かれた(こっちも作業服じゃなくて常装で行った)ので、それなりに頑張ったと思うんだけどね。お世話になった陸自業務隊の食事の方が質が高い※と思った。
しかし、英蘭留学組に言わせると、両国海軍はもっと酷いらしい。もともと普段の食事もアレな上に、レセプションでさえも、具の少ないサンドイッチしか出てこない※※とか。日本式の、寿司、蕎麦、天ぷらの屋台(経補要員がやる)とか、餅つきと搗きたて辛み餅とかああいったハレな雰囲気はない。そりゃ、日本レセプションは好評になるでしょう。
英国海軍が酷いだろうなと想像できる節はある。国際観艦式で乗員遠足と指揮官遠足の企画・実施を担当したことがあった。そんときに拝見したニュージーランド海軍の昼食がエライ質素で驚いた。サンドイッチを2個で、バケットみたいなパンに薄いハム1枚挟んだだけ、味は…だろうねえ。後は皮を剥いていないリンゴを一つ齧るだけ。飲み物は非保温水筒。
近場に座ったマレーシア海軍と交歓してたけど、オカズもらっていて喜んでいたもの。英国海軍もあんなものだろうなあと。
そう、同じ英連邦海軍でも、マレーシアはお弁当に彩りがあったのよね。件の屋台料理詰め合わせだけど、確かに美味しそうだった。正午には礼拝前に足をすすいで※※、それから適当な単位でキャフフしながらのお弁当だった。
アジアの軍隊は結構いいもの食ってんじゃないかな。タイ海軍もモコモコみたな目玉焼きがついたお弁当持っていた。シンガポール※※※も、キチンとお弁当だったと思う。
※ マズイマズイといわける陸自だけれども、学校なんかだと、海自よりも味も工夫もしている。麺類の日はラーメン、うどん、蕎麦から選べるとかね。
※※「イラン海軍はもっと酷い、酒は出てこないで、オレンジジュースと甘いお菓子」というのはイスラム国に酷な評価。まず彼が酒飲みだからだけども。
※※※ シンガポールの艦艇には、中国人民解放陸軍-海軍部の留学生さんが乗艦していて、遠足にも参加していたよ。シンガポールの立ち位置も微妙だからね。
Category : 有職故実
昭和44年の朝日新聞縮刷版をパラパラめくると、東京12チャンネルのプロレスに「原爆男スナイダー」と「重戦車カールソン」なんてあるのに時代を感じるものです。
ドラマ『遊撃戦』紹介を探してテレビ欄を覗いていたのです。件のプロレスもそうですが、『鉄道公安36号』とか、三国一朗の『私の昭和史』(高木惣吉さんのインタビューとかあるのです)とか出てくると、まぁそっちのけになる。記憶にあたらしいところでは、『ゲバゲバ90分』、『8時だよ全員集合』もすでに始まっている。
編成上面白いのは『魔法使いサリー』の再放送のあと、15分のニュースを挟んで新番組『秘密のアッコちゃん』につないでいる点ですか。それぞれ原作が横山光輝と赤塚不二夫で、後には魔法少女とは縁もゆかりもない作風に思えるのですけどね。
気になるのは『東京バイパス指令』。タイトルが秀逸ですよ。名前からしてシリアスものっぽく、またWIKIPEDIAでみると「アクションドラマ」「太陽にほえろの前身」とある。ただ、「バイパス」の意味がよくわからない。潜入捜査だからなんですかね。
もちろん、普通の記事でも気になることもあるんですけどね。「沖縄で風疹大流行、琉球政府を援助」とか「コメコン首脳会議が行われる」とか。
なかでも面白いのが「ニクソン大統領英国訪問、ユニオンジャックの天地を間違える」ですかねえ。何が面白いといって、記事によれば「ユニオンジャックの天地をひっくり返すのは、海軍艦艇が救助を求めるとき」だそうです。でも、あの国旗は遠目に見て天地は分らないでしょう。
そもそも艦尾に常時掲揚する軍艦旗はホワイト・エンサインです。ユニオンジャックではありません。停泊中に艦首に上げたり、外国に入る時、当該国旗と一緒にヤードに揚げたりはするんでしょうけど、そこで救助を求めてもねえ。
ドラマ『遊撃戦』紹介を探してテレビ欄を覗いていたのです。件のプロレスもそうですが、『鉄道公安36号』とか、三国一朗の『私の昭和史』(高木惣吉さんのインタビューとかあるのです)とか出てくると、まぁそっちのけになる。記憶にあたらしいところでは、『ゲバゲバ90分』、『8時だよ全員集合』もすでに始まっている。
編成上面白いのは『魔法使いサリー』の再放送のあと、15分のニュースを挟んで新番組『秘密のアッコちゃん』につないでいる点ですか。それぞれ原作が横山光輝と赤塚不二夫で、後には魔法少女とは縁もゆかりもない作風に思えるのですけどね。
気になるのは『東京バイパス指令』。タイトルが秀逸ですよ。名前からしてシリアスものっぽく、またWIKIPEDIAでみると「アクションドラマ」「太陽にほえろの前身」とある。ただ、「バイパス」の意味がよくわからない。潜入捜査だからなんですかね。
もちろん、普通の記事でも気になることもあるんですけどね。「沖縄で風疹大流行、琉球政府を援助」とか「コメコン首脳会議が行われる」とか。
なかでも面白いのが「ニクソン大統領英国訪問、ユニオンジャックの天地を間違える」ですかねえ。何が面白いといって、記事によれば「ユニオンジャックの天地をひっくり返すのは、海軍艦艇が救助を求めるとき」だそうです。でも、あの国旗は遠目に見て天地は分らないでしょう。
そもそも艦尾に常時掲揚する軍艦旗はホワイト・エンサインです。ユニオンジャックではありません。停泊中に艦首に上げたり、外国に入る時、当該国旗と一緒にヤードに揚げたりはするんでしょうけど、そこで救助を求めてもねえ。
Category : ミリタリー
ルノーFTは歩兵にとって脅威じゃないが、ヴィーゼルやBMDになれば脅威だと言いはるんだろうね。
「ルノーFTは歩兵にとって脅威ではない」という人がいる。「キャタピラと大砲があれば戦車だろうと思うけどね」に対する感情的反発なのだろうけど。「ルノーFTなら,相手が重機関銃を持っていたら,制圧されますね.装甲を貫通されるので.」という御趣旨。
でもねえ、あまりにモノを考えていないよね。これ「重機関銃で対抗できるから、歩兵の脅威ではない」という意見になるわけだから。正確に言えば、歩兵に限らない、生身の兵隊やソフトスキン車両って意味になんだろうけど。重機関銃で制圧できるから脅威ではないとするのもね。
反論以前にさ、言い返されたらどうするかね?。例えば「『重機関銃で制圧できるので、機関銃は兵隊の脅威ではない』と主張するのね」とか。もともとが「重機関銃があれば、機関銃は脅威ではない。射撃を受けても、兵隊は口笛を吹きながら行進できる」って主張なのだから一溜まりもないでしょ。
味方に重機関銃があっても、敵機関銃が生身の兵隊に脅威なのは変わらない。射程で、威力で超越する味方重機関銃が断続的に射撃をしてくれてもさ、敵機関銃に狙われればまず逃げられない。当たれば兵隊は死ぬ。重機関銃の支援があっても、機関銃は脅威に変わりはないわけです。
ルノーFTは、機関銃よりも強い。小銃弾は貫通しない、迫撃砲弾くらいなら至近距離で破裂しても抗堪できる。一応は戦車砲があるので、装甲車程度ならば撃破できる。機銃があれば、兵隊は容易に殺せる。ルノーFTであっても、兵隊や海岸作業部隊は殺され、上陸作業は混乱する。重機関銃で貫通するかもしれないが、上陸部隊にとっては脅威だね。
また、彼らは重機関銃で云々と主張するが、重機関銃はお手軽な兵器ではない。分隊に1丁とか配備されているわけではない。
ある軍事史研究家(後難を避けるため名を秘す)は、この発言を次のように評した。
キャリバー50はとにかく重い。後方で、天秤担ぎでも一人はまず無理。本体も重いが、三脚も同じくらい重い。その上、弾丸も重い。50口径弾を運ぼうとして、箱取り落として指を潰した海曹もいた。それを身軽が信条の上陸戦で兵隊に携行させるのは無理がある。もちろん欲しいだろうが、重くて使い難い。
重機関銃をソフトスキンに載せても、脆弱であることには変わりない。キャリバー50や搭載したソフトスキンは、ルノーFTに較べれば相当に脆弱です。機関銃や迫撃砲で撃破できる。ソフトスキンにしても、兵隊が携行するにしても、露天ですので、迫なり砲なりで叩いているうちは余裕もありません。
なんにしても、彼らは見た目のイメージだけで判断しているわけです。旧式戦車はカッコ悪いので役に立たない。そう判断をしています。
逆に見た目でしか判断できないので、新型車両であれば脅威と認定するでしょう。ルノーFT同等の水準でも、新型車両あるいはエリート部隊が装備する車両は、掌を返して高く評価します。例えば、ヴィーゼルやBMDといった空挺車両なら脅威だと言いはるでしょう。部位や角度に依りますが、どちらも12.7mm弾、あるいは14.5mm弾に抗堪できない。でも、新型+エリート部隊っぽいから脅威だと言い張りますよ。
特にBMDは脅威認定しますね。エリート部隊がもつ新型装備ですから。実際に着上陸の話では「上陸部隊が少なかったとしても、ロシアには空挺軍がある」と豪語してました。
また、重機関銃に抗堪できないBTRでも、脅威認定するでしょう。BTR−60※ は、7.62mmNATO弾も貫通する部位があったといいます。BTR−70もBTR−80も、装甲は極端に向上していません。重機関銃に抗堪できませんが、大好きなロシア軍が使っているので「脅威ではない」と言わないでしょうね
逆に旧式なら重機関銃に抗堪できても「脅威ではない」と強弁します。ある旧軍研究家(後難を避けるため名を秘す)も
「ルノーFTは兵隊にとって脅威ではない」とする人は、具体的なイメージに引きずられて捨象できないんでしょう。ルノーFTのイメージに囚われて、古いとしか評価できない。生身の兵隊には装甲と機関銃だけで脅威なのにね。小銃弾に抗堪し、機関銃を装備する新しい装備と比較もできない。
ルノーFTは対上陸戦に全く役に立たないと主張する人もいる。「ルノーFTの能力をどう吟味してもその構成要素は[対]着上陸には全く役に立たない」としか言いようがない。」 ([ ]内は筆者捕捉)ってあるんだけど、これも不思議な発想。この人もイメージに引きづられているんだろうね。軽装甲で小口径砲では戦車に対抗することは難しいかもしれない、しかし、歩兵やソフトスキンには脅威になるのにね。
「対上陸戦で、ルノーFTが役に立たない」のであれば、自衛隊装備だと「対上陸戦で87式警戒車が役に立たない」と言っているのと同じになる。ヴィーゼル、BMDと同等品だと、87式だろうけどね。今度はイメージ的に新型っぽいから、それはそれで許せなくなって、怒ると思うよ。
ま、もっと不思議なのは「ルノーFTでも出てくりゃ脅威だろ」って話を「ルノーFTを生産しろ」って認識する意見だね。こことここだけどさ。己は「ルノーFTを整備しろ」なんて一言も言っていないのだけれども。まず例示したイメージから逃れられなのだろうね。
※ タイヤハウス内部に7.62mmNATO弾が貫通する部位があり、ちょうど運転手の頭の位置だと言われていた。
「ルノーFTは歩兵にとって脅威ではない」という人がいる。「キャタピラと大砲があれば戦車だろうと思うけどね」に対する感情的反発なのだろうけど。「ルノーFTなら,相手が重機関銃を持っていたら,制圧されますね.装甲を貫通されるので.」という御趣旨。
でもねえ、あまりにモノを考えていないよね。これ「重機関銃で対抗できるから、歩兵の脅威ではない」という意見になるわけだから。正確に言えば、歩兵に限らない、生身の兵隊やソフトスキン車両って意味になんだろうけど。重機関銃で制圧できるから脅威ではないとするのもね。
反論以前にさ、言い返されたらどうするかね?。例えば「『重機関銃で制圧できるので、機関銃は兵隊の脅威ではない』と主張するのね」とか。もともとが「重機関銃があれば、機関銃は脅威ではない。射撃を受けても、兵隊は口笛を吹きながら行進できる」って主張なのだから一溜まりもないでしょ。
味方に重機関銃があっても、敵機関銃が生身の兵隊に脅威なのは変わらない。射程で、威力で超越する味方重機関銃が断続的に射撃をしてくれてもさ、敵機関銃に狙われればまず逃げられない。当たれば兵隊は死ぬ。重機関銃の支援があっても、機関銃は脅威に変わりはないわけです。
ルノーFTは、機関銃よりも強い。小銃弾は貫通しない、迫撃砲弾くらいなら至近距離で破裂しても抗堪できる。一応は戦車砲があるので、装甲車程度ならば撃破できる。機銃があれば、兵隊は容易に殺せる。ルノーFTであっても、兵隊や海岸作業部隊は殺され、上陸作業は混乱する。重機関銃で貫通するかもしれないが、上陸部隊にとっては脅威だね。
また、彼らは重機関銃で云々と主張するが、重機関銃はお手軽な兵器ではない。分隊に1丁とか配備されているわけではない。
ある軍事史研究家(後難を避けるため名を秘す)は、この発言を次のように評した。
相手に重機があればって簡単に言ってくれますな。車載重機のイメージなのかどの戦場にもフランクに投入されるかのごとく語っていますが、重機が歩兵の個人携行火器になった事がない以上、そうそう着上陸部隊側が持ち込める装備じゃないのにね。無駄に重いし。なんかファンタジーですね。
キャリバー50はとにかく重い。後方で、天秤担ぎでも一人はまず無理。本体も重いが、三脚も同じくらい重い。その上、弾丸も重い。50口径弾を運ぼうとして、箱取り落として指を潰した海曹もいた。それを身軽が信条の上陸戦で兵隊に携行させるのは無理がある。もちろん欲しいだろうが、重くて使い難い。
重機関銃をソフトスキンに載せても、脆弱であることには変わりない。キャリバー50や搭載したソフトスキンは、ルノーFTに較べれば相当に脆弱です。機関銃や迫撃砲で撃破できる。ソフトスキンにしても、兵隊が携行するにしても、露天ですので、迫なり砲なりで叩いているうちは余裕もありません。
なんにしても、彼らは見た目のイメージだけで判断しているわけです。旧式戦車はカッコ悪いので役に立たない。そう判断をしています。
逆に見た目でしか判断できないので、新型車両であれば脅威と認定するでしょう。ルノーFT同等の水準でも、新型車両あるいはエリート部隊が装備する車両は、掌を返して高く評価します。例えば、ヴィーゼルやBMDといった空挺車両なら脅威だと言いはるでしょう。部位や角度に依りますが、どちらも12.7mm弾、あるいは14.5mm弾に抗堪できない。でも、新型+エリート部隊っぽいから脅威だと言い張りますよ。
特にBMDは脅威認定しますね。エリート部隊がもつ新型装備ですから。実際に着上陸の話では「上陸部隊が少なかったとしても、ロシアには空挺軍がある」と豪語してました。
また、重機関銃に抗堪できないBTRでも、脅威認定するでしょう。BTR−60※ は、7.62mmNATO弾も貫通する部位があったといいます。BTR−70もBTR−80も、装甲は極端に向上していません。重機関銃に抗堪できませんが、大好きなロシア軍が使っているので「脅威ではない」と言わないでしょうね
逆に旧式なら重機関銃に抗堪できても「脅威ではない」と強弁します。ある旧軍研究家(後難を避けるため名を秘す)も
逆にキャリバー50に堪えられる戦車を探すと、97式チハ車あたりならおおむね堪えるとができる。でも『ルノーのかわりにチハならイインダネ』って言っても、彼らは納得してくれないでしょうねぇ」と評しています。旧式っぽくて、外見でカッコ悪い戦車、97式やオーストラリアの間に合わせ戦車センチネルなんかだと「脅威ではない」と言い出すでしょう。
「ルノーFTは兵隊にとって脅威ではない」とする人は、具体的なイメージに引きずられて捨象できないんでしょう。ルノーFTのイメージに囚われて、古いとしか評価できない。生身の兵隊には装甲と機関銃だけで脅威なのにね。小銃弾に抗堪し、機関銃を装備する新しい装備と比較もできない。
ルノーFTは対上陸戦に全く役に立たないと主張する人もいる。「ルノーFTの能力をどう吟味してもその構成要素は[対]着上陸には全く役に立たない」としか言いようがない。」 ([ ]内は筆者捕捉)ってあるんだけど、これも不思議な発想。この人もイメージに引きづられているんだろうね。軽装甲で小口径砲では戦車に対抗することは難しいかもしれない、しかし、歩兵やソフトスキンには脅威になるのにね。
「対上陸戦で、ルノーFTが役に立たない」のであれば、自衛隊装備だと「対上陸戦で87式警戒車が役に立たない」と言っているのと同じになる。ヴィーゼル、BMDと同等品だと、87式だろうけどね。今度はイメージ的に新型っぽいから、それはそれで許せなくなって、怒ると思うよ。
ま、もっと不思議なのは「ルノーFTでも出てくりゃ脅威だろ」って話を「ルノーFTを生産しろ」って認識する意見だね。こことここだけどさ。己は「ルノーFTを整備しろ」なんて一言も言っていないのだけれども。まず例示したイメージから逃れられなのだろうね。
※ タイヤハウス内部に7.62mmNATO弾が貫通する部位があり、ちょうど運転手の頭の位置だと言われていた。
Category : ミリタリー
連休はどこも混んでいるもので、買うだけ買って積んでおいた本を読んでいます。
Rossiterさんの"Sink the Belgranoga"※ がなかなか面白い。潜水艦による水上目標襲撃について具体的な行動、速力や深度、探知距離が明記されている。肝心なところはボカしているのかもしれないけれども、ルポルタージュだからそれなりに信用していい数字なんでしょう。
フォークランド紛争では、英原潜コンカラーがアルゼンチン巡洋艦ベルグラーノを沈めた。よく知られた紛争のエピソードで、最終段階では戦前タイプの旧式直進魚雷を利用しているといった部分は有名です。色んな本や記事で、日本語でも容易に読めます。
しかし、潜水艦による水上襲撃について、各段階に言及している本はありません。
まず、最初にソーナー探知できた距離が30マイル(陸マイル)であることが明記されています。探知距離50kmで、距離に直すと大西洋での第2CZになります。ただし、簡単な航跡図では、コンカラーは比較的浅い大陸棚にいる。CZは発生しない水深です。
コンカラーは追跡を始めますが、その際に15ktで航走しています。最大静粛速力がその程度なのでしょう。相手は巡洋艦・駆逐艦とも旧式艦であり、ソーナー能力が低いことを見越して、多少高速で航走したかも知れません。それでも15kt以上は出さなかった様子です。この間、時折4-5ktまで減速していますが、これは自艦航走による雑音を避けるためであった様子です。また随伴タンカーが出すディーゼル音を探知、645hzであったとし、6気筒、2ストロークであることが分かったとしています。
追跡は同時に潜水襲撃圏※※ に収めようとする行動でもあります。本書では"Aproch Limited ANGLE"とされていますが"Limited Line of Submarged Aproch"でしょう。これは、目標に対して射点に入れる限界線です。自艦速力と目標速力、雷速、馳走距離で決まります。大雑把ですが、アルゼンチン側が20kt程度、コンカラーが15kt、雷速が45kt、馳走距離5km程度なら、だいたい目標前方50度に入らなければなりません。
やはり、最終段階では潜望鏡で確認しています。ソーナーである程度分かっても、結局は肉眼で確認する、あるいは確認したい気持ちがあるのでしょう。誤射防止もあるでしょう。また目標が何であるかを確認しなければ、戦果も不明になる。やはり肉眼で確認したい。高性能ソーナーを備えていても、最終段階では最低1回は露頂すると見てよいわけです。襲撃潜望鏡は余りにも小さく、容易に見つけられるものではありません。ですが、水上艦艇側にも、目視やレーダで発見するチャンスはなくはないのでしょう。
射点進入、離脱では、コンカラーは20kt以上を発揮しています。21-22ktですが、ダッシュしています。使用した魚雷が誘導機構を欠く直進魚雷であることもあるのでしょう。しかし、有利な対勢をとる必要があるので、発射寸前と発射後にはそれなりの速力を出すものと見ていいでしょう。水上艦艇側には、相手が静粛であっても、襲撃その時には所在を掴める可能性があるかもしれません。
"Sink the Belgranoga"は、潜水艦襲撃での様相を明らかしているのです。
コンカラーによる襲撃を参考にすると、中国海軍潜水艦による米空母機動部隊襲撃は難しそうです。特に、第二列島線まで前進しての邀撃は容易ではありません。
特に潜水襲撃圏に移動することが困難です。コンカラーは最大静粛速力で15ktを発揮できましたが、平均15kt程度で行動したアルゼンチン艦隊を補足するには苦労しています。
まず中国原潜が、米空母機動部隊周辺で15ktも出せるか疑問です。そもそも静粛性が高いわけではなく、加えて米空母機動部隊が持つ対潜バリアーへの被探知を避けなければなりません。中国原潜が高い静粛性を持っているとする話はありません。また米空母機動部隊は、哨戒機による前路哨戒があり、艦隊直前も艦載ヘリがパッシブで哨戒しています。
また、目標としての米空母機動部隊も高速で移動しています。特に潜水艦脅威があれば、20ktを超えるスピードを発揮するでしょう。高速発揮による雑音で、水上艦によるパッシブ探知は難しいですが、空母直近は空母艦載ヘリがアクティブで哨戒しています。
第二列島線まで前進した邀撃は、中国原潜でも難しいわけです。
トランジット速力で劣る在来潜水艦では、幸運がない限り接敵も難しい。静粛性に優れると言われるキロ、宋、元であったとしても、米海軍邀撃を意図するなら、基本は第一列島線周辺から中国内側でしか使えないと見るべきでしょう。
※ Rossiter,Mike, Sink the Belgrano, (Bantam Press,London,2007)
※※ 日本での術語としての正式名は知らない。潜水艦関係者なら知っているだろうけど、あの人達は口が堅いから教えてくれないし、教えてもらっても難しいからすぐに忘れてしまう。まあ「二酸化炭素濃度が高くて困って、甕から吸収剤を柄杓で汲んで直撒した」みたいに、今は使っていないアミンみたいな話なら教えてくれるんだけどね。
Rossiterさんの"Sink the Belgranoga"※ がなかなか面白い。潜水艦による水上目標襲撃について具体的な行動、速力や深度、探知距離が明記されている。肝心なところはボカしているのかもしれないけれども、ルポルタージュだからそれなりに信用していい数字なんでしょう。
フォークランド紛争では、英原潜コンカラーがアルゼンチン巡洋艦ベルグラーノを沈めた。よく知られた紛争のエピソードで、最終段階では戦前タイプの旧式直進魚雷を利用しているといった部分は有名です。色んな本や記事で、日本語でも容易に読めます。
しかし、潜水艦による水上襲撃について、各段階に言及している本はありません。
まず、最初にソーナー探知できた距離が30マイル(陸マイル)であることが明記されています。探知距離50kmで、距離に直すと大西洋での第2CZになります。ただし、簡単な航跡図では、コンカラーは比較的浅い大陸棚にいる。CZは発生しない水深です。
コンカラーは追跡を始めますが、その際に15ktで航走しています。最大静粛速力がその程度なのでしょう。相手は巡洋艦・駆逐艦とも旧式艦であり、ソーナー能力が低いことを見越して、多少高速で航走したかも知れません。それでも15kt以上は出さなかった様子です。この間、時折4-5ktまで減速していますが、これは自艦航走による雑音を避けるためであった様子です。また随伴タンカーが出すディーゼル音を探知、645hzであったとし、6気筒、2ストロークであることが分かったとしています。
追跡は同時に潜水襲撃圏※※ に収めようとする行動でもあります。本書では"Aproch Limited ANGLE"とされていますが"Limited Line of Submarged Aproch"でしょう。これは、目標に対して射点に入れる限界線です。自艦速力と目標速力、雷速、馳走距離で決まります。大雑把ですが、アルゼンチン側が20kt程度、コンカラーが15kt、雷速が45kt、馳走距離5km程度なら、だいたい目標前方50度に入らなければなりません。
やはり、最終段階では潜望鏡で確認しています。ソーナーである程度分かっても、結局は肉眼で確認する、あるいは確認したい気持ちがあるのでしょう。誤射防止もあるでしょう。また目標が何であるかを確認しなければ、戦果も不明になる。やはり肉眼で確認したい。高性能ソーナーを備えていても、最終段階では最低1回は露頂すると見てよいわけです。襲撃潜望鏡は余りにも小さく、容易に見つけられるものではありません。ですが、水上艦艇側にも、目視やレーダで発見するチャンスはなくはないのでしょう。
射点進入、離脱では、コンカラーは20kt以上を発揮しています。21-22ktですが、ダッシュしています。使用した魚雷が誘導機構を欠く直進魚雷であることもあるのでしょう。しかし、有利な対勢をとる必要があるので、発射寸前と発射後にはそれなりの速力を出すものと見ていいでしょう。水上艦艇側には、相手が静粛であっても、襲撃その時には所在を掴める可能性があるかもしれません。
"Sink the Belgranoga"は、潜水艦襲撃での様相を明らかしているのです。
コンカラーによる襲撃を参考にすると、中国海軍潜水艦による米空母機動部隊襲撃は難しそうです。特に、第二列島線まで前進しての邀撃は容易ではありません。
特に潜水襲撃圏に移動することが困難です。コンカラーは最大静粛速力で15ktを発揮できましたが、平均15kt程度で行動したアルゼンチン艦隊を補足するには苦労しています。
まず中国原潜が、米空母機動部隊周辺で15ktも出せるか疑問です。そもそも静粛性が高いわけではなく、加えて米空母機動部隊が持つ対潜バリアーへの被探知を避けなければなりません。中国原潜が高い静粛性を持っているとする話はありません。また米空母機動部隊は、哨戒機による前路哨戒があり、艦隊直前も艦載ヘリがパッシブで哨戒しています。
また、目標としての米空母機動部隊も高速で移動しています。特に潜水艦脅威があれば、20ktを超えるスピードを発揮するでしょう。高速発揮による雑音で、水上艦によるパッシブ探知は難しいですが、空母直近は空母艦載ヘリがアクティブで哨戒しています。
第二列島線まで前進した邀撃は、中国原潜でも難しいわけです。
トランジット速力で劣る在来潜水艦では、幸運がない限り接敵も難しい。静粛性に優れると言われるキロ、宋、元であったとしても、米海軍邀撃を意図するなら、基本は第一列島線周辺から中国内側でしか使えないと見るべきでしょう。
※ Rossiter,Mike, Sink the Belgrano, (Bantam Press,London,2007)
※※ 日本での術語としての正式名は知らない。潜水艦関係者なら知っているだろうけど、あの人達は口が堅いから教えてくれないし、教えてもらっても難しいからすぐに忘れてしまう。まあ「二酸化炭素濃度が高くて困って、甕から吸収剤を柄杓で汲んで直撒した」みたいに、今は使っていないアミンみたいな話なら教えてくれるんだけどね。
Category : 映画
岩波ホールで『オレンジと太陽』を観てきました。
白豪主義を維持するため、英国は本土から民族的に正しい孤児を輸出した。そういった内容の映画でした。岩波ホールで上映されている『オレンジと太陽』です。映画の筋書きは、http://oranges-movie.com/aboutmovie.htmlが大概になります。映画も出来はよろしくオススメですが、映画を見た後で、主人公であるハンフリーズによる『からのゆりかご』※を読むとよろしいでしょう。
映画『オレンジと太陽』は、かつて児童移民としてオーストラリアに送られた孤児たちに光をあてる作品です。成長した子供たちは、自分たちが何者であるのか、ルーツを、アイデンティティを渇望します。棄民として輸出されたかつての孤児を救うため、彼らが何者であるのかを明らかにするため、80年代から戦ったハンフリーズを描いた映画です。
オーストラリアへの児童移民は、残酷なものでした。児童移民は1970年まで続きますが、その待遇は1870年代かそれ以前の水準です。孤児の環境が過酷であった点は、映画だけでも充分に表現されています。しかし、映画ですので作劇術で刈り込まれた部分もあります。児童移民に与えられた残酷な取扱は『からのゆりかご』でより具体的に記述しています。
まず本人意思も明確ではない児童を、親の承諾なしで地球の裏側、オーストラリアに移民として送り込むのです。その後に、子供たちは親との連絡はまったくとることができない。生きているにもかかわらず、親は死んだと説明される。場合によれば、名前や出生日といったアイデンティティも操作され、外地に輸出されてしまいます。
当然ですが、オーストラリアには親類縁者いません。子供たちは宗教施設に放り込まれます。送り出す側も、引き取る側も主流は宗教団体です。カソリックが児童移民の発端ですが、英国国教会も、スコットランド国教会も、長老派協会も後に参加しています。
『からのゆりかご』は、過酷な取扱を直接的に記述しています。
子供たちはオーストラリアで劣悪な環境に置かれる。孤児院には、子供を保護する親の愛情はありません。カソリック系孤児院では、子供は劣悪な環境に置かれます。オーストラリア児童福祉局によるレポートでは「ベッドの下には多量の小水が溜ったままである。拭きとった形跡もなく、乾いて塩の結晶ができている。小水の塩分でベッドのスプリングは錆び、色がにじみ出ている(大意)」(304p)と述べられています。また、扱いも過酷です。アデレイドにあったグッドウッド孤児院では、靴下に穴が開いている、祈祷書の言葉を間違えた、服にシミをつけたといった理由で少女が全裸にされ、尼僧に鞭で叩かれた例(119p)も示されます。
15歳になって孤児院を出ても、過酷な取扱は続きます。農園に引き渡されるのですが、そこでの扱いは、農奴や召使の扱いです。奴隷的な扱いであり、休みは6週間に一回。女子の例では、農園の長男による強姦未遂が何回も繰り返され、誰も助けてくれないといったエピソード(119p)が語られているのです。
児童移民の目的も不純です。オーストラリア人は、アジア人に圧力を感じていた。アジア人種に対抗するためには白人移民が必要である。それも、価値観が固まっておらず、オーストラリアでの過酷な農場労働に疑問を抱かない子供が最適であると判断されました。子供は、宗教的に白紙であるため、本国では権威が低下した教会価値観を刷り込み易いといった点も、提案した宗教団体にとって有利な点でした。
『からのゆりかご』では、児童移民を提唱した宗教指導者、特にカソリックの発言も提示されています。修道士は「『少年たちには魂の底まで宗教を教え込みます』」(269p)と発言しています。大司教は「『もしこの[人口]不足を我々と同じ人種で補うことができなければ、我々は近隣地域に住む多産のアジア諸種族の脅威に身をさらすままになる』」(269p)と主張しています。戦争直後の1945年にも、カソリック系新聞は「過去六十年にわたる避妊によって失われた6個師団分の潜在的[人口減により][中略]日本との戦争はよく考えても延期されているにすぎない。北からアジアが迫ってきている」(269p)と述べています。
オーストラリアへの児童移民、孤児輸出がもっとも過酷な結果を生み出しました。同時期、ローデシアにも児童移民は行われましたが、子供の意志、親権者の承諾、親との連絡は確実であり、特に問題があるものではありません。到着後の環境も人道的であり、学校に通い、高級な教育を受け、後には社会の中心に出る機会が与えられています。対してオーストラリア向けが悲惨な結果となった理由は、やはり農奴(そういって差し支えないでしょう)として孤児を輸出する発想にありました。
『からのゆりかご』がオーストラリアへの児童移民に焦点を当てた理由は、非人道性が際立っていたためです。『からのゆりかご』では、ほかにもカナダ、ローデシアへの児童移民もルポされています。しかし、問題はオーストラリアへの児童移民に絞られています。その理由は、オーストラリア向けが際立って悲惨であったためです。
このため、映画化もオーストラリア向け児童移民に絞られています。題名も『からのゆりかご』ではなく、『オレンジと太陽』※※※ とオーストラリアを指すフレーズに変えられています。
映画『オレンジと太陽』は、ハンフリーズを主人公にしています。原作は『からのゆりかご』であり、テーマはオーストラリアへの児童移民であることには変わりありません。しかし、ルポルタージュではなく、ハンフリーズの物語として作り変えています。ハンフリーズと夫、その子供達を主軸に再構成されました。かつての孤児たちと交歓し、英豪両政府と戦う姿は原作のままですが、そこに家族とハンフリーズの関係が持ち込まれております。ハンフリーズは児童移民問題に献身的に取り組みますが、同時に彼女が家族から離れた結果、生まれる苦しみとの葛藤も描いています。
また『からのゆりかご』で項目立てされたテーマも大きく刈り込まれています。まず、カナダとローデシアへの児童移民は映画では取り上げられません。オーストラリアでの虐待も、特に性的虐待に代表させています。 ネタバレですが映画では徐々に暗示される内容ですので言及します。『オレンジと太陽』では性的虐待だけに焦点を絞られます。※※また、いくつかのエピソードでは登場人物を入れ替えられています。クライマックスでのセリフは、原作では現地の別の人物となっていますが、それを家族に変更しているのです。
ストーリー化や刈り込みは、映画としての質を確保するための手段と言えるでしょう。映画原作は『からのゆりかご』ですが、ドキュメンタリーであるため、そのまま映画化すると冗長で退屈な、脚本、演出になってしまうことは避けられません。そこで作劇を重視し、物語として再構成した結果、映画として「鑑賞」できる作品に仕上がったのです。
刈り込みはあったものの、不正義である児童移民への告発は鈍っておりません。刈り込みにより、原作で提示された数々の事実を減らすことになりますが、ハンフリーズが提示した問題意識は保持されています。児童移民問題とその解明も、映画はハンフリーズの視点で描けため、明快になっています。
作劇も重視により、『オレンジと太陽』は、キチンと金をとれる映画になっています。ドラマとしても作劇しているため、ダレたりすることもありません。結果として、ドキュメンタリー映画のような、ドラマとしての退屈さは排除されている。鑑賞に躊躇はありません。。
『オレンジと太陽』は観るべき映画です。岩波ホールの映画には当たり外れが多いことも事実ですが、東京市内まで出られる人であれば、今春観ておく映画です。そして映画に感ずるところがあれば『からのゆりかご』も読むべきでしょう。
※ ハンフリーズ,マーガレット著、都留信夫、都留敬子訳『からのゆりかご』(近代文藝社、2012)
※※ 少年、あるいは幼児と言われる子供へに対し、修道士が性的虐待を行います。
この性的虐待についても、具体的な事例は『からのゆりかご』の方が詳しく書かれています。『からのゆりかご』では9歳半の男児を12ヶ月に20回犯す例や、別の男児を18夜連続で犯す例(315p)が挙げられています。
カソリックによる性的虐待は、2000年以降に話題になりますが、ハンフリーズによる告発はその魁であったといえるでしょう。なったわけではないのでしょう。90年代にはハンフリーズが行った調査や、それに基づいたドキュメンタリーがイギリスやオーストラリアで放送されます。そこで明らかになった虐待、特に性的虐待により、児童移民がスキャンダルとして認識されるようになったのです。
※※※ 孤児に、豪州はいつも抜けるような青い空で、毎朝オレンジを食べられると勧誘するシーンがありますが、ドミニカ移民や満蒙開拓団を勧誘する文句そのものですねえ。
白豪主義を維持するため、英国は本土から民族的に正しい孤児を輸出した。そういった内容の映画でした。岩波ホールで上映されている『オレンジと太陽』です。映画の筋書きは、http://oranges-movie.com/aboutmovie.htmlが大概になります。映画も出来はよろしくオススメですが、映画を見た後で、主人公であるハンフリーズによる『からのゆりかご』※を読むとよろしいでしょう。
映画『オレンジと太陽』は、かつて児童移民としてオーストラリアに送られた孤児たちに光をあてる作品です。成長した子供たちは、自分たちが何者であるのか、ルーツを、アイデンティティを渇望します。棄民として輸出されたかつての孤児を救うため、彼らが何者であるのかを明らかにするため、80年代から戦ったハンフリーズを描いた映画です。
オーストラリアへの児童移民は、残酷なものでした。児童移民は1970年まで続きますが、その待遇は1870年代かそれ以前の水準です。孤児の環境が過酷であった点は、映画だけでも充分に表現されています。しかし、映画ですので作劇術で刈り込まれた部分もあります。児童移民に与えられた残酷な取扱は『からのゆりかご』でより具体的に記述しています。
まず本人意思も明確ではない児童を、親の承諾なしで地球の裏側、オーストラリアに移民として送り込むのです。その後に、子供たちは親との連絡はまったくとることができない。生きているにもかかわらず、親は死んだと説明される。場合によれば、名前や出生日といったアイデンティティも操作され、外地に輸出されてしまいます。
当然ですが、オーストラリアには親類縁者いません。子供たちは宗教施設に放り込まれます。送り出す側も、引き取る側も主流は宗教団体です。カソリックが児童移民の発端ですが、英国国教会も、スコットランド国教会も、長老派協会も後に参加しています。
『からのゆりかご』は、過酷な取扱を直接的に記述しています。
子供たちはオーストラリアで劣悪な環境に置かれる。孤児院には、子供を保護する親の愛情はありません。カソリック系孤児院では、子供は劣悪な環境に置かれます。オーストラリア児童福祉局によるレポートでは「ベッドの下には多量の小水が溜ったままである。拭きとった形跡もなく、乾いて塩の結晶ができている。小水の塩分でベッドのスプリングは錆び、色がにじみ出ている(大意)」(304p)と述べられています。また、扱いも過酷です。アデレイドにあったグッドウッド孤児院では、靴下に穴が開いている、祈祷書の言葉を間違えた、服にシミをつけたといった理由で少女が全裸にされ、尼僧に鞭で叩かれた例(119p)も示されます。
15歳になって孤児院を出ても、過酷な取扱は続きます。農園に引き渡されるのですが、そこでの扱いは、農奴や召使の扱いです。奴隷的な扱いであり、休みは6週間に一回。女子の例では、農園の長男による強姦未遂が何回も繰り返され、誰も助けてくれないといったエピソード(119p)が語られているのです。
児童移民の目的も不純です。オーストラリア人は、アジア人に圧力を感じていた。アジア人種に対抗するためには白人移民が必要である。それも、価値観が固まっておらず、オーストラリアでの過酷な農場労働に疑問を抱かない子供が最適であると判断されました。子供は、宗教的に白紙であるため、本国では権威が低下した教会価値観を刷り込み易いといった点も、提案した宗教団体にとって有利な点でした。
『からのゆりかご』では、児童移民を提唱した宗教指導者、特にカソリックの発言も提示されています。修道士は「『少年たちには魂の底まで宗教を教え込みます』」(269p)と発言しています。大司教は「『もしこの[人口]不足を我々と同じ人種で補うことができなければ、我々は近隣地域に住む多産のアジア諸種族の脅威に身をさらすままになる』」(269p)と主張しています。戦争直後の1945年にも、カソリック系新聞は「過去六十年にわたる避妊によって失われた6個師団分の潜在的[人口減により][中略]日本との戦争はよく考えても延期されているにすぎない。北からアジアが迫ってきている」(269p)と述べています。
オーストラリアへの児童移民、孤児輸出がもっとも過酷な結果を生み出しました。同時期、ローデシアにも児童移民は行われましたが、子供の意志、親権者の承諾、親との連絡は確実であり、特に問題があるものではありません。到着後の環境も人道的であり、学校に通い、高級な教育を受け、後には社会の中心に出る機会が与えられています。対してオーストラリア向けが悲惨な結果となった理由は、やはり農奴(そういって差し支えないでしょう)として孤児を輸出する発想にありました。
『からのゆりかご』がオーストラリアへの児童移民に焦点を当てた理由は、非人道性が際立っていたためです。『からのゆりかご』では、ほかにもカナダ、ローデシアへの児童移民もルポされています。しかし、問題はオーストラリアへの児童移民に絞られています。その理由は、オーストラリア向けが際立って悲惨であったためです。
このため、映画化もオーストラリア向け児童移民に絞られています。題名も『からのゆりかご』ではなく、『オレンジと太陽』※※※ とオーストラリアを指すフレーズに変えられています。
映画『オレンジと太陽』は、ハンフリーズを主人公にしています。原作は『からのゆりかご』であり、テーマはオーストラリアへの児童移民であることには変わりありません。しかし、ルポルタージュではなく、ハンフリーズの物語として作り変えています。ハンフリーズと夫、その子供達を主軸に再構成されました。かつての孤児たちと交歓し、英豪両政府と戦う姿は原作のままですが、そこに家族とハンフリーズの関係が持ち込まれております。ハンフリーズは児童移民問題に献身的に取り組みますが、同時に彼女が家族から離れた結果、生まれる苦しみとの葛藤も描いています。
また『からのゆりかご』で項目立てされたテーマも大きく刈り込まれています。まず、カナダとローデシアへの児童移民は映画では取り上げられません。オーストラリアでの虐待も、特に性的虐待に代表させています。 ネタバレですが映画では徐々に暗示される内容ですので言及します。『オレンジと太陽』では性的虐待だけに焦点を絞られます。※※また、いくつかのエピソードでは登場人物を入れ替えられています。クライマックスでのセリフは、原作では現地の別の人物となっていますが、それを家族に変更しているのです。
ストーリー化や刈り込みは、映画としての質を確保するための手段と言えるでしょう。映画原作は『からのゆりかご』ですが、ドキュメンタリーであるため、そのまま映画化すると冗長で退屈な、脚本、演出になってしまうことは避けられません。そこで作劇を重視し、物語として再構成した結果、映画として「鑑賞」できる作品に仕上がったのです。
刈り込みはあったものの、不正義である児童移民への告発は鈍っておりません。刈り込みにより、原作で提示された数々の事実を減らすことになりますが、ハンフリーズが提示した問題意識は保持されています。児童移民問題とその解明も、映画はハンフリーズの視点で描けため、明快になっています。
作劇も重視により、『オレンジと太陽』は、キチンと金をとれる映画になっています。ドラマとしても作劇しているため、ダレたりすることもありません。結果として、ドキュメンタリー映画のような、ドラマとしての退屈さは排除されている。鑑賞に躊躇はありません。。
『オレンジと太陽』は観るべき映画です。岩波ホールの映画には当たり外れが多いことも事実ですが、東京市内まで出られる人であれば、今春観ておく映画です。そして映画に感ずるところがあれば『からのゆりかご』も読むべきでしょう。
※ ハンフリーズ,マーガレット著、都留信夫、都留敬子訳『からのゆりかご』(近代文藝社、2012)
※※ 少年、あるいは幼児と言われる子供へに対し、修道士が性的虐待を行います。
この性的虐待についても、具体的な事例は『からのゆりかご』の方が詳しく書かれています。『からのゆりかご』では9歳半の男児を12ヶ月に20回犯す例や、別の男児を18夜連続で犯す例(315p)が挙げられています。
カソリックによる性的虐待は、2000年以降に話題になりますが、ハンフリーズによる告発はその魁であったといえるでしょう。なったわけではないのでしょう。90年代にはハンフリーズが行った調査や、それに基づいたドキュメンタリーがイギリスやオーストラリアで放送されます。そこで明らかになった虐待、特に性的虐待により、児童移民がスキャンダルとして認識されるようになったのです。
※※※ 孤児に、豪州はいつも抜けるような青い空で、毎朝オレンジを食べられると勧誘するシーンがありますが、ドミニカ移民や満蒙開拓団を勧誘する文句そのものですねえ。
Category : 有職故実
毒蝮三太夫が「渋谷には水車があった」と言った。マムシは平日午前10時半にラジオにでるが、昨日(4月26日)は午後の番組にも出ていた。そこで渋谷の思い出として「水車を見たという古老と話したことがある」※ と述べている。
渋谷に流れる渋谷川には、水車が八軒あった。篠田鉱造が古老から聞き取った『明治百話』には「渋谷の玉川水車」※※ と題する話がある。渋谷川にある「庚申橋△氷川橋△橋戸(並木橋)△加藤が両軒△一ノ橋に今一軒あった」、この八軒とは別に「青山八右衛門という人が、水車を掛けたので」八軒は訴訟をしたという。最大九軒水車があったことになる。
この「渋谷の玉川水車」には、カワウソも出てくる。当時、渋谷には狐や狸も出てくる。川では鮎も海老も取れる。そして渋谷川でカワウソを獲って見世物として花屋敷に100円で売り払う話も出てくるのである。
渋谷の蕎麦屋は狸に化かされている。渋谷には、後に福沢家の別荘となった梅屋敷があり、その隣にある蕎麦屋に子供を背負ったおっ母さんが蕎麦を買いに来る。買った後で代金を見ると、嘘か真か木の葉であったという。蕎麦屋の脇では明治になった後で仇討ちもあった。蕎麦屋は後に仙台坂下に移ったとされている。
明治の聖代、渋谷は郊外にある農村である。周囲を見ても、原宿には陸軍の練兵場があり、目黒には海軍火薬庫がおかれていた。川には水車があって、カワウソが生息できるほど自然が残っていたわけだ。当時の東京郊外、その名残となるのは、白金にある自然教育園くらいなものか。火薬庫保安用地としての名残であるが、当時所々にあった里山とも違うようだ。自然教育園は人間は関与しない方針であり、たとえ帰化植物が侵入してもそのままにされている。
マムシが出会った古老は、最後の水車を知っていた世代なのだろう。明治30年には玉川水車も電気化されている。マムシは昭和11年生まれなので、天保銭は無理にしても、嘉永安政万延文久が生き残っている。明治30年はついこの間で、水車の話はいくらでも聞ける。またラジオでも会える、マムシは昭和44年から毎日ラジオに出ている。明治25年(1892年)生まれは、昭和50年には八十七、まだまだ生き残っている時代である。
※ 自動車運転中のため、記憶による。
TBSラジオ「たまむすび」2012年4月26日15時から30分間。
※※ 篠田鉱造「渋谷の玉川水車」『明治百話 下』(岩波書店,1996)pp.168-173.による。
渋谷に流れる渋谷川には、水車が八軒あった。篠田鉱造が古老から聞き取った『明治百話』には「渋谷の玉川水車」※※ と題する話がある。渋谷川にある「庚申橋△氷川橋△橋戸(並木橋)△加藤が両軒△一ノ橋に今一軒あった」、この八軒とは別に「青山八右衛門という人が、水車を掛けたので」八軒は訴訟をしたという。最大九軒水車があったことになる。
この「渋谷の玉川水車」には、カワウソも出てくる。当時、渋谷には狐や狸も出てくる。川では鮎も海老も取れる。そして渋谷川でカワウソを獲って見世物として花屋敷に100円で売り払う話も出てくるのである。
渋谷の蕎麦屋は狸に化かされている。渋谷には、後に福沢家の別荘となった梅屋敷があり、その隣にある蕎麦屋に子供を背負ったおっ母さんが蕎麦を買いに来る。買った後で代金を見ると、嘘か真か木の葉であったという。蕎麦屋の脇では明治になった後で仇討ちもあった。蕎麦屋は後に仙台坂下に移ったとされている。
明治の聖代、渋谷は郊外にある農村である。周囲を見ても、原宿には陸軍の練兵場があり、目黒には海軍火薬庫がおかれていた。川には水車があって、カワウソが生息できるほど自然が残っていたわけだ。当時の東京郊外、その名残となるのは、白金にある自然教育園くらいなものか。火薬庫保安用地としての名残であるが、当時所々にあった里山とも違うようだ。自然教育園は人間は関与しない方針であり、たとえ帰化植物が侵入してもそのままにされている。
マムシが出会った古老は、最後の水車を知っていた世代なのだろう。明治30年には玉川水車も電気化されている。マムシは昭和11年生まれなので、天保銭は無理にしても、嘉永安政万延文久が生き残っている。明治30年はついこの間で、水車の話はいくらでも聞ける。またラジオでも会える、マムシは昭和44年から毎日ラジオに出ている。明治25年(1892年)生まれは、昭和50年には八十七、まだまだ生き残っている時代である。
※ 自動車運転中のため、記憶による。
TBSラジオ「たまむすび」2012年4月26日15時から30分間。
※※ 篠田鉱造「渋谷の玉川水車」『明治百話 下』(岩波書店,1996)pp.168-173.による。
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10式戦車が必要な理由ってないんだよね。「10式が要らないと主張するオマエはバカだ」みたいなコメントが、いまだに寄せられるのだけれども。なんで「10式戦車が必要だって」確信できるのかね。
まずさ、90式と似たような10式をわざわざ開発して調達する理由ってないじゃん。確かに、10式は機械的に優れているのかもしれませんね。攻防走について、大砲は90式よりもチョット初速がある、防御も少し重い90式と同じくらい、機動力も加速力が心持ち向上しているらしいけど。90式で能力値100だったのが、10式で101に向上した程度ですよ。大差もない戦車をわざわざ新開発する必要はなかったわけです。ドイツもアメリカも30年前に作った戦車を改修しているのに、わざわざ新規開発だもの。無駄ですよ。
そもそも、強力な戦車を必要とする理由もないわけだしね。冷戦終結以降、北の脅威もなくなった。まあ、冷戦期にも、ソ連が日本に攻め込めたかというと相当疑問なのだけれども、それは置いておく。冷戦終結とソ連崩壊によって、ロシアは極東地区で積極的な行動をとれなくなった。これは誰の眼で見ても明らかなわけです。その後に提唱された中国脅威論にしても「将来は強力になるカモ」といったもので、現実的な脅威でもない。なんにしても、対上陸戦に、真剣に準備する必要もないのです。前に述べたけどさ、本土防衛ならば74式でもシャーマンでも困らないですよ。しかも、現在主力は90式ですからね。
10式が必要な理由もないよね。対上陸戦に真剣に備えなければならない時代ではない。備えるにしても、陸自戦車隊は90式を主力としている。本土防衛には充分な、ある意味で過剰な質と量を確保している。その上で、90式と大差ない10式を開発する必要はなかったし、装備していく必要性も認められないわけです。
10式を調達する根拠を、ゲリラ・コマンド対策とするのも苦し紛れの現れです。すでに10式調達は、事業としてゲリコマ対策に事づけている。これは、対上陸戦で必要性がアピールできないことの裏返しです。しかも説得力もない。ゲリコマ対策であれば、戦車は必須というわけではない。あるに越したこともないという話で、それなら装甲車でも充分でしょう。キャタピラじゃなくて、車輪の方が展開で有利でしょ。ここで「パナールとかサラディンで充分」と書くと、過剰反応してくれるんだろうけどさ。ゲリコマ対策に限れば、パナールやサラディンみたいに大砲を積む必要も少ないね。それより機関砲の方が向いている。対HEATなんて、車体から浮かせて網でも貼っとけば充分じゃないの。
戦車について必要性を強調するには、海外派遣しかないでしょう。海外派遣は対上陸戦よりもよほどリアリティが高い。そのうち出ていくことにもなる。組織としての陸自が生き残るためには、海外派遣を表芸にするしかないでしょう。でも、戦車を連れて行くのも、相当高度な段階だね。あり得る順番から列挙からすれば、歩兵、ヘリ、装甲車…で、戦車は後ろの方になる。もちろん、大砲よりも前だろうけど。
まずさ、90式と似たような10式をわざわざ開発して調達する理由ってないじゃん。確かに、10式は機械的に優れているのかもしれませんね。攻防走について、大砲は90式よりもチョット初速がある、防御も少し重い90式と同じくらい、機動力も加速力が心持ち向上しているらしいけど。90式で能力値100だったのが、10式で101に向上した程度ですよ。大差もない戦車をわざわざ新開発する必要はなかったわけです。ドイツもアメリカも30年前に作った戦車を改修しているのに、わざわざ新規開発だもの。無駄ですよ。
そもそも、強力な戦車を必要とする理由もないわけだしね。冷戦終結以降、北の脅威もなくなった。まあ、冷戦期にも、ソ連が日本に攻め込めたかというと相当疑問なのだけれども、それは置いておく。冷戦終結とソ連崩壊によって、ロシアは極東地区で積極的な行動をとれなくなった。これは誰の眼で見ても明らかなわけです。その後に提唱された中国脅威論にしても「将来は強力になるカモ」といったもので、現実的な脅威でもない。なんにしても、対上陸戦に、真剣に準備する必要もないのです。前に述べたけどさ、本土防衛ならば74式でもシャーマンでも困らないですよ。しかも、現在主力は90式ですからね。
10式が必要な理由もないよね。対上陸戦に真剣に備えなければならない時代ではない。備えるにしても、陸自戦車隊は90式を主力としている。本土防衛には充分な、ある意味で過剰な質と量を確保している。その上で、90式と大差ない10式を開発する必要はなかったし、装備していく必要性も認められないわけです。
10式を調達する根拠を、ゲリラ・コマンド対策とするのも苦し紛れの現れです。すでに10式調達は、事業としてゲリコマ対策に事づけている。これは、対上陸戦で必要性がアピールできないことの裏返しです。しかも説得力もない。ゲリコマ対策であれば、戦車は必須というわけではない。あるに越したこともないという話で、それなら装甲車でも充分でしょう。キャタピラじゃなくて、車輪の方が展開で有利でしょ。ここで「パナールとかサラディンで充分」と書くと、過剰反応してくれるんだろうけどさ。ゲリコマ対策に限れば、パナールやサラディンみたいに大砲を積む必要も少ないね。それより機関砲の方が向いている。対HEATなんて、車体から浮かせて網でも貼っとけば充分じゃないの。
戦車について必要性を強調するには、海外派遣しかないでしょう。海外派遣は対上陸戦よりもよほどリアリティが高い。そのうち出ていくことにもなる。組織としての陸自が生き残るためには、海外派遣を表芸にするしかないでしょう。でも、戦車を連れて行くのも、相当高度な段階だね。あり得る順番から列挙からすれば、歩兵、ヘリ、装甲車…で、戦車は後ろの方になる。もちろん、大砲よりも前だろうけど。
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佐々木孝雄さんの「旧陸軍舟艇の思い出」※で発見。半潜水艇用?に計画された陸軍簡易魚雷で、実際には水上を滑走するロケットである。
推進力はロケットであって、ジャイロによる針路保持機構は持たない。
初期型は、魚雷と同じ形状にされた。旋動式ロケット弾と同様に、噴出口を傾けてジャイロ安定させた設計であったが、針路は安定せず、試験発射で浜側に戻ってくる始末であったという。
改良型は、先端部と水中部は船型とされた。佐々木さんの提案により先端部は船首のように波切りを取り付け、水中部はV字型である。水中部のV字は、先端部が狭角になっており、中部以降は広がられている。滑走効果を狙った形状だろう。
終戦直前に改良型が半潜水艇からの発射試験を行なっている。将官を前にした試験ではあったが、発射管口が斜めになって水上に飛び出しており、発射そのものに失敗したとのこと。簡易魚雷は推力に乏しく、上向き気味になると、自重を押し出すことができず、発射管から出ることができなかった。半潜水艇にある発射管には、圧搾空気や棒による押し出し機構が備えられていなかったことが伺える。
魚雷は高価な兵器である。今でも、対艦ミサイルよりも長魚雷が高いことはあまり知られていない。当時も、ジャイロによる針路保持や水深維持機構をもった魚雷は格別に高価であり、生産も容易ではない。※※ この点を解決するための簡易魚雷であったが、最後まで完成しなかった様子である。
「体当たりをするよりは」程度の簡易魚雷であれば、冷走魚雷がふさわしかったのではないか。冷走魚雷は、空気タンク(これも作るのが難しいが)に圧縮空気をいれて、その空気を吹き出し、タービンを廻してプロペラを駆動する初期魚雷である。誘導機構も省略する程度に短射程であれば、冷走が正解ではないか。それなりの高速力で、200mや300m程度は馳走する。㋹(◯レ)艇のように近接爆雷攻撃をするよりも数倍優れるだろう。
まず、半潜水艇や潜水艇なら、円材水雷でも体当たりよりは、命令する方も受ける方もマシなんだけれどもね。円材水雷(Spar torpedo)は、長い棒に爆薬をつけた極初期の魚雷であり、自走しない。伏龍隊員が手にしたアレを長くして、船から繰り出してぶつける兵器。明治海軍も初期に採用しており(公文書には、適当な棒、円材は各艦で調達しろとあった)しかし、戦争末期には顧みられていない。海軍軍事参議官で古株の爺様あたりは提案しなかったのかねえ。
※ 佐々木孝雄「旧陸軍舟艇の思い出」『船舶』(1980.11,天然社)pp64.-68.
※※ 日本製魚雷気室(酸素タンク)は、削り出しで作られていた。溶接でスパイラル・チューブ(クレラップやトイレットペーパーの芯と同じ構造)で作られた米魚雷に比較しても高価であり、大量生産は容易ではない。
推進力はロケットであって、ジャイロによる針路保持機構は持たない。
初期型は、魚雷と同じ形状にされた。旋動式ロケット弾と同様に、噴出口を傾けてジャイロ安定させた設計であったが、針路は安定せず、試験発射で浜側に戻ってくる始末であったという。
改良型は、先端部と水中部は船型とされた。佐々木さんの提案により先端部は船首のように波切りを取り付け、水中部はV字型である。水中部のV字は、先端部が狭角になっており、中部以降は広がられている。滑走効果を狙った形状だろう。
終戦直前に改良型が半潜水艇からの発射試験を行なっている。将官を前にした試験ではあったが、発射管口が斜めになって水上に飛び出しており、発射そのものに失敗したとのこと。簡易魚雷は推力に乏しく、上向き気味になると、自重を押し出すことができず、発射管から出ることができなかった。半潜水艇にある発射管には、圧搾空気や棒による押し出し機構が備えられていなかったことが伺える。
魚雷は高価な兵器である。今でも、対艦ミサイルよりも長魚雷が高いことはあまり知られていない。当時も、ジャイロによる針路保持や水深維持機構をもった魚雷は格別に高価であり、生産も容易ではない。※※ この点を解決するための簡易魚雷であったが、最後まで完成しなかった様子である。
「体当たりをするよりは」程度の簡易魚雷であれば、冷走魚雷がふさわしかったのではないか。冷走魚雷は、空気タンク(これも作るのが難しいが)に圧縮空気をいれて、その空気を吹き出し、タービンを廻してプロペラを駆動する初期魚雷である。誘導機構も省略する程度に短射程であれば、冷走が正解ではないか。それなりの高速力で、200mや300m程度は馳走する。㋹(◯レ)艇のように近接爆雷攻撃をするよりも数倍優れるだろう。
まず、半潜水艇や潜水艇なら、円材水雷でも体当たりよりは、命令する方も受ける方もマシなんだけれどもね。円材水雷(Spar torpedo)は、長い棒に爆薬をつけた極初期の魚雷であり、自走しない。伏龍隊員が手にしたアレを長くして、船から繰り出してぶつける兵器。明治海軍も初期に採用しており(公文書には、適当な棒、円材は各艦で調達しろとあった)しかし、戦争末期には顧みられていない。海軍軍事参議官で古株の爺様あたりは提案しなかったのかねえ。
※ 佐々木孝雄「旧陸軍舟艇の思い出」『船舶』(1980.11,天然社)pp64.-68.
※※ 日本製魚雷気室(酸素タンク)は、削り出しで作られていた。溶接でスパイラル・チューブ(クレラップやトイレットペーパーの芯と同じ構造)で作られた米魚雷に比較しても高価であり、大量生産は容易ではない。
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陸自装備を増強しろと主張する人が憲法上の制約を理由に挙げることが多い。「先制攻撃と敵地攻撃はできない、奇襲から始まる国内戦は必至だ、だから陸自増強をすべき」って主張をする人も多いけど。それって、ほんとに考えて発言しているのかと思うんだよね。それって、平和憲法に依拠しきった論理でしょう。これ、かつては国の自衛権を否定した論理と全く同じ構造ですよ。
もし、周辺国が対日上陸戦を準備をした時に、日本が黙っていない。まあ、今日ある情勢で日本が他国から上陸戦を仕掛けられる可能性もないもんだけれども。仮にあったとしてさ、今日の日本は手を拱くことはないでしょう。先制攻撃も、敵地攻撃も、その時に手段として排除されるかは怪しいですね。
周辺国が日本に攻めこむ準備をしている、その状況が現れれば、例によって日本人は一晩で変わる。オウム真理教がガスを散布した後、村山首相は、警察に「別件逮捕でもいいからしょっ引け」と指示した。国民はその言葉に違和感を感じたものの、オウム関係者の一斉逮捕そのものは支持されている。日本人は、一夜で豹変するからね。「必要は法によって阻止されることはない」とか「必要は法を圧倒する、必要は法鎖を嘲笑する」ってやつ。
「憲法の制約で」という文言は、空虚化しています。かつて憲法により制約されるとも主張され、あるかどうか不明であった自衛権はすでに確固たる支持を受けている。さらに、自衛のために使われるはずの戦力で、日本国内でしか使えなかったはずの自衛隊は、すでに海外で活動している。海自はジプチに基地を設置して、インド洋やアデン湾で作戦活動をしている。陸自も空自もイラクに派遣された。この状況で「憲法の制約」を理由に、奇襲から始まる国内戦は必至として陸自装備を強化すべきという主張は、逆に平和憲法に依拠しきった論理でしょう。
実際に、日本本土への上陸戦が準備されているとなれば、日本も戦争準備を手際よくやるだろうね。今回の北朝鮮のロケット打ち上げ騒動でも、日本は手際よく準備したわけだ。その時になれば、戦力や物資を前進配置するとか、陣地構築に大きくもたつくことはありません。
その時に、先制攻撃や敵地攻撃が、手段として排除されることもないでしょう。敵船団が出てきたら、洋上で叩くことくらいしますよ。敵地攻撃は、装備がないので難しい部分もあるけれども、ASMやSSMを経度緯度で誘導して港湾や飛行場に嫌がらせ攻撃するくらいもするでしょう。
その状況において「憲法上の理由から敵が海を渡るのを待つ」なんて口にしたら間抜けでしょう。敵が領海に入ってから、陸に揚がってから陸上決戦を行う、なんてね。憲法上にある制約を根拠にしてさ「陸上決戦だけで勝利できるように」と平時は使えない膨大な陸上戦力が必要とするのもね。結局は無駄に防衛費を費やす結果になるだけだよ。
まあ、オススメは、攻勢機雷戦だけどね。根拠地港から外洋に出るまで、それなりに航路が収束する部分がある。内水でも領海でもいいんだけど、そこに機雷線を何本か引けば面白いことになるんじゃないの。
航空敷設なら、手段は戦闘機かね。敵地上空への侵入よりは容易でしょう。敵内水、領海といっても通り魔的に機雷を落とすだけです。その効果も持続する。哨戒機や輸送機、練習機や民間機を改造した特設航空機でも別に可能だけど、まあ落とされる可能性もあるのが難点か。
あるいは潜水艦で敷設してもよい。日本の潜水艦に敷設能力がないとか、適合する機雷がないとか言い出す人がいるかもしれない。でもね、魚雷発射管があればどんな潜水艦でも機雷は敷設できるのです。装填装置がないとか言い出す人もいるかもしれない。でも、棒を使って人力で発射管に押し込めばいいだけの話。適合する機雷がなくても大した問題はない。沈底感応機雷なら、缶体を直径533mm以下にすればおわり。繋維感応機雷が欲しいなら、適当な潜水艦敷設用の繋維機雷の缶体に、適した感応部を取り付ければ終わり。大した仕事でもありません。
もし、周辺国が対日上陸戦を準備をした時に、日本が黙っていない。まあ、今日ある情勢で日本が他国から上陸戦を仕掛けられる可能性もないもんだけれども。仮にあったとしてさ、今日の日本は手を拱くことはないでしょう。先制攻撃も、敵地攻撃も、その時に手段として排除されるかは怪しいですね。
周辺国が日本に攻めこむ準備をしている、その状況が現れれば、例によって日本人は一晩で変わる。オウム真理教がガスを散布した後、村山首相は、警察に「別件逮捕でもいいからしょっ引け」と指示した。国民はその言葉に違和感を感じたものの、オウム関係者の一斉逮捕そのものは支持されている。日本人は、一夜で豹変するからね。「必要は法によって阻止されることはない」とか「必要は法を圧倒する、必要は法鎖を嘲笑する」ってやつ。
「憲法の制約で」という文言は、空虚化しています。かつて憲法により制約されるとも主張され、あるかどうか不明であった自衛権はすでに確固たる支持を受けている。さらに、自衛のために使われるはずの戦力で、日本国内でしか使えなかったはずの自衛隊は、すでに海外で活動している。海自はジプチに基地を設置して、インド洋やアデン湾で作戦活動をしている。陸自も空自もイラクに派遣された。この状況で「憲法の制約」を理由に、奇襲から始まる国内戦は必至として陸自装備を強化すべきという主張は、逆に平和憲法に依拠しきった論理でしょう。
実際に、日本本土への上陸戦が準備されているとなれば、日本も戦争準備を手際よくやるだろうね。今回の北朝鮮のロケット打ち上げ騒動でも、日本は手際よく準備したわけだ。その時になれば、戦力や物資を前進配置するとか、陣地構築に大きくもたつくことはありません。
その時に、先制攻撃や敵地攻撃が、手段として排除されることもないでしょう。敵船団が出てきたら、洋上で叩くことくらいしますよ。敵地攻撃は、装備がないので難しい部分もあるけれども、ASMやSSMを経度緯度で誘導して港湾や飛行場に嫌がらせ攻撃するくらいもするでしょう。
その状況において「憲法上の理由から敵が海を渡るのを待つ」なんて口にしたら間抜けでしょう。敵が領海に入ってから、陸に揚がってから陸上決戦を行う、なんてね。憲法上にある制約を根拠にしてさ「陸上決戦だけで勝利できるように」と平時は使えない膨大な陸上戦力が必要とするのもね。結局は無駄に防衛費を費やす結果になるだけだよ。
まあ、オススメは、攻勢機雷戦だけどね。根拠地港から外洋に出るまで、それなりに航路が収束する部分がある。内水でも領海でもいいんだけど、そこに機雷線を何本か引けば面白いことになるんじゃないの。
航空敷設なら、手段は戦闘機かね。敵地上空への侵入よりは容易でしょう。敵内水、領海といっても通り魔的に機雷を落とすだけです。その効果も持続する。哨戒機や輸送機、練習機や民間機を改造した特設航空機でも別に可能だけど、まあ落とされる可能性もあるのが難点か。
あるいは潜水艦で敷設してもよい。日本の潜水艦に敷設能力がないとか、適合する機雷がないとか言い出す人がいるかもしれない。でもね、魚雷発射管があればどんな潜水艦でも機雷は敷設できるのです。装填装置がないとか言い出す人もいるかもしれない。でも、棒を使って人力で発射管に押し込めばいいだけの話。適合する機雷がなくても大した問題はない。沈底感応機雷なら、缶体を直径533mm以下にすればおわり。繋維感応機雷が欲しいなら、適当な潜水艦敷設用の繋維機雷の缶体に、適した感応部を取り付ければ終わり。大した仕事でもありません。
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いまだに「ロシア海軍歩兵が日本に揚がってきたらどうする」みたいなコトを主張する御仁もおらっしゃる。いわく「海軍歩兵は強力装備を持っている」「上陸戦に対応できる」とのことである。本当に新型戦車が配備されているのか、高度なノウハウを持っているのかも疑問であるが、それはさておこう。まずそれ以前の話で、太宗である極東部での輸送能力や、ロシア艦隊戦力からすれば無理ゲー以外の何物でもない。
そして、ロシア極東部での防衛をどうするのかも問題である。上陸戦で海軍歩兵を使ってしまったら、ロシアは極東部で海上機動可能な予備戦力を失ってしまう。これでは、オホーツク以東の防衛に困難を伴う。
海軍歩兵は、極東部では攻勢に使うことは難しい。海軍歩兵を使ってしまうと、オホーツク海以東での沿岸防衛に差し支える。オホーツクやカムチャッカへの増援、逆上陸準備、港湾防備に穴が開いてしまう。
オホーツク海沿岸、カムチャッカは無人地帯である。アムール河口にあるニコライエフスク以東は、無人地帯と見て良い。カムチャッカ、千島列島、オホーツク沿岸、樺太北部には、補給限界を超えた1万人に満たない小都市がいくつかあるにすぎない。
無人地帯に配備される兵力も僅少である。補給限界を超えているため、大規模な兵力を配備できない。カムチャッカはロシア本土と陸地で連絡しているが、鉄道では繋がっていない。道路も悪路であり、輸送幹線とはならない。海運に頼るしかないのだが、そこにも制限がある。冬季には流氷により凍結し、夏も概ね濃霧である。低気圧の墓場でもあるため、船舶輸送も容易ではない。無人地帯で、まがりなりにも守備があるのは、樺太南部、北方領土、ペトロハバロフスク程度である。
無人地域に駐留している部隊は、貼り付けられた全滅予定部隊である。北方領土、ペトロハバロフスク守備部隊は、ロシア本土と事実上、連絡されていない。その島、港湾一点を守るだけの守備隊である。北方領土に配置された部隊は、それぞれの島を守るだけ。海で隔てられた千島列島各島まで機動する力はない。ペトロハバロフスクに配置された部隊も、港湾防備以外には何もできない。
冷戦期に米国は、オホーツク・アプローチを検討していた。カムチャッカ半島からオホーツク海は、米ソが直接対峙する正面である。そこには第三国がない。このため、第三国に属する領土や、その立場を考慮せず、存分に戦争できると考えていた。米国は、優越する海軍力により、カムチャッカ、サハリン、オホーツク湾底部への直接侵攻が可能であった。冷戦集結以降にロシア軍事力は大きく弱体化している。オホーツク・アプローチにある米優位は、今日さらに際立っているのである。
米国によるオホーツク海侵攻に対して、投入できる陸上戦力は、海軍歩兵しかない。無人地帯で機動的防備に使用でき、重装備を持つ戦力は、海軍歩兵しかないのである。太平洋艦隊が持つ海軍歩兵は、海上機動に習熟した陸上戦力である。※ オホーツク海での沿岸防衛、オホーツクやカムチャッカへの増援、生地への逆上陸のため、海軍歩兵は予備戦力の価値が高い。
仮に対日戦をやるとする。補給上にある限界、海軍力にある限界がないものとして、ソ連/ロシアが北海道に上陸するとしよう。
上陸第一波には、海軍歩兵を宛てるしかない。海軍歩兵が習熟した戦力であるというだけではない。ソ連/ロシアにあるセクショナリズム、政治的立場から、上陸第一波は、それを表芸にする海軍歩兵である必要も海軍にある。
しかし、ここで海軍歩兵を使ってしまうと、米軍がオホーツク侵攻を行ったとき、対抗できる予備戦力がなくなるというジレンマに陥る。同時に、極東への輸送力、海上輸送力、揚陸艦艇も北海道正面に張り付いてしまう。オホーツク方面は米軍のやりたい放題になる。
ロシアが対日戦をやるとすれば、海軍歩兵を始めとする海上機動戦力を充当しなければならない。しかし、それでも日本に勝てる見込みはない。日本は強力な海空軍力を持ち、輸送力に問題はなく、強力な工業生産能力を持ち、米国と同盟を組み、侵略を受ければ援助する友好国を多数擁している。わざわざ負ける為に上陸する行為で。
負け戦が決まった話に海軍歩兵を投入するほどの悪手はない。海軍歩兵が上陸を始めた段階で、オホーツク方面がフリーになってしまう。北海道で負けた上、オホーツク方面を失う、泣きっ面に蜂になる。
極東域では、ロシア海軍歩兵は貴重であって対日戦に投入するには敷居が高い。ロシア側による対日侵攻能力を検討する上で、海軍歩兵は注視すべきである。上陸戦に対応できる海軍歩兵は陸上戦力での筆頭になる。しかし、実際に対日戦に投入できるかどうかを判断する上では、また別個の問題もある。オホーツク以東は太平洋方面に開放されており、米軍は容易に侵攻することができる。海軍歩兵はその備えでもある。海軍歩兵は、極東部では攻勢に使うことは難しいことにも注目すべきである。
…まあ、駒としての海軍歩兵、兵員や戦車・装甲車・大砲に関しては、予備役動員や、ヨーロッパ方面各艦隊から陸路移動という手段もないではない。
しかし、海軍歩兵というシステム、揚陸戦用の装備(米英蘭に比べればおもちゃみたいなものだが)や、その背後にある揚陸艦は如何ともし難いね、ってとこだね。
※ 冷戦期、サハリンに所在した地上軍2ヶ師団が上陸戦機能を持っていると言われていた。これも今から見れば、北海道侵攻用ではなく、オホーツク海内での逆上陸、沿岸防衛等に備えたものだったとも考えられる。
そして、ロシア極東部での防衛をどうするのかも問題である。上陸戦で海軍歩兵を使ってしまったら、ロシアは極東部で海上機動可能な予備戦力を失ってしまう。これでは、オホーツク以東の防衛に困難を伴う。
海軍歩兵は、極東部では攻勢に使うことは難しい。海軍歩兵を使ってしまうと、オホーツク海以東での沿岸防衛に差し支える。オホーツクやカムチャッカへの増援、逆上陸準備、港湾防備に穴が開いてしまう。
オホーツク海沿岸、カムチャッカは無人地帯である。アムール河口にあるニコライエフスク以東は、無人地帯と見て良い。カムチャッカ、千島列島、オホーツク沿岸、樺太北部には、補給限界を超えた1万人に満たない小都市がいくつかあるにすぎない。
無人地帯に配備される兵力も僅少である。補給限界を超えているため、大規模な兵力を配備できない。カムチャッカはロシア本土と陸地で連絡しているが、鉄道では繋がっていない。道路も悪路であり、輸送幹線とはならない。海運に頼るしかないのだが、そこにも制限がある。冬季には流氷により凍結し、夏も概ね濃霧である。低気圧の墓場でもあるため、船舶輸送も容易ではない。無人地帯で、まがりなりにも守備があるのは、樺太南部、北方領土、ペトロハバロフスク程度である。
無人地域に駐留している部隊は、貼り付けられた全滅予定部隊である。北方領土、ペトロハバロフスク守備部隊は、ロシア本土と事実上、連絡されていない。その島、港湾一点を守るだけの守備隊である。北方領土に配置された部隊は、それぞれの島を守るだけ。海で隔てられた千島列島各島まで機動する力はない。ペトロハバロフスクに配置された部隊も、港湾防備以外には何もできない。
冷戦期に米国は、オホーツク・アプローチを検討していた。カムチャッカ半島からオホーツク海は、米ソが直接対峙する正面である。そこには第三国がない。このため、第三国に属する領土や、その立場を考慮せず、存分に戦争できると考えていた。米国は、優越する海軍力により、カムチャッカ、サハリン、オホーツク湾底部への直接侵攻が可能であった。冷戦集結以降にロシア軍事力は大きく弱体化している。オホーツク・アプローチにある米優位は、今日さらに際立っているのである。
米国によるオホーツク海侵攻に対して、投入できる陸上戦力は、海軍歩兵しかない。無人地帯で機動的防備に使用でき、重装備を持つ戦力は、海軍歩兵しかないのである。太平洋艦隊が持つ海軍歩兵は、海上機動に習熟した陸上戦力である。※ オホーツク海での沿岸防衛、オホーツクやカムチャッカへの増援、生地への逆上陸のため、海軍歩兵は予備戦力の価値が高い。
仮に対日戦をやるとする。補給上にある限界、海軍力にある限界がないものとして、ソ連/ロシアが北海道に上陸するとしよう。
上陸第一波には、海軍歩兵を宛てるしかない。海軍歩兵が習熟した戦力であるというだけではない。ソ連/ロシアにあるセクショナリズム、政治的立場から、上陸第一波は、それを表芸にする海軍歩兵である必要も海軍にある。
しかし、ここで海軍歩兵を使ってしまうと、米軍がオホーツク侵攻を行ったとき、対抗できる予備戦力がなくなるというジレンマに陥る。同時に、極東への輸送力、海上輸送力、揚陸艦艇も北海道正面に張り付いてしまう。オホーツク方面は米軍のやりたい放題になる。
ロシアが対日戦をやるとすれば、海軍歩兵を始めとする海上機動戦力を充当しなければならない。しかし、それでも日本に勝てる見込みはない。日本は強力な海空軍力を持ち、輸送力に問題はなく、強力な工業生産能力を持ち、米国と同盟を組み、侵略を受ければ援助する友好国を多数擁している。わざわざ負ける為に上陸する行為で。
負け戦が決まった話に海軍歩兵を投入するほどの悪手はない。海軍歩兵が上陸を始めた段階で、オホーツク方面がフリーになってしまう。北海道で負けた上、オホーツク方面を失う、泣きっ面に蜂になる。
極東域では、ロシア海軍歩兵は貴重であって対日戦に投入するには敷居が高い。ロシア側による対日侵攻能力を検討する上で、海軍歩兵は注視すべきである。上陸戦に対応できる海軍歩兵は陸上戦力での筆頭になる。しかし、実際に対日戦に投入できるかどうかを判断する上では、また別個の問題もある。オホーツク以東は太平洋方面に開放されており、米軍は容易に侵攻することができる。海軍歩兵はその備えでもある。海軍歩兵は、極東部では攻勢に使うことは難しいことにも注目すべきである。
…まあ、駒としての海軍歩兵、兵員や戦車・装甲車・大砲に関しては、予備役動員や、ヨーロッパ方面各艦隊から陸路移動という手段もないではない。
しかし、海軍歩兵というシステム、揚陸戦用の装備(米英蘭に比べればおもちゃみたいなものだが)や、その背後にある揚陸艦は如何ともし難いね、ってとこだね。
※ 冷戦期、サハリンに所在した地上軍2ヶ師団が上陸戦機能を持っていると言われていた。これも今から見れば、北海道侵攻用ではなく、オホーツク海内での逆上陸、沿岸防衛等に備えたものだったとも考えられる。
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米海軍が建造したLCS(沿岸戦闘艦)は、高い割に使い道に欠けるんじゃないかね。
プロシーディングスの最新版に、汎用水上戦闘艦を求める投稿が掲載されている。投稿者は、Schliseさんで、題はShooting for the Middle※である。ペリー級が果たしていたような役割を果たせる水上戦闘艦が必要であると訴える内容である。
投稿は、LCSは力不足とする前提である。SchliseさんはLCSそのものを否定してはいない。しかし、LCSはローエンドで多用される構想であるとしながらも、その上にミディアム・エンドが必要であると主張している。これは、LCSでは種々ある海軍作戦に力不足であると見做していることを示している。
また、SchliseさんはLCSでは能力不足である部分に焦点をあてている。具体的には防空戦と対水上戦機能である。また、対地攻撃に関する重要性も指摘している。
そして、退役しつつあるペリー級を高く評価している。ペリー級は明確にローエンドであったが、LCSにはない強力な対空戦闘能力を持ち、それなりの対水上戦能力を保有していた。
投稿から伺えるのは、LCSを評価しない姿勢である。なにより、CSよりも古いペリー級を評価し、ペリー級後継となるミディアム・エンドを必要と主張している。これは、LCSへの不満足を示すものである。
LCSは満足できる艦艇ではないのだろう。
LCSにできることは中途半端である。LCSは特に哨戒、対機雷戦、特殊部隊潜入が任務として挙げられている。しかし、哨戒はヘリを搭載する艦艇であれば新旧を問わず遂行可能である。対機雷戦は、LCSでできることは限られる。いろいろギミックを考えているようだが、限界がある。専門とする掃討艇には劣る。極低速で自由に移動でき、対機雷専用ソーナー運用を前提にした掃討艇には太刀打ちできない。特殊部隊潜入はステルス性を活かそうとするものである。だが、ステルス性であればLCSは潜水艦に劣る。高速力にしても、ヘリには到底かなわない。
その上、LCSは高くて数も揃わない。建造費用、運用経費とも高価である。45kt以上と、無駄に高速力を追求したため、機関は大きくなった。当然、建造費用も運用経費も高くなった。
そして、LCS以前のペリー級よりも、防空戦と対水上戦に劣っているのである。
LCSを評価しない姿勢は、投稿中にある私案でも明らかである。私案としてミディアム・エンドへの要求項目が挙げられている。項目を逐一あげるものではない。だが、そこで高速力は要求されていない点は注視すべきである。ミディアム・エンドに必要な最高速力は「28kt+」とされている。これはLCSが達成した45kt+への皮肉である。
まあ、LCSで何ができるか。その値段と比較すると否定的にもなるでしょうね。しかも、価格高騰で数が揃うかもわからない。運用には経費を要する割には、LCSでなければならない要素もない。実際、ペリー級のほうがマシなんだろう。まずは、LCSはお荷物になっているんじゃないかな。
※Schlise,Chuck Shooting for the Middle(Proceedings,2012.4)p.p.64-67
プロシーディングスの最新版に、汎用水上戦闘艦を求める投稿が掲載されている。投稿者は、Schliseさんで、題はShooting for the Middle※である。ペリー級が果たしていたような役割を果たせる水上戦闘艦が必要であると訴える内容である。
投稿は、LCSは力不足とする前提である。SchliseさんはLCSそのものを否定してはいない。しかし、LCSはローエンドで多用される構想であるとしながらも、その上にミディアム・エンドが必要であると主張している。これは、LCSでは種々ある海軍作戦に力不足であると見做していることを示している。
また、SchliseさんはLCSでは能力不足である部分に焦点をあてている。具体的には防空戦と対水上戦機能である。また、対地攻撃に関する重要性も指摘している。
そして、退役しつつあるペリー級を高く評価している。ペリー級は明確にローエンドであったが、LCSにはない強力な対空戦闘能力を持ち、それなりの対水上戦能力を保有していた。
投稿から伺えるのは、LCSを評価しない姿勢である。なにより、CSよりも古いペリー級を評価し、ペリー級後継となるミディアム・エンドを必要と主張している。これは、LCSへの不満足を示すものである。
LCSは満足できる艦艇ではないのだろう。
LCSにできることは中途半端である。LCSは特に哨戒、対機雷戦、特殊部隊潜入が任務として挙げられている。しかし、哨戒はヘリを搭載する艦艇であれば新旧を問わず遂行可能である。対機雷戦は、LCSでできることは限られる。いろいろギミックを考えているようだが、限界がある。専門とする掃討艇には劣る。極低速で自由に移動でき、対機雷専用ソーナー運用を前提にした掃討艇には太刀打ちできない。特殊部隊潜入はステルス性を活かそうとするものである。だが、ステルス性であればLCSは潜水艦に劣る。高速力にしても、ヘリには到底かなわない。
その上、LCSは高くて数も揃わない。建造費用、運用経費とも高価である。45kt以上と、無駄に高速力を追求したため、機関は大きくなった。当然、建造費用も運用経費も高くなった。
そして、LCS以前のペリー級よりも、防空戦と対水上戦に劣っているのである。
LCSを評価しない姿勢は、投稿中にある私案でも明らかである。私案としてミディアム・エンドへの要求項目が挙げられている。項目を逐一あげるものではない。だが、そこで高速力は要求されていない点は注視すべきである。ミディアム・エンドに必要な最高速力は「28kt+」とされている。これはLCSが達成した45kt+への皮肉である。
まあ、LCSで何ができるか。その値段と比較すると否定的にもなるでしょうね。しかも、価格高騰で数が揃うかもわからない。運用には経費を要する割には、LCSでなければならない要素もない。実際、ペリー級のほうがマシなんだろう。まずは、LCSはお荷物になっているんじゃないかな。
※Schlise,Chuck Shooting for the Middle(Proceedings,2012.4)p.p.64-67
Category : ミリタリー
ここ10年あまり、陸自は離島防衛に積極的である。杞憂に近い本土への着上陸に比べ、離島防衛はリアルな問題である。実際に、着上陸の脅威を訴えても陸自は生き残ることはできない。対して、離島防衛は必要性をアピールしやすい。日本本土での大規模陸戦への準備に予算を投じるよりも、よほど健全である。
しかし、離島防衛でも、あまり陸自は出番がない。離島防衛も結局は海空主体である。陸自全体の存在価値を示せるほどの任務ではない。あまり陸自には出番はない。
島嶼は、陸上戦力だけでは保持できない。実際に、太平洋戦争で陸軍による離島防衛で成功した試しもない。日本が海戦で敗退し、海軍力が後退した後に取り残された島は、攻略されれば陥落している。なるほど、硫黄島で米海兵隊に大損害を与えた例もあるが、結局は陥落している。
海戦空戦で負けたあとに、陸戦で云々しても始まらない。離島も本土での戦闘もそうだけれども、戦闘で多少勝利したとしても、海空で閉塞されたら戦争には勝てない。陸上戦力で上陸部隊を撃破できると豪語したところで、敵が上陸しなければ始まらない。逆に勝ち目があっても、海上封鎖されてしまえば、そのうち餓え死にしてしまう。
離島防衛で必要な陸上戦力は、比較的小規模にとどまる。大戦力をおいても海空戦で敗北すれば無意味である。逆に海空戦で勝利すれば、陸上戦力は小規模でよい。兵力の真空地帯を作らない、少数に限定される潜搬入を阻止できる程度で充分ということだ。
島嶼防衛での陸自所要は、歩兵主体で中隊・大隊にすぎない。具体的には、一つの島に中隊程度、大きくても大隊規模である。仮に師団規模の戦力をおいて、築城をしても、海空戦力が敗退すれば、結局は島嶼は保持できない。硫黄島のように伝説だけを作って終わりになる。そもそも、スキップされたら意味もないわけだ。
もちろん、取られたら本当に困るような島であれば、大規模戦力を展開してもよい。戦争中の内南洋、サイパンやグアム、沖縄本島のように死活的な価値をもつ島なら、陸上戦力を注ぎ込んでもよい。しかし、今の日本にとって、そのような島は沖縄本島程度しかない。しかし、それ以外の島には、戦争になっても大挙して侵攻してくるものでもない。とりあえず配置しました程度が妥当だろう。
離島防衛の主体は、結局は海空戦力である。それほど陸自には出番はない。空白地帯を作らないこと、警戒・警備程度ができれば充分である。あとは、沿岸砲兵的に、SSMでも置けば、そこそこの拒否水面を設定できるかも知れない。(もちろん、迂回されたら終わりになる)
陸自が離島防衛に積極的であることは、健全である。本土着上陸に備えることに比べれば、よほど有意義である。
しかし、離島防衛だけでは、陸自を生き残らせるアピールにはならない。陸自が今ある予算、人員、器材を維持するためには、やはり別の任務を前に出さなければならない。おそらく、それは「国際貢献」である。はっきり言えば、外征への準備と、実績となるだろう。
しかし、離島防衛でも、あまり陸自は出番がない。離島防衛も結局は海空主体である。陸自全体の存在価値を示せるほどの任務ではない。あまり陸自には出番はない。
島嶼は、陸上戦力だけでは保持できない。実際に、太平洋戦争で陸軍による離島防衛で成功した試しもない。日本が海戦で敗退し、海軍力が後退した後に取り残された島は、攻略されれば陥落している。なるほど、硫黄島で米海兵隊に大損害を与えた例もあるが、結局は陥落している。
海戦空戦で負けたあとに、陸戦で云々しても始まらない。離島も本土での戦闘もそうだけれども、戦闘で多少勝利したとしても、海空で閉塞されたら戦争には勝てない。陸上戦力で上陸部隊を撃破できると豪語したところで、敵が上陸しなければ始まらない。逆に勝ち目があっても、海上封鎖されてしまえば、そのうち餓え死にしてしまう。
離島防衛で必要な陸上戦力は、比較的小規模にとどまる。大戦力をおいても海空戦で敗北すれば無意味である。逆に海空戦で勝利すれば、陸上戦力は小規模でよい。兵力の真空地帯を作らない、少数に限定される潜搬入を阻止できる程度で充分ということだ。
島嶼防衛での陸自所要は、歩兵主体で中隊・大隊にすぎない。具体的には、一つの島に中隊程度、大きくても大隊規模である。仮に師団規模の戦力をおいて、築城をしても、海空戦力が敗退すれば、結局は島嶼は保持できない。硫黄島のように伝説だけを作って終わりになる。そもそも、スキップされたら意味もないわけだ。
もちろん、取られたら本当に困るような島であれば、大規模戦力を展開してもよい。戦争中の内南洋、サイパンやグアム、沖縄本島のように死活的な価値をもつ島なら、陸上戦力を注ぎ込んでもよい。しかし、今の日本にとって、そのような島は沖縄本島程度しかない。しかし、それ以外の島には、戦争になっても大挙して侵攻してくるものでもない。とりあえず配置しました程度が妥当だろう。
離島防衛の主体は、結局は海空戦力である。それほど陸自には出番はない。空白地帯を作らないこと、警戒・警備程度ができれば充分である。あとは、沿岸砲兵的に、SSMでも置けば、そこそこの拒否水面を設定できるかも知れない。(もちろん、迂回されたら終わりになる)
陸自が離島防衛に積極的であることは、健全である。本土着上陸に備えることに比べれば、よほど有意義である。
しかし、離島防衛だけでは、陸自を生き残らせるアピールにはならない。陸自が今ある予算、人員、器材を維持するためには、やはり別の任務を前に出さなければならない。おそらく、それは「国際貢献」である。はっきり言えば、外征への準備と、実績となるだろう。
Category : ミリタリー
付け加えれば、あとはセイコーかな。今、ソニーはエライ目にあっているけどね。
旧日本軍は、占領地では、軍票で支払とした。別に「円で支払いをした」と考えてもよい。
しかし、支払いを受けた占領地市民は、それで何も買えない。昭和15年の2600年記念行事で椀飯振舞してから、日本にはモノがない。戦時体制で民需は圧迫されている。占領地に輸出できるような雑貨はない。わずかにあっても粗悪品にすぎない。
これは、冷戦期に日本がソ連に占領された状態をイメージすれば、理解しやすい。当時の極東ソ連にそのような力はないのだが。たとえ話として考えて欲しい。
日本がソ連に占領されたとする。ソ連軍が軍票を乱発する。市民の自動車、仮にトヨタのクラウン、ニコンF3(ソ連時代だから)を強制買付される。一応、日本円換算額よりも、公定レートよりも高いルーブルが支払われる。
しかし、ソ連の軍票では、何も買えない。
ソ連軍にクラウンを取られる。代価の軍票で買えるのが、東独のトラバント(実際に日本まで運ぶ余力もないだろうが)では納得しないだろう。ソ連軍にF3を取られて、その支払いで買えるのが、コンタックスコピーのキエフでは、腹も立つ。
買付けに対して売り惜しみもしようというものだ。
これが、日本占領地の軍票経済、民政である。軍票と引き換えられる、輸出商品が日本には無かった。 実際に、日本から占領地に向かう貨物船に積むものは、軍需品や日本向け移送資源採掘用のプラントである。
実際に、日本軍票の価値裏付は、日本から移出した貴金属や、特別円(借款)による信用しかない。雑貨品は日本から輸出する余力はない。せいぜい現地で鍋釜・剃刀・石鹸の類を作り、それを軍票引き換えで売る。または専売物品として、煙草・酒・塩・樟脳・あるいは阿片を売るのが関の山である。
日本にとって痛いのが、羨望の的の日本製商品、キラーコンテンツ?がないことである。当時、日本に魅力的な製品があれば、軍票経済という面で、占領地経営は随分うまくいっただろう。ホンダのカブ、ソニーのトランジスタラジオ、あとはセイコーの高品質腕時計でもあれば随分円滑な民生運営ができたはずだ。(全部、歴史のフライングだけど)
占領地の人々が欲しがるような雑貨品でもあればね。当時の現実からして、少なくとも自転車とか医薬品とか映画等の娯楽、衣類装身具、威信財を輸出する能力があれば、軍票と民生安定の兼ね合いは取れたかもしれない。
しかし、当時の軍国日本、国家総動員体制では、それらの製品は逼迫しており、充分な数の輸出はできなかったのである。 だから、日本の軍票には売り惜しみがみられた。
日本軍は好感情で迎えられなかった理由は、軍票で巻き上げたことも一因である。その軍票で何も買えないことが原因である。
そして、対して、アメリカは何でも持っていたわけだ。大はエアコンや自動車、ありがたいのは抗生物質、さらに小はコーラやチューインガムまで、魅力的な品揃えがあった。米軍にも粗暴な振る舞いをする兵隊がいたが、軍票やドルに信用があった。だから嫌われるにしても、それほど極端でもなかったのだろう。
2006年06月26日MIXI日記より
旧日本軍は、占領地では、軍票で支払とした。別に「円で支払いをした」と考えてもよい。
しかし、支払いを受けた占領地市民は、それで何も買えない。昭和15年の2600年記念行事で椀飯振舞してから、日本にはモノがない。戦時体制で民需は圧迫されている。占領地に輸出できるような雑貨はない。わずかにあっても粗悪品にすぎない。
これは、冷戦期に日本がソ連に占領された状態をイメージすれば、理解しやすい。当時の極東ソ連にそのような力はないのだが。たとえ話として考えて欲しい。
日本がソ連に占領されたとする。ソ連軍が軍票を乱発する。市民の自動車、仮にトヨタのクラウン、ニコンF3(ソ連時代だから)を強制買付される。一応、日本円換算額よりも、公定レートよりも高いルーブルが支払われる。
しかし、ソ連の軍票では、何も買えない。
ソ連軍にクラウンを取られる。代価の軍票で買えるのが、東独のトラバント(実際に日本まで運ぶ余力もないだろうが)では納得しないだろう。ソ連軍にF3を取られて、その支払いで買えるのが、コンタックスコピーのキエフでは、腹も立つ。
買付けに対して売り惜しみもしようというものだ。
これが、日本占領地の軍票経済、民政である。軍票と引き換えられる、輸出商品が日本には無かった。 実際に、日本から占領地に向かう貨物船に積むものは、軍需品や日本向け移送資源採掘用のプラントである。
実際に、日本軍票の価値裏付は、日本から移出した貴金属や、特別円(借款)による信用しかない。雑貨品は日本から輸出する余力はない。せいぜい現地で鍋釜・剃刀・石鹸の類を作り、それを軍票引き換えで売る。または専売物品として、煙草・酒・塩・樟脳・あるいは阿片を売るのが関の山である。
日本にとって痛いのが、羨望の的の日本製商品、キラーコンテンツ?がないことである。当時、日本に魅力的な製品があれば、軍票経済という面で、占領地経営は随分うまくいっただろう。ホンダのカブ、ソニーのトランジスタラジオ、あとはセイコーの高品質腕時計でもあれば随分円滑な民生運営ができたはずだ。(全部、歴史のフライングだけど)
占領地の人々が欲しがるような雑貨品でもあればね。当時の現実からして、少なくとも自転車とか医薬品とか映画等の娯楽、衣類装身具、威信財を輸出する能力があれば、軍票と民生安定の兼ね合いは取れたかもしれない。
しかし、当時の軍国日本、国家総動員体制では、それらの製品は逼迫しており、充分な数の輸出はできなかったのである。 だから、日本の軍票には売り惜しみがみられた。
日本軍は好感情で迎えられなかった理由は、軍票で巻き上げたことも一因である。その軍票で何も買えないことが原因である。
そして、対して、アメリカは何でも持っていたわけだ。大はエアコンや自動車、ありがたいのは抗生物質、さらに小はコーラやチューインガムまで、魅力的な品揃えがあった。米軍にも粗暴な振る舞いをする兵隊がいたが、軍票やドルに信用があった。だから嫌われるにしても、それほど極端でもなかったのだろう。
2006年06月26日MIXI日記より
Category : アニメ評
岩波ホールで『劇場版ストライクウィッチーズ 音速雷撃隊 ノーカット版』を観てきました。
初回公開版ではオミットされた「本当は月に行くため」「キチガイだ」が原作通りになったノーカット版です。世評でも、予告編でも断片的に流された、芳佳がロケットを一気に全点火していくカット以降が賞賛、あるいは批判されております。しかし、初回公開版ではハサミが入れられた、男を買うエピソード復活も評価すべきでしょう。坂本少佐が帯同していた情夫をみんなに宛てがうエピソードですが、なんとも素晴らしい。
第一回攻撃の失敗後、坂本少佐は、情夫を幼い部下に宛てがいます。TV版と同様に、坂本少佐は情夫である圭助を従兵に仕立てて戦地も連れて歩いています。それを男を知らない、幼い部下たちを気の毒がって抱かせます。抱かせることによって「生き抜けばいいことがある」と動機づける、中盤での山場のシーンです。
話や筋ならエロですが、肝心のいくつかのカットには声だけです。演出としては、その場のカットを描くよりも声だけにとどめた点は評価すべきでしょう。絵を入れると、原作者である伊藤桂一が描きたかったものから離れてしまい、あるいは成年指定も絡んでしまう。BD版に期待するか、あるいは薄いマンガで補間するかといったあたりです。
なによりも、シャーロットですね。男を抱く前に、シャーロットはが芳佳に自慢気に話します。「あたしはもう男を知っている」「あんなもんは何遍やったておんなじさ」「ものすごくつまらないもんだよ」と強がります。しかし、慰安所「第二ふさう楼」を開く、その直前に戦闘が始まる。そして、一躍、飛び上がったシャーロットが還ってこない…
お弔いのあと後、みんなは順番に男を抱きます。順番待ちでそわそわする子、終わってニヤニヤしながら出てくる子、色々います。その中で、一番最初に男を抱いた芳佳が泣いている。
坂本が「そんなに痛かったのか?」と訪ねますが、芳佳の鳴き声は大きくなるばかり。ようやく「シャーロットのことです」と。「『男を知っているのは私だけ』だと」「でも、◯◯◯は、そうなっていませんでした」「シャーロットはみんなを楽しませようと下手な芝居で」と小さく、声も切れ切れに訴えるのですが、最後に「あの子は何も知らずに死んじまった」と慟哭するのです。
その後の、出撃前の宴会、無礼講。坂本は「シャーロットは幾つか、16だ、フランチェスカもまだ12だった、わずか20年も生きられなかった、悲しい弔いでは寂しすぎる」からの大宴会。
そして、突然の爆撃。「偵察機が駄賃で落としていった」「100ポンドの取るに足らない爆弾」と宴会は続きますが、弾着地には、乗用車に燃料搭載していた圭助がいた。
翌日の攻撃前、白服が汚れるのも厭わず、黒焦げの燃え残りを抱きかかえる坂本。「なんですがそのケシズミ」と芳佳が尋ねると「圭助だよ」「しばらく一人にしてくれ」と答える坂本。その表情は、喜怒哀楽何れでもなく、彫像のように感情が残っていない。
TV版や予告編では、坂本少佐の行動にはやや突飛なものがありました。脚の短い紫電改でありながら、増槽を落としてからも帰らない。これは、普段の「生き抜け」「プロペラが回る間は何があっても飛べ」「プロペラが止まったら手で掻いても飛べ」と指導する坂本のポリシーと異なるからです。
しかし、ケシズミを抱く坂本のカットが挿入されることにより、物語としてのリアリティは破綻なく処理されたと云うべきでしょう。坂本には帰るところがなくなったのです。その行動も、復讐のためではなく、芳佳と搭乗機を守るため、音速を超えること、そしていつか月に行くことを望んだシャーロット最後の「作品」を飛ばすためであることが明らかになっています。
劇場版は、TV版で描ききれなかった部分、心情が明確になっており、素晴らしい作品に仕上がったと言えるでしょう。物語としてのリアリティで残念だった部分も、綺麗に詰められています。エロのシーンはありませんが、それはBD版を楽しみとして、いま見ておくべきでしょう。
ま、欝展開ばかりでもないのですよ。男を抱くシーンでも、坂本の「このなかで、処女のものは挙手」で、アンナ・フェラーラが手を上げる。「なんだお前もか」で「いえ、自分はみんなが手を挙げたので、何かと…」とかね。「怖がることはない、親父さんの◯◯◯見たことあるだろ」で「自分の親爺は90でして、その、もう」は笑えるところです。
初回公開版である『ストライクウィッチーズ 音速雷撃隊』で改悪された部分が全部復元した感じですね。意図的に抜かれた「いつかは月に行く」「味方もキチガイだ」を元に戻し、同じように製作総指揮による「非実在であっても許されない」とハサミが入った部分「第二ふさう楼」も原作通りとなりました。政治的なバイアスが取り払われたところで、原作(伊藤桂一『ストライクウィッチーズ 悲しき戦記』収録)の物語が本来の輝きを取り戻したところでしょうか。
岩波ホールは骨太の作品が好きですからね。次回作『オレンジと太陽』も楽しみなものです。1970年代まで秘されたまま続いた、オーストラリアへの児童移民に光を当てる作品です。やはり見なければならないでしょう。
参考 岡本喜八監督『血と砂』(東宝、1965年)
音楽で戦争が終わるのはマクロスだけで充分
【ネタバレ】『アイドルマスター』最終話『洲崎炎上』
【ネタバレ】『アイドルマスター』第21話「まるで花が咲くように」【感想】
かわいそうなしゃち
【ネタバレ】最後の早慶戦
初回公開版ではオミットされた「本当は月に行くため」「キチガイだ」が原作通りになったノーカット版です。世評でも、予告編でも断片的に流された、芳佳がロケットを一気に全点火していくカット以降が賞賛、あるいは批判されております。しかし、初回公開版ではハサミが入れられた、男を買うエピソード復活も評価すべきでしょう。坂本少佐が帯同していた情夫をみんなに宛てがうエピソードですが、なんとも素晴らしい。
第一回攻撃の失敗後、坂本少佐は、情夫を幼い部下に宛てがいます。TV版と同様に、坂本少佐は情夫である圭助を従兵に仕立てて戦地も連れて歩いています。それを男を知らない、幼い部下たちを気の毒がって抱かせます。抱かせることによって「生き抜けばいいことがある」と動機づける、中盤での山場のシーンです。
話や筋ならエロですが、肝心のいくつかのカットには声だけです。演出としては、その場のカットを描くよりも声だけにとどめた点は評価すべきでしょう。絵を入れると、原作者である伊藤桂一が描きたかったものから離れてしまい、あるいは成年指定も絡んでしまう。BD版に期待するか、あるいは薄いマンガで補間するかといったあたりです。
なによりも、シャーロットですね。男を抱く前に、シャーロットはが芳佳に自慢気に話します。「あたしはもう男を知っている」「あんなもんは何遍やったておんなじさ」「ものすごくつまらないもんだよ」と強がります。しかし、慰安所「第二ふさう楼」を開く、その直前に戦闘が始まる。そして、一躍、飛び上がったシャーロットが還ってこない…
お弔いのあと後、みんなは順番に男を抱きます。順番待ちでそわそわする子、終わってニヤニヤしながら出てくる子、色々います。その中で、一番最初に男を抱いた芳佳が泣いている。
坂本が「そんなに痛かったのか?」と訪ねますが、芳佳の鳴き声は大きくなるばかり。ようやく「シャーロットのことです」と。「『男を知っているのは私だけ』だと」「でも、◯◯◯は、そうなっていませんでした」「シャーロットはみんなを楽しませようと下手な芝居で」と小さく、声も切れ切れに訴えるのですが、最後に「あの子は何も知らずに死んじまった」と慟哭するのです。
その後の、出撃前の宴会、無礼講。坂本は「シャーロットは幾つか、16だ、フランチェスカもまだ12だった、わずか20年も生きられなかった、悲しい弔いでは寂しすぎる」からの大宴会。
そして、突然の爆撃。「偵察機が駄賃で落としていった」「100ポンドの取るに足らない爆弾」と宴会は続きますが、弾着地には、乗用車に燃料搭載していた圭助がいた。
翌日の攻撃前、白服が汚れるのも厭わず、黒焦げの燃え残りを抱きかかえる坂本。「なんですがそのケシズミ」と芳佳が尋ねると「圭助だよ」「しばらく一人にしてくれ」と答える坂本。その表情は、喜怒哀楽何れでもなく、彫像のように感情が残っていない。
TV版や予告編では、坂本少佐の行動にはやや突飛なものがありました。脚の短い紫電改でありながら、増槽を落としてからも帰らない。これは、普段の「生き抜け」「プロペラが回る間は何があっても飛べ」「プロペラが止まったら手で掻いても飛べ」と指導する坂本のポリシーと異なるからです。
しかし、ケシズミを抱く坂本のカットが挿入されることにより、物語としてのリアリティは破綻なく処理されたと云うべきでしょう。坂本には帰るところがなくなったのです。その行動も、復讐のためではなく、芳佳と搭乗機を守るため、音速を超えること、そしていつか月に行くことを望んだシャーロット最後の「作品」を飛ばすためであることが明らかになっています。
劇場版は、TV版で描ききれなかった部分、心情が明確になっており、素晴らしい作品に仕上がったと言えるでしょう。物語としてのリアリティで残念だった部分も、綺麗に詰められています。エロのシーンはありませんが、それはBD版を楽しみとして、いま見ておくべきでしょう。
ま、欝展開ばかりでもないのですよ。男を抱くシーンでも、坂本の「このなかで、処女のものは挙手」で、アンナ・フェラーラが手を上げる。「なんだお前もか」で「いえ、自分はみんなが手を挙げたので、何かと…」とかね。「怖がることはない、親父さんの◯◯◯見たことあるだろ」で「自分の親爺は90でして、その、もう」は笑えるところです。
初回公開版である『ストライクウィッチーズ 音速雷撃隊』で改悪された部分が全部復元した感じですね。意図的に抜かれた「いつかは月に行く」「味方もキチガイだ」を元に戻し、同じように製作総指揮による「非実在であっても許されない」とハサミが入った部分「第二ふさう楼」も原作通りとなりました。政治的なバイアスが取り払われたところで、原作(伊藤桂一『ストライクウィッチーズ 悲しき戦記』収録)の物語が本来の輝きを取り戻したところでしょうか。
岩波ホールは骨太の作品が好きですからね。次回作『オレンジと太陽』も楽しみなものです。1970年代まで秘されたまま続いた、オーストラリアへの児童移民に光を当てる作品です。やはり見なければならないでしょう。
参考 岡本喜八監督『血と砂』(東宝、1965年)
音楽で戦争が終わるのはマクロスだけで充分
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かわいそうなしゃち
【ネタバレ】最後の早慶戦
Category : 未分類
米軍住宅では暖房に蒸気を利用している。本当の意味のセントラル・ヒーティングで、基地ボイラから蒸気を地下配管で送っている。
昔、作った蒸気ピッドが時折発見されることがある。別府で、謎の地下道が発見されたとするニュースがあった※が、サイズから明らかに送汽用の地下ピットである。米軍基地や住宅後には地下ピットが残っている。旧軍等防空壕は県費をつかいエアーモルタル等で埋め戻すが、米軍設備は対象外である。米軍は埋め戻すような面倒はやらないので、そのままにされている。
そして、今でも米軍住宅は蒸気暖房を設置している。東北で新築される米軍住宅(一戸建て)にも、各戸に蒸気配管を敷いていた。
この蒸気使用実績だが、日本側は米側提供量がまとめて知らされるだけである。基地用と住宅用は区別なく、合計熱量がBTUで知らされるだけである。
案外、住宅用の熱源使用料を追求されないために蒸気を使い続けているんじゃないかね。
米軍住宅の設備使用料、電気・ガス・水道は思いやり予算で支払われている。このため、遣い放題になってしまう。電気・ガス・水道は戸メータや団地単位でのメータもある。遣い放題は捕捉されやすい。思いやり予算で実施する上乗せ部分は、日本側も厳しい目で見ている。「思いやり」をする必要を認める人々も、保守側であっても、無駄遣いには厳しい。実際に「無駄遣いを認めたわけではない」と、保守側からも問題にされる。
熱源も、思いやり予算の対象である。ここで、熱源として電気やガスを使っていると、戸メータや、団地全体のメータで捕捉される。その結果、無駄遣いを責められる可能性もある。
しかし、蒸気を熱源とすれば、日本側から補足されない。蒸気には、戸メータなしとする実績もあるため、補足されない。しかも、住宅分と基地分を混ぜあわせれば、さらに目立たなくなる。基地蒸気所要は膨大である。艦船向け蒸気供給や、格納庫暖房(蒸気を使った輻射パネル)に混ぜてしまえば、米軍住宅分は完全に紛れてしまう。
日米担当者とも、結構細かい。彼らレベルのリスクには敏感である。米側は権利を守る気満々である。彼らの人事評価基準は、米側権益の保護である。日本側はとにかく波風立てたくない。官僚としての習性がある。思いやり予算の設備使用料を守りたい/波風立てたくないという点では利害が一致する。そうするには、眼につかないようにするのが一番である。
米軍住宅が熱源として蒸気を選択している。これは、案外に意図的な選択の結果ではないかな。
米側が慎ましく、遠慮して使う分には、日本人もあまり問題にしないと思うんだよね。でも、電気ガス水道、高速道路代そのほかで、堂々と無駄遣いされると日本人も不快になるよねえ。
似た様なものとして、山王ホテルとか基地内ゴルフ場とか基地内クレー射撃場とか、そろそろ整理する時期じゃないのかね。
昔、作った蒸気ピッドが時折発見されることがある。別府で、謎の地下道が発見されたとするニュースがあった※が、サイズから明らかに送汽用の地下ピットである。米軍基地や住宅後には地下ピットが残っている。旧軍等防空壕は県費をつかいエアーモルタル等で埋め戻すが、米軍設備は対象外である。米軍は埋め戻すような面倒はやらないので、そのままにされている。
そして、今でも米軍住宅は蒸気暖房を設置している。東北で新築される米軍住宅(一戸建て)にも、各戸に蒸気配管を敷いていた。
この蒸気使用実績だが、日本側は米側提供量がまとめて知らされるだけである。基地用と住宅用は区別なく、合計熱量がBTUで知らされるだけである。
案外、住宅用の熱源使用料を追求されないために蒸気を使い続けているんじゃないかね。
米軍住宅の設備使用料、電気・ガス・水道は思いやり予算で支払われている。このため、遣い放題になってしまう。電気・ガス・水道は戸メータや団地単位でのメータもある。遣い放題は捕捉されやすい。思いやり予算で実施する上乗せ部分は、日本側も厳しい目で見ている。「思いやり」をする必要を認める人々も、保守側であっても、無駄遣いには厳しい。実際に「無駄遣いを認めたわけではない」と、保守側からも問題にされる。
熱源も、思いやり予算の対象である。ここで、熱源として電気やガスを使っていると、戸メータや、団地全体のメータで捕捉される。その結果、無駄遣いを責められる可能性もある。
しかし、蒸気を熱源とすれば、日本側から補足されない。蒸気には、戸メータなしとする実績もあるため、補足されない。しかも、住宅分と基地分を混ぜあわせれば、さらに目立たなくなる。基地蒸気所要は膨大である。艦船向け蒸気供給や、格納庫暖房(蒸気を使った輻射パネル)に混ぜてしまえば、米軍住宅分は完全に紛れてしまう。
日米担当者とも、結構細かい。彼らレベルのリスクには敏感である。米側は権利を守る気満々である。彼らの人事評価基準は、米側権益の保護である。日本側はとにかく波風立てたくない。官僚としての習性がある。思いやり予算の設備使用料を守りたい/波風立てたくないという点では利害が一致する。そうするには、眼につかないようにするのが一番である。
米軍住宅が熱源として蒸気を選択している。これは、案外に意図的な選択の結果ではないかな。
米側が慎ましく、遠慮して使う分には、日本人もあまり問題にしないと思うんだよね。でも、電気ガス水道、高速道路代そのほかで、堂々と無駄遣いされると日本人も不快になるよねえ。
似た様なものとして、山王ホテルとか基地内ゴルフ場とか基地内クレー射撃場とか、そろそろ整理する時期じゃないのかね。
Category : 映画
Category : ミリタリー
海自の潜水隊って要らないよね。
海自の潜水艦は、潜水艦隊に属する。潜水艦隊は、潜水隊群×2で構成され、潜水隊群は、2-3個潜水隊で構成される。話題とする潜水隊は、潜水艦2-4隻で構成される。
この潜水隊だが、ポスト維持以外に用途はない。
まず、作戦時に潜水隊は意味を持たない。潜水隊でまとまって行動することはない。潜水艦はおそらく個別に行動する。潜水隊としてまとめて運用されることは、まずないだろう。仮に複数が同一行動するとしても、潜水艦同士は連絡を取ることは難しい。海自潜水艦に、水中電話等があるかもしれない。もしあったとしても使えば発見される可能性が高い。隠密行動をモットーとする潜水艦は余程のことがなければ使えない。隊として行動することはないのである。
また、潜水隊司令部は、水中では仕事はない。潜水艦に隊司令が座乗しても、できる仕事はない。潜水艦には、一応、潜水隊司令と隊付(准尉さんかな)が乗り込む部屋があるらしい。しかし、潜水艦に乗った隊司令にできる仕事はない。隊司令は艦長が行う行動には口を挟めない。※ 護衛隊や掃海隊なら、隊行動を指示することもあるが、潜水艦ではそれもできない。隊隷下に別の潜水艦があっても、指示しようがないのである。隊司令と隊付が何をやるかと言えば、艦長が発令所で出す指示をワッチする程度。これではバラストと変わらない。実際には、潜水艦の練度評価等で乗り込む程度なのだろう。
陸上でも、潜水隊が担当する仕事はほとんどない。陸上作業は、潜水隊群や潜水艦基地隊がメインで実施している。呉と横須賀には潜水艦の基地が置かれている。そこには、潜水隊群が置かれ、その下に潜水隊と潜水艦基地隊がある。潜水艦のオペレーションがどのレベルで行われるかは、知らないし知る必要もない。しかし、監理や後方支援について計画は、潜水隊群で行われている。細かい実務や実作業は個艦と潜水艦基地隊、造修補給処、業者で行われる。潜水隊がやることはない。
唯一の仕事は、人事評価である。隊内での調整、最終的な審査を行う立場にある。しかし、そのためだけに潜水隊が必要かとすると疑問である。潜水隊が隷下にもつ潜水艦は2-4隻、各艦には60名程度しか載っていない。2-3個潜水隊をまとめても、500名程度である。この程度の人事作業であれば、潜水隊群で充分に実施できる。
潜水艦やその周辺にも、節約の余地はある。海自が潜水艦戦力を増強する方針は正しい。潜水艦に資源を投入することは、戦車に投入することに比べれば有意義である。しかし、潜水隊を維持することには意義は見いだせない。廃止してしかるべきである。
まあ、潜水隊司令は、艦長以上、群司令以下の待機ポストだよね。
※ 艦長としての決定に司令は口出しできない。艦長は法令上「船長」としての権利・義務を持つ。「船長」は独裁者である。司法警察権や懲戒権も持つ。司令は、その上司であるに過ぎない。実際に、艦長に司令が意見しても退けられることもある。航海中のトラブルに際して、ある潜水艦で艦長が潜水員(ダイバー)による水中作業を実施しようとした。司令は「単独作業は危険である」と翻意を促したものの、艦長により作業は実施され、事故を起こした例がある。
海自の潜水艦は、潜水艦隊に属する。潜水艦隊は、潜水隊群×2で構成され、潜水隊群は、2-3個潜水隊で構成される。話題とする潜水隊は、潜水艦2-4隻で構成される。
この潜水隊だが、ポスト維持以外に用途はない。
まず、作戦時に潜水隊は意味を持たない。潜水隊でまとまって行動することはない。潜水艦はおそらく個別に行動する。潜水隊としてまとめて運用されることは、まずないだろう。仮に複数が同一行動するとしても、潜水艦同士は連絡を取ることは難しい。海自潜水艦に、水中電話等があるかもしれない。もしあったとしても使えば発見される可能性が高い。隠密行動をモットーとする潜水艦は余程のことがなければ使えない。隊として行動することはないのである。
また、潜水隊司令部は、水中では仕事はない。潜水艦に隊司令が座乗しても、できる仕事はない。潜水艦には、一応、潜水隊司令と隊付(准尉さんかな)が乗り込む部屋があるらしい。しかし、潜水艦に乗った隊司令にできる仕事はない。隊司令は艦長が行う行動には口を挟めない。※ 護衛隊や掃海隊なら、隊行動を指示することもあるが、潜水艦ではそれもできない。隊隷下に別の潜水艦があっても、指示しようがないのである。隊司令と隊付が何をやるかと言えば、艦長が発令所で出す指示をワッチする程度。これではバラストと変わらない。実際には、潜水艦の練度評価等で乗り込む程度なのだろう。
陸上でも、潜水隊が担当する仕事はほとんどない。陸上作業は、潜水隊群や潜水艦基地隊がメインで実施している。呉と横須賀には潜水艦の基地が置かれている。そこには、潜水隊群が置かれ、その下に潜水隊と潜水艦基地隊がある。潜水艦のオペレーションがどのレベルで行われるかは、知らないし知る必要もない。しかし、監理や後方支援について計画は、潜水隊群で行われている。細かい実務や実作業は個艦と潜水艦基地隊、造修補給処、業者で行われる。潜水隊がやることはない。
唯一の仕事は、人事評価である。隊内での調整、最終的な審査を行う立場にある。しかし、そのためだけに潜水隊が必要かとすると疑問である。潜水隊が隷下にもつ潜水艦は2-4隻、各艦には60名程度しか載っていない。2-3個潜水隊をまとめても、500名程度である。この程度の人事作業であれば、潜水隊群で充分に実施できる。
潜水艦やその周辺にも、節約の余地はある。海自が潜水艦戦力を増強する方針は正しい。潜水艦に資源を投入することは、戦車に投入することに比べれば有意義である。しかし、潜水隊を維持することには意義は見いだせない。廃止してしかるべきである。
まあ、潜水隊司令は、艦長以上、群司令以下の待機ポストだよね。
※ 艦長としての決定に司令は口出しできない。艦長は法令上「船長」としての権利・義務を持つ。「船長」は独裁者である。司法警察権や懲戒権も持つ。司令は、その上司であるに過ぎない。実際に、艦長に司令が意見しても退けられることもある。航海中のトラブルに際して、ある潜水艦で艦長が潜水員(ダイバー)による水中作業を実施しようとした。司令は「単独作業は危険である」と翻意を促したものの、艦長により作業は実施され、事故を起こした例がある。
Category : つれづれに
20年ほど前のこと。
広島県の離島にある某収容所に収容されていた。収容所離島では、行儀作法にことのほかうるさい。そこでは湯殿でもマナーがある。その指導に辟易していた己は「屋上シャワー」愛好家となった。
学部を卒業した翌日、3月末に収容。最初は湯殿を使っていた。だが、5月連休あけてからは、収容所の屋上シャワーで暮らした。最初のうちは仲間も居たが、11月を越える頃には己だけに。
こうなると、件のワルノリの虫が疼きだす。国内研修から戻った、2・3月の広島で、冷水シャワーだけで暮らしてた。広島は結構寒い、雪も降る。雪の降るなかでの冷水シャワーは修行以外のなにものでもない。
まず、40人の大部屋で素っ裸になり、サンダル履きで屋上に出る。屋上シャワーには全周さえぎるもののない。ヘッドの下に立ち、バルブを開き、体を一回転。5秒?でバルブを閉める。体をナイロンたわしで磨く、これは結構ノンビリ。そのアト、再びバルブ開放。20秒?位で石鹸を完全に洗い流す。これが冷たい。終わるときには、寒さで足の爪が紫色になる。寒さはそれほどでもないのだが、冷たさは痛覚に触る。
しかし、体を拭きあげると、存外に寒くない。また振珍で屋上ペントハウスから大部屋に戻る。◯分隊の大部屋、その外側にある◯分隊の大部屋のヤツは既に慣れっこ。驚かない。 しかし、反対舷にある分隊の連中が驚いてくれるのには欣快だった。
B(陸で言うIね)やC(SLOだっけ?)の方と(屋上は、物干しや喫煙所でもあった)偶に遭うと、眼を背けられるほどのインパクトを与えていた。3階に収容されるAとは違い、BCは2階なので屋上シャワーの存在そのものを知らない人も多い。その上、真冬だからねえ。
しかし、あの建物は今では棲家ではないという。居住区が新館に遷ってから、屋上シャワーは廃されたと聞く。 すでに屋上シャワー族も絶えてしまったのだろう。
広島県の離島にある某収容所に収容されていた。収容所離島では、行儀作法にことのほかうるさい。そこでは湯殿でもマナーがある。その指導に辟易していた己は「屋上シャワー」愛好家となった。
学部を卒業した翌日、3月末に収容。最初は湯殿を使っていた。だが、5月連休あけてからは、収容所の屋上シャワーで暮らした。最初のうちは仲間も居たが、11月を越える頃には己だけに。
こうなると、件のワルノリの虫が疼きだす。国内研修から戻った、2・3月の広島で、冷水シャワーだけで暮らしてた。広島は結構寒い、雪も降る。雪の降るなかでの冷水シャワーは修行以外のなにものでもない。
まず、40人の大部屋で素っ裸になり、サンダル履きで屋上に出る。屋上シャワーには全周さえぎるもののない。ヘッドの下に立ち、バルブを開き、体を一回転。5秒?でバルブを閉める。体をナイロンたわしで磨く、これは結構ノンビリ。そのアト、再びバルブ開放。20秒?位で石鹸を完全に洗い流す。これが冷たい。終わるときには、寒さで足の爪が紫色になる。寒さはそれほどでもないのだが、冷たさは痛覚に触る。
しかし、体を拭きあげると、存外に寒くない。また振珍で屋上ペントハウスから大部屋に戻る。◯分隊の大部屋、その外側にある◯分隊の大部屋のヤツは既に慣れっこ。驚かない。 しかし、反対舷にある分隊の連中が驚いてくれるのには欣快だった。
B(陸で言うIね)やC(SLOだっけ?)の方と(屋上は、物干しや喫煙所でもあった)偶に遭うと、眼を背けられるほどのインパクトを与えていた。3階に収容されるAとは違い、BCは2階なので屋上シャワーの存在そのものを知らない人も多い。その上、真冬だからねえ。
しかし、あの建物は今では棲家ではないという。居住区が新館に遷ってから、屋上シャワーは廃されたと聞く。 すでに屋上シャワー族も絶えてしまったのだろう。
Category : ミリタリー
陸士・海兵・防大問わず、自分は慕われていると書いているけれども、ホントはどんなもんだろうね。
自衛隊内を対象にした雑誌に、エライさんの回顧が載っていることがよくある。
そのなかに「ダラけた部隊を引き締めた」みたいな文章が結構載っている。「厳しくやっても、心が通じれば部下も付いてくる」なんて書かれることもある。
バリバリの将校さんなんだろう。けれども、こういう人は、自分に陶酔しているか、ホントに廻りが見えていないかのどっちかだろうね。多分、部下10人として、1人の積極的追従者と2人の消極的追従者がいる程度。あとの6人は「嵐もいずれ過ぎる」と考えている。最後の1人?が積極的反抗者だろう。パレート最適みたいなもんか。
陸士・海兵出の将校さんの回顧なんか読んでも、「部隊やフネは一致団結していた」ように飾っている。けれども、近くにいる予備士官回顧録を読むと「職業軍人って、自分の身繕いだけだね、気の毒だから助けてやっているのに」とか「◯◯艦長は、救助した駆逐艦長に『引換してフネを処分してくれ』と懇願していた、沈まなかったら体裁悪いんじゃないの?」とか温度差が激しい。下士官・兵になると、もっとスゴイ。
まあ、『ダラけた部隊を立て直した』だの『部下に慕われている』だのいうヤツってロクなのはいないだろうってことだね。
自衛隊の中だけではなく、世間でもそういう例はいくらでもあるけれどもね。
自衛隊内を対象にした雑誌に、エライさんの回顧が載っていることがよくある。
そのなかに「ダラけた部隊を引き締めた」みたいな文章が結構載っている。「厳しくやっても、心が通じれば部下も付いてくる」なんて書かれることもある。
バリバリの将校さんなんだろう。けれども、こういう人は、自分に陶酔しているか、ホントに廻りが見えていないかのどっちかだろうね。多分、部下10人として、1人の積極的追従者と2人の消極的追従者がいる程度。あとの6人は「嵐もいずれ過ぎる」と考えている。最後の1人?が積極的反抗者だろう。パレート最適みたいなもんか。
陸士・海兵出の将校さんの回顧なんか読んでも、「部隊やフネは一致団結していた」ように飾っている。けれども、近くにいる予備士官回顧録を読むと「職業軍人って、自分の身繕いだけだね、気の毒だから助けてやっているのに」とか「◯◯艦長は、救助した駆逐艦長に『引換してフネを処分してくれ』と懇願していた、沈まなかったら体裁悪いんじゃないの?」とか温度差が激しい。下士官・兵になると、もっとスゴイ。
まあ、『ダラけた部隊を立て直した』だの『部下に慕われている』だのいうヤツってロクなのはいないだろうってことだね。
自衛隊の中だけではなく、世間でもそういう例はいくらでもあるけれどもね。
Category : 有職故実
昭和10年、衆議院で採択したものを公文書館で発見。
吃音は本人にとっては大変なことなのでしょう。しかし、聾唖とか盲人ほど深刻な問題ではない。吃音矯正機関も、国がやることかなと思うしね。国立機関を作っても周辺の人しか来ないんじゃないかと。
他にも、「うーん」というものを色々と閲覧。
娼妓開放へのカウンターとしてか、「公娼制度存置ニ関する請願」というのもありました。ちなみに「公娼制度は社会風紀を守り(姦通防止?)、性病を予防する(大意)」とする内容。
しかし、性病予防の効果はどれほどのものかね? 娼妓は月一回でチェックしていたという。まったく無駄なことでもないが、性病が防遏されたわけでもない。公娼制度は戦前から、戦後しばらくまで存続していた。しかし、その間、新聞には花柳病の売薬広告が常に掲載されている。公娼私娼ともに感染の太宗だったのではないかな。
あと、公娼制度では後腐れのない性欲処理云々についてもね。公娼制度は、女性は利用する側ではない。女性がムラムラ来たときには、公娼制度があっても効果はない。姦通を防ぐ効用もなんだよね。
「国字問題解決ニ関スル請願」とか「25歳以下に酒を飲ませるな(おぼろげ)請願」とかね。結構面白い。
でもねえ、肝心な資料が見つからないのは困りものでね。
吃音は本人にとっては大変なことなのでしょう。しかし、聾唖とか盲人ほど深刻な問題ではない。吃音矯正機関も、国がやることかなと思うしね。国立機関を作っても周辺の人しか来ないんじゃないかと。
他にも、「うーん」というものを色々と閲覧。
娼妓開放へのカウンターとしてか、「公娼制度存置ニ関する請願」というのもありました。ちなみに「公娼制度は社会風紀を守り(姦通防止?)、性病を予防する(大意)」とする内容。
しかし、性病予防の効果はどれほどのものかね? 娼妓は月一回でチェックしていたという。まったく無駄なことでもないが、性病が防遏されたわけでもない。公娼制度は戦前から、戦後しばらくまで存続していた。しかし、その間、新聞には花柳病の売薬広告が常に掲載されている。公娼私娼ともに感染の太宗だったのではないかな。
あと、公娼制度では後腐れのない性欲処理云々についてもね。公娼制度は、女性は利用する側ではない。女性がムラムラ来たときには、公娼制度があっても効果はない。姦通を防ぐ効用もなんだよね。
「国字問題解決ニ関スル請願」とか「25歳以下に酒を飲ませるな(おぼろげ)請願」とかね。結構面白い。
でもねえ、肝心な資料が見つからないのは困りものでね。
Category : ミリタリー
『高射砲兵の運用』※には、対空部隊が沿岸での対艦攻撃を行う構想が載っている。捜索レーダで目標艦船を探し、測距レーダで距離を求め、スカイ・スイーパー他の高射砲で攻撃するというものである。
旧陸軍が、対艦攻撃を重視していた影響であろう。旧陸軍は、陸上戦以上に対艦船戦闘を重視していた。戦争後半には、戦車量産は諦め、艦船攻撃に用いる兵器に力を注いでいる。
敵は船で来る。その船を沈めることは、陸に上がった敵部隊を攻撃するよりも効率は高く、優先度も高い。対空部隊を対艦戦闘に投入することには意義があったのである。
その後、陸自にはHAWK(ホーク)対空ミサイルが導入された。ホークはセミ・アクティブ・レーダ・ホーミング方式(SARH)で誘導される。つまり、誘導用レーダで照射すれば、それに当たる。飛行機であっても、艦船であっても変わらない。
ターター/スタンダート対空ミサイルは、ホークと同じSARH方式であるが、対艦攻撃モードがあった。また、シー・スパローもホークと同じSARH方式による対空ミサイルである。このシー・スパローは、艦船に命中してしまった例もある。米空母に搭載したシースパローが、たまたま照射されたトルコ海軍フリゲートに命中したのである。
ホークも、CWで艦船を照射すれば命中する。そしてホークを運用した陸自は、高射砲兵で艦船攻撃を行わせる発想があった。高射特科には、有力な対艦攻撃手段になるホークがある。それを対艦攻撃に使わない理由はない。
おそらく、ホークには対艦攻撃モード、あるいは対艦攻撃用法があったのではないかな。
※ 第一幕僚監部『高射砲兵の運用』1953年
旧陸軍が、対艦攻撃を重視していた影響であろう。旧陸軍は、陸上戦以上に対艦船戦闘を重視していた。戦争後半には、戦車量産は諦め、艦船攻撃に用いる兵器に力を注いでいる。
敵は船で来る。その船を沈めることは、陸に上がった敵部隊を攻撃するよりも効率は高く、優先度も高い。対空部隊を対艦戦闘に投入することには意義があったのである。
その後、陸自にはHAWK(ホーク)対空ミサイルが導入された。ホークはセミ・アクティブ・レーダ・ホーミング方式(SARH)で誘導される。つまり、誘導用レーダで照射すれば、それに当たる。飛行機であっても、艦船であっても変わらない。
ターター/スタンダート対空ミサイルは、ホークと同じSARH方式であるが、対艦攻撃モードがあった。また、シー・スパローもホークと同じSARH方式による対空ミサイルである。このシー・スパローは、艦船に命中してしまった例もある。米空母に搭載したシースパローが、たまたま照射されたトルコ海軍フリゲートに命中したのである。
ホークも、CWで艦船を照射すれば命中する。そしてホークを運用した陸自は、高射砲兵で艦船攻撃を行わせる発想があった。高射特科には、有力な対艦攻撃手段になるホークがある。それを対艦攻撃に使わない理由はない。
おそらく、ホークには対艦攻撃モード、あるいは対艦攻撃用法があったのではないかな。
※ 第一幕僚監部『高射砲兵の運用』1953年
Category : オブイェクト研究
自称ロシア通である某さん「対空挺地雷である」と断じているのだけれども、どうみても水際機雷/地雷なんだよね、って話。
発端は、朝日新聞の関根和弘さんが紹介された1枚の写真です。どうみても水際機雷なのだけれども、関根さんは、
>これは対空てい部隊の地雷です。面白い形をしています。
http://twitpic.com/8zxray
と説明されています。しかし、実物は対上陸舟艇用に使われる水際機雷です。おそらく関根さん、「対デサント用」を「対空挺作戦用」と理解されたのでしょう。専門ではないとのことですから、仕方がないことです。もちろん、地雷とすれば珍しく、面白い形体です。役に立つ紹介といえるでしょう。
しかしこれを見た、ロシア通を自称する某さんが、対空挺用であると断じるのは、どうなんでしょうね。
>対空挺地雷? これは初めて見た…
https://twitter.com/#!/obiekt_JP/status/182976475815878657
>@hachimaki_t ロシアは対空地雷を開発した国でもあるので、これもそれに近いものかも。
https://twitter.com/#!/obiekt_JP/status/182978904284344320
某さん、軍事に詳しい人を自称しているわけです。それなら、写真を見れば、水際機雷であることが明らかなことくらい分かるでしょう。また、ロシア通を気取っている某さんや、周囲の人なら、ロシアの地雷について詳しいはずです。ロシアに対空地雷があるなら、その形体、動作原理と比較してオカシイことに気づかなければなりませんよね。
いやね、某さんは「軍事的な誤り」「デマ」に厳しい人でもある。はっきり言えば、他人の過ちを見つけて、鬼の首をとったように喧伝する。しかし、某さん、これを対空挺用地雷という「軍事的誤り」を紹介しているわけです。それって「デマ」じゃないのって。
一番不思議なのが、なんで某さん「対空挺地雷」「対空地雷に近いもの」なんて判断したかってところね。特異な形状、空挺用だとした場合の動作原理について、疑問に思わなかったところ、相当に甘いですね。
だってさ、この形体で「地雷」とすれば、水際機雷/地雷※しかありませんもの。底板は、機雷の沈みこみを防ぎ、缶体を垂直に保持するため。球体の上にある棒は、触角そのものか、おそらくは触角の先端を延長した棒。船底が棒に引っ掛かると、根本にある信管、多分、電解液の入ったガラス瓶が割れて、発火させる役割でしょ。
状況証拠としてもさ、指揮棒で説明する兵隊さんの後ろにあるのも、水際機雷だね。半球型に棒がつきだしたタイプで、日本海軍が作った「タラワ型」の1触角タイプと全く同じ形ですからねえ。
説明で、キャプションで、「対空挺地雷」とあると、そのまま信じてしまうのでしょうね。そこにあるもの、説明されているものには気づくけど、説明されていないもの、そこにないものには気づかない。某さんはそういうタイプなのでしょう。
ま、常々公言している「軍事的な常識」や「情報へのリテラシー」に欠けているのは、御本人ということになりますね。
某さんは、他人の間違いをあげつらう人です。だから、私が間違いを見つけて指摘しても、文句もないでしょう。
※ 水際機雷(みずぎわきらい)は旧海軍兵器、水際地雷(すいさいじらい)は陸自現用の兵器。用途は同じ。
-------------------------24日午後4時に追記-----------------
調べてきたけど、該当機雷は、PDM-2水際機雷/地雷だね。
Russian's Arms and Technology Vol12(Public House,Moscow,2006)p351.に写真付きで説明があった。
別の本をあわせてみると、ロシアは水際機雷/地雷としてPDM-1,PDM-1M,PDM-2,PDM-4,PDM-6を保有しているとされている。でも、浅海・河川用であるMIRAB機雷あたりと境目がないねえ。
発端は、朝日新聞の関根和弘さんが紹介された1枚の写真です。どうみても水際機雷なのだけれども、関根さんは、
>これは対空てい部隊の地雷です。面白い形をしています。
http://twitpic.com/8zxray
と説明されています。しかし、実物は対上陸舟艇用に使われる水際機雷です。おそらく関根さん、「対デサント用」を「対空挺作戦用」と理解されたのでしょう。専門ではないとのことですから、仕方がないことです。もちろん、地雷とすれば珍しく、面白い形体です。役に立つ紹介といえるでしょう。
しかしこれを見た、ロシア通を自称する某さんが、対空挺用であると断じるのは、どうなんでしょうね。
>対空挺地雷? これは初めて見た…
https://twitter.com/#!/obiekt_JP/status/182976475815878657
>@hachimaki_t ロシアは対空地雷を開発した国でもあるので、これもそれに近いものかも。
https://twitter.com/#!/obiekt_JP/status/182978904284344320
某さん、軍事に詳しい人を自称しているわけです。それなら、写真を見れば、水際機雷であることが明らかなことくらい分かるでしょう。また、ロシア通を気取っている某さんや、周囲の人なら、ロシアの地雷について詳しいはずです。ロシアに対空地雷があるなら、その形体、動作原理と比較してオカシイことに気づかなければなりませんよね。
いやね、某さんは「軍事的な誤り」「デマ」に厳しい人でもある。はっきり言えば、他人の過ちを見つけて、鬼の首をとったように喧伝する。しかし、某さん、これを対空挺用地雷という「軍事的誤り」を紹介しているわけです。それって「デマ」じゃないのって。
一番不思議なのが、なんで某さん「対空挺地雷」「対空地雷に近いもの」なんて判断したかってところね。特異な形状、空挺用だとした場合の動作原理について、疑問に思わなかったところ、相当に甘いですね。
だってさ、この形体で「地雷」とすれば、水際機雷/地雷※しかありませんもの。底板は、機雷の沈みこみを防ぎ、缶体を垂直に保持するため。球体の上にある棒は、触角そのものか、おそらくは触角の先端を延長した棒。船底が棒に引っ掛かると、根本にある信管、多分、電解液の入ったガラス瓶が割れて、発火させる役割でしょ。
状況証拠としてもさ、指揮棒で説明する兵隊さんの後ろにあるのも、水際機雷だね。半球型に棒がつきだしたタイプで、日本海軍が作った「タラワ型」の1触角タイプと全く同じ形ですからねえ。
説明で、キャプションで、「対空挺地雷」とあると、そのまま信じてしまうのでしょうね。そこにあるもの、説明されているものには気づくけど、説明されていないもの、そこにないものには気づかない。某さんはそういうタイプなのでしょう。
ま、常々公言している「軍事的な常識」や「情報へのリテラシー」に欠けているのは、御本人ということになりますね。
某さんは、他人の間違いをあげつらう人です。だから、私が間違いを見つけて指摘しても、文句もないでしょう。
※ 水際機雷(みずぎわきらい)は旧海軍兵器、水際地雷(すいさいじらい)は陸自現用の兵器。用途は同じ。
-------------------------24日午後4時に追記-----------------
調べてきたけど、該当機雷は、PDM-2水際機雷/地雷だね。
Russian's Arms and Technology Vol12(Public House,Moscow,2006)p351.に写真付きで説明があった。
別の本をあわせてみると、ロシアは水際機雷/地雷としてPDM-1,PDM-1M,PDM-2,PDM-4,PDM-6を保有しているとされている。でも、浅海・河川用であるMIRAB機雷あたりと境目がないねえ。
Category : ミリタリー
方面隊、地方隊を省略、あるいは縮小整理することにより、人件費を下げ、人員を部隊に回すことができないかね。
陸自は5方面隊、海自は4地方隊それぞれに総監部を置き、行政、作戦、後方支援を担当している。これは余分な結節になっている。
地方ごとで業務を行う理由も乏しい。行政や後方支援のメインである人事や調達も、今ではIT化により全国一括で行えるようになっている。たしかに、土地に縛り付く補給処や造補所は必要である。しかし、総監部として今の規模が必要ではない。作戦部も、冷戦終結以降、本土戦に備える必要性は大きく減少している。災害派遣、ゲリラ・コマンド対策程度である。今の作戦部ほどの規模は必要ない。
そして、管区も多すぎる。陸上を5管区、海域を4管区と、自衛隊規模に比較し細分しすぎである。すでに脅威は海外にシフトしている。国内・沿海を多管区に分割する理由もない。
方面隊・地方隊、特に総監部には、廃止あるいは規模縮小の余地がある。また、5方面隊、4地方隊といった管区数も、減らす余地がある。
方面隊・地方隊、特に中核となる総監部は絶対必要な機関ではない。行政、作戦、後方支援とも、全国区で集約処理することができる。
行政のメインである人事はIT化により、全国区で管理できる。今やっているような、カード、ジャケット、赤表紙、黒表紙による人事管理も、電子化すれば、方面隊、地方隊といった結節抜きで処理できる。
作戦も、地方に固定した司令部の必要はなくなっている。本土への脅威はすでにない。内地での作戦は、それほど考える必要はない。国内地方を担任する司令部は、意味を失っている。陸自に、師団以上の司令部が必要になっても、アド・ホックなタスク編成で済む。海自は実際にそのようにやっている。各地方ごとの、災害対処計画やその実施は重要かもしれないが、その準備として、総監部規模の作戦部は必要はない。
後方支援も、IT化により、全国区で処理できる。もちろん、現地にある補給処や造補所は動かせない。会計や経理が行う調達/入札も現地から動かせいない。しかし、それを監理する総監部の必要性は、それほど切実ではない。
また、管区も多すぎる。5方面隊・4総監部は、自衛隊規模に比して多い。 自衛隊規模は、小さいものではないが、戦前に比べれば半分以下である。
陸上戦力も、基幹10個師団と5個旅団である。それを5管区に細分する必要はない。
海上戦力はもっと極端である。4個護衛隊群(これは地方隊とは全然関係ない)基幹とはいいながら、自衛艦隊のレベルで混ぜ合わされて運用されている。地方に回された護衛隊とも混ぜ合わされ、適宜組み合わせて運用されているのである。地方隊には意味はない。※
そして、いまや日本本土への脅威はなくなった。自衛隊活動も海外が焦点になっている。国内を多管区に細分する必要もない。
方面隊・地方隊は、縮小する余地がある。方面隊・地方隊の数も多すぎる。そのメリットも大きい。
総監部が抱える人員は、少ないものではない。特に将官以下、高級・中級幹部を多数含んでおり、人件費も高い。総監部を廃止し、あるいは整理縮小し、ポストを減らせば人件費を減らすことができる。中級幹部以下も、部隊に回し、充足率を上げることもできるのである。
まあ、高級ポストを整理すれば、人件費も現場の充足率も上がるよね、って話。全国区で処理できるようになっているのに総監部とかねえ。まあ、一番アレなのが、護衛艦隊司令部かね。屋上屋を架すような司令部で、庁舎と旗艦を両方持っている。「必要なのかな」って誰でも思うでしょう。
※ 海軍区を分割するのは、明治期にフランスの影響を受けたものである。だが、その後、戦力は連合艦隊でまとめて運用されている。旧海軍区−地方隊は、その頃から戦力分割とは関係を失っている。
※※ 団、群や機関、小規模部隊、造補処、弾補所、教育隊を束ねる地方単位の管理組織は必要になるが、今の総監部ほど高級である必要はなく、多数設置する必要もない。
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陸自は5方面隊、海自は4地方隊それぞれに総監部を置き、行政、作戦、後方支援を担当している。これは余分な結節になっている。
地方ごとで業務を行う理由も乏しい。行政や後方支援のメインである人事や調達も、今ではIT化により全国一括で行えるようになっている。たしかに、土地に縛り付く補給処や造補所は必要である。しかし、総監部として今の規模が必要ではない。作戦部も、冷戦終結以降、本土戦に備える必要性は大きく減少している。災害派遣、ゲリラ・コマンド対策程度である。今の作戦部ほどの規模は必要ない。
そして、管区も多すぎる。陸上を5管区、海域を4管区と、自衛隊規模に比較し細分しすぎである。すでに脅威は海外にシフトしている。国内・沿海を多管区に分割する理由もない。
方面隊・地方隊、特に総監部には、廃止あるいは規模縮小の余地がある。また、5方面隊、4地方隊といった管区数も、減らす余地がある。
方面隊・地方隊、特に中核となる総監部は絶対必要な機関ではない。行政、作戦、後方支援とも、全国区で集約処理することができる。
行政のメインである人事はIT化により、全国区で管理できる。今やっているような、カード、ジャケット、赤表紙、黒表紙による人事管理も、電子化すれば、方面隊、地方隊といった結節抜きで処理できる。
作戦も、地方に固定した司令部の必要はなくなっている。本土への脅威はすでにない。内地での作戦は、それほど考える必要はない。国内地方を担任する司令部は、意味を失っている。陸自に、師団以上の司令部が必要になっても、アド・ホックなタスク編成で済む。海自は実際にそのようにやっている。各地方ごとの、災害対処計画やその実施は重要かもしれないが、その準備として、総監部規模の作戦部は必要はない。
後方支援も、IT化により、全国区で処理できる。もちろん、現地にある補給処や造補所は動かせない。会計や経理が行う調達/入札も現地から動かせいない。しかし、それを監理する総監部の必要性は、それほど切実ではない。
また、管区も多すぎる。5方面隊・4総監部は、自衛隊規模に比して多い。 自衛隊規模は、小さいものではないが、戦前に比べれば半分以下である。
陸上戦力も、基幹10個師団と5個旅団である。それを5管区に細分する必要はない。
海上戦力はもっと極端である。4個護衛隊群(これは地方隊とは全然関係ない)基幹とはいいながら、自衛艦隊のレベルで混ぜ合わされて運用されている。地方に回された護衛隊とも混ぜ合わされ、適宜組み合わせて運用されているのである。地方隊には意味はない。※
そして、いまや日本本土への脅威はなくなった。自衛隊活動も海外が焦点になっている。国内を多管区に細分する必要もない。
方面隊・地方隊は、縮小する余地がある。方面隊・地方隊の数も多すぎる。そのメリットも大きい。
総監部が抱える人員は、少ないものではない。特に将官以下、高級・中級幹部を多数含んでおり、人件費も高い。総監部を廃止し、あるいは整理縮小し、ポストを減らせば人件費を減らすことができる。中級幹部以下も、部隊に回し、充足率を上げることもできるのである。
まあ、高級ポストを整理すれば、人件費も現場の充足率も上がるよね、って話。全国区で処理できるようになっているのに総監部とかねえ。まあ、一番アレなのが、護衛艦隊司令部かね。屋上屋を架すような司令部で、庁舎と旗艦を両方持っている。「必要なのかな」って誰でも思うでしょう。
※ 海軍区を分割するのは、明治期にフランスの影響を受けたものである。だが、その後、戦力は連合艦隊でまとめて運用されている。旧海軍区−地方隊は、その頃から戦力分割とは関係を失っている。
※※ 団、群や機関、小規模部隊、造補処、弾補所、教育隊を束ねる地方単位の管理組織は必要になるが、今の総監部ほど高級である必要はなく、多数設置する必要もない。
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