fc2ブログ

RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2021.02
08
CM:13
TB:0
19:56
Category : 未分類
 「そうりゅう」の接触事故の件なのだけれども。

 もちろん全然状況はわからない。

 ただ、その上で、あり得るだろう原因を上げるとすれば、接敵目標と接触したのではないか。


■ 接敵行動をとって、なんらかのミスで衝突かな

 商船を目標として接敵しようとした結果の事故ではないか。もちろん衝突する気はないがギリまで近づこうとした。そこで意図しない状況が発生した。その結果として衝突しのではないか。

・ ギリまで近づこうとしたら相手が転進した
・ 測的ミス
・ ギリで接触しないと踏んでいた

 このどれかじゃないかな。


■ 急浮上と漫然航行はないと思う

 急浮上は、多分ない。えひめ丸の件があるからその際には十分に注意するだろう。だからそう判断できる。単独でやるとしてもまずレーダ含めてで水面を監視してそっから潜って急浮上するだろう。

 通信等で漫然と露頂航行していて接触もない。商船のディーゼルは直結しているので騒音は法外に大きい。それが聞き取れないことはないし周囲は潜望鏡で監視しているはずだ。

 充電している状態でもまずは同じ。充電中でもまわりは見る。仮にすぐに潜れない、速力がないから注水して沈下しかできないとしても逃げようはある。電池を使えば水平面の移動は容易なはずだからだ。


■ 充電中かつ見張り不十分はあるかもしれない

 ただ、この充電中の場合には不運もあるかもしれない。露頂で停止状態で充電中に(このやり方があるかは知らない)の状況で、見張りが気づかない状況で突然目標が現れる。それが衝突コースで、潜水して避けられない上に、行き足がないからほとんど動けずに衝突はあるかもしれない。


■ 書かないのも商売上で正しくないと思うから書いたよ

 まあ、極端な重大事故ではないし軽傷のみで死者もないから書けるのだけれどもね。

 もちろん重大事故ならどう書くかは悩む。

 その上、たぶん艦長は同期だ。それに引っかかる部分はある。書きたくない心持ちもある。

 でも、己の商売からすりゃそれで書かないのも正しくない。前にも「事象というな事件といえ」と自分でも言っている。

 だから書いてみたもんだよ。
スポンサーサイト



Comment

非公開コメント

早速考察が

潜水艦と貨物船が沖合で衝突と言うのがまず信じられなかったですね。
潜水艦は少なくとも潜望鏡位の深度で航行中と言うこなのかなと。まさか完全に浮上してディーゼル航行していたとも思えないし、まあ何らかのトラブルで浮上航行も無いとはいえないですが、昼間ですからね。いくら潜水艦が見えにくいとはいえ衝突はしないかな。
一番最初に考えたのは手順を守らず浮上してポカをやらかした?と思ったのですが、他にも色々考えられるんですね。
実際の事故原因はいずれ明らかになる?んでしょうけど参考になりました。

No title

仮に洋上からの視認が困難な状態で停止していたとしたら、「ぶつかってきた方が悪い」のような単純な話にはならなさそうですしね
なんにせよ大事に至らなかったのが幸いと言えば幸いです

やはりうっかりやらかした?

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210208-OYT1T50143/
当時は定期検査後の訓練中で、海面に浮上する際、潜望鏡で貨物船を確認したが、回避行動が間に合わず、衝突したという。

本当だとすると言い訳のしようが無いですね、これ。近くに船がいるのに浮上するとは非常識。安全確認ができていないって事ですよね。

それにしてもヤフコメの潜水艦側擁護が酷い(笑)。

続報です

衝突した海自の潜水艦、浮上時のソナー確認が不十分だった可能性
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210209-OYT1T50125/
「海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」(排水量2950トン)と民間貨物船の衝突事故で、そうりゅうが浮上時に水中音波探知機(ソナー)で行う他船舶の確認が不十分だったことが、防衛省関係者への取材でわかった。(中略)
現場付近の潮流は複雑で、こうした海域では音波が屈折し、ソナーによる探知が困難な場合があるという。」

中の人でないので潜水艦の運行規定など知りませんが、大海原とはいえちょっと迂闊だったのではないかと思わなくもない。
事故調査待ちですがやらかしでなく規定が良くなかったとしたら見直しが必要でしょうね。

それにしてもまた数ヶ月?潜水艦が1隻使えない状況とは。

No title

 この件で一番転けたのは、通信系のバックアップが無かった事だ。

 ここいら辺が3系列の信号を1箇所にまとめるというMRJ的間抜けさを醸し出してくれている。

 昔の映画とかだと直近の海面に駆逐艦がいたりすると聴音機を通さずにスクリュー音が聴こえてUボートの乗員が真っ青になったりしたと記憶してるんだけど、遮音タイルで聞こえなくなったのか、それとも映画的誇張表現だったのか?

No title

TMAで相手の速度を仮定して襲撃動作訓練をしたのではないかと推測。

例えば12ノットとかで推測して位置を仮定し、答え合わせをしようと近づいて潜望鏡を上げたところ、相手が予想外に低速でその場合は解よりも大幅に近い位置にいることになるのでオカマを掘ることになる。

このような可能性を考えてみた。

Re: No title

今の段階では「ソーナー探知できなかった」(潜水艦でそういうかは知らない)とのことです

でも、いくら音速の不連続面があっても多少は音は漏れるわけで、大音響大振動のディーゼル積んだ商船にぶつかるまで気づかないというのは変だなと
たしかにあの辺りは夏は水中環境はメチャクチャになる場所ですけど、あと今は冬でしかも午前中でそんなに状況は悪くないはずですし

それからすると、疑うようだけど本当にソーナーで監視していたが、目標解析をやっていたかも気になるのですよね

そもそも場所が悪いとかね。岬をかわす航路収束部で浮上しようとしたとかの問題もあるのではないかなと、本当はもっと離れた場所でやるべきではないかと、もちろん収束部近くでもソーナーで監視していれば衝突はなかったと思うのだけれども

No title

2006年の「あさしお事故」の教訓は生かされているのか。この事故では

(1)露頂時の誤認,誤判断を防止する体制の確立報告の確達がなされる態勢の構築危険物の察知,回避に関する訓練の実施(2)露頂作業手順の明確化露頂作業中,ソナーで新目標をあるいは水中通話器で推進器音を探知したときは露頂を中止することを含む,露頂部署の標準及び露頂部署訓練の指導要領を制定(3)目標の誤認を防止するための記録及び確認の強化(4)事故防止対策の実施状況を確認するための臨時安全調査の実施

という対策が行われる事になっていた。この事故は結局は「大丈夫だろう運転」の結果だったわけだが…

ハッキリ言ってしまうと、2006年当時はすみませんこれから気を付けますと言ったものの、実態としては何も反省・改善していなかったことになる。

https://www.maia.or.jp/wp-content/uploads/pdf/accidents/%E3%89%9Eheisei%20zenki.pdf

Re: No title

普段は「ぶつかるわけがない」ですからねえ。盲亀の浮木に当たるみたいな話で相当の確率論だから。
だから「大丈夫だろう」になりやすい訳で。潜水艦要員はCAS検査で不安が少ない精神安定性重視だけど
だから楽天的に流れる方向にあるのも悪影響かもと

まあ、まだ仔細はわからないですけど。

No title

冬季におけるサーマルレイヤーってどうなんでしょうかね。それなりに理由はあるとは思っているのですが。

Re: No title

仮にソーナー探知できなかったとした場合、どっちかというとありうるのは潮目かなあと。

冬だから垂直温度分布はそこまで悪いとは思えないし、どっちかというと水平方向の温度分布のほうが探知不能の主張の納得は行きますね。黒潮から別れた温水塊があったとか

水温の連続測定があれば、それで水平方向移動の結果として急激な温度変化があったとすればそうでしょうし
その水温が極端に違うなら音が全く聞こえないというのも納得できるかなと


素人にも分かりやすく解説してくれています

巨大貨物船にぶつかった潜水艦 再発防止へ避けられぬ「音の戦い」
https://withnews.jp/article/f0210213001qq000000000000000W06k10101qq000022538A
ご参考まで。

相手からは見えないが自分からの見え難い

お邪魔します。
 この件は「相手からは見えないが自分からの見え難い」潜水艦の特質に関係しているように思われます。旧海軍はこのような「積極果敢な攻撃」をやらせようとしたのかとも(当時の潜水艦は普段は水上で必要時に潜る可潜艦であった事も関係か)。尤も将来水中を透視できる技術ができたりしたら、その時は「潜水艦という艦種の終わり」かも知れませんが。