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- » 2023 . 04
Category : ミリタリー
陸自はこれまであまりアピールしていない層に10式を公開している。たとえば民間イベントへの展示(「最新戦車“10式”が見れる! 『ニコニコ超会議2』自衛隊ブース」※)や、買い物系雑誌への提示(「陸自の最新鋭『ヒトマル式戦車』に乗ってきた」※※)である。
10式戦車をメディア露出させる理由は、必要性をアピールできないからだ。そもそも、陸自の必要性が主張しにくい時期にある。尖閣ほかのフリクションでも、陸自は完全に蚊帳の外になっている。その中でも、10式ほかの機甲・特科が使う重装備は、新型装備にする必要性が説明できない。
これらは、特に戦車更新への理解が得られないことへの対応でもあるのだろう。今の日本で新型戦車を必要とする理由もない。予算要求でも、新戦車は話題にもならない。戦車調達数を応援する論調はまずない。陸自とオトモダチの「防衛費を増やせ」と言っている人が義理でしている程度である。
また、陸自に全く追い風がない現況に、積極的な広報をしない陸自がやらざるを得なくなった面もある。陸自には追い風がない。海外での情勢でも、国内での情勢でも、陸自が必要であると連想される事態が起きていないのである。
たとえば、イラク戦争・アフガニスタン戦争・アデン湾海賊対処といった国際協力も、まず海であり、ついで空だった。陸は強く要求されることもなかったし、日本側も陸を出すつもりは全くない。陸の実績もほとんどない。空自のイラク空輸の裏で陸少数を出し、アデン湾でも警備要員として、オマケ的に派遣されたにすぎない。
国内情勢でも、尖閣諸島で日中が行なっているアピール合戦で、陸は全く出番がない。メインは海保であり、サブとして海自・空自である。南西諸島全体でも、陸は張り切ってアピールしようとしているが、世間の眼は海空に行ってしまう。
仮に、海外情勢・国内情勢で陸自がアピールできたとしても、そこに機甲・特科用の重装備の出番はない。歩兵や工兵、通信、衛生あたりに陽が当たるだけである。
機甲・特科が使う重装備は、陸が主張する必要性を理解してもらえない時代である。ある意味、逆風に耐えかねての10式アピールなのだろう。
しかし、10式が高性能であることをアピールできても、必要性はアピールできない。今の日本で新戦車が必要な理由を提示できないのであるので仕方がない。技術的に高い性能を示しても、無駄に高性能で高価な新車を買う必要があるのかについては、むしろ疑念が浮かぶことになるだろう。
国際環境が変わったにも関わらず、必要性を吟味せず、今までの延長線上に惰性で作ったのが10式戦車である。開発時の予算要求同様に、国内での必要性は組織内部でしか通用しない。その上、海外での運用に適するように作ったわけでもない。まずは「超高性能のガラケーができました」※※※ というようなもので、技術的な成果は誇ることができても、それを買う必要はないよねという結果になるのは当然である。
10式を展示するのは別に悪い話でもないだろう。10式が、必要性があるかどうかはともかく、高性能であることは理解してもらえるかもしれない。しかし、それで10式の必要性や、陸自の主張する本土防衛の重要性をアピールすることはできない。
※ 伊藤真広「最新戦車“10式”が見れる! 『ニコニコ超会議2』自衛隊ブース」『ascii.jp』(2013.4.27)http://ascii.jp/elem/000/000/783/783798/
※※ 湯浅英夫「陸自の最新鋭『ヒトマル式戦車』に乗ってきた」『日経トレンディネット』(2013.4.23)http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130419/1048836
※※※ まず10式戦車は、超高性能のガラケーだよねえ。技術者はスゴイスゴイを連発し、使う部署は買うべきだという稟議書を乱発している。しかし、部外者、まあ予算当局や議会、一般国民は今までの携帯と同じじゃねという眼でしか見ていない。いくら超高性能でもスマホ時代にガラケー出しても売れないだろうよ。
10式戦車をメディア露出させる理由は、必要性をアピールできないからだ。そもそも、陸自の必要性が主張しにくい時期にある。尖閣ほかのフリクションでも、陸自は完全に蚊帳の外になっている。その中でも、10式ほかの機甲・特科が使う重装備は、新型装備にする必要性が説明できない。
これらは、特に戦車更新への理解が得られないことへの対応でもあるのだろう。今の日本で新型戦車を必要とする理由もない。予算要求でも、新戦車は話題にもならない。戦車調達数を応援する論調はまずない。陸自とオトモダチの「防衛費を増やせ」と言っている人が義理でしている程度である。
また、陸自に全く追い風がない現況に、積極的な広報をしない陸自がやらざるを得なくなった面もある。陸自には追い風がない。海外での情勢でも、国内での情勢でも、陸自が必要であると連想される事態が起きていないのである。
たとえば、イラク戦争・アフガニスタン戦争・アデン湾海賊対処といった国際協力も、まず海であり、ついで空だった。陸は強く要求されることもなかったし、日本側も陸を出すつもりは全くない。陸の実績もほとんどない。空自のイラク空輸の裏で陸少数を出し、アデン湾でも警備要員として、オマケ的に派遣されたにすぎない。
国内情勢でも、尖閣諸島で日中が行なっているアピール合戦で、陸は全く出番がない。メインは海保であり、サブとして海自・空自である。南西諸島全体でも、陸は張り切ってアピールしようとしているが、世間の眼は海空に行ってしまう。
仮に、海外情勢・国内情勢で陸自がアピールできたとしても、そこに機甲・特科用の重装備の出番はない。歩兵や工兵、通信、衛生あたりに陽が当たるだけである。
機甲・特科が使う重装備は、陸が主張する必要性を理解してもらえない時代である。ある意味、逆風に耐えかねての10式アピールなのだろう。
しかし、10式が高性能であることをアピールできても、必要性はアピールできない。今の日本で新戦車が必要な理由を提示できないのであるので仕方がない。技術的に高い性能を示しても、無駄に高性能で高価な新車を買う必要があるのかについては、むしろ疑念が浮かぶことになるだろう。
国際環境が変わったにも関わらず、必要性を吟味せず、今までの延長線上に惰性で作ったのが10式戦車である。開発時の予算要求同様に、国内での必要性は組織内部でしか通用しない。その上、海外での運用に適するように作ったわけでもない。まずは「超高性能のガラケーができました」※※※ というようなもので、技術的な成果は誇ることができても、それを買う必要はないよねという結果になるのは当然である。
10式を展示するのは別に悪い話でもないだろう。10式が、必要性があるかどうかはともかく、高性能であることは理解してもらえるかもしれない。しかし、それで10式の必要性や、陸自の主張する本土防衛の重要性をアピールすることはできない。
※ 伊藤真広「最新戦車“10式”が見れる! 『ニコニコ超会議2』自衛隊ブース」『ascii.jp』(2013.4.27)http://ascii.jp/elem/000/000/783/783798/
※※ 湯浅英夫「陸自の最新鋭『ヒトマル式戦車』に乗ってきた」『日経トレンディネット』(2013.4.23)http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130419/1048836
※※※ まず10式戦車は、超高性能のガラケーだよねえ。技術者はスゴイスゴイを連発し、使う部署は買うべきだという稟議書を乱発している。しかし、部外者、まあ予算当局や議会、一般国民は今までの携帯と同じじゃねという眼でしか見ていない。いくら超高性能でもスマホ時代にガラケー出しても売れないだろうよ。
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Comment
No title
21:38
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防御の面では間違いなく、90式と大同小異。全周的にタンデムのPRGに備えた他国の3・5世代戦車とは雲泥の差。90年までの対ソ戦用の戦車。
ガルパン
00:32
ひのまるせんす
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柔らかい広報だからでしょう。ヽ(´ー`)ノ
No title
00:39
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脅威となるのは車載ないしヘリ等、(今後は無人機とかも)に積める対戦車ミサイルとかね
無論どっちにしろ日本の場合相手が持ってこれたらの話なんだけどね
No title
12:35
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アフガンやイラクでの戦訓をみてみればそれは認識があまいんじゃ。
ゲリラや特殊部隊が戦車砲もっているかいな?
ゲリコマに役に立ちます!と宣伝しているわりには
ゲリコマからの攻撃に弱いよね。
結局ゲリコマ云々というのは、予算を取るためのお題目でしょう。ゲリコマなら74や90で十分。
No title
11:50
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開発者が個人的な意見と断った話を防衛省「公式見解」に勝手に格上げ。そもそも量産型の予算は技本ではなく、陸幕の所管だよ。しかも概算要求を出す1年以上も前に単価を「公式見解」で発表するはずはないw
未だに7億円になるはずだとがんばって訂正もしない。
アイドルはうんこしないと同じレベルだ。
しかも通信インフラや老朽化した指揮通信車の後継などには無関心で、戦車、戦車とはしゃいでいる。これが中学生ぐらいだったら仕方ないが、いい大人だろうよ、たぶんw
No title
06:34
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命中率が大してよくないし
IEDのほうがよっぽど脅威
実際アフガンやイラクで撃破された戦車のうちでRPGによるものがどれだけあったかというと…
>ゲリラや特殊部隊が戦車砲もっているかいな?
ゲリラは「持てない」場合のほうが多数だし
特殊部隊にしろ必要な状況は戦車部隊に任せりゃいいだけで。
建物ごと破壊するには有効
まあ戦車砲じゃなくてもいいけど、ミサイルよりは安いし数はあるし
指揮通信車は一応後継機の構想はあるけど、これこそハードウェアはあんまり重要じゃないんじゃないかな?
No title
00:17
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メルカバだって、前面装甲は運動エネルギー弾には十分とはいえない防御しかねーし
No title
10:40
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脳内に別世界が広がっている。
No title
12:08
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まあそりゃ何も考えずにないよりはあったほうがいいんだけども