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- » 2023 . 04
Category : 未分類
姓名判断ほど胡散臭いものもない。漢字の画数で人生が影響するなら西欧人はみんな同じ運命をたどるのだろうか?
笹原宏之先生が姓名判断の奇妙さについて言及している。幽霊漢字を見つけた人で、大学院の時に講義をとっていた。
集英社の『kotoba』最新号の記事「漢字は変わり続ける」がそれ。
漢字の画数は時期や地域、気分で変わる。並行して使われる異体字や俗字もある。考えてみても、そもそも大元が象形文字なのだからオリジナルに画数も書き順もあるはずもない。
それを姓名判断にしたのも昭和初期の話に過ぎない。熊崎健翁が始めたものだ。だが、ひとこと「そもそも統計すら取っていないだろう」と一刀両断している。確かに姓名判断には有名な人の名前を挙げ、素晴らしい画数の組み合わせとしているが「この組み合わせにすればホニャララ能力。ホニャララ運があがる」といった話はない。
その点で血液占いにも劣るものではないかね。血液型では、キチンと血液型と性格をこじつけている。その血液型の時の有名人を探して、そのグループに共通するだろうイメージを考えだして提示している。
姓名判断にはそれはない。易経を元にしたものとはされているが、その画数組み合わせではどのような運命が待っているかを提示できないし、運なしの人を集めて共通する組み合わせもみつけだすこともできない。
まー、本当に画数で人生が決まるなら、非漢字圏の人たちはどうなるのかだけどね。インドや韓国を含む各種のアルファベット文化圏の人たちには運不運は存在しないということになるのではないかな?
あと、欧州には使える名前が決まっていた時期もある。聖書に出てくる名前しかだめといったものだ。その国であれば人名と運命の相関関係がとれるかもしれない。まあ、運命の測定がアレだけど、人口中のその名前と、宝くじの当選者名とか、第一次世界大戦での戦死者の数の統計取ればいいんじゃないのかね。
ただ一つ言えるのは、珍名は目立つので人間関係の圧力から一部に集まる現象とかはあるかもしれない。学校なんかでも目立って、成績上位に入ると注目されるようになり、それで頑張るといった負のフィードバックにはいるから、東大合格者とか博士号の取得者には珍名が多いかもしれない。
ほかに記事の中でおもしろいのは、渋谷の「渋」の四点チョンチョンは「スクランブル交差点」といったイメージを出した例があるというやつかね。
塁や摂に共通する部分だが、あれは繰り返しの省略。昔は森、品、晶みたいな三段重ねでもつかっていたが、戦後は標準の漢字の制定と、活字文字の規範化でなくなった。
今、全くつかっていないのは「州」の字か。あれは「力」を三段重ねにして、下の二つをチョンチョンにしたものは明治期海軍文書や斎藤実文書で結構読んだ覚えがある。
* 笹原宏之「漢字は変わり続ける」『kotoba』(集英社,2015.12)pp.176-179.
** 先生が面白いのは「漢字検定不祥事のあと、立てなおしで協会に入ったのだけど、まあ意味のない検定だよね」というもの。
日本語と漢字の研究者の目から見て、使わない用例を覚えさせるとか無駄、そもそもその組織だけとか
一人だけでしか使っていない用法がある。それを問題に出してもクイズでしかないといったもの。
己の商売だと軍事関係の◯◯検定もおなじようなもんで金儲けのクイズにすぎないよねえと。
毒も薬もない戦史検定もそうだけど、防衛調達知識検定なんて予決令の解説本買って読んどけといったものでしかない
笹原宏之先生が姓名判断の奇妙さについて言及している。幽霊漢字を見つけた人で、大学院の時に講義をとっていた。
集英社の『kotoba』最新号の記事「漢字は変わり続ける」がそれ。
漢字の画数は時期や地域、気分で変わる。並行して使われる異体字や俗字もある。考えてみても、そもそも大元が象形文字なのだからオリジナルに画数も書き順もあるはずもない。
それを姓名判断にしたのも昭和初期の話に過ぎない。熊崎健翁が始めたものだ。だが、ひとこと「そもそも統計すら取っていないだろう」と一刀両断している。確かに姓名判断には有名な人の名前を挙げ、素晴らしい画数の組み合わせとしているが「この組み合わせにすればホニャララ能力。ホニャララ運があがる」といった話はない。
その点で血液占いにも劣るものではないかね。血液型では、キチンと血液型と性格をこじつけている。その血液型の時の有名人を探して、そのグループに共通するだろうイメージを考えだして提示している。
姓名判断にはそれはない。易経を元にしたものとはされているが、その画数組み合わせではどのような運命が待っているかを提示できないし、運なしの人を集めて共通する組み合わせもみつけだすこともできない。
まー、本当に画数で人生が決まるなら、非漢字圏の人たちはどうなるのかだけどね。インドや韓国を含む各種のアルファベット文化圏の人たちには運不運は存在しないということになるのではないかな?
あと、欧州には使える名前が決まっていた時期もある。聖書に出てくる名前しかだめといったものだ。その国であれば人名と運命の相関関係がとれるかもしれない。まあ、運命の測定がアレだけど、人口中のその名前と、宝くじの当選者名とか、第一次世界大戦での戦死者の数の統計取ればいいんじゃないのかね。
ただ一つ言えるのは、珍名は目立つので人間関係の圧力から一部に集まる現象とかはあるかもしれない。学校なんかでも目立って、成績上位に入ると注目されるようになり、それで頑張るといった負のフィードバックにはいるから、東大合格者とか博士号の取得者には珍名が多いかもしれない。
ほかに記事の中でおもしろいのは、渋谷の「渋」の四点チョンチョンは「スクランブル交差点」といったイメージを出した例があるというやつかね。
塁や摂に共通する部分だが、あれは繰り返しの省略。昔は森、品、晶みたいな三段重ねでもつかっていたが、戦後は標準の漢字の制定と、活字文字の規範化でなくなった。
今、全くつかっていないのは「州」の字か。あれは「力」を三段重ねにして、下の二つをチョンチョンにしたものは明治期海軍文書や斎藤実文書で結構読んだ覚えがある。
* 笹原宏之「漢字は変わり続ける」『kotoba』(集英社,2015.12)pp.176-179.
** 先生が面白いのは「漢字検定不祥事のあと、立てなおしで協会に入ったのだけど、まあ意味のない検定だよね」というもの。
日本語と漢字の研究者の目から見て、使わない用例を覚えさせるとか無駄、そもそもその組織だけとか
一人だけでしか使っていない用法がある。それを問題に出してもクイズでしかないといったもの。
己の商売だと軍事関係の◯◯検定もおなじようなもんで金儲けのクイズにすぎないよねえと。
毒も薬もない戦史検定もそうだけど、防衛調達知識検定なんて予決令の解説本買って読んどけといったものでしかない
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07:57
名無しの旅人
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00:48
おひさま
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ただ、ビジネスモデルとしては面白い。占いに興味があるのって、10代女子か爺ちゃん婆ちゃんくらいのもんですが、若い夫婦という市場を見つけちゃったんですね。この世代は分別が付いてるようで付いていないから、実に美味しいお客さんでして、業界的には「その手があったか〜」というような画期的なものだったんでしょう。
胡散臭いなりに続いてるのって、そういう理由なんじゃないかと。