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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2017.08
08
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21:54
Category : 未分類
 「みちびき」完成がニュースになっている。これは準天頂衛星4号機だ。その打ち上げに成功すれば日本上空には常に1機が直上にある状態が維持できることになる。

 それについてNHKは次のように報道している。
スマートフォンなどの位置情報システムの性能を飛躍的に高める日本版GPS衛星「みちびき」の4号機が完成し、8日報道陣に公開されました。
[中略]
みちびきは今月11日、3号機が種子島宇宙センターから打ち上げられる予定で、今回の4号機も含めた4機体制が整うと、現在10メートルほどあるGPSの位置情報の誤差を数センチにまで縮めることができるということです。

これが実現できれば、ショベルカーやトラクターといった建設業や農業に使われる機械を自動で運転したり、ドローンを使って自動で物資を輸送したりするなど社会のさまざまな分野で新たなサービスが展開できるようになると期待されています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170808/k10011092981000.html


 だが、「みちびき」は実用されるのだろうか?

 それはない。なぜなら、サービスエリアは日本列島周辺に限定される。そのような機能を商品に組み込むGPSメーカーはないこと。さらにはそもそもセンチメートル単位の測地の必要性そのものがないことだ。


■ アメリカ市場に「みちびき」対応はいらない

 GPS機器を作る側になれば理解は容易いだろう。

 このグローバル経済の下では世界市場を相手にしなければならない。特に工業製品はそれが求められる。市場規模が確保できなければスケールメルっとを甘受できないからだ。
 これはチップからソフト、完成品に至るまで同じである。GPSの周りを集約したICや、それを動かすソフト、それらを搭載した各種機械は世界市場対応を狙う。

 そこに「みちびき」対応を入れる余裕があるだろうか? 

 チップは入れられない可能性が大きい。もちろん受波部分は従来品と共用できるだろう。だが、その後処理を担当するハードが必要となると、まずは入れない。日本限りのサービスだからだ。

 ソフトもどうなるか怪しい。もちろん、受波できれば後工程はソフトでできる。だが、日本限りのサービスであり、万人が実用する水準の性能ではない。携帯電話にRTKを入れるようなもので無駄でしかないからだ。

 製品も同じだ。ソキアがトータルステーションのGPS機能に「みちびき」対応をいれるだろうか? そんなものをつければ、その分値段は高くなる。「みちびき」が対応しないエリアでの競争力を失う。オプションでつけるにしても、世界市場・世界標準ではないので高くなるので日本人でも買わない。


■ 誰も使わない「みちびき」

 つまり、誰も使わないということだ。国の事業でお付き合いさせると言った程度だ。

 必要な分野そのものがない。

 農業や土木での情報施工でも光学認識を選ぶ。田んぼに苗を植えるにしても、カメラからの光学情報でやったほうが間違いはない。事故等で「みちびき」が不調となっても影響を請けないからだ。

 そして、実際に農業では光学認識型が商品化されている。前の農機具の後を追っかけてくるタイプだ。これは世界市場でも使えるものなのでメーカーもそちらを推す。当然ながら「みちびき」なんぞ使わない。

 ドローンも同じだ。大概の運航なら従来のデシメートル誤差で十分である。それがセンチメートルとなるメリットはないからだ。物資輸送でセンチ単位誤差が必要か、航空写真でセンチ単位誤差が必要かということだ。


■ これも一種の宇宙開発詐欺

 結局はこれも詐欺の一種だ。使いもしない「みちびき」事業に金を突っ込んで宇宙屋が儲ける錬金術でしかない。

 それを今頃打ち上げるのもマヌケだ。センチ程度の誤差は已にRTKで実現している。移動体に適用するにしても、それならデファレンシャルで十分だからだ。

 まずはサッサとやめたほうがよい。日本は已に貧乏国に陥ろうとしている。金がないのに無駄金を使う余裕はない。

 一番いいのは打ち上げ失敗だ。それで4号機が人の迷惑にならないところに落ちれば、管理する手間も省けるので一番よろしい。已に打ち上げた衛星も放置に限るだろう。
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Comment

非公開コメント

記事を読みました

お邪魔します。
 本エントリーとは関係なくて申し訳ないのですが、記事を読みました。
 「海洋国家の干渉・関与を排除するために海洋国家の艦艇を沿岸に接近させない」事が大陸国家の海軍の役割ですが、現代ではそれは航空機とミサイルでかなりの事が出来てしまいます。ですから中国海軍の空母は「(中国)海軍の新たなる役割」を求めてのものだと思われます。冷戦終結で海に強敵がいなくなった米海軍が、「海からの地域紛争への介入」を新たな役割としてズムウォルト級対地駆逐艦や沿岸域戦闘艦を建造したように。
 それから小なりと言えども航空哨戒圏を「持ち運べる」のが「制海艦も含めた航空母艦」ではないかと思われます。

みちびき対応製品リスト

iPhone7が対応していますよ。

Re: みちびき対応製品リスト

米GPSに並んでつかってるだけで
アレは別段「みちびき」独特の機能使ってません
補正信号すら拾ってないです

> iPhone7が対応していますよ。

No title

ご指摘のSOKKIAが「みちびき」に対応したGNSSを販売していますよ。

Re: No title

これも標準でつかうものではない、器材自体がオプションなんですよ
トータルステーションでの取り違え防止の参考程度だとGPSで充分だし

衛星のみでの測量も今までのRTKで充分だから、別段いらないものです

> ご指摘のSOKKIAが「みちびき」に対応したGNSSを販売していますよ。

Re: Re: No title

ちょっと調べたけど http://www.topcon.co.jp/positioning/sokkia/products/product/gnss/ の中の一部でしかないし
さらに肝腎のL6信号使ってないみたいですね


> これも標準でつかうものではない、器材自体がオプションなんですよ
> トータルステーションでの取り違え防止の参考程度だとGPSで充分だし
>
> 衛星のみでの測量も今までのRTKで充分だから、別段いらないものです
>
> > ご指摘のSOKKIAが「みちびき」に対応したGNSSを販売していますよ。

No title

L1C/A受信してるだけでしょ、基本はGPSと一緒、だから受信できる。
なら完全に一緒にしてしまえばいいのに、どうも微妙に補完信号を変えちゃってるみたいという間抜け。
ちょっと受信がしやすくなってラッキー程度に大枚叩くのは馬鹿のやることでしょ。

その内出来る、GalileoやらGLONASSにタダ乗りすればいいのに、独自に作るあたり根本的にアホ。
10年あたりに独自システムは国家の意思・ユーザーの強い要望が無ければ不要と出てるのにね、本当にどうしようもない。

軍事的には暗号化された公共専用信号が重要では?

No title

ソキア・トプコン
要するに、元国策企業(陸軍ご用達)のトプコン製のGPSパーツをソキアの光波に乗っけている?

No title

民はGPS+GLONASSで十分ですよね…
記事にも触れられてます通り、これからはセンサーと画像認識の高機能化と普及が進むでしょうしね
車のAI化とかがいい例
というかあの規模の大型衛星をほぼ静止軌道に近い位置まで7機打ち上げて維持するとか日本の宇宙予算の半分くらい食いますよ
これといった需要がないものにそんだけの金をつぎ込んで誰か責任取る人居るんですかね

No title

巡航ミサイルと超音速対艦ミサイルと無人機は
これがないと使えない
アメリカはGPSに制限かけるからね
とりあえず4機おためしで運用して
最終的に世界規模のを打ち上げるのが理想

Re: No title

アメリカはもうGPSに制限を掛けられないよ

まあ、アメリカに制限描けられた状態で戦争をするって
その段階で日米同盟は機能しないで負けでしょ

しかも日本だけがサービスエリアの国産衛星測位つかって
巡航ミサイルをって、日本国内しか攻撃できないじゃん


> 巡航ミサイルと超音速対艦ミサイルと無人機は
> これがないと使えない
> アメリカはGPSに制限かけるからね
> とりあえず4機おためしで運用して
> 最終的に世界規模のを打ち上げるのが理想

本エントリーに関して

再びお邪魔します。
 本エントリーに関してですが、アポロ計画は月にまで到達しましたがその後は続きませんでした(次は火星?)。またスペースシャトルは「再利用したら安くなると思ったら、再利用の実現に却ってコストがかかった」結果になりました。またコンコルドのように「元が取れない事は開発途中に分かったにも関わらず開発が続行された」例もあります。
 日本の宇宙開発も「個々がどうこう」といったレベルでは無く、「限られたリソースの中で、全体として何をどこまでやるか、世界の中でどこのポジションを取るか」の問題ではないかと思われます(もしかしたらこの分野では日本は中国の後ろかも)。おそらく個別の「これがやりたい」があって、声の大きなそれが通っているのが現状でしょう。2020年東京オリンピックも「一度やったからもういい」が多数だったはずですが、結局「やりたい」という声が通ってしまいました。当面の商業的成功や華々しい成果ではなく、「相手に足元を見られない、相手の都合に振り回されるリスクを減らす」ためにもある程度は自前でやっておいた方が良いように思いますが、「国内に拘らず、海外の有望なベンチャー等を支援する」「核となり得る重要な要素技術を持って、それを用いて関与していく」というのもありだと思いますし、「宇宙開発は諦め、他の分野で頑張る」もありえると思います。たとえ落ち目ではあっても何もしなければじり貧に陥るだけでしょう。無論「起死回生、一発逆転を狙う」というのは大抵失敗して悲惨な結果になりますが。