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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2011.09
17
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13:00
Category : ミリタリー
 韓国のLSD、ドクト艦がCIWS配置に欠陥ありとされている。CIWS射界に、甲板に置いたヘリが引っかかるという話だが。特段、大問題があるとも思えない。

 まず、基本的にCIWSは艦艇の内側には向かない。対艦ミサイルの類は海側から真っ直ぐに突っ込んでくる。垂直方向に運動したとしても、CIWSは常に外舷側に射撃をする。艦艇側に向けて射撃することはない。

 ただしドクト艦では、後部にあるCIWSが内側に向かうこともある。正確に言えば、甲板を跨いで射撃する。後部右舷にあるゴールキーパーは、左舷方向から艦尾方向に向けて射撃をする時、甲板を跨いで射撃をする。そして目標が超低空である場合には、俯角をかける必要がある。この際に、ヘリが駐機されていれば撃ちぬいてしまうかもしれない。

 ただ、後部CIWS俯角問題も、射界制限をつければ解決する。艦載砲には射界制限機構がある。上部構造物や甲板を撃ちぬかないようにするものだ。その角度は砲が指向しない、あるいは、その向き、角度であれば射撃ができないようにする仕組になっている。射界制限機構を調整すれば後部CIWS俯角問題は解決する。艦尾ではないが、英国のインビンシブル級、オーシャン級にある艦首CIWSはドクト艦と同じ配置である。だが、射界制限機構により、自艦を射撃するような問題はない。ドクト艦も後部CIWSについて、具体的には、後部CIWSは左舷から艦尾方向にかけて俯角を制限すればよい。

 後部CIWS水平面が低すぎ、背の高いヘリが干渉するなら、ヘリ繋止場所を変えればよい。甲板を跨ぐとき、銃身が水平でもヘリに引っかかるならば、後部CIWS射界にヘリを繋止しない。超低空を飛翔する対艦ミサイルを迎撃するには、CIWSは俯角を掛けなければならない。このとき、左舷外舷側や、艦尾ギリギリにあるヘリコプターに干渉するならば、そのヘリをアイランド側に寄せればよい。

 繋止中ではなく、離着艦位置へのヘリ移動も問題にするなら、CIWSを変更すれば良い。重くて不便なゴールキーパーを軽量なファランクスに改め、高い位置や艦尾スポンソンに据えればよい。ゴールキーパーは、甲板下に砲塔構造が必要であり重い、このため、高い場所や簡易なスポンソンには載せられない。対して、ファランクスは軽量簡易であり、どこでも載せられる。ファランクスなら新品でも中古でも、容易に調達できるので難しくない。後部CIWSの位置を変更しないのなら、台でもつけてCIWSを嵩上げすればよい。場所を変えても良い。艦尾に簡易なスポンソンでもつけて、そこにファランクスをチョン載せしても解決する。

 いずれも大した問題ではない。載せ替えも小改修で済む。筋が悪いのは、ゴールキーパーを選んだ点だろう。威力に眼が眩んで、設置場所を選ぶ重量級CIWSにした結果生まれた問題である。低い位置や、比較的内側に置かざるを得なくなり、今回のような俯角問題や、狭射界といった面倒がおきた。ゴールキーパー普及がイマイチであり、どうしてもファランクスに勝てない理由はここにある。
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Comment

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No title

問題はちゃんと射界制限を組み込むようにしたかですけど、何せ南半島海軍ですので、、

「射界制御をしてますよ(しますよ)」と韓国海軍が一言言えば済む問題だったのでは?