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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
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2014.02
28
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12:00
Category : ミリタリー
 空自大湊のレーダ換装をやったことがある。防衛施設局(当時)にいた時なのだが、空自連絡官が空席で、海自連絡官の己が代行していた。家庭の事情で出張が制限される陸自の一部も肩代わりしていたので、陸海空全部に三沢米軍まで合わせて担当した時期がある。そこで42警のガメラレーダ換装事業の取っ掛かりに顔を出していた。

 予算がついて最初にやるのは、現地確認とヒアリングである。記憶は曖昧だが、ヒアリングは42警の庁舎山麓側でやったはずである。さすがに海自ではやらないだろう。このあたりについては、何かある度に海自大湊の監督官事務所に行って、打ち合わせしていたので混乱している。空自の仕事はガメラレーダと体育館改修だった。

 そのヒアリングで出た話なのだが、施設局側から「レーダを、釜伏山ではなく、市街地に置けないか」という話が出た。仮置きするレーダか、ガメラレーダかは忘れたが「山の上にレーダを置くと高くつく、経済性の理由から低い土地に置けないか」というもの。言い出したのは建築あたりの補佐だったと思う。

 レーダは高い位置に置かなければ、覆域が狭くなる。それを空自と己で説明するが、聞き入れない。「置いたほうが経済的に安くなる、できないなら置けない理由を示した文書を出してくれ」という。説明していた電磁波の見通し距離なんかどうでもいいわけで、要は会計検査に耐えられる資料をよこせというもの。「そんなのなくとも、その時に説明するよ」といっても全くダメ。

 仕方がないので、話をまとめて空自に出させることにして、終わったあとで文書のあらましとポンチ絵を教えた。互いに「まあ、余計な仕事だよ」と言い合うのだが、施設局にはそういう変なリクエストが多かった。

 逆に、空自側がアレだったこともある。施設局にサイトの司令が来たのだが、珍しく常装で「担当の海連絡官ですと」言うと、初見なのに「記念章もないのか」とか「パイロットでも護衛艦でもないんだな」と言う。まあ、嫌いなので、賞詞(当時職務で5級×2、4級×2位、あと人買4級があったはず)をもらっても記念章は請求しなかった。マークにも徽章もない。傍から見れば無印1尉だった。

 まあ「なんつー口の聞き方だ」と思いながらも、施設局の局長以下に案内したのだけどね。帰ったあとで同室にいた、海と空担当の第三計調係長と、空最先任者で同道していた通信の2空尉も、己が言う前にボロクソ言っていた。2空尉曰く「戦闘機パイロットは人の気持がわからない、あんな態度だと部隊でもダメだろ」とのこと。

 チームプレイが前提の海のパイロットじゃああいうのはいないので、そんなものかと思ったし、その程度の人間かと大して腹も立たなかった。だが、半分は好意でやっている空自連絡官業務でそこまで言われるのも癪なもの。計調係長に話して、その司令の基地の庁費そのほかを全部すっこ抜いて、不断世話になっている空自の別の基地や海自に回したよ。係長も2空尉もそれがいいねえと賛同してくれた。

 まあ、空自のレーダーサイトなんて管轄には大滝根、加茂、山田、大湊しかないからその一つなんだけどね。時期と人とで辿れるのでそこは言うもんじゃないだろう。



※ なんつーか、大の男が勲章欲しさに小細工しているのを見て、ああいうものはつけるもんじゃないと思ってからズーッとそうしていた。3級賞詞の防衛記念章欲しさに色々やる上司を結構見たからねえ。分隊士や、分隊士なしの分隊長だと、賞詞もらっても記念章の請求を上げないことは簡単にできる。(「着用することができる」だしね)
 で、結局、つけた記念章は赤×1個にしていた。赤いキツネは勤続10年でだれでも貰えるやつだが、三佐の階級章とそれだけをつけていると破壊力も強い。せっかくだからと、紙やすりで表面削って、漂白剤掛けてとイジメて、さらに夏の階級章と一緒に、暇があれば直射日光の当たる所においておいたよ。
 まあ、職業軍人に対する反抗というか、軍隊機構に対する反発というか、非国民の自衛官とか反軍自衛官(その割には自隊警備とか大好きだから散々やった)だったからねえ。
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2014.02
06
CM:2
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20:25
Category : ミリタリー
 話の筋には影響しないのだけれども。

 次に出る記事中にバーク級がダブル・エンダーといった書き方をした記憶がある。「米海軍は艦砲射撃の火力を重視しているため、駆逐艦はアーレイ・バーク級まで5インチ砲をダブルエンダーで2門搭載している」と書いたような気がする。

 しかし、実際には、シングル・エンダー(1門)だった。きりさめの写真見てて、その誤りに気づいたのだけど。ダブルエンダーは巡洋艦だけどタイコンデロガまでだわ。米駆逐艦のスタイルだと、バーク級にも、なんとなく後甲板の低い位置にもう1門あるような印象なんだよねえ。

バーク級WEB

 スプルーアンス級、カルフォルニア級、バージニア級、キッド級、タイコンデローガ級がそうだったから、バーク級もそんなイメージでね。完全な思い込みだわ。

 ただ、米海軍が艦砲射撃を重視しているというのは変わらないから、主張に変わることはない。だから、ここでゴメンナサイしておきます。
2014.01
19
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17:27
Category : ミリタリー
 どこぞの航空基地で、弾庫を整備したいという相談を受けたことがある。

 航空装備から機雷を入れる弾庫で困っているという話なのだが、どう困っているのかを具体的に説明できない。それが出来ないとこのような点で困るというストーリーを作らんといけないのだがね。

 で、言われたのが「機雷が雨水に濡れて壊れる」。実際に雨水に晒せば壊れるんだろうけども、理由にはならないと思ったよ。



 まあ、今から思えば機雷缶だけを別に保管すればいいと思うんだけどね。機雷は、モノによっては使うまで炸薬は別保管というタイプもある。炸薬(と信管)を別にすればタダの容器なので、火取法の制約は受けないだろう。そうすれば、どこで保管してもいいと思うのだけれども。
2014.01
08
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12:00
Category : ミリタリー
 「ドクトリンを研鑽すれば必ず勝てる」という意見を見かけたのだが、それは「神信心があれば敵の矢弾は当たらない」と同じではないか。

 ここ10年ほどドクトリンという単語を振り回す例が増えた。ドクトリンが優れいている方が戦争に勝つというような、よくわからない主張もよく見る。

 しかし、ドクトリンとは「勝つためにはこうしろ」という、内面の統制にすぎない。トップが定めた、勝つ状況をイメージして、そのようにすれば勝てるという思想統制である。トップがそのドクトリンとやらを強調し、底辺まで普及させるのは、トップが「自分達のイメージの通り動かせば勝てる」という確信を持っているだけの話である。

 そもそも、ドクトリンの本義は、宗教での「教義」であって、自然科学での「法則」ではない。ローマン・カソリック・ドクトリンみたいな使い方が本来である。

 その伝からすれば「ドクトリンを研鑽する=勝てる」という主張は「信心が篤ければ神の国に入れる」「信仰心を高めれば神の国に近づく」と主張することに等しい。

 ドクトリンを研鑽すれば勝てない戦が勝てるようになるわけでもない。小国が超大国と戦争する例を考えればわかりやすいだろう。勝つためにはこの方法しかないとトップが考え、全軍にその思想を浸潤させ、その通りに動かしたとしても、戦争に勝てるとは限らない。

 まずは、宗教的な発想にすぎる。相手があることに、努力すれば勝てるという主張が不思議であることに気づくべきだろう。高校野球でもオリンピックでも、正しい指導方針を打ちたて、それを心底信じ、研鑽すれば必ず勝てるだろうか? そういうことだ。
2014.01
07
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22:20
Category : ミリタリー
 新中国での報道では、知っているけど正規で書けないので、推測記事にするような例は多い。さらにそれを香港に流して「香港報道によると」と出来レースをやる例も多い。

 香港誌『鏡報』1月号に「国産第二代AIP潜艇曝光」※ といった推測記事がある。梁天仞さんの記事だが、元級の発達型と呼ぶべき新型潜水艦が出たといった内容になっている。

 この記事は、真実を伝える出来レース記事の可能性がある。(もちろん完全な推測で、スカ記事の可能性もある)梁さんの記事は「新中国でのインターネット情報によると」という推測記事の体になっている。

 梁さんは「039Cとでも呼ぶべきスターリング方式AIP潜水艦が登場した」と述べている。

 梁さんによると、元型として知られる039A以降には、今まで2つのサブタイプがある。スターリングエンジンを本格搭載した5番艦以降が039AG「改元級」であり、さらに外殻を改良して26ktだせるようにしたのが039B「新元級」である、と述べている。

 そして、新型の039Cが登場したとしている。梁さんによれば「今までの039Bからさらにセイル形状を改め、中国国産の燃料電池AIPを搭載したタイプと推測される(大意)」といった内容になっている。本当ならば超元級とでも呼ぶのだろうか。

 ただし、このあたりが全部本当であるかどうかは分からない。

 まず新型であるという証拠は、ネット上のセイル基部形状の写真しかない。バージニア級に倣って立ち上がりにアールがついた感じなのだが、これで新型艦であるとまで言い切るのは、難しいだろう。

 さらに、燃料電池式の新型AIP云々については「新型艦だからスゲー、最強」といった願望である可能性も高い。

 国産新兵器については、推測に願望は混じるものである。日本の戦車崇拝者がいい例だが、巨視的に見れば90式と大差ない10式を万邦無比の新戦車であり、90式では戦争に負けるが、10式では負けないといった珍妙な理屈を振るっていた。F-2とF-16でも似たような願望の走出もあったことは、ご存知のとおりである。

 中国の兵器マニアも、同じようなものだろう。梁さんの記事によるとまず、セイル基部の形が違うだけで、新型と断じ、新型ど断じただけで、それで日米に勝てるようなことを述べている。

 梁さんの記事で引用された3D想像図でも、マニアの願望が結実した中身になっている。
 まず、構造的に奇妙である。3D想像図は、潜水艦の耐圧船殻と外殻の区別がついていない。さらに、セイル後方に耐圧船殻と辻褄の合わないYJ-83のVLSセルを密集して書き込んでおり、しかも発令所から機関部へのアクセスが閉ざされているのである。

 3D想像図に付された性能も、理屈から奇妙な数字になっている。ネット想像図のキャプションではAIPで「水中24節/250海里」と、24ktで10.5時間すっ飛ばせるとか「6節/3000海里」6ktで3000nmといった数字が並んでいる。まず、その数字が怪しいがそれはさておく。同時に「通気管状態:続航力6節/12000海里」とあるのが不思議である。

 水中6ktで3000マイルも航走できるAIPがありがら、わざわざついでにディーゼルや補機、燃料をつけるだろうか? それほど高性能な燃料電池AIPなら、ディーゼルや軽油タンクの部分もAIP燃料に充てて、AIPだけで水中6kt/15000nmを達成するだろう。

 もちろん、梁さんが紹介した潜水艦が、実際に第二世代AIPを搭載している可能性もある。最初に述べたように、新中国での報道では、知っているけど正規で書けないので、香港に流して「香港記事によると」と出来レースをやった可能性もあるのである。第二世代AIPを搭載している証拠を出せないから「セイルの形状が違うだろ」とやっていても不思議もない。

 実際に、梁さんは新型弾道弾搭載通常潜水艦、清型の存在をスクープしている。だから、一概にある程度の高性能燃料電池AIPの存在も否定できないのである。

 ただし、その話を聞いて喜んだ中国にもいる国産兵器崇拝者が作った図や性能推測は、あきらかにオカシイと切って捨ててよい。



※ 梁天仞「国産第二代AIP潜艇曝光」『鏡報』438(香港,鏡報文化企業有限公司,2012.1)pp.63-64.
  なお、『鏡報』は新中国系メディアであり、意図して情報をリリースするにはちょうどいい媒体である

※※ 1日発売なので、多分その中身がつたわったのが、年末年始の039C関係の報道ではないのかね?
2014.01
02
CM:12
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01:12
Category : ミリタリー
 ある方から教えてもらったSNSの記事なんだけれども、結構おもしろいものです

 本人に伝わらない安心からか、小児的な感情反発を考えなしに何件ほどか文章にされています。まあ「隅田金属ぼるじひ社の電波論」程度なんですけどね。クローズされたSNSであって、反論を受けないという安心感からか脇の甘いことを述べていらっしゃる。(気の毒なので名は秘す)

頭

 でもねえ、公開範囲を「友人の友人」にしておけば大丈夫だろうと思った様子ですが、実は共通の友人がいたわけです。そうなると、己がそれを読めるという喜劇になるわけですな。

 10式戦車が大好きで仕方がない「戦車に文句をつけるのは馬鹿だ」という感情的な爆発なのでしょう。ありえないシチュを列挙して、精神的優位を撮ろうとしているのでしょう。

 まあ、結構おもしろい認識が一杯あるのですが、全部挙げるのもナンなので、その中で一つ選ぶとこんなものです。

切り抜き

 上の網掛け部が、己の主張の切り取りで、下がそれに対する反応です。

 当節に中国による日本本土上陸がリアルで、海外派遣はファンタジーという認識は、相当ズレているなと思います。海外派遣に出す戦力が治安維持用の歩兵、ヘリ、装甲車といった軽装備から、本気で戦争する戦車や大砲になるというのを、戦力の逐次投入と言い出すのも、政治レベルの話に戦闘レベルの反応しかできないあたりもお気の毒です。

 あとは、「軍事クラスタ」とやらですが。結局は全体像を見ないで、全部を単純に軍事的妥当性だけでしか見えないのが偏頗なんですよねえ。実際にクラスタという言葉も軽く使い過ぎでしょう。日本語だと影響力をもった集団といったニュアンスを伴うわけですが、「北欧の海運クラスタ」といった用語はたまに聞きます。でもねえ、ツイッターで呟いている段階の連中については、影響力からそうは言えないでしょう。結局、彼らが必死に擁護したけれども、戦車は減ったわけだし。
2014.01
01
CM:8
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19:32
Category : ミリタリー
 20時間近く寝ると頭が痛くなるもんですな。だいたい30時間ぶりに飯をくったところです

 コミケで話したことなんだけどね。この手の趣味人は本が多くて困る。だから、家を作る段階で書庫を考える。

 己は自分の家建てるときに、自分のスペースは2階にして、1階は倉庫にした。1階のうち24畳+4畳を書庫、2階の書斎に隣接する8畳を書庫にした。

 その本棚も、2階はシナ集成材で、1階は躯体直付にした。

 2階の棚は材料支給・工具貸与で隠居した指物屋に「青物大工なみに雑でいい」とお願いしてやってもらった。ロングベースのトラックがあるので、搬送はこっちもち。結果、一つ6000円でできた。材料代が4000円、手間が2000円。もっと手間を払ったのだが、「半端仕事だよ」と半分以上つっ返されたよ。

R1027827.jpg


 1階の棚は、構造材につくりつけ。不要な間柱で過剰強度なんだが、入れさせてそれをコンパネで覆ったもの。そこに枯れた1寸5分の杉板をおいただけのもの。2階もそうだが、柱間1200mmで作ってある。奥行き3間(5.4m)両側足して約11m、それを幅4間、6列66m長さ。別に図面等A2と、ほとんど読まない日本ほか、各国戦史叢書を収納する専用の書庫4畳がある。

R1027839.jpg

R1027835 のコピー


 いずれも、本棚は浅く作ってある。それがIKEAの類で買う作り付けと違う点。奥行きの深い本棚は使いにくい。本は取りにくい上に、2重に置くと奥の本は死ぬ。和綴じの和書を除くとは横積みも良くない。だから全部立たせる前提で、本棚ごとにB6、A5、菊判、B5、A4のいずれにか合わせて、それぞれのサイズに+20mmで奥行きと高さを揃えて作った。

 どういう本棚を買うべきかという疑問があれば、なにかの参考にしてもらえればねえと
2013.12
30
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20:47
Category : ミリタリー
火曜日 西 14a 隅田金属ぼるじひ社

2種出来

youhou.jpg

・中国との戦争はどうなるか?
・カメはウサギに追いつけない 潜水艦襲撃圏

です。よければどうぞ
2013.12
21
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12:18
Category : ミリタリー
 昭和30年位まで、メータクがあった。メーター付きの距離制タクシーのことだが、今のように明朗会計ではない。一寸した工夫で料金をいじれるようになっていた。
木の槌でコツンと叩くとメーターが一つ上がる。コツがあって機械の隅から一寸のあたり
「値段のからくり - メータク」『朝日新聞』(朝日新聞,1955.6.13)

 周りの国を色々言うが、昔は日本も発展途上国と大差はなかったということだ。タクシーのメーター程度で国民性下劣やら将来の見込みがないというのは当たらない。

 だいたい、タクシーメーターにしても、連動していないくらいは可愛いものだ。

 パナマのタクシーでは、もっとすごかった。乗るときにメーターがある、電源も入るからから安心しろみたいなことを言われて載ったが、速度計ごとオミットしていて驚いた。あれ以上のタクシーにはあったことがない。なんせ町中でスッ飛ばすのだけど、時速何キロ出ているか全くわからない。降りたあとではいつもの価格交渉で向こうは3倍吹っかける。多分、2倍欲しいと思っているのだろうと考えて、高いと言って5割増しくらいで済ませたと思うがそんなものだった。

 逆に、アジア圏では、そこまでふっかけられたこともない。都市圏だと、普通にメーターを使って、印象では規定額だった。鉛の封印ほかがあったが、仮に弄ってあっても倍はふっかけていない。遠回りもない。

 すでに、アジア大都市圏のタクシーレベルは、日本の昭和50年代よりもマシなんじゃないかね。いずれは日本と同じになるだろう。そこに無理矢理に後進性を見つけても、30年前の己の姿を笑うようなものではないかね。
2013.12
19
CM:1
TB:0
12:00
Category : ミリタリー
 何故か空自の作戦室にJADGEを据え付ける仕事をやったことがある。仕事としては、システムとかに絡むような大したもんじゃないのだが、計画時からミーティングまででて、据え付け立会までやった。下僚にまかせてもよかったのだが、まずは面白半分の物味遊山で、己と先任で行った。

 その時なのだが、設置場所のスクリーンがWECOM(自衛隊の気象情報)になっている。まあ、作戦室に業者さんを入れるときには、どこでもどうでもいいものを流す。空自それがWECOMなのだろう。だが、その前に事前調査で己と先任(先任も海だった)で入った時も、そのスクリーンがWECOMにされていた。

 普段、空自が何を映しているのかは知らない。だが、作戦室のスクリーンにWECOMは普段映すものではない。みんなから見やすい場所に置くなら、みんなに見せたいものを見せる。会議での報告でもなければ、空自なら飛行中の空自機の位置と針路でも示すんじゃないかね。まあ、調査時間待ちで手持ち無沙汰なので、先任と二人でしかたがないのでWECOMみていた。細かい会話は中身は覚えいていないが、どこそこはVFRだの滑走路23(磁北基準の上二桁)と言っていたと思う。すると見知らぬ勤務者に「あまりジロジロ見る」なと丁寧語で言われたよ。

 調査終わったあと、空自側担当者との雑談で「WECOM見ていて怒られたのは初めて」というと「アレがWECOMだと知っていたのか」と言われた。まず、海自にも航空部隊とかあって、マークがなんであれ、そこで当直立つとWECOMやら電報やらはいつも見る。ロシアがホニャララなのでEP-3が基地に来てホニャララまでいって、ホニャララを出歯亀するくらいは教えてもらえる。だいたい、航空救難なんかも海空一緒でしょというと「オレのせいじゃないけど、なんかゴメンね」と言われたよ。

 司令部勤務の権威も借りて、秘密でもないものを秘密であるように上から口調で文句つけていたのだろう。そういう曹士は結構いる。だがね、それが秘密でないことを知っているヤツにいってもねえ、ということだ。そういえば、別の作戦室だと、立入り時にはTV放送つけている大スクリーンがある。それが仕事で入った空の大臣室からノーパン喫茶エミルマだったことがあった。まあ、見ないようにしたし、見ても大したものでもなかったけどね。
2013.12
18
CM:34
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05:50
Category : ミリタリー
 JSFさんの頭の中の戦争モデルはどのようなものになっているのだろうか?

 JSFさんは、日本の戦車数減少を嘆くあまり、このままでは戦争となれば東京まで追い詰められると悲憤慷慨している。本土への上陸があった場合「東京周辺まで追い詰められ」るが「米軍の救援で巻き返す予定」と述べている。

伯爵北条久奈‏@Hisana_
ガチ有事になったら、そもそも日本本土に上陸されてる時点でもうアカンのではないか
2013年12月16日 - 23:17
https://twitter.com/Hisana_/status/412843927037673472

JSF Хибики‏@obiekt_JP
@Hisana_ 韓国は釜山周辺まで追い詰められても米軍の逆上陸で巻き返しました。同じ様に日本も東京周辺まで追い詰められようと米軍の救援で巻き返す予定です。専守防衛とは籠城と同じで、外からの救援が来ないとそりゃジリ貧ですけど、籠城とはそもそも外部からの救援が来る事が前提の戦法。
2013年12月16日 - 23:25
https://twitter.com/obiekt_JP/status/412845950336393216

JSF Хибики‏@obiekt_JP
@Hisana_ アメリカの空母打撃群及び揚陸戦力なら問題なく可能です。ただし、西海岸から戦力をかき集めてやって来るまでの半年間、自衛隊には頑強に抵抗して貰う必要が有ります。その為の陸戦兵力です。なおハワイの陸軍師団は数週間の準備で空輸されて来ます。
2013年12月16日 - 23:33
https://twitter.com/obiekt_JP/status/412848063833595904


 しかし、JSFさんが考える戦争モデルは相当にオカシイ。まず、東アジアで圧倒的な海空軍力を誇る日米同盟が上陸戦を許すという判断が奇妙であり、敵戦力に東京周辺まで追い詰められても交戦し続けるという判断が非現実的であり、半年後に米軍は容易に日本に増援を送れるという判断が不可解である。

 まず、JSFさんは、日米同盟が東アジアで圧倒的な海空戦力を誇っていることをご存じない。話の流れでは、沖縄や南方へのシーレーンの話もしているので、敵は中国である。しかし、その中国に、日米同盟の海空戦力を撃破して、上陸戦を行い、その後も安定した海上輸送で補給路を打ち立てる能力はない。JSFさんの判断は、現状の東アジア軍事力の情勢を反映したものではない。その上、中国が日本に容易に上陸戦を行えるという判定は、JSFさんの頭のなかにある戦争モデルが奇妙であり、イッちゃってることを示している。

 また、東京周辺まで追い詰められても戦争を続けるとJSFさんが判断する理由が分からない。そもそもの戦争理由が分からないが、その辺り、JSFさんとその熱心な支持者の皆さんは「意図ではなく能力に備えろ」と思考放棄しているので、責めても仕方がない。だが、九州から太平洋ベルト沿いのほぼ全てを失い、関東まで寄せられるまで、日本政府は馬鹿正直に戦争を続ける必要はあるのだろうか?
 JSFさんの頭のなかにある戦争モデルは、ゲームの大戦略的な発想であり、首都が陥落するか、野戦軍が全滅するまで戦い続けるものなのだろう。JSFさんの戦争モデルや戦争理解では、戦争を続ける利益と、戦争をやめる利益を比較する政府や政治という要素はない点で、非現実的である。

 そして、そこまで押されていながら、なぜか半年後に米軍が日本に自由に増援を送れるとするJSFさんの判断が不可解である。「アメリカの空母打撃群及び揚陸戦力なら[日本への増援は]問題なく可能です。」といっている。その海軍力は、増援までどこで何をして遊んでいるのだろうか? 
 「アメリカの空母打撃群」が中国海軍を日本近海から排除することが「問題なく可能」なら、日米軍は東京周辺まで追い詰められる状態にはならない。最初の段階で中国側上陸部隊なり橋頭堡なり、補給に使う港湾なり船団なりを攻撃して、上陸戦や内地侵攻を頓挫させるだろう。
 逆に、中国海軍が海軍力で日米を圧倒し、制海権により上陸戦やその後に安定した内地侵攻をできるほどであるなら、半年後に米本土から日本に増援を送ることは出来ない話である。

 これらの点で、JSFさんの戦争モデルは不可解なのである。

 JSFさんの発言は続き、その戦争理解や戦争モデルのへんてこな部分がどんどん出てくる。

 海上撃破は2割しかできない珍説もそうだ。1万隻が来れば2000隻は沈められるが、10隻来ても2隻しか沈められないという謎がある。もっともそれを不思議に思わないのがよほど謎なのだが、それはさておく。

 それと似ている話だが、戦車は16-30%紙しか撃破できないというのも、奇妙なJSFさんの主張である。以前から一つ覚えで航空機に戦車は強いと撃破率の話をしているのだが、これは統計や航空攻撃の目的を取り違えている珍論である。
JSF Хибики‏@obiekt_JP
@kaizoku2000 適当な輸入品だと足が短くて戦場に届きもしないし、2割削るというのは大戦果なんですが。湾岸戦争でアメリカ軍は航空攻撃だけでの戦車撃破率は16%。2割を「その程度」って、何か勘違いしてませんかね。
2013年12月17日 - 6:19
https://twitter.com/obiekt_JP/status/412950231051808768

JSF Хибики‏@obiekt_JP
@kaizoku2000 あとちょっと訂正。航空攻撃だけで戦車16%を撃滅したのはイラク戦争で、湾岸戦争では30%でした。
2013年12月17日 - 6:37
https://twitter.com/obiekt_JP/status/412954802683777025

戦争での戦車撃破率を持って戦車は空爆に強いとはいえない。航空攻撃は、重要な地区や正面に集中されるものであり、逆に重要性のない地区や正面ではなおざりになる。この16%という数字は、なおざりとなった地区で生き残った戦車多数を含んでいる。つまり、航空攻撃が集中された地区で戦車生存率が84%であったわけではない。また、航空攻撃の目的は敵戦車を破壊することだけが目的ではなく、敵戦車部隊を行動させないことでもある。航空攻撃により戦車損耗が少なかったとしても、航空機が頭上にあれば戦車部隊は行動できないわけで、その状況では戦車は何の価値も持たない。

 なんにしても、戦争のモデルがオカシイ。JSFさんには、スペックの単位間違いやら横文字ニュース翻訳のの誤りを糺すよりも、ご自身の戦争モデルの誤りを糺すことをオススメしたい。




まああれだ、他の人にはこんなことは言えないし工夫しなきゃいかんが、JSFさんとそれに同調されたお仲間さんとは直截的な言い方できるからいいよね。相互主義というやつでね
一番不思議なのは、JSFさんの戦争モデルとその理解なんだよね。細部が間違っていてもあんま気にならないのですが、どうでもいい数字にはこだわる割に全体がオカシイ。
「正確に間違える人」なのでしょう、計算の下一桁の間違いには目を三角にするけど、桁間違いには気づかないタイプですね。
2013.12
17
CM:4
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12:00
Category : ミリタリー
 床井雅美さんが今年10月に出した大判本『ハンドガンミュージアム』がなかなかおもしろい。

 興味深いのが、拳銃製造の実工程紹介。生産ラインの写真があるのだが、結局は熱間鍛造での粗造りのあと、細部の加工は結局は切削でやっている。9mm拳銃ような高級品は全面を鋼をNCで削っているのだが、これでは確かに安くはならない。だから、数物の軍用拳銃なら、精度はどうでもいいのでプレスや樹脂で作ることになるのだろう。

 鋼の部分をインベスト・キャストで作る方法もあるとされている。要は東南アジアや南アジアで2000年前からやっているロスト・ワックスの現代版なのだが、青銅やアルミならともかく、鋼が相手でうまくいくものかといった問題もあるのではないかね。

 ただ、一番おもしろいのが、後ろのカタログ部にある各社商品紹介、その中のノリンコの部。有名拳銃のコピー品を臆面もなく作っているのは、なかなかの強心臓で、しかも型番まで似せている。

 ・ P226のコピーが、NP226
 ・ P228のコピーが、NP228
このあたり、数字には商標は成立しないみたいな話なのだろう。

 ・ PPKのコピーは、PPN。

ノリンコ版PPKなら、NPPKとかにすれば良さそうなものだが、多分PPKが商標に触れる。だからPPのノリンコ版みたいな表記にしたのだろう。まあ、PP/Sとかでもいいような気もする。さすがに、商標があるのか、固有名詞っぽい拳銃は無機質な番号としている。

 ・ ガバメントのコピーが、NP28(ただし9×19)
 ・ FNハイパワーのコピーが、NP38
 ・ CZ85のコピーが、NP40

(これらの写真と値段が載っている銃砲店のページ、価格はだいたい真物の1/3以下)


 とはいえ、ノリンコもまともそうな拳銃も作っている。CZS92(ググってヒットするのはQCZ92)とか、77Bとかがそれ。調べると制式品っぽいが、9×19使えて、安くて安全性があれば、各国軍隊に結構売れるんじゃないかねえ。解放軍の星マークを桜と錨に変えて、自衛隊で使ってもいいんじゃないかと思うよ。別に拳銃なんてそんなものだしね。ミネビアは儲からないけど
2013.12
15
CM:9
TB:0
13:22
Category : ミリタリー
 住重が機関銃でデータ改ざんしたという話※ だが。拳銃や小銃ならともかく、最も重要な火器である機関銃が対象で、しかも耐久性となると困った話だ。

 陸戦で一番重要なのは機関銃である。機関銃がなければ防御も攻勢も威力を大きく欠く。同じように連射ができるからといって、自動小銃で代用できるものではない。極端な話をすれば、小銃は機関銃を援護する役割のようなものだ。

 そのため、機関銃には耐久性と互換性が必要になる。まずは1万発でも2万発でも発射できる堅牢さと、過熱や故障に備えての銃身を始めとする交換部品との互換性が求められる。

 今回は、その耐久性が問題になる。極端な話、発射速度は多少遅速があってもいい、だが、銃身の耐久性については、次第によっては重篤な問題である。銃身そのものの寿命はともかく、機関銃と銃身の接続部が絡むと、作り直しが必要になるだろう。

 銃身接続部は耐久性と精密性の両立が求められる。設計はともかくとして、製造段階で最も高度な精密加工が要求されるのは、銃身と接続部である。機関銃の場合、銃身はその場交換しても集弾性※※ は損なわれないことになっている。その取付も、いまでは更なる精度が求められている。A4の昔は銃身取付時にゲージを使ったギャップ(締付距離)調整があったが、ここ50年の機銃(海自ではまずない)では、ギャップ調整も精密加工で一発交換できるようにしているためだ。

 銃身取付部が絡むと、機関銃への不信になるだろう。もともと住重機関銃への評判は良くない。62式は割と早期に悪評が出た。当初、海軍5式30mm機銃の流れを汲む先進性という話であったが、5式なんてまともに実用されていない。その後、MINIMI、M2QCBと世界ブランドのベルギーFN社設計となったが、やはり製造技術に問題があったのだろう。

 住重については、結構監督官や検査官をやった。住重浦賀と保谷両方やったが、保谷は機関銃ラインを持つ工場だ。あそこは潜水艦の二酸化炭素吸収装置を作っている会社で、そのつながりで口を濁すがホニャララも作っている。(これは入札の公告で出ている) そこから技術者がこっちに来て、作業待ちの時、風邪か何かで休んだ代理人(アミン専門家だったひと)の代理さんが機関銃ラインと言う話で、なんともなしに「将来の機関銃はどうするのですかね」と聞いたら「ウチの機関銃は全く問題はない、完全無欠」みたいに言っていたのが印象的だった。

 住重は、三菱よりもしっかりしているという印象だった。だが、防衛調達は構造自体がアレなんで、前回はどっちも架空請求でとっ捕まっている。実際のところ、検品も数しかみないのだからこういうこともあるのだろう。機関銃も、ロット抜いて3万発射撃とかやったほうがいいのかもしれない。


※ 「自衛隊の機関銃データ 改ざんして納入か」『NHK NEWSWEB』(NHK,2013.12.15)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131214/k10013833571000.html

※※ ただし、命中精度はそれほどではない。軍用銃全体が命中精度は甘いが、機関銃のそれは更に甘い。60年代に62式機関銃について書かれた記事を読んだ記憶があるが、50m先で10cm四方だかと、軍用弾薬を使うにしても相当に甘かった。
2013.12
09
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 機雷戦の記事を見ると、いつも最新鋭機雷が紹介されている。海底から艦船めがけて上昇する上昇機雷やロケット式機雷、目標を感知して短魚雷を発射するホーミング魚雷のたぐいに紙幅をさいて紹介している。

 しかし、あの手の高級機雷はメインストリームではない。まず、高価であるので使いにくい。さらに、感応が怪しいという問題もある。

 高級機雷は、大抵は大水深で使うものなので、感知が難しい。感応機雷として、一番安定して使える感応方式は磁気だが、水面からあまりにも遠い。距離の関係から磁気量変化もそれほど得られないのでまず使えない。水圧や振動も同じ。勢い音響(水の変動としてみれば水圧や振動と同じだが)になるのだが、音響は海水状況で伝わったり伝わらなかったりする。※

 結局、多用されるのは、沈底式感応機雷と繋維式触発機雷になる。だが、機雷記事では古臭いのか、あまり紹介されないのは何だと思った。機雷発火にいたるシーケンスのロジックとか、機械掃海具を引っ掛け、切断するオブストラクターとかあるのだけれども、まずは紹介されていない。

 対機雷戦では、まずはその両者への対応がメインとなる。だが、紹介記事ではやはり最新手段や高度技術についてを知らせるものになりやすい。掃討戦の基本と、繋維掃海を説明するような記事がいると思うのだけどね。

 あとは、最新の対機雷戦艦艇を哨戒するだけではなく、それまでの対機雷戦艦艇との比較が必要なんじゃないのかと思うのだけどね。海自最新掃討艇はエライ、スゴイだけではなく、それまでにあった問題点と比較したり、あまりにも致命的な問題があったこととかも述べなければならないと思うのだけれどもねえ。



※ 魚雷を組み込んだタイプの機雷は、概ね敵潜水艦だけを相手にすることになっている。知らないから言える話だけど「音響の海面反射とかそういったのを使っている、だから潜行中の潜水艦しか相手できない(想像だよ)」のではないかとか思うんだけどね。さらに、ある程度の騒音レベルを持つ原潜だけしか相手にできないとか。電池航走する通常潜水艦は全く駄目とかとういう想像もね
2013.12
03
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 横須賀の某所に旧軍司令部の遺構がある。これが相当に大掛かりで、直径6m程度、奥行き200m程度の横穴が山側に3本並び、それぞれのエンドと中間も同直径のトンネルで相互に連絡されているというもの。「E」の字の真ん中に縦棒1本足すというか、「田」の字の右端の縦棒を抜いたような形態になっていた。「山『E』海」で、海側に出入口のある構造。

 2000年位か、そこの施設担当者が訳の分からない横穴が見つかった。面白いから見に来いと電話があったので、野次馬精神で見に行ったのだが、入り口は不法投棄されたゴミ捨て場で偽装?されていた。ゴミをかき分けていくと古いベニアの壁がある。その壁を剥がすと、ポッカリとしたトンネルが口を開いていた。

 まず、どこまで続いているか全くわからない。トンネルも巻き立てていないので、地山のままで足許も悪い。呼んだ方も、どこまで繋がっているのかわからない上に、1人で入るのは躊躇われる、だからお前を呼んだという。こっちもその時期、その付近の不動産を買う話が内緒であって、それに関与していた。だから遊びに行く理由は充分に立つ。現地では、野次馬はあと1人増えて、3人で懐中電灯を持って進入した。

 とりあえず、最初なので全体の構造を捉えることを優先して歩く。あとでトータルステーションを入れて正確に測量して、上の土地所有との兼ね合いを確認しなければならないのだが、最初はとりあえずの把握となる。

 ただ、なかなかエンドまでいかない。知らない道は長く感じるというが、トンネルだとさらに長く感じる。やっとこエンドまでいくと、トンネルは右方向に曲がっている。そこをまたエンドまで行って、右に曲がってさらにエンドまでいった。確かではないが、エンドの道路側出入口はコンクリート・ブロックかなにかで塞がれていたと思う。「匚」を下から上に向かった形である。

 そして、途中で飛ばした横方向通路に入る。その穴は案の定、3本の奥行シャフトを連絡している。そして最初の奥行きシャフトに戻り、最後に「E」の中棒にあたるシャフトにいった。

 その頃には、この発見に興奮していた。「平成になって入ったのは俺らが最初じゃないか」とか「最初に集積されたゴミや閉塞する偽壁の古さからすれば昭和30年位まで遡れるんじゃないか」と話していた。

 だがね、最後にとっておいたシャフトの、道路側偽壁から多少奥まったところにゴミが捨てられていた。縦横50cm、長さ1mチョットの白い四角い箱。これはなにかと見ていると、最後の野次馬のオトッツアンが。「こりゃ潜水艦の電池だよ、そんなに古いやつじゃない」という。「ヘタすると平成入ったあとに捨てたんじゃないの」ともいう。

 そこの偽壁もベニアかなにかで仕切ってあって、通る気になれば通れるようになっていた。何の事はない、知っている奴は知っている遺構だったということだ。

 その後で、官舎で趣味の本を読んでいたら、その司令部あとの記述があった。構造やトンネル径も一致したので、司令部跡ということが判明した。分かれば細かく調べることはない。とりあえず、地図上に落とせる程度で調べてもらって、間違いなく自衛隊敷地と、買う土地の中で完結することもわかったので、資料だけを作ってそのままにした。今はどうなっているかは知らない。

 まあ、あれだけ広ければいろいろ使えるのだが、通風や避難経路の関係もあるので使えるようにするのも面倒な感じはした。いまのところは使う必要もないだろう。
2013.11
30
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 化学兵器を洋上処理しようとする話がある。「シリアの化学兵器 米が洋上処分を提案」でそのように報道されている。おそらく、これが一番いいアイデアだろう。

 シリアで使われた化学兵器については、他国で処理する話であった。だが、そんな評判が悪いものを受け入れる国はない。アルバニアが断ったという話から、ならば洋上に浮かべた船舶で処理をしようというもの。これは、地元対策そのほかの問題を回避するための妙手である。

 化学兵器処分については、それほど難しいものではない。弾殻をブッタギッて、中身を吸い出して、過熱蒸気なり炎と接触させれば無害になる。化学兵器はあまり安定した物質でもない。その程度でほぼ分解し、大抵は水と二酸化炭素になる。それ以外の物質も有害なものはまずない。リンや塩素の類は、通常化合物であれば人体や環境にたいした影響はない。砒素も活性炭等で容易に除去できる。

 米国には実例がある。米国は自国が保有していた化学兵器を、過熱蒸気を利用したプラントで処分している。閉鎖系であり、発生した物質を含む水も再利用されているので、処分段階で外に漏れる可能性は少ない。

 危険があるとすれば、弾殻を切るに爆発する程度である。切断工程は分厚い鋼材(厚さ2インチ=5cm位)で囲んであるが、破片を、それは防ぐだけでガスは防げない。その時にはガスは作業室に充満する。ただし、これも前室を広く取り密閉し、活性炭フィルター(2-3段もあればよいだろう)で処理すれば、それほど問題はない。あとは弾殻に過熱水を流し込み、中身をかき出したあとは、過熱蒸気で処理するだけである。

 これらの処分法については、日本でも検討されていた。それについての公表資料も存在する。しかし、そのプラントをどこに置くかで揉める。まず間違いなく安全であるが、それでも風評被害そのほかが怖いのでどこも受け入れには賛成しない。

 実際に、大湊での化学兵器処分でも、実処分をどうするかまでにはいかなかった。旧施設庁海上連絡官をやっていたとき、大湊での化学兵器ではほぼ最初から最後まで、2年ほどつきっきりで担当していた。その技術検討委員会も参加していたが、処分の処の字もでなかった。先行していた屈斜路湖や苅田港でも処分できなかったので、大湊では処分する話は最初からでなかった。

 ただし、洋上処理できるのならば、話は別である。処理量によるが、処理装置は極端に巨大なものではない。チマチマ処理するなら、適当な老朽船でも再生して作れば十分だろう。別に処理ユニットも、海上コンテナに組み込んで、どんな艦船にもつめるようにしてもいい。コンテナの所在が問題になれば、硫黄島にでもおいとけばよい。

 どうせ、旧軍化学兵器はこれからも出てくる。洋上処理船は日本も作ってもいいだろう。



※ 海自では珍しく、化学兵器との付き合いは、結構長かった。大湊での発見直後から問題解決までの2年半と、某所でのNBC防護(それ以外もあるけどね)を2年やったよ。
 そいや「航空基地警備での化学兵器防護」の提案とか、教科書作成だかの話も相談されたけど「警備要員だけが化学兵器防護されていて、ハンガーやショップが何もできないのもマヌケな話じゃなね?」といったら怖い顔をされたよ。
2013.11
21
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 日本海軍も、対潜戦でスネルの法則を活用している。

 スネルの法則とは、媒質中で波が曲がる原理を示した法則である。対潜戦では、ソーナー運用でスネルの法則が死活的な意味を持つ。海中には温度勾配があるため、それぞれの深さでは音速が変化する。このため、音波は曲がる。これにより、水上艦から潜水艦をソーナー探知できる距離が決まってしまうといった問題がある。

 日本海軍も、ソーナー探知とスネルの法則にある関係は知っていた。LogだのSinだのを使う公式もあった。

 だが、肝心の海中温度勾配を手軽に調べる方法が無かった。今の護衛艦の類であればXBTという使い捨て温度計や、古い機材ならBTという回収型温度計で測定できる。だが、当時にはそれがない。

 仕方がないので、海軍は海図上で温度勾配と聴音距離を係数化を示した。その図表は日本海軍の水路部が仮製している。『水中聴音用図表』がそれだ。昭和20年2月の図表は、太平洋全域について、夏季と冬季の係数α(日本海軍呼称)が示されている。

 基本的に浅い海や、直射光が差し込む海は、夏はαは高い。つまり、聴音距離は短くなる。(シャドーゾーンが広がるという言い方もある)これは、海面上部が温められた結果である。海面上層部が温められ、海底方向まで直線的な水温勾配となると最悪で、音波は真下方向しか進まず、聴音できなくなる。ちなみに、黄海やハワイ付近のαは異様に高く探知距離は短い。

 対して、冬はどこもαは低い。長距離探知が可能となっている。冬季の気候で海面が冷やされると、海面上層部では水深に従って海水温は上がる。この上層部が終わると、こんどは水深にしたがって海水温は落ちる。この状況では音波の曲がりが都合がよいので、比較的に長距離でのソーナー探知が可能になる。ちなみに冬季はどこでもαは低いが、黒潮のせいか、紀州沖が相当に高くなっている。紀州沖では潜水艦探知は難しかったことが伺える。

 探知距離についての説明は、次のようなものだった。夏の小笠原のαは50、大東島のαは10になっている。表より、α50でのデシベル変化を900mで実用範囲の-69db、α10でみると2000mで-69dbになっている。小笠原付近では、敵潜水艦を900m、大東島では2000mで探知できる見込みといったものだ。

 ただし、この図表による探知距離判断は不完全なものである。まず春秋の状況や、午後効果や天候変化に対して無力である。春と秋の海面状況は、そのときにならなければわからない。そもそも、毎日の変化もある。午後になると日射の結果、表面が暖かくなり、探知距離は縮まる。

 結局は、参考程度のデータにしかならなかったのだろう。もちろん、夏と冬の数値を眺めて、最大と最小でこんなものかと把握するにはいいかもしれない。だが、当時のソーナーの品質や機差から、アレッという距離まで役立たないといったこともあり得る。

 ただ、できたのが遅すぎた。昭和20年2月には太平洋-南シナ海方面では船団もほとんど動けなくなっている。そこでこういったものを作られても、いまさらなんだっだろう。
2013.11
19
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 朝霞にオネスト・ジョンが配備されていたことがある。オネスト・ジョンは、後の米陸軍ランスにつながるご先祖のミサイル。性格的には、ロシアのフロッグ(スカッドよりも射程も短い)に近い近距離弾道弾なのだが。これが、昭和30年に米陸軍朝霞キャンプ、キャンプ・ドレイクに配備されていた。

 しかし、命中精度は今よりも低い。さて、そのような弾道弾を、本番に通常弾頭で発射するものだろうか?

 当時は無邪気な核兵器スゲー時代である。有事になれば戦術核もドンドン使う予定であった。当時の東宝『世界大戦争』では、朝鮮有事で無思慮に戦術核が使われているが、核使用の敷居としてはあんなものだ。

 一応、日本政府は持ち込みはなかったとしている。当時も政府としては核は持ち込まないとしている。今公表された文書を見ても、艦艇搭載分を除いては、核持込はなかったとしている。

 だが、それもどうかなといった部分はある。昭和30年は、まだ米軍が強い時代である。相手は敗戦国に過ぎない。そこでは、自軍はビンの蓋としても駐留している。相手国政府の事情など斟酌すると思えない。日本への核持込をそこまで遠慮するはずもない。そこで、軍事的合理性を最優先に考える軍隊が、わざわざ高価なオネスト・ジョンを(他にも原子砲ももちこんでいた)、肝心の核なしで配備することは考えがたい。

 いずれにせよ、米陸軍としては有事には核弾頭と一緒に朝鮮半島に持ち込む頭だったのだろう。それであれば、一番良いのは、朝霞から弾頭と一緒に持ち込むことだ。ミサイルも弾頭も治安に不安のある韓国におくより、朝霞においとくのが安全である。朝霞から朝鮮半島への輸送は、立川からC-124で可能であるので訳もない。後には占領下沖縄の核弾頭と結合する予定だったのだろうが、最初の頃、朝霞にあったとする仮説を建てても、それほど突飛な話でもない。

 オネスト・ジョンについては、30型大型ロケットとの関係も興味深い。規模や能力は似たようなものである。日本が核兵器を持たないと決めたのは結構遅い。核不拡散条約に加盟したのは69年である。67年に制式化された30型大型ロケットには、核弾頭をつけるといった着意もあったのではないか。

 もちろん、60年代後半になので、核兵器導入には相当の抵抗がある。政治的におおごとなので口にしがたい。戦場でもそれほどまで無邪気に使える兵器でもない。エスカレーションや相互確実破壊といった危惧もある。だが、当時の国防論議からすれば、30型大型ロケット開発の裏にはそれはあっただろう。そうでなければ、30型のような兵器は役に立つものではない。



※ もちろん、当時の核持込体制や、自衛隊での核装備論議に対して眼を三角にして怒るもんじゃないです。まあ、そういう時代だったということナンですな。
2013.11
18
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 ヘリのエンジンは機体よりも多い数が必要になる。そしてそのエンジンは安いものではない。それならば、エンジンは多種装備するのを辞めて1・2種類に絞ったほうがいいのではないか。

 ヘリのエンジンは、ヘリに積む数よりも多く必要である。航空用エンジンはみんなそうだが、整備があるので、発動機は機体数よりも多く準備されている。実際にいくつ持っているかは分からないが、海自飛行場で発動機整備の近所に行けばT-56をしまうための密閉容器が結構ゴロゴロしている。

 そしてエンジンは結構高い。AH-1墜落事件でのPL法訴訟をみると、ライカミングで1台2億円近くするとされている。

 それなら、エンジンは自衛隊内で極力統一して、種類を絞ったほうがいいのではないか。今のところ、陸海空を見ると小型ヘリで2種類(T-63と2B2)、汎用ヘリで3種類(T53とT-700とTS-1)、大型ヘリで3種類(T-700とT-55とT-64)がある。

 数で多数を占める汎用へリサイズについては、T-700(H-60やアパッチ、大型ヘリだがAW-100系)に統一したほうが良い。T-700の同一型に揃えれば、ストックや整備も統一できるので、効率化できる。(整備性が高いのて便利でもある)

 今後、陸が汎用ヘリをどうするかが問題になっている。だが、エンジンはT-700にしておいたほうがよい。仮に今後もUH-1系を使い続けるにしても、エンジンはT-700にしておいたほうがよい。

 一番面倒なのが、国産エンジンのOH-1だが、これも場合によれば早期に退役させてもいいのではないか。
2013.11
16
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 アレな幹部には際限がない。

 自分で判断できないので「許可がないからできない」という奴は結構いる。それなら、適当な奴から許可みたいな言質をとれば良さそうなものだが、それすらしようとしない。「前例がないのでやり方が分からない」というのもアレだ。それなら自分で関係者が誰か調べて、話つければいいのだが、それもしようとしない。

 ただ、この程度は可愛いもので、中には箸棒にもかからないのがいる。一番ひどいとおもったのは、横須賀に転勤してきた初任幹部。そもそも、晴海から横須賀への道を聞いてくるところからアレだった。

 この箸棒幹部、前々日に艦艇からインマルで電話を掛けてきた。衛星電話インマルサットは目の玉の飛び出る通話料がする。あるところでも、緊急時以外は許可制だった。通信抑制のためか、管制額も書いてあった。練習艦隊から、そのインマルで着任後の話をするのだから尋常ではない。インマルなので「着いてから電話しろ、まず当日こっちに来てから休暇処理」とだけ言ってサッサと切った。あとから考えれば、あまりにアレで着任もアヤシイので艦艇側から電話をさせたのだろう。

 そして晴海入港のあとに、公衆電話か何かで電話を掛けてきた。晴海なので、防衛省回線の港湾電話ではないはず。その電話で、晴海から横須賀に行くにはどうしたらいいのかを尋ねられた時には、完全にヤバイと思った。何を言っても要領を得ない。そんなどうでもいい話でガタガタ抜かすので「横須賀に行く同期あとくっついてくればいいだろ」とか、最後には「左手で海岸線を触りながら海自につくまで歩け」と言った。

 ご本尊は現物も酷かった。まず、電話が取れない。取り方がわからないのではない。課長の内線電話でも不在なら「課長卓上、◯◯3尉、課長は不在ですがご用件は」と言えと言っても、他人の電話(回線)に出ることはできないと言って取ろうとしない。配布資料を複写してくれといっても、ご本尊が座る脇にあるコピー機なのに「使っていいのか分からない」という。取らせても、ソート機能やホチキスまであるのに、酷いものだった。

 人事分隊士の仕事もアレだった。

 まず、黒表紙と赤表紙の管理ができなかった。アレは金庫の中に放り込んで置くのだが、その前に御本尊は点検表なぞ作って張っている。その点検表に、日時と自署と押印している。だが、赤黒使うのはそいつしかいない。そんなの、自署も押印もいるはずもない。気になるなら、自分のノートに「◯月◯日全数チェック異常なし」とでも書けばよい。そして、その前に分隊士業務をやっていた己が、黒全部、赤全部をそれぞれ一つの箱に入れて散逸しないようにしていたのを、わざわざ階級別にわけて別の金庫にしまおうとしていた。曹長、1曹×1、2曹×3、3曹×3の職場でそんな事する必要もない。

 事務的事項も処理できない。人事配置の都合上「この人は艦艇勤務何年、航空勤務に何年、部外機関に何年」と書くところがある。その航空勤務のところで「航空基地隊勤務だから航空要員ではないのか」と愚問を発する。「それは旧陸軍で言う空中勤務者だ、グランドクルーは含まれない」と言っても、根拠を教えてくれという。それこそ、お前が根拠を探すなり、人事に聞けば良い話だろうと呆れた。もちろん、海曹の生年月日と序列と入隊期別、現階級昇任日、家族構成なんか暗記してもいない。普通に分隊士していれば、50人程度わけもなく覚えられるものなのだがね。

 その海曹との関係も酷かった。学部で7年掛けて卒業したのはともかく、大学出たてが海曹に対して上位者としての命令ずくで振る舞おうとするのはアレだった。課内であれば、どうにかできるが、課の外でもその面だからどうしようもない。

 甲板士官的な仕事も当然駄目。海曹寄越せと言って自分では作業をしようとしない。大きな艦艇ならそれもいいが、海曹8人しかいない繁忙部署でそれはない。課長以下で草むしりしているときにも、自分は作業をしようとしない。その頃には、まあ、味噌っかすだからと面倒なので皆で放置していた。

 本番の仕事は、推して知るべしなので、危ないので業者打合や行政折衝、予算関連、監査検査は触らせなかった。これ位ならできるだろうし、失敗してもいいだろうと、各地区の正門現状写真と、正門幅(突入阻止器材のボラード整備関連だった)をしらべさせようとしても駄目。カメラと測量に使う海曹と、車を出せと宣う。メンドイので、幅だけでいい、巻き尺と自転車を渡して、近所はこれで調べてこい、教育隊はバス券やるといった。そうすると、わざわざそれぞれの部署に電話してから、午前に1ヶ所行って帰って戻って数値を記入、午後に1ヶ所いって数値を記入していた。その数字もメチャクチャ、cm単位で書いてあるのに、m単位の誤りがあるという代物だった。

 最初は、課先任幹部から「文谷おまえキチンと教えているのか」と怒られたが、その先任幹部に指導を譲ったあとには「こないだはゴメン、俺が悪かった、昼飯おごるよ」と言われたよ。

 思い出したが、決済終わった後の休暇線表を弄られたことがあった。己が課の線表を作り、部長決済までとった線表だが、休暇開始以降に変更された。なんか、仕事をしたかったのでやったらしい。その中で、当直士官の予定も勝手に入れ替えられた。1月1日当直の予定を、31日に代えられた。31日の人も勝手に30日に入れ替えられていた。お陰で、大変なことになったのだが、休暇明けに部長以下でとっちめても、御本尊はアッケラカーのカーだったよ。

 この手の箸棒先生は、階級関係なく、幹部100人に1人はいる。大抵はやる気を演じているから、教育機関の成績はそんなに悪くもない。だが、部隊は大迷惑ということになる。沖ノ鳥島管理隊かなにかを作って、纏めて放り込んでおけば部隊は安泰なのだが。まあ、余計な仕事を探すので、波平の頭髪程度に風前の灯火である島を喜んで削ったりするだろうから駄目だろう。
2013.11
12
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 海自では適格性審査で、前々から余計なことを調べている。適格性審査というのも、これは「秘の取扱資格」とか「特特防」言うやつで、5年だか7年だか毎に更新するものだ。その審査の時には、報道されたとおり思想信条友人関係を書けと言われる。「衆院特別委:『海自で思想調査や通話記録提出誓約の疑い』」※で指摘された調査とはそんなものだ。

 なに、落ちるように書く奴はいない。まず、自分から宗教団体や所属団体を書く奴はいない。友人関係も外国人の友人や、政治的活動している奴がいるなんて書かない。

 それで構わない。自衛隊側の資料と突き合わせて矛盾しなければ分からない。ちなみに自衛隊側も、特に入隊するときにある程度は調べ上げられている。赤表紙(人事記録)には、ヤバイ宗教や団体なら、親の宗教や政治団体まで書いてある。たとえば「父親、矛の会[仮名](右翼結社)」とか「おたふく教団[仮名](政府転覆を標榜)」とハッキリあるので、そこは逃げられない。だが、そこを逃げ切ればノーチェックである。また、友人関係なんかは調べようもない。仮に、他国の外交官や、国内活動家と友人であっても、偶然でもない限り分からない。※※

 だから、適当に書く。そして、適当に書いても海自は分からないので、キチンと適格性は降りる。よくあるのが、結婚する段になって外国人との親密なお付き合いが分かる例である。本人が言い出すまで、中国人、韓国人のオネーチャンと付き合っていたことなんかわからない。以降は適格性は降りないが、逆に言えばそれまでは降りる。ちなみに、2佐で中国人、フィリピン人のオカミさんがいる人もいた。それでも寿命を縮める海幕勤務を免れないのは海自の人員不足を如実に示している。

 ただ、気に喰わないのは、海自や自衛隊は、そのあたりを命令論理でどうこうしようとするところである。ただし、リアルで内面に入り込むことには、隊員も抵抗する。

 イージス事件で、パソコンにウィニーが入っていないことをチェックしろといわれた時には、己は「クリーンインストールしたPC持ってこい」と指示した。べつに「ファミコンでもピュータでもいい」とも言った。これは他所も「調べたことにした」と同じようなことをしたらしい。

 薬物事件のあとに、抜き打ち薬物検査をやることになった時にも、事前周知や拒否の話をできるだけした。具体的にはよくわからないのだが。体毛で見るらしいとか、ヤバそうなのいたら国立下総療養所に放り込めば内緒治療できるんじゃないのとか、拒否してもクビにはならんだろうという話をしておいた。まあ、やってなければ問題ないんだけどね。

 部下の携帯チェックと言う話もあった。海自ではなく、統幕のときだが、どうでもいい「心の相談室の電話番号入れろ、それを確認しろ」とする指示は全部やったことにした。これは、己の付幹部(2陸尉)も「やりすごしましょう」と賛同したので、三幕共通だろう。入れるなら各都道府県の当番弁護士のほうが役に立つだろうに。

 おおむね各現場でも、適当にやりすごしている。話を聞いても「真面目に調べて面倒なことになるのはゴメンだ」とか「自衛隊にはそこまで調べる権限はないだろう」という。昔の上司は「組織が性悪説に立ったらオシマイ」とも言っていた。現場は、頭の悪い幹部、硬直的な幹部を除けば健全である。

 ただ、上層部が個人の内面に踏み込むことの危険性を承知していないのは、ヤバイ。命令すればなんでもできると思っている思いあがりがある。それが露呈したのが、今回の国会での指摘だろう。

 いつものことだが、上層部の頭の悪いヤツは、自分たちの指示が悪いとは考えない。それを部外に漏らしたことが悪い。やったのは誰かと犯人探しをしようとする。だが、この手の調査では散々反感を買っている。記入要領なんて「この通りに書け」と各個人に配るものだ。上は1佐から下は2士まで、だれでもできる。わかるはずもない。



※ 衆院特別委:『海自で思想調査や通話記録提出誓約の疑い』」『毎日JP』(毎日新聞,2013.11.11)http://mainichi.jp/select/news/20131112k0000m010066000c.html

※※ 情報保全は成果やその品質も見られない仕事である。成果を挙げた話も聞かない。特に数を捌かなければならない適格性審査は、綿密にやっているとも思えない。この辺りはまず見つけられないだろう。
2013.11
10
CM:6
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12:00
Category : ミリタリー
 日テレNews24、「新防衛大綱 陸自戦車数を削減へ」によると、防衛省は戦車定数を100減らし、人員を5000増やそうとしているという。

 しかし、北海道に人は余っているのに、人員を5000増やすというのは解せない話である。ソ連が崩壊して以降も、北海道には陸兵5-4万を無意味に置いていた。西方や関東、近畿に兵員を増やすなら、北海道から移駐させればよい。5000や1万の都合はつく。

 そもそも、5000人増やして何をやりたいのかがハッキリていない。水陸両用部隊を作るための人員増といった話なら、北海道の師団や旅団の一つでも潰して人員予算装備施設を集めればよい。政府機関で一つの部署を作るためには、一つの部署を潰す、スクラップ・アンド・ビルドが原則である。特に無駄に人員を抱え込んでいる陸自について、その人員を増やす必要はない。

 ただし、これは防衛省が希望する内容である。実際に、人員増5000を認めさせることは難しい。

 おそらくは、財務等が要求する、人員減に対するカウンターなのだろう。防衛は前からそういうことをする。戦車定数400にするときにも、とりあえずカウンターとして3万増を要求し、人員差し引きを有耶無耶にしようとしている。

 実際のところ、戦車100減、人員は+-100程度の、あまり意味のない増減に終わるだろう。装備減で防衛省・陸自は抵抗しない。実際に戦車100減はどこからも文句は出さないだろう。あとは砲をどこまで減らすかといった程度である。そのかわり、人員減には必死に抵抗する。役人組織にとっては、人員数で表される組織規模の減少は何をおいても阻止しなければならないものであるからだ。

 人員増5000には何の根拠もない。結局は減らしたくない役人論理で、カウンターでふっかけただけである。防衛省・陸自も、納得できるような具体的な必要性を上げて説明はできない。実際のところ「そんなに重要な人員所要があるのなら、なぜ北海道から人員を引き剥がして充当しない?」と言われればそれまでである。

 いずれにせよ、これで無駄な装備更新の必要性は立たなくなった。戦車定数が300となれば、既存の90式350両、発注分を含んだ10式50両でお釣りが来る。10式を新規調達する必要性はさらに立たなくなる。新型砲開発も同じで、所要が自走砲で充当されれば、カエサルもどきを開発する必要もなくなることになる。



※ 「新防衛大綱 陸自戦車数を削減へ」(日テレNews24、2013.11.9)http://news24.jp/articles/2013/11/09/04239969.html

※※ JSFさんは、この期に及んで10式調達が続くといっている。「90式を10式で置換して行く感じになるんでしょうね。」とトンチンカンなことをいっている。90式は一番古い車両で車齢22年に達していない。それを更新する所要は立たないことを理解していないのだろう。
2013.11
10
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11:02
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 JSFさんは、平時に行う演習と、戦時の区別がついていないのではないか?

 JSFさんが、空自基地に展開したSSMについて「入念に擬装ネットを張ってるけど、開けた場所に置いてるからなぁ・・・」と述べている。

 これは、平時の演習であり、予算や手間の関係で自衛隊用地に展開しただけの話にすぎない。それを「開けた場所に置いてる」と脆弱性を指摘するのは、ピントがずれている。

 JSFさんは、演習と実戦の差が分かっていない。前にも日米共同演習での設定は、リアルなものであると勘違いして、裏日本方面に5ヶ師団が上がって来るとかマヌケなことを言い出していた。今回もその伝である。先島としてわざわざ平坦な宮古島に展開し、しかもオープンエアな場所にSSMを置くと考えている。これは、JSFさんが実際に行う演習での制限といったものを理解していない証拠である。
2013.11
09
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12:00
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 梁天仞さんは、殲-16で10年間は日本戦闘機への優勢を確保できると主張している。香港誌『鏡報』最新号で、殲-16は、Su-33系の戦闘爆撃機であるが、その能力は日本戦闘機戦力を圧倒するという意見を述べている。

 しかし、戦闘爆撃機で日本を圧倒できるものだろうか?

 そもそも、どこでの戦いで日本を圧倒するのかという話がある。中国本土上空なら、日本単独攻撃に対して圧倒できるだろう。しかし、日本本土で優位に立てるとするのは考え難い。日本側にあるJADGE以下に統合された防空システムの下で、F-15と互角に戦えるとは考え難い。中国には実用AWACSはない。そういった支援もなく、戦闘爆撃機だけで殴りこみをかけても中国に勝機はない。

 梁さんの根拠もミクロの話である。殲-16は新型レーダやEO/IRセンサ、ミサイル性能で日本機、具体的にはF-35に勝てるとしている。

 しかし、いずれも疑問がつく主張である。戦闘機のレーダが高性能でも、あまり意味はない。AWACSほかと連接した日本側に対し、戦闘機のレーダで敵を捜索するのでは心もとない。EO/IRも、結局は捜索距離や確実性に富むものではない。基本的には電子戦対策だろう。ミサイルの性能についても、スペックだけにも見える。霹靂-10ミサイルの格闘戦性能はともかく。射程160km、マッハ5という霹靂-13も、まだ現物はない。噂どおりの超射程が確保されても、その超射程を活かすためには、優位な態勢でレーダ探知をしなければ仕方もない。

 そもそも、殲-16を量産できるかどうかも怪しい。中国が自国生産するというWS-15エンジンにしても、これまた使いものになるかどうか。テストベットと殲-20でしか動いていないエンジンを見切りで使うというものではないのか。

 どこの国にしても、自国機は褒める。商業的にはそれが正解なのだろう。しかし、その実態は不利不都合には目を瞑った迎合であるようにも見える。この辺り、分かっていて迎合するのであればマシだろう。余計なことはしないし、他人に噛み付くものでもない。だが、気付かずに迎合するのは性質が悪い。頭が悪いので心底信じている。だから、大した飛行機ではないという意見に噛み付いてくる。

 F-2以下を褒めるのはその類である。日本のF-2は、実態はF-16であるが、万邦無比の戦闘機であるかのようにヨイショされた。P-1/C-2も、US-2も自国開発するほどの市場規模があるかを無視してヨイショされている。いずれも、「大したものでもないよな」という客観的な意見に噛み付くのは、頭が悪いとしか言いようもないものである。



※ 梁天仞「殲-16確保対日優勢至少10年」『鏡報』436(鏡報文化企業公司,2013.11)p.p.50-53
 
2013.11
07
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12:00
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辺野古移転も無理筋ではないのかね

 まず知事から埋立免許が出る見込みがない。たしかに仲井真知事は自民系ではある。だが、何党系であっても、県民世論といった環境は無視できない。実際に辺野古へ移転を認める、埋立を免許する選択肢はない。

 仮に出ない免許がでても、今度はジュゴンの問題が出てくる。

 埋立で日本にいる唯一のジュゴンを殺してもいいのか? といった問題は重い。県外の保守派にしても「県内移設は仕方がないが、ジュゴン保護と両立できないのか」という話になるだろう。

 ジュゴンについては、米国世論も問題視する。なんせ激減している生物である。北回帰線付近では絶滅寸前になっている。様相もどことなく人と似ており、辺野古移転で藻場を奪えば死ぬとなると、保護すべきとの意見は米国でも間違いなく出てくる。そのような計画に米軍は加担するなということになる。

 そのジュゴン保護を保護せよとする訴訟を米国で起こすのは、上手いアプローチだろう。「辺野古阻止へ新訴訟 ジュゴン原告団、米国内で検討」によると、ジュゴン保護訴訟を起こす見込みという。日本の裁判所は政府との対立を避けるが、米国裁判所はあまり避けない。結構な勝ち目のある裁判ではないか。

 結局のところ、普天間問題は米海兵隊を国外に追い出せば済む話である。米海兵隊による抑止力も眉唾ものだ。中国への対抗であれば、海空軍がメインである。普天間やら辺野古の話は、結局は、ショバを主張する海兵隊のわがままに過ぎない。

 嘉手納を使い続けるためには、海兵隊を追い出すのが一番良い。海兵隊にお引取りを願って、掛けた分の抑止力とやらは、海空軍を増援して誤魔化せば良い。そちらのほうが、中国はよけいに嫌がってくれる。いまなら、失敗作であるLCSを佐世保に配備するとか、形だけ鹿屋にP-8とビットにあたるトライトンを短期間配置する、岩国あたりにF-35を早めに配備するといったあたりで充分だろう。
2013.11
07
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 9mmけん銃の評判は良い。その前がガバメントだったのだから当たり前だが、日常分解が容易で4つにしか分かれない点は年寄りも絶賛していた。

 ただし、狙うのが面倒くさい。拳銃の常として、真面目に狙えばそれなりに当たるが、両手保持でもしっかり狙うのには厄介である。

 いっそ、ストックが付ければいいのではないか。『血と砂』で三船敏郎が使っていたようなアレである。http://star-firearms.com/firearms/guns/smgD/けん銃もストックがつけば、命中率は劇的に向上するだろう。

 最近も、イスラエルの会社がヘンテコなストックを作っている。http://www.zahal.org/products/pistol-rifle-platform-for-glock-and-sig-kposみたいなヤツなら、東京マルイでも作れるだろう。別にそんなものは中国製でも構わない。

 各部隊とも、警備用の短機関銃や散弾銃はロクロクないのに、拳銃は結構ある。ついでにグロックなんかにある、どうやるのかしらんが連射できるようなストックにすれば更に良い。そういったものを物品として部隊調達させて、物品のドラムマガジンでもつければ警備装備は相当に向上する。

肝心の拳銃が減っても問題はない。アレは使えたものではない。儀仗隊指揮官のように、モデルガンでも入れておけば良いだろう。
2013.11
06
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 水際地雷敷設の専用装備、94式水際地雷敷設装置は本当に必要なのだろうか。

 水際地雷は、すいさいじらいと読む小型機雷で陸自が使用する。今の御時世に使い道があるかはともかく、持っていても悪いものではない。

 ただし、この水際地雷について、陸上からの敷設に過適応した専用敷設装置は塩梅がわるいのではないか。陸自は、水際地雷について基本的に94式水際地雷敷設装置で敷設する算段にある。これは水陸両用車であり、今ある水際地雷2種類にのみ適合した専用艤装を持っている。

 94式には、柔軟性がなく、専用機雷しか使えず、船舶としての性能が低いといった点は、問題視されるべきである。

 まず、完全に機械化されているので、融通が効かない。使えるのは既存の水際地雷だけであり、対上陸用機雷の傑作であるマンタや、ステルス性の高いROCKANは使えない。進入航路や入港航路にピンポイントで置くのも適していない。

 また、今ある水際地雷の形状では駄目になると、敷設装置も駄目になる。水際地雷については、旧海軍が作った水際機雷(これは「みずぎわきらい」と読む)と同規模と、相当小さめに作られている。※ そして、水際機雷は軽すぎて波に洗われて移動するといった問題も提起されていた。

 そして、船舶としての性能が低すぎる。陸上から泛水できる点は発明であるが、水上速度はおそく、海洋状況の悪化に弱い。気象海況が静謐でないと使えない。陸自は緻密に、幾何学的なパターンで幾何学的に面的なパターンで機雷原を作ろうとしている。だが、風風が吹けば船位保持に苦労する。あまりうまく行くとは思えない。

 水際地雷そのものは悪くはない。ただし、専用敷設装置を主用する方法は、あまり良いとは思えない。

 実際には、舟でバラ撒いたほうが良くはないか。そちらのほうが柔軟性があり、数も揃えられる。確かに、施設科が持つ折りたたみ舟艇や、渡河作業用舟艇は小さすぎる。機雷敷設は可能であるが、容易ではない。しかし、漁船でも入手すれば、問題は解決する。甲板はそれなりに広い。自動化こそできないが、どのような機雷でも敷設できる。木製レールに載せた機雷を、ありあまる兵員に蹴りこませれば94式同等の敷設効率を実現できる。水上での運動性や速力、海洋状況への耐性も強い。

 漁船入手は容易だ。別に購入する必要はない。隊員に操縦させる借上や、緊迫状況下でなければ、機雷敷設作業を丸投げする役務調達で十分である。やたら高価になる専用装置を購入し維持するよりも、漁船を借りたほうが経済的だろう。



※ 旧海軍水際機雷は、15-20kg、陸自の水際地雷は40kg。
2013.11
05
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 もう8年くらい前のこと、陸警科にお試しで機関けん銃が回ってきたことがある。陸警科は同じ三部で、丁度階下にある。己が情報保全か何かをやらされた時に行くと置いてある。

 この機関けん銃、ミネビアが作ったウージーもどきの短機関銃であったが、射撃試験の結果を見ると面白いくらいに当たらない。

 人体的を狙ったものだが、縦方向に1mくらい散っている。撃ったのは特警隊から下がって来た某海曹だといった。特警あがりでも駄目なら、他の兵隊が撃っても駄目だろう。何にせよ、ストックがないので肩付できないと、そんなものだ。

 あれならトミーガンの方がマシだという話になった。トミーガンなら50m先の30センチには難なく当たる。重い上に、しっかり肩付しているので難はない。しかも、分解整備はバカでもできる。なにせ日常分解では、部品は6点にしか分かれない。

 わざわざ性能が低く、やたら高い国産短機関銃を買ってどうするのかね。あれならトミーガンを9mmにして再生産したほうがマシである。銃剣もつくようにすれば更に便利になる。警備にもあのねじ回しやちんまいピンがある64式よりもよほど使える。

 機関けん銃も、ミネビアとのお付き合いで買ったのではないか。あそこには天下りが多い。別に天下ってもいいのだが、それで機関けん銃を買わされたのではたまらない。

 世界には、安くていい短機関銃はいくらでもある。好き好んで高くて当たらない銃を買っても仕方がない。そもそも、ウージーもどきが欲しいなら、ウージーを輸入すれば済んだ話だ。実際にはウージーよりも、いい短機関銃はあるだろう。インド製だろうがブラジル製だろうが、少なくとも、機関けん銃よりは高性能で安いことは間違いはない。
2013.10
31
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 自走式の地雷処理器材は信用できるのだろうか?

 戦車等、車両に取り付ける地雷処理器材としては、ローラ式やチェーン(フレイル)式、プラウ式がある。車体の前にローラをつけて、それを押しながら進んで爆発させるのがローラ式。高速回転する棒にチェーンを取り付けて、地面を叩きながら進んで処理するのがチェーン式。前の土に鋤をいれて、地面を掘り返しながら進むのがプラウ式である。

 ただ、これってどこまで信用できるのかね。海で使う機雷では、機雷と処理機材との騙しあいが進んでいる。しかし、地雷処理機材は昔から全く変化がない。地雷に工夫をすればいずれも無効化できるのではないか。

 たとえば、ローラ式地雷処理器材なら、一回のローラ通過では発火しないロジックを組み込めば良い。ローラは一瞬で通り抜ける。圧力がかかっても、一瞬・一回では発火しないロジックにすれば、回避できるだろう。例えば、戦車や装甲車のキャタピラはしばらく踏み続けるので、圧力が0.5秒経過して始めて発火するロジックを組み込む。それとは別に、車輪式の車両も食うためには、一瞬の圧力も1秒以内に2回目があれば発火するロジックも組み込む。この二つのロジックで、ローラ追加では発火しないが、車両通過では発火するロジックになる。

 チェーン式も出し抜く方法はある。叩かれたときの衝撃では発火せず、圧力でだけ発火する仕組みを作れば良い。これは、機雷で言えば振り子装置で解決する。踏板からの衝撃・圧力で即発火するのではなく、意図的に0.2秒を遅延させる。別に衝撃センサ(昔のストーブの転倒防止装置で良い)を用意して、それが反応すれば、発火を2秒抑止すればよい。チェーンでは発火せず、キャタピラ・車輪でだけ発火する仕組みが作れる。

 プラウ式も対応策は考えられる。イタリア機体マンタのように地雷本体が移動・傾斜があったときには、たとえば2秒後に発火するようにすればよい。掘り出した地雷が巧く車体下に潜り込むかは分からないが、炸薬量次第では車体の側で発火しても効果は得られる。

 他にも、考えつく方法はある。例えばカウンターの取り付けで、最初の衝撃・圧力では発火せず、2回目、あるいは3回目以降の衝撃・圧力で発火する条件をつけてもよい。または、深く埋めて、磁気センサで磁気量ピークで発火する仕組みでも、振動センサとの複合感応でもよい。

 いずれにしても、対機雷戦に較べれば、地雷処理器材は甘い。今までの地雷処理器材はかつての掃海のようなものである。進歩した地雷で作られた地雷原、あるいは進歩した地雷を1-2割でも混ぜら混まれた地雷原が登場すれば、従来の地雷処理器材への信頼は喪失するだろう。そうなると、掃討的な手法、例えば地中レーダや地中ソーナーのような器材と、発見された地雷を効果的に破壊する器材(HEATの自動設置?)といった組み合わせが必要になるかもしれない。
2013.10
28
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 尖閣諸島そのものには何の価値もない。尖閣問題を重要だとするために、そこに軍事的な価値があると主張するのは、本末が転倒している。

 日本安全保障・危機管理学会の『安全保障と危機管理』がそれだ。「尖閣諸島の魚釣島」とした表紙に「3500mの滑走路を有する空軍基地が建設可能」と、軍事価値があるかのようにキャプションをつけている。

魚釣島
※ 『安全保障と危機管理』より

 だが、魚釣島に航空基地を作ることは現実的ではない。航空基地を作るためには、膨大な労力が必要である。

 まず航空基地を作るに足る平面部がない。魚釣島はほぼ円錐状の島で、頂部は海面から300mもつきだしている。離島で、岩盤ベースの山を削平して滑走路を作る手間は尋常ではない。埋め立ても、土砂を持ってくる元がない。しかも周辺は急に深くなる海である。岩盤ベースの島を削っても、いくらにもならない。航空基地には、基地施設も必要だが、その面積を確保するために削平・埋立するのは容易なことではない。

 仮に航空基地を作っても、維持に多額の費用を要する。水の確保は硫黄島より厳しい。硫黄島はまず天水に便り、駄目なら海水から真水を作っている。魚釣島には、その天水を集め、貯める地積もない。水については南鳥島並か、それ以下である。飛行後に航空機についた塩を流す真水も足りない上、維持できる隊員数も50-100人が限界だろう。燃料補給も困る。なんせ港がない。硫黄島式に逐一フローティング・ホースで引き入れるのでは手間がかかって仕方もない。

 その上、地積も狭い。本格的な戦争に耐えるほど、施設も器材も分散できない。警戒用レーダや防空兵器、整備格納庫や各種ショップ、倉庫、弾薬庫、隊舎、庁舎、通信局舎を分散する地積がない。日中どちらが航空基地を作っても、日中有事に際しては地上にあるものはあらかた破壊され、地下構造も判明次第に破壊されてしまう次第しまう。

 尖閣は、軍事活用をする余地もない。あっても洋上や上空監視だが、レーダを置くにしても、維持を考えれば哨戒機やAWACSを飛ばしたほうがよい。それ以外の用途は全くペイしない。

 要は、この学会が危険が危ないと言いたいだけの話だ。この日本安全保障・危機管理学会は、中国の脅威が危ない、防衛費はドンドン増やせというものだ。ちなみに、危機管理学会やセキュリティマネジメント学会とは全く関係はない。一応は学会の組織をとっているが、紀要の中身を見ても水準は低い。実際には、政治的結社に相当ちかい存在である。その点は、役員名簿をみれば明快である。名誉会長の安倍晋三、顧問には佐藤正久、山谷えり子と自民党に居る、一種機械じかけの右派がならんでいる。

 魚釣島に航空基地云々は、結局は、軍事的な重要性があるから中国が狙っていると言いたいわけだ。しかし、その実は逆だろう。頭のなかでは、まず中国が敵で、その中国との領土問題である尖閣問題は重要な問題であるといった、本末転倒の発想がある。それから尖閣が重要な理由を考えようとして思いついたのが、航空基地だということだ。

 ちなみに、航空基地云々は表紙のキャプションにそうあるだけで、本の中身には何も書いていない。表紙は中身の要約である。そう主張する内容が中身にないというものもなかなか他にみないものである。



※ 『安全保障と危機管理』23(日本安全保障・危機管理学会,2013.03)表紙より。カラーの表紙を白黒コピーを取ったため、3500m云々は薄く読みにくいため、文谷がフォトショップでマスクを作って強調した。カラーの表紙については、http://www.jssc.gr.jp/kikanshi.htmlにある。