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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2017.11
23
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17:34
Category : 未分類
 新型護衛艦が高性能にならないことに怒ってどうするのだろうか?

■ 統合マストが作れない話

 清谷信一さんがセンサーの問題について言及している。
清谷信一‏ @skiyotani
■市ヶ谷本日の噂■
海自の30DDは火器は充実するが予算不足でセンサー類が時代遅れで、ダメダメだが3隻目からヘリ型UAVを搭載するとの噂。
https://twitter.com/skiyotani/status/932730739208187904


 おそらくは国産だと統合マストが上手く作れない問題だ。世界を知らない国産某社が「我が社が作れなければどこも作れない」と大見得切ったという。その話をある程度の規模の勉強会で聞いたことがあるからだ。


■ 安価な護衛艦に高級センサが付かないことに怒る自称軍クラ

 それに無根拠に噛み付く反応がある。ヨナトさんの意見がそれだ。
ヨナト@F-XはF-2増産一択‏ @Yonato4710
まぁ、清谷センセの言う事は端から信用していないしな。つか「30DDは予算不足でセンサー類が旧式なんですよ~(^o^)v」ってどういう意味や。世代的にはつゆき型DDやあぶくま型DEと同様と言いたいんかクソだわけが。
https://twitter.com/Yonato4710/status/932764085967450113


 なぜ安価な護衛艦に強力センサが付けられると考えているのだろうか?

 新型護衛艦は性能を下げて値段を下げる装備である。そして現用軍艦で一番カネがかかるのはシステムと武装とセンサーだ。だから、その性能が切り下げられることは当然である。

 ヨナトさんはそれを全く理解できていない。

 さらにいえば、時代遅れでも別段は構わないことも理解できていない。OPVに毛の生えたフリゲートと割り切れば差し支えないからだ。対空戦はESSM以上を搭載しない。対潜戦も艦載ヘリに任せきるならそれで何の問題もない。

 その点からすれば「ゆき」や「あぶくま」と同様である。三次元レーダを付けない、あるいは最低性能とし、対潜戦もバウソーナーを付けなければその程度だ。

 つまり「はつゆき型DDやあぶくま型DEと同様」になっても不思議はない。さらにいえばそれを理解できないにもかかわらず「クソだわけが。」と述べるのは天に唾する発言である。


■ 清谷情報を理解できない軍クラ

 ちなみに「まぁ、清谷センセの言う事は端から信用していないしな。」あたりを言い出す連中である。あまり多くは望めない。

 その情報を拒絶するだけであり、そこから発展して考えるまでを期待するのは誤りなのだろう。

 清谷情報あるいは清谷判断は判断材料に足りる質を持っている。問題意識として充分首肯できる内容である。批判的に読んだとしても、全般の方向性としてはそうなっても不思議はないと評価できる内容である。

 しかし自衛隊ヨイショしかできない軍事マニア層は理解できない。問題意識そのものを許せないためだ。なぜなら防衛省・自衛隊と勝手に自己同一化を果たしているからだ。当然ながら国家安全保障や防衛行政の利益と、防衛産業の利益を切り分けられない。その頭もない。

 だから、ただ拒絶する。界隈での衆をたのんで悪口して馬鹿にする。もとより大元のロジックや構造的問題は理解できないので、実物のディティール程度の部分で否定しようとする。細部に異常にこだわるのは、連中の出自や起源が航空写真屋やら模型屋やら軍装屋だからだろう。アレなオスプレイファンクラブが航空写真家ばっかであるように。

 そして、その後の展開は見ないふりをする。

 清谷判断として示された見通し、例えば戦車戦力の優先順位切り下げはそのとおりに進んでいる。これは軍クラがありえないと拒絶した中身だが、彼らはその後の一切は口にしない。

 ちなみに戦車新造は風前の灯火である。年6両と半ヶ中隊にも満たない年産両であるし、その価格も約13億であり軍クラが国産戦車の価格優位として提示した7億どころの話ではない。



 まー、清谷さん関係で一番面白いのは夜中に悪口を1時間以上電話してくる軍クラの話だけどね。ある高名な軍事研究家から聞いた話なのだが、軍クラの御仁から迷惑電話があったよという。名前を聞くと軍クラ界隈の中で名前を誇っているアレな人間、作家にひっつこうとするビックネームファンの類。電話をうけて延々と清谷さんの悪口を聞かされたという。軍事研究家は婉曲に「先が見えてないなオマエ」といったオーラを伝達したものの、本人は全く気づけていないとのこと。そのあたりの雰囲気センシング能力欠如も、まーアレならそうだろねと。
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Comment

非公開コメント

清谷さんのブログのコメント欄には強烈な人が集まりますからね。
2ちゃんやTwitterで清谷さんへの敵対心を貯めに貯めた、扇動されやすい情報リテラシーのない手合いなんでしょう。

No title

実際に無意味な長電話してくるとかドン引き

No title

そもそも小型艇に詰めるレーダーの性能なんて限界があるだろうって発想がないのだろうか?
例え艦隊決戦を想定するにしても、データリンクがあるのだから、こういう小型艦は排水量当たりのミサイルの数だけ多ければ問題ないんじゃないの?

寧ろ、こいつら艦これやってたのに水雷戦も知らんの?と言うことに驚くのだが
どうせ卵好きのデブが魚雷を積んでいただのどうでもいいことを言って喜んでたんだろうな
一方で、マダム・ランシエンヌという肉体と精神の性別が一致しない人間の名前がついた船で、性的欲求を満たしていたんだろうね
まーオイゲンそういうの好きだったらしいから、あの世で喜んでるだろうよ

No title

問題はモノを知らない国内メーカーが、馬鹿高くて時代遅れのセンサー類を提案して、これまたモノを知らない結いが独尊の海幕が無批判にそれを採用するから。まともな海外の製品を導入すれば、もっと安価でまともなフネができるよ、ということでしょう。
まあ、馬鹿な軍クラはウリナラマンセーで、経済概念が理解できないからこういう事情が理解できない。

戦闘機のハイローミックスはふつうに認めるのに、護衛艦のハイローミックスは認めないというのもよくわからん話です。

Re: No title

> 問題はモノを知らない国内メーカーが、馬鹿高くて時代遅れのセンサー類を提案して、これまたモノを知らない結いが独尊の海幕が無批判にそれを採用するから。まともな海外の製品を導入すれば、もっと安価でまともなフネができるよ、ということでしょう。
> まあ、馬鹿な軍クラはウリナラマンセーで、経済概念が理解できないからこういう事情が理解できない。

常に前級と比較して高性能でなければならないと信じてるあたりが、まあ残念な思考ですね
クラウン買う金がないからカローラ買うことにしたのに、本革シートじゃないって駄々こねてるような感じですかねえ

致命的な点は、戦闘能力に関しては自分が持ち出した「ゆき」や「あぶくま」で充分と判断されていることでしょうね。
新型護衛艦の要求性能なんて
1 外洋での長距離長期活動に耐える
2 装備は「ゆき」型や「あぶくま」型+リンクとヘリ2機搭載があればいい
だけですから


Re: タイトルなし

戦車教団の残党みたいなもんで、元戦闘員として清谷さんの意見は否定するのが世間知だと思ってるんでしょう

東芝で働いていて、東芝世界一と言うのが正解だと調教されてそのまま信じてる感じ
自衛隊で働いていて、正論やら産経の記事をオウム返しするのが正解だと信じ込んでそれを外でも口にする海士みたいなもんです
自分では理屈は考えられないし、それが世間で通用するのかの疑問も持てない、まーカルト末端の養分要員ですね

> 戦闘機のハイローミックスはふつうに認めるのに、護衛艦のハイローミックスは認めないというのもよくわからん話です。

No title

清谷さんは人脈も豊富で国内でも国外でもよく取材してるから軍事ライターの中でもかなり信頼できる人だと思いますけどね
ネット上の軍オタって人種は防衛省・自衛隊はいつも正しくて立派な存在と脳を停止して讃えるような連中ですから問題点を追求しようとするような人は嫌いなのでしょう
2ちゃんにしろツイッターにしろこの手の連中はスペックを並べ立てるのと印象論を語るのみで、組織の構造的な話や運用の問題は微塵も興味無さそうですし

軍隊の戦闘=個人同士の喧嘩?

お邪魔します。

 軍隊の戦闘を個人同士の喧嘩の延長線で考えているのでは思われます。兵器も「手段」「道具」である以上、特定の目的を実現するために作られていますので、「目的自体の妥当性」と「その目的の実現するための手段・道具としての妥当性」を考える必要があります。ある人々にとって護衛艦は「怒涛の如く押し寄せる中国艦船を少数(数では勝てないため)で撃退・撃破するための道具」でしょうけど、新型護衛艦(護衛艦全てか)はそういった目的のためには作られていないでしょうし、中国も「正面から殴り合って勝つ」のではなく「硬軟織り交ぜて押し込んでいく」事を考えているのではないかと思われます。中国には「一帯一路」という「地続き(中国以西のアジア、ひいては欧州)に覇権を求める」選択肢もあるのではないかと。

 後戦車に関しては「優先順位の切り下げ=戦車無用論」みたいに考えているのでしょう。戦車には「歩兵の盾」として一定の役割がありますが、日本が地続きでない島国である以上、「敵戦闘車両が直になだれ込んでくる」可能性は無く、揚陸艦他に乗ってやってくる以上、優先順位もそれなりになるのが当然なのでは(最優先は「敵揚陸艦の阻止」か)。

 最後に潜水艦に関しては米の無人対潜艦シーハンターがどうなるかに興味があります。シーハンターには潜水艦を探知する機能はあっても攻撃する機能は無いそうですが、存在や位置を知られたら軍事的価値が下がる潜水艦にとっては、「潜水艦ストーカー」であるシーハンターは厄介な存在かも知れません。シーハンターに「エマ号」と名付けて時武ぼたんを乗せてみたい。