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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2014.02
03
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Category : ナショナリズム
 南氷洋での調査捕鯨は、百害あって一利もないのではないか。

 自分たちの地先で外国漁船が乱獲をすれば、その国民は怒る。その漁船が合法的に操業していても同じである。

 実際に日本人は、中国漁船の乱獲に怒っている。産経の「東シナ海食い尽くす『虎』 中国、日本狙い横取り『泣き寝入りしかない』」はその好例である。中国漁船による操業も、漁獲法も合法である。しかし、日本人は自分たちの地先で勝手をやられていると義憤に駆られている。

 南氷洋での調査捕鯨も同じではないか。オーストラリアやニュージーランドは、自分たちの地先にある南氷洋はショバだと思っている。そこで日本人が、よりによって自分たちが大事に思っているクジラを捕ったら、当然激怒するだろう。

 その激怒に「日本は合法的に捕鯨をしている」とか「科学的にクジラは余っている」というのは、妥当ではない。火に油を注ぐようなものだ。

 シー・シェパードは、オーストラリアとニュージランド国民からすれば、正義の味方である。そのシー・シェパードと殊更に対立を煽るのも、日本にとっては必ずしも得にはならない。

 アレ政権は、結局は内向きである。自国民受けしか考えていないので「シー・シェパードの妨害 菅長官『断じて許されるべきではない』」と大見得を切っている。しかし、これは価値観外交やら自由主義諸国との同盟といった、政権の看板方針と矛盾する。アレ政権は対中包囲網を企画した「安全保障のダイヤモンド」とやらでは、オーストラリアとの同盟強化を謳っている。

 しかし、シー・シェパードへの非難や、その背後にある調査捕鯨の推進は、そのオーストラリアを刺激するものである。なるほど、シー・シェパードが行う妨害活動は、海洋法の精神に合致しない。しかし、オーストラリア・ニュージーランド国民からみれば、立派な抵抗活動である。その親方に虚言癖があろうが、顕示欲の塊だろうが、そんなことはオーストラリア、ニュージーランド国民からすれば大した問題ではない。

 さて、調査捕鯨の継続と、オーストラリア国民との対立と、どちらか大事だろうか。

 調査捕鯨は、なんの役にも立っていない。損得で考えれば、損しかない。日本が調査捕鯨をしている理由は、西欧的価値観による捕鯨中止圧力への反発だけで行っているものだ。※※※ しかし、本格捕鯨につながる見込みは少なく、捕鯨そのものが経済的にも成り立つ見込みもない。鯨肉は全く売れていないのである。

 対して、オーストラリアとの関係深化は日本にとって重要である。オーストラリアは、重要な食料や鉱物資源の供給地である。オーストラリアほど安価な穀物や石炭を買える国はない。安全保障でも重視すべき相手である。日本が行っている中国とのゲームでも、空気を読まずに中国に敵対してくれるような都合の良い国はオーストラリアしかない。アジアで外交オンチのオーストラリアは、日本にとって都合の良い重要な同盟国である。

 仮に調査捕鯨を続けるにしても、やるなら日本近海、太平洋側に限定すべきである。日本沿岸部や小笠原で捕鯨をする分には、オーストラシアやニュージーランドもそれほどカッカしない。

 日本近海であれば、シー・シェパードを苛めることも容易である。シー・シェパードの嫌がらせに対して、日本はそれに倍する嫌がらせを行える。海保や水産庁、税関や港湾当局、海自、入管といった組織を活用して、嫌がらせを行えば、日本人の溜飲も下がる。別に民間有志で漁船を仕立てて、進路上で操業してやるといった方法もあるだろう。



※ 「東シナ海食い尽くす『虎』 中国、日本狙い横取り『泣き寝入りしかない』」『Sankei.biz』(産経新聞社,2013.8.12)http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130812/mca1308120801001-n1.htm

※※ 「シー・シェパードの妨害 菅長官『断じて許されるべきではない』」『産経ニュース』(産経新聞,2014.2.3)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140203/plc14020312490011-n1.htm
 まあ、アレ総理の秘書長である官房長官だから、ネトウヨ受けする発言をするのは仕方ないことかね。あるいはこれが本人の本心なら、菅義偉さんもその程度なんだろうけど。なんつーか、菅義偉さんと下村博文さんは宰相並みに飛び抜けていると思うよ。

※※※ 水産庁も、庁益のためにナショナリズムに乗っかっている部分が大きいと思うねえ。捕鯨やらマグロやらの国際会議で、強硬発言して対立してことばっかやっている。でも、マグロなんかそうだけど、業界団体の利益があるだけで、肝心の資源管理そのものには相当無頓着に見える。捕鯨推進するパワーがあればニホンウナギの禁漁やら漁獲制限に突っこめと思うがね。
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2013.12
14
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12:00
Category : ナショナリズム
 中国艦艇と米艦艇がチキンレースやった話だが、これは冷戦時代は日常的にあった話である。公海上での演習で、監視する米艦とソ連艦が同じようなことをしていた。相手の針路に割り込み針路を変えさせる。たまには並走状態で軽くゴツンもあった。ソ連のミサイル艇かなにかが米水上艦の斜め後ろからゴツンの事件があった。

 ただ、「一触即発」はない。産経ニュースで、その語を見たが、やはり違和感はある。極端な話、これはいつものゲームの範囲を超えない。米中で行っている軍事力を使った競り合いは、米ソ冷戦のように、エスカレーションの先に戦闘を見越した、にらみ合いではない。決して衝突には至らないことを暗黙としたゲームである。米中艦艇による、じゃれ合いは、その中のミニゲームにすぎない。

 問題は、事故にある。互いに死傷者を出すつもりはなくとも、結果として事故が起きることがある。例えば、海南島でのEP-3とJH-8の接触事故がそれだ。艦艇同士であれば、並走そのものが危険をはらんでいる。それなりの速力で艦艇同士が近づくと、ベルヌーイの力で吸い寄せられるためである。ブツかっただけなら大した話ではないが、なにかの拍子で死傷者や、火災浸水が起きると、ゲームの趣旨から離れた無用な緊張をもたらす。

 必要なのは事故回避措置である。互いに不幸な事故を回避する仕組みがあれば、安全にチキンレースができる。その前例はある。あの米ソ冷戦でも、事故回避の仕組みはあった。「米・ソ間で合意した海軍艦船間で使用する信号」がそれだ。国際信号に準じた信号であり、意図しない事故発生の防止に役立てようとするものである。「PJ3:本船は、舵故障中。注意あれ」や「QF1:本船は、機関を停止した。注意あれ」、「RU8:本船から2海理の圏内には、30分以内に潜水艦が浮上する。貴船は、これを避けられたい」といった信号である。これを米中でも使えば、ゲームはほぼ安全となる。

 事故回避措置が必要なのは日本でもかわらない。尖閣あたりでの保安庁と海警の対峙も、両国間には暗黙のルールができている。ゲームに参加するのはハルストライプを持ったフネに限定する、互いに死傷者を出さない、タラ戦争のように体当たりはしない、政治的変化がない限りは上陸とか余計なことはなしない…そんなものだ。その暗黙のルールを確固とするために、暗黙のルールにとって危険因子を尖閣から追い出したほうがよい。

 尖閣でのゲームで最も危険な因子は、政治団体の進入である。わざと尖閣まで行って出漁し、あるいは飛び込んで上陸するような政治的パフォーマンスは、ゲームを危険にする。そのためには、あの一体を禁漁にしたほうがよい。尖閣諸島については、島から12マイルを、資源保護あたりを名目に禁漁区とし、外国艦船の不法侵入あたりを理由に航泊禁止にしたほうがよい。



※ 「中国艦船と米巡洋艦が“一触即発”-南シナ海」『産経ニュース』(2013.12.14)http://sankei.jp.msn.com/world/news/131214/amr13121410530006-n1.htm
2013.11
25
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Category : ナショナリズム
 尖閣EEZで、中国に対し『漁業に関する管轄権の行使は認められない』は行き過ぎではないか?

 尖閣諸島付近での漁業は、日中の入会になっている。日本は日本の漁船を取り締まる、中国は中国の漁船を取り締まる。そういった約束がある。

 EEZでは入会の約束にあるのに、中国海警が中国漁船に対し、漁業上の取り締まりをしていることに文句をつけるのは妥当ではないのではないか。

 具体的には、日中漁業協定がある。その第6条(b)項目は、尖閣付近を別扱いすることを宣言している。別扱いの中身は、面倒に触れないようにしようというもの。外相・大使間の書簡で「自国の漁船を取り締まる、相手の漁船を取り締まらない」としている。

 その書簡による取り決めに従えば、海保は余計なことになる。尖閣について、現地での対立は、そろそろゲーム化しようとしている。暗黙のルールにより安全が確保されようとしている。また、日中貿易や投資、人の行き来もようやく回復しようとしている。この状況で、領海や接続水域以外について、火種に風を送り込むのはよくない。起こさなくて良い対立を再び起こそうとするものだ。

 海保は、あくまでもコマにすぎない。そのコマの立場を忘れて、愛国主義的な行動に出るのは出すぎた話である。海保には前例がある。ビデオを流出させた件がそれだ。それと同じ発想で、政府間では面倒に触れないようにしようと互いに取り決めた、漁業に関する管轄権を引っ張りだすのは、火種を投げ込む行為である。海保職員が持つ愛国メンタリティーや、海保にある組織利益を満たすため、自分たちに課せられたコマの立場から外ようとするのは、妥当ではない。



※ 「尖閣沖EEZ内『海警』乗組員が中国漁船に移乗」『Yomiuri Online』(読売新聞,2013.11.21)http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131121-OYT1T01038.htm
2013.10
29
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Category : ナショナリズム
 常任理事国として中国の品格を云々するよりも、日本の対中アドバンテージの維持を主張したほうが建設的ではないか?

 山本輝夫さんは「国連常任理事国の資格も品格もない中国」で中国が戦勝国意識を持っていることを問題としている。要は、日本は中国に戦場で負けたことはないので、中国に対しての敗戦国の立場ではないというものだ。

 しかし、日本は歴とした敗戦国である。たしかに、日本は大陸での戦闘では中国に大敗北は喫していない。だが、中国は見込み通り米英を巻き込み、日本に戦争で勝利を得ている。日本は日米中ソに降伏を申し入れている。

 山本さんは「戦場では勝っていた」というが、それも負け惜しみでしかない。具体的には
 作戦や戦闘において、中国軍が日本軍に勝利したのは、局地戦において数えるほどしかない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38978?page=3
 中国軍が勝利した戦史である拉孟・騰越(ラモウ・トウエツ)の戦いですら援蒋ルート遮断のため派遣された日本軍の小部隊に対して、米・中雲南遠征軍が数十倍する戦力(拉孟守備隊113歩兵連隊の1260人が、中国軍4万8000人の猛攻を100日間防いだ後玉砕。桁数の誤りではないので、念のため)で攻撃し、孤立した日本軍部隊は、玉砕するに至った。

 この作戦に、中共軍は参加していない。これくらいの戦力差がないと日本軍に立ち向かえなかったのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38978?page=3
と述べている。しかし、これは「ノモンハン事件でソ連側の死傷者数が多い、だから日本の勝利だ」というような自己欺瞞と同じである。戦闘で勝っても戦争で負けたら何の意味もない。

 日本が、中国に対して敗戦国の立場にあることに反発しても仕方がない。戦後秩序はそういう仕組みになっている。国連を見ても日本とドイツは旧敵国であり、米英仏露中は戦勝した大国として常任理事国の地位にある。今の日本が参加している秩序の成り立ちに文句をつけても仕方がない話である。

 常任理事国が気に食わないからといって、そこに「品格」といった道徳的な概念を持ち込むのも、詮ない話である。山本さんは、中国には常任理事国の品格がないと主張している。
中国は、国際社会の平和に貢献すべき常任理事国として、その責務に相応しい仕事をし、品格を有しているのだろうか?

 図体や軍事力だけで大国と言うのではない。それにふさわしい国家の品格が求められる。トラブルメーカーにすらなっているではないか!

 品格泣き[ママ]国家は常任理事国を辞すべきだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38978?page=4


 逆に、中国以外は品格ある常任理事国であるのだろうか? アメリカもソ連もイギリスもフランスも、「国際社会の平和に貢献すべき常任理事国として」ふさわしい「品格を有しているのだろうか?」といえば、いずれも怪しいものだ。ソ連の拒否権乱発は記憶に新しいが、米国も結構、拒否権を使っている。英仏もスエズ動乱では露骨に自国権益を確保するために拒否権を使い、カウンターで「平和のための結集決議」を食らっている。※※

 孟子にも春秋に義戦なしとある。外交とはそういうものであって、国家の品格を云々しても仕方もない話である。山本さんの記事には副題があり「剥き出しの大国・戦勝国意識を糾弾する!」とあるが、糾弾してどうなるものでもない。

 周りを見ない対中強硬策では、JIB's呼ばわりされるのがいいところだ。JIB'sとは日本、イスラエル、英国を指し、地域で身勝手なことをして面倒を起こすという言われ方である。

 日本は現況で結構優位をもっている。尖閣の問題でも日本は現地を抑えている。中国の海洋進出に対しても、日米同盟や海自戦力といった海軍力での優越を持っている。優位な立場にあるのだから、あとは騒ぎ立てずに現状を固定すればよい。互いに譲れない対立はそのままに適当にごまかして、貿易や投資といった双方金儲けができるようにしたほうがよい。余計な事を言って対立を煽るのも無意味なことだ。それならば、領土問題での優位や海軍力の優越を固定化するための、海保増強や海自増強を主張したほうが建設的だろう。



※   山本輝夫「国連常任理事国の資格も品格もない中国」『JB Press』(日本ビジネスプレス,2013.10)http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38978

※※  新中国が常任理事国の椅子に座っていることに山本さんは疑念を抱いているが、大した問題でもない。フランスが戦勝国として常任理事国にあることを見れば、より大きく地域での存在感の大きな新中国がその椅子にあることは、大した問題ではない。
2013.09
06
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12:00
Category : ナショナリズム
 中国公船について「不法に領海侵犯」していると怒ってどうなるというのだろうか?

 石垣市議会の仲間さんが、中国の「違法行為」を怒っている。※ 
[尖閣諸島の]現場では海保の巡視船が「海警」に対して領海内から退去するよう再三にわたって警告しているにも関わらず、逆に「海警」は、我々に対して「ここは中国領であり直ちに退去せよ」とスピーカーを使って警告するなど、目に余る違法行為を繰り返した。
仲間均「尖閣諸島周辺海域の実態」http://nakamahitoshi.ti-da.net/e5166308.html
しかし、中国に違法行為をしている認識はあるのだろうか。

 別に、日中が互いに退去しろと言っていることに不思議はない。中国は、尖閣諸島は自国領だと主張している。中国公船は、その主張にそって尖閣諸島まで出張っている。日本巡視船に退去しろというのは当然である。また、その中国公船に対して、巡視船はここは日本領域であり、中国公船に退去するよう要求するのも当然である。ここまでは理解できる。

 しかし、その流れで、中国公船に「目に余る違法行為を繰り返した」と怒ってどうなるというのだろうか?

 中国公船としては、違法行為をしているわけではない。日本人の認識はともかく。中国人からすれば、中国領に中国公船が入ることは何ら違法性はない。むしろ違法行為をしているのは日本側となる。

 日中主張は、一種、正対正の関係にある。互いに相手が不正であると詰っても仕方もない。詰られても、自分が正と考えているのだから罪悪感はまったくない。

 言い方を変えれば、中国は、釣魚台で日本領海に侵入できない。日本が北方領土や竹島でロシアや韓国(あるいは北朝鮮の)領海に侵入できないことと同じである。もし、日本が強大な海軍力を使い、北方領土や竹島まで1マイルに近づいたとしても、そこは日本領海であってロシアや韓国の領海ではない。同じように、中国が釣魚台から12マイル以内に入っても、そこは中国人にとっての中国領海であって、日本領海ではない。

 中国人に対して、尖閣諸島の日本領海云々を言っても、中国に「目に余る違法行為」云々を言っても意味のない話である。中国は違法行為を目的に尖閣諸島に近づいているわけではないし、違法行為という認識もない。中国人の島である釣魚台と、その領海にアクセスするために近づいている。違法行為であると怒ってどうなるものでもない。

 結局、この「違法行為」云々で怒るフリをするのも、日本人にしか通用しない、身内向けの発言である。そんなことを日本人向けに話してどうなるものでもない。中国人に話しても相手にされない。

 それよりも、仲間さんの迷惑行為の方が、日中双方にとって有害である。ややこしくなっている尖閣周辺で、英雄気取りで日中衝突の火種になりかねない行為をしている方が、日中双方にとっての迷惑行為である。
我々は尖閣諸島の魚釣島周辺海域で2日間にわたって漁をするためにアンカーを下ろしてアカマチなどを釣ろうとしたが、度々「海警」に邪魔をされ、一時は拿捕するかのような素振りを見せて威嚇したが、強硬に出てこないことが判明した。
仲間均「尖閣諸島周辺海域の実態」http://nakamahitoshi.ti-da.net/e5166308.html
自己の政治的主張で事実上の係争地域に入って、中国公船を挑発し、海保の負担を増やしたようにしか読めない。しかも、日本側の実績積増になるような効果もない。得られた効果は、仲間さんの政治的宣伝に過ぎない。

 今、尖閣諸島では、日中が平和的に睨み合っている。その状況を、悪化させるような迷惑行為はやめるべきである。



※ 仲間均「尖閣諸島周辺海域の実態」『尖閣諸島の歴史と現状』(2013.8.9)http://nakamahitoshi.ti-da.net/e5166308.html

※※ 別の記事で気になるのは用語の使い分けです。中国公船が台風避泊すると「『海警』逃げる」で、自分達が避泊すると「台風接近でやむを得なく一泊で帰島」となっているのは、興味ふかいものです。自覚があるのかないのかはともかくですけどね。
2013.08
26
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12:00
Category : ナショナリズム
 高校野球は毎年やる甲斐もない。

 あんなものは何遍やっても同じことだ。どこぞの高校が出場し、どこぞが一等賞を取るだけの話にすぎない。なるほど、出場する学校は毎回変わる。同じ学校でも選手は毎年変わる。しかし、結局は知らない学校の知らない選手だ。去年の学校選手も知らぬ顔、今年の学校選手も知らぬ顔である。

 仮に去年の高校野球を今年放送しても、視聴者の過半は気づきはしない。去年見たことなんか忘れている。去年の録画でも、9 回裏に逆転本塁打があれば、今年の視聴者も勝手に喝采をあげるだろう。

 この夏の隅田川の花火では、豪雨につき去年の花火を放送したという。テレビで見ている視聴者は、はたして去年の花火とは気づいたのか。まず気にしないので、難ずる者もいない。花火はキレイだといって終わる。それなら、来年も録画を流せばよい。花火の大きさ、色、形、順序を憶えている奴はいない。

 オリンピックも同じ事だ。再び東京でやっても、昭和39 年と変わるところはない。聖火ランナーが走ってきて、飛行機が空に五輪を描く映像を見れば終わる。

 オリンピックにも飽きている。映画と同じで、2 回目以降は新味がない。しかも日本で4 回目になる。誰も見向きもしない。

 東京オリンピックなぞ、いまさらやる甲斐はない。やった所で、楽しみにするものは少ない。なるほど、かつて国民はオリンピックを心待ちにした。戦争から復旧した達成感があり、世界に日本の成長を見せる意気込みがあった。しかし、当節の日本には御用もない。

 あれは青年国がやるものだ。成長した国が、離陸を祝う成人式や結婚式のようなものだ。すでに離陸した日本がやっていいものではない。やっても、2 回目3 回目の結婚式で、全く目出たいものでもなく、飾れば醜悪である。

 今オリンピックを呼んでも、ただの大きな運動会で終わる。東京市内の者には用もない。昔、世界陸上だのバレーの世界予選だの、大リーグ開幕戦と東京で大きな運動会をやったが、主催団体以外は誰も取り上げない。オリンピックでも変わることはない。

 東京招致なぞやめればよい。呼んだ所で益もない。建設土木とスポーツ団体とホテル業が儲かるだけだ。東京市内に無駄なハコモノが作られる。八釜しい貧乏国と田舎漢の団体旅行が大挙寄せてくる。交通も混乱する。東京市内に用ある者には迷惑至極である。

 あんなものは、どこの国でもできる。ならば、心から楽しみにする若い国にやらせればよい。発展途上国は、必死に手を上げて、喜んで精一杯見栄を張るだろう。そして、その国民は高揚感に包まれるだろう。その幸せを先進国は奪ってはならない。オリンピックは心から楽しみにできる国に譲れ。

 オリンピックのためにコミケを潰すのは本末転倒である。どこの国でもできるオリンピックと、東京でしかできないコミケのどちらが重要であるか。いい歳こいた大人の駆けっこや、何で点数がでるか分からない体操には、文化的には何の価値はない。それよりも、混沌とエロにあふれ、健康を害してでも本を作ろうとする爛熟した文化を維持し保護するほうが、人類にとって利益となる。

 それでも東京オリンピックを見たいというなら、騙して50 年前の市川崑の映画を流せ。なに、フィルムの色調発色を今のテレビと同じにすれば、その差など分かりはしない。負けた円谷が翌日自決する偽造カットを追加すればよい。当節のゆとり選手の「楽しんだ」だの「感動した」どころではない、真に満都の紅涙を絞ることができるだろう。

 なんにしても、背広につける招致ピンバッジも見苦しいものです。アレを着けなければならぬのは社畜の悲しさでしょう。



2013年夏コミの「あとがき」を、旬なものなので転載。まあ、イスタンブールに譲ってやれと。
2013.08
01
CM:1
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00:30
Category : ナショナリズム
 サッカーの日韓戦で、政治主張が云々の話をしているのだが。

 どうでもいい話ではないのかね。何も官房長官が出てくる話でもない。※

 まあ、サッカーの国際試合なんて、試合の中身よりも観客や視聴者がナショナリズム高揚の場所なんだから、暴力以外なら、応援席は何でもありにしたらいいだろうよ。

 好きなだけ互いに罵り合う場所でいいんじゃないのかね。だいたい、サッカーも労働者のスポーツで、ポロやクリケットみたいな高尚な趣味でもないだろ。日本も言いたいことを横断幕で伝えれば良くないかね。「請求権は解決済み、2回も3回も金とろうと思うな」みたいなことを、もっと上品に、第三国が「へえ、そうなの」と思うように書けば良くないかね。

 いっそ、もっとゴキゲンなギャンブルの対象にしたらどうかね。日本国内の試合では、三競オート同等のギャンブル興行を許可する。ついでに中では発泡酒とホッピを格安で販売しておけばいい。そうすれば、敵味方お構いなく罵倒する、今以上に熱心なファンが来るだろ。見世物として最高だし、2割5分のテラ銭を確保できる。なによりバカバカしくて面倒くさい政治問題も霞んでしまうだろうよ。



※ なんつーか、今の内閣、支持層へのリップサービスか知らんが、中韓にキツく当たっている。けど、それで何も問題解決しないよね。歴史問題での態度なんて、むしろ中韓側が戦後価値観や人道を表に出してきている。それに感情的反発をするだけでは、中韓側を利するだけ※※じゃないかと思うけどね。

※※ 一種のパラドックスだと思うよ。歴史問題で中韓に有利に立とうと「日本がやったことは正しい」と言うと、国際社会には「侵略戦争を肯定するんじゃね」とか「人道問題を軽視しているよね」と反応されてしまう。結果として、歴史問題では中韓が有利になってしまうという構造があるんじゃないかとね。
2013.07
20
CM:7
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12:00
Category : ナショナリズム
 尖閣諸島での消耗戦も、うんざりするだけでいいことは何もない。無駄に人と金を消耗している。政治的にも、中国と上手くいかない要因である。政治的な不仲は、経済的にも悪影響をもたらす。

 しかし、領土を失うと政府が倒れるので、無駄だと知りつつもやめるわけにも行かない。

 そこで、いっそ、南沙に火種を投げ込むというのはどうかね。

 ちょうど今、また南沙で中国とフィリピンがもめているらしい。報道によると「南シナ海で中国、比と一触即発 艦船と漁船団で『圧力』」とのことである。フィリピンを上手く焚きつけて、南沙が軽くひと燃えさせることはできないだろうか。

 南沙が炎上してくれると、日本は助かる。間違いなく、尖閣諸島への中国の圧力は減少する。政治的な要求も、政府公船を使った実績作りも、今よりは緩やかになる。そこで、中国にどうとでも取れるリップサービスをすれば、尖閣は現状で両国が積み上げたものを維持する形で、どちらもこれ以上のものを失わず、相手に与えずで、一時的に停戦できるかもしれない。

 日本としては、南沙が燃え上がっても何も困らない。日本としては南沙がどこの国のものかという話は、どうでもいい。南シナ海での航行の自由が確保されれば、どこの国が勝とうが知ったことではない。むしろ、炎上すれば日本は利益を得る立場になる。中国が足を取られれば、日中のゲームでは日本側は優位になる。フィリピンが足を取られても、「日本に助けてくれ」とお願いをしてくるので、日比外交でも日本側が得をする。

 南沙が燃え上れば、日本はうまいとこ取りもできる。「日本政府は、南沙諸島での領有権争いには関与しないと」でも言って、中国の歓心を得る。「係争国による軍事力行使には反対する」とでも言えば、フィリピンの歓心を得られる。とはいえ、巻き込まれるのはゴメンだから、「関係国には冷静な対応を希望する」か何かを付け加えてもいいか。

 問題は、投げ込む火種である。中国かフィリピンをその気にさせたいのだが、一発で燃え上がらせる方法はない。まず、中国を焚きつける方法もない。あっても、尖閣での係争の安定化程度しましょう程度の申し入れか。対して、フィリピンを焚きつけることはそれほど難しくもなさそうだが、露骨にやると中国に恨まれる問題もある。フィリピンに軍艦の類を与えれば、強気になってくれそうなのだが、それでは中国に恨まれてしまう。

 高性能漁船あたりを民間に多数援助(融資とかでもいいね)することくらいだろうか。高性能の漁船を手に入れたフィリピン人漁師は、北方領土の特攻船のように中国人の目鼻の先で操業してくれるだろう。ナショナリズムもあることから、フィリピン漁民は熱意を持って出漁する。中国漁船の網を切り、針路を邪魔し、追尾してくる漁政を高速性能で振り切ったりしてもらえれば、フィリピンと中国とのトラブル誘発を助長させることも期待できる。

 なんにしても、日本にとって南沙が燃え上がることは、良い話である。尖閣での消耗戦を低強度に切り下げるチャンスにもなる。また、日本も当事者双方に恩を売るチャンスにもなるだろう。
2013.07
09
CM:1
TB:0
12:49
Category : ナショナリズム
 防衛白書が閣議了承された。日本が中国との対立ベースにあることを強調したものらしい。実際に、中国との摩擦は高まっているので、嘘をついているわけでもない。だが、従来表現から急にヒートアップしたのは、今の内閣の、対外強硬策で支持層に阿っているアレに見えて仕方ない。防衛省としては、お金やオモチャが増えるので省の利益になるので歓迎なんだろうけどね。

 その防衛白書で、尖閣諸島での領海進入を「不測の事態を招きかねない危険な行動を伴うものがあ」るとしているらしい。ラジオのニュースでも聞いたのだが、産経のネット版でもそのように報道されている。
白書は、[尖閣諸島での]公船の領海侵入[ママ]など中国の挑発活動を列挙し、「不測の事態を招きかねない危険な行動を伴うものがあり、極めて遺憾だ」と強く非難。
   「中国の挑発活動列挙、規範順守強く要求 防衛白書、同盟軸に国防強化」『MSN産経ニュース』(産経新聞,2013.7.9)
   http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130709/plc13070910050004-n1.htm

 しかし、それは日本側が尖閣問題をこじらせた結果なのではないか。事の濫觴は、2010年に漁船を捕まえて船長を起訴したことにある。日本にとって魚釣島が日本領であることは自明であるように、中国にとって釣魚台が中国領であることは自明である。阿吽の呼吸でによる黙契か、秘密協定によるかはともかく、互いにその辺りは触れないようにして誤魔化していた。

 日本は尖閣を実効支配しているが、それを言うと揉める。だから尖閣に入ってきた中国船や中国人は、退去させて済ませていた。

 しかし、船長起訴は、日本実効支配を公言し、しかも実効支配を積み上げる行為である。それをやられれば、中国側も尖閣は中国領であることを、行動で示さざるを得ない。自国船を釣魚台に尖閣に送り込んで、日本公船の中国領海侵入を防がなければならない

 さて、尖閣諸島での中国公船について「不測の事態を招きかねない危険な行動を伴う」と評するのは妥当なのかね。日本が領海と主張する海面に、中国が公船が送り込む理由はそれなりにある。その経緯も、日本側が暗黙の約束を破ったからでもある。

 しかも、送り込んできたのは政府公船、政府航空機である。軍艦ではない。日本側巡視船に体当りしたり、砲(ないけどね)を向けたりもしていない。大陸からの、中国版ネトウヨを乗っけた民間抗議船の類の行動は差し止めている。別体制の香港にも圧力をかけてもいる。※

 中国側はむしろ抑制的な行動に出ている。日本が巡視船でパトロールをすれば、中国も公船でパトロールをする。日本巡視船が穏当な対応をとる限り、中国巡視船も穏当な対応を取る。尖閣ゲームのルールを守っているとも言える。(まあ、南京事件の日に飛行機を飛ばしたけどね) 「不測の事態を招きかねない危険な行動」には見えないのである。漁船で行って、海に飛び込んで泳いで上陸するような愛国者面を止められなかった日本のほうが、抑制が足りないようにも見える。

 もちろん、日本にも立場があるので、オフィシャルにはそのように言わなければならない。特に、中国側の声高な主張に対抗するには、日本政府もそう言わなければならない。外交的な言辞というのはそういうものなのだろうが、声高ではあるが、実態は抑制的な方に「オマエのやってることは国際平和に害をなす」というのは、嫌なものである。内心でそうは思わずとも、そう言わなければならないことが一番嫌らしいものだ。



※ たとえば香港の出方に注目した記事もある。時事通信のhttp://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2013070600192がそれだ。
  しかし、そこにないものに気づく必要もある。香港や台湾にあって、大陸本土発の民間抗議船がないことにも気づくべきではないか。



 まあ、お昼休みの時間中に間に合うようにと頑張って書いたものなので、誤字脱字は御勘弁。
2013.05
28
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12:00
Category : ナショナリズム
 バブル期、日本が米国で土地を買いまくったのは、侵略だったのだろうか?

 桜井よしこさんは、中国による土地購入を、侵略であるとしている。購入した土地を線で結ぶと、日本を包囲する様子が見えるという。日本国内で購入された土地は、有事には、作戦行動の根拠地となるとも言っている。

 桜井さんは「いつまで許すのか、外資の国土買収」※ で、中国人による土地購入を侵略の準備として非難している。曰く「[外国に]奪われた島や土地は無数にある」。「[購入された]島々や土地を線でつなげると日本包囲網のように浮かび上がる」「その形から」中国が日本を締め上げる意図があると示唆している。「[中国による]土地買収は、必要な時には対日攻略、或いは封じ込めの拠点となる」とも述べている。

 しかし、買った土地は侵略の拠点となるのだろうか。桜井さんは、中国人が行う行動は、すべて対日侵攻をするための下準備だと示唆している。だが、企業や個人で買える程度の土地では、侵略に役立つものではない。面積もそうであるし、土地だけあっても、土木工作物や建物ががなければ、滑走路にも倉庫にもならない。立地にしても、大概は鄙びた場所にある。近くに自衛隊がある云々は、単純に政治経済で重要な土地から相当に離れた田舎であるということだ。

 離島の原野や、自衛隊のそばにあるような山林を個人で買っても、日本侵略に足るものではない。情報収集拠点云々なら、貸家でも足りるし、逆に土地だけあっても仕方がない。桜井さんは、中国人に家を貸すなとでもいうのだろうか。

 そもそも、中国人による土地買収は、原野商法に引っかかったとしか思えない部分もある。桜井さんは危惧している内容について、某中国ウォッチャーは、中国人が原野商法に引っかかっただけではないかと評している。買っている場所をみても、離島や山中である。まずはリゾート開発云々の詐欺に引っかかったのではないかと疑うに足るだろう。

 日本と不仲な国が、自国の土地を買うことを「奪う」と書くことは、妥当ではない。穏当かつ正当な土地取引を指して、侵略の準備と非難することは、被害妄想に似たものだ。

 中国と日本を、日本と米国に置き換えてみると、非現実的な妄執であることがわかる。バブル期、日本は米国で不動産を買い漁った。東海岸、西海岸、ハワイとお構いなしに買い漁っている。そこで「日本企業が買った土地を線で結ぶと、米国包囲網のように浮かび上がる」「ハワイ諸島での不動産購入は、オアフ島や真珠湾を封じ込めるアルテミスの首飾りである」と言い出したら、日本人も、マトモな米国人も大笑いするだろう。

 無関係の点の間に、恣意的に線を引いて何が見えるというのは、一種のロールシャッハである。別々の企業が、それぞれその場の思いつきで購入した土地を線で結んで、何が描けたというほどマヌケなこともない。魔方陣が描けた、タモリの安産マークが描けた、だから、呪詛だとするのは、牽強付会もいいところである。それを信じて魔女狩りに興ずるのは、中国憎しとナショナリズムで正当な判断を失しているのではないだろうか。



※ 桜井よしこ「いつまで許すのか、外資の国土買収」(桜井よしこオフィシャルサイト,2013.05.23)http://yoshiko-sakurai.jp/2013/05/23/4706
2013.03
30
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Category : ナショナリズム
 北方領土問題が動いている様子だが、四島一括返還で凝り固められた日本人に受け入れられるかね? 



 冷戦終結以降、日本とロシアには、北方領土以外に対立する要因もない。むしろ、極東ロシアでの経済活動からすれば、今流行の言葉で言えばWin-Winの関係を容易に築ける関係にある。ロシアは極東ロシア発展のためには、日本の資本や物資が必要である。日本は極東ロシアある安価な資源にアクセスしたいし、売れるものが売れることは喜ばしい。日露が協調できれば、極東ロシアで大金儲けができる。

 ロシアにとって、極東ロシアに莫大な資源があっても、未開発ではなんにもならない。極東ロシアには、石油、天然ガス、鉱物資源、電力資源、森林資源ほか、膨大な未開発資源がある。しかし、シベリア・バム鉄道幹線沿い以外では、資源にアクセスする手段すらない。開発する資本、技術、技術者も限定されている。そして販売先となる大消費地も国内にない。

 極東資源開発に日本が参加すれば、ロシアは燻らせている資産を現金化できる。日本は中国に較べて良い買い手である。

 中国はロシアにとって良い買い手ではない。既存の資源を安く買い叩こうとするだけで、物不足を引き起こし、ロシア極東価格を上げる。その上、中国人労働者は極東に200万人も流入しており、潜在的な脅威となっている。

 その点、日本は資源開発から販売まで協力するため、物不足を引き起こさない。無理な買い叩きをしない。海を隔てており、人的流入の恐れも少なく、脅威ではない。手持ちの不良資産を現金化する上で、日本の参加は望ましい。

 日本も、極東資源開発で安価にエネルギーや資源を手に入れることができる。とりあえずは電力と天然ガスだけでも入手出来れば、相当の利益が出る。

 日本は電力が余っているロシアから安価に電力を購入できる。極東ロシアには電力も余っている。世界最低価格のロシアの電力を、最高価格の日本に輸入する余地がある。ロシアには大規模な水力発電所がある。火力発電所も、電力よりも冬季のセントラルヒーティングでの熱供給に合わせており、事実上、電力は捨てている。電圧周波数の安定性についても、直流超高圧で送るので問題はない。

 日本にとっては、天然ガスをパイプラインで買う余地がある。その場合には、相当に安くなる。天然ガスはパイプラインを引かせれば、液化の必要がなくなるため、コストが劇的に下がる。買い手は液化してスポット価格で買うよりも安く買える。売り手もいい話で、買い手が浮気できないので、長期安定で囲い込むことができる。

 北方領土問題が解決すれば、日露は経済協力により莫大な利益をあげることができるということである。

 その北方領土も、ナショナリズムの問題を除けば大した問題もない。日露が拘泥している問題は、大したものではない。

 ロシアが重要視するのは、樺太以東で唯一、まともな経済活動ができる居住地域は北方領土だけということである。極東ロシアでは、人間がまともに住めるのは沿海州と樺太南部、北方領土だけである。それ以外では農作物もつくれたものではない。北方領土を喪うと、樺太以東が事実上のノーマンズランドになってしまう。

 しかし、北方領土は放置すれば人口は流出してしまう僻地でもある。ソ連時代は給与や年金優遇措置で人口を維持していた。ロシアになってからはそれがなくなり、大規模な人口流出を起こしている。最近になって、領土維持のため、人口を保とうと経済開発・投資等を行なっている。つまり、北方領土は持っているだけで金がかかる、金食い虫の領土でもあるということである。

 日本にしても、ナショナリズムを除いた不利益は、面積が広大であるという点だけである。択捉島は日本最大の島であり、国後は2番めの広さを誇っている。

 しかし、戻ってきても使い道のある島ではない。北海道側の道東地区ですら過疎が進行している。北方領土が帰ってきても、漁業を除けば、略無人島になることは目に見えている。

 その意味で、二島返還は日露に合理的な解決法である。農牧業・居住地の国後・択捉をロシアに、漁業の歯舞・色丹を日本に分ける。両者が欲しい所、欲しい物を取る形になる。

 両国とも多少の損かもしれないが、北方領土の問題が解決すればそれを上回る経済的実利を確保できる、良い手段である。

 しかし、ナショナリズムが絡むと、二島返還は収まる話でもないだろう。日本人もロシア人も二つの島を喪うことは耐えられない。日本人にとっては、あのどうでもいい無人島である尖閣、しかも日本側主張による領海・領空への進入程度で、あれほど燃え上がってしまっている。ロシア人も、戦争で獲得し、しかも60年間保持し、人も住んでいる。南クリルを喪うことには耐えられないだろう。※

 日本側だけみても、ここ50年ほど四島一括返還を主張しており頭が固まってしまっている。政府も国民も国後・択捉も日本固有の領土と信じ込んでいる。その島のうち、大きなもの二つロシアに渡す(日本が統治できていない島であるが)決定にが政府にできるだろうか。そもそも、四島一括返還、日本固有の領土と音頭を取っていたのは日本政府である。抵抗や反感は並のものではないだろう。

 特に安倍首相は、二島返還を押し切ることは難しい。今の政権党は自民党であり、首相はタカ派を気取らなければならない安倍首相である。首相の安倍さんは○○の一つ覚えで対外強硬姿勢をとることで、右派・保守派の支持に乗っている。その右派・保守層の機嫌を損ねる二島返還を、最後まで押し通せるかは相当に怪訝である。もともと世論に風見鶏な部分もあるので、二島返還、二島放棄に世論が反発した場合、今の対露交渉を続行することはできないだろう。



※ 多少の工夫をしなければいけないのかもしれない。
  「ロシア領の国後・択捉に日本の特殊権益、日本領の歯舞・色丹にロシアの特殊権益をそれぞれ認める」とか
  「四島は日本に返還するが、国後・択捉は99年間ロシアが租借する」
  「南クリル共和国を成立させる。同国へのロシアの宗主権を認める。成立歯舞・色丹は99年間、日本が租借する」
  みたいな騙し文句を入れないと入れないかもしれない。
2013.03
24
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13:00
Category : ナショナリズム
 尖閣諸島に資源があり国益という主張は、原野商法と同じではないか。

 争って尖閣諸島を日本のものにしても、現実的な利益はない。島にも、周辺の海底にも、海にも大した利益はない。陸地に利用価値はなく、海底資源も怪しく、漁業資源は既に話し合いが済んでいる。

 尖閣諸島の陸上部には利用価値がない。土地は狭隘で水も電気もない。人件費が安く、労働環境が劣悪でも我慢した時代に鰹節工場や缶詰工場を作っても、最終的に撤退した立地である。

 海底にあるといわれる原油や天然ガスも利益になりそうにない。原油も天然ガスも本当にあるか分からない。その上、商業化できる見込みも厳しい。

 尖閣諸島の原油・天然ガスも怪しい。石油資源開発取締役だった猪間明俊さんは、石油はないだろうと見ている。砂岩もないので石油は見込めず、あっても比較的小規模の天然ガスであると主張している。実際に発見することは困難であり、試掘や輸送の観点から商業化は難しいとも言っている。※

 唯一獲れる魚については、すでに日中で話し合いが済んでいる。双方の漁民がアクセスできるようになっている。漁業について尖閣諸島支配で争っても意味は無い。

 日中漁業協定は、尖閣諸島周辺での両国漁民の操業を認めている。領有権ついては、それぞれに都合よく解釈できるように意図的に避けて、両方の漁民がアクセスできるようにしてある。質問主意書に対する答弁書を読むと、現実的にはどうでもいい島で衝突しないように、上手く避けていることが分かる。※※

 尖閣諸島には、争う実利はない。陸上部分、周辺海底には資源や利益はない。漁業資源はあるが、すでに日中で話し合いが済んでいる。実利として争うほどのものはない。

 海底資源云々の取り合いについては、原野商法に騙されたようなものだ。まだ発見されてもいないし、見つかっても儲かる見込みもない。しかし、儲かるのではないかという色気で引き釣りこまれてしまっている。

 尖閣の問題は、結局は地図の上で何色に塗るかの問題である。これも、日本も中国も勝手に自国の色に塗れば済む。双方ともそれで満足する。逆に、相手の地図の色に文句をつけてもどうなるものでもない。

 現実の利益がないことは、両国政府は承知している。しかし、すでにナショナリズムは吹き上がっている。領土は神聖である。また、領土を喪った政府は倒れることになる。そのため、日中は海上警察力を尖閣諸島に捧げるポトラッチを続けざるを得ない。仕方がないが馬鹿馬鹿しい話である。



※ 猪間明俊「資源開発の立場から見た尖閣諸島問題」『世界 別冊816』(岩波書店 2011.4)pp.36-44
猪間さんの主張は興味深い。周辺海域には地質的に堆積物がたまるので、化石燃料が生まれる場所である。しかし、地層的に砂岩ではないので石油はない。あってもガス田であり、その埋蔵資源量はサハリン2よりも1桁以上は小さい。そのガスを経済的に運び出す方法がない。中国は、大陸側にある条件のよい場所で試掘しているが、ガスを発見できるのが4割であり、人件費が安い中国でも商業化できるのは1割であるというものだ。

※※ 質問主意書と答弁書は次のとおりである。
「一九九七年のいわゆる日中漁業協定における尖閣諸島の取り扱い等に関する質問主意書」http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a181009.htm
「衆議院議員浅野貴博君提出一九九七年のいわゆる日中漁業協定における尖閣諸島の取り扱い等に関する質問に対する答弁書」http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b181009.htm

   また「【佐藤優の眼光紙背】1997年11月11日付の小渕書簡があるため日本政府は尖閣諸島周辺の中国漁船を取り締まることができない」http://blogos.com/article/46928/では、条約に附属する文書として「漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定第6条(b)の水域に関する書簡」があることを紹介し、全文を提示している。
2013.03
15
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13:00
Category : ナショナリズム
 ミリタリー・バランスの最新刊が出たとのこと。高価になってしまい、そう使うわけでもなし、個人で買うものでもなくなったからね。昔は和訳3500円とかだったのだけれども。

 その総括部分で「北朝鮮は今年中に韓国に対して挑発的な攻撃を行う可能性が高い」※とのこと。

 だが、挑発的攻撃をやったからといって、半島情勢がどう変わるということもないのではないか。

 南北は昔から緊張と緩和を繰り返している。冷戦が終わるまで、南北は緊張、冷戦終結から緩和というわけでもない。例えば、冷戦期の1972年日中国交回復のあたりで南北平和統一に関する共同声明※※ とか出ている。また、冷戦終結以降でも、潜水艇による浸透や砲撃、艦艇攻撃も行われている。

 挑発的攻撃があっても、いつもの緊張と緩和のサイクルに収まる程度の変調である。朝鮮戦争のような南北熱戦には至らないだろう。

 まず、北朝鮮に全面戦争を起こすメリットはない。今の北朝鮮は体制維持を目的としている。韓国・西側に飲み込まれないように努力している。この状況で、ボロ負け確定の南進を行う選択肢はない。

 韓国も、今のところは北進を望まない。北朝鮮を屈服させることはできるが、その過程では喪うものが多すぎる。優先すべきは経済的に厳しい状況の打開である。

 挑発的攻撃があっても韓国の政策は変わらない。専門家の木宮先生(己は先生の「朝鮮半島研究」を履修したよ)が言っている§ ように、北朝鮮を国際政治の常識内に引き込むことは変わらない。木宮先生は「大統領選挙に韓国の政治外交の行方」で次のように述べている。
[右派左派を問わず韓国の政権は]北朝鮮の対応に応じて、一方で関与を強めてから、北朝鮮を南北関係の枠内に引き込み、北朝鮮の行動をある一定の範囲に統制する[しかない]
木宮正史「大統領選挙に韓国の政治外交の行方」『東亜』(霞山会,2013.2)pp.30-37
実際に韓国にが取れるオプションはこれだけだろう。他に現実的な策はない。

 仮に挑発的攻撃があっても、南北関係は変わらない。南北とも採用可能な行動は、ここ40年の緊張と緩和で動いた範囲に収まる。北にしても、エスカレーションの結果として、継続的な局地戦となるような挑発はできない。

 北の経済力や兵站では、泥沼の局地戦を持続させることはできない。おそらく、68年の青瓦台襲撃のようなこともできない。

 南も、挑発があっても、南北関係を対立時代に戻すつもりもない。韓国の目的は、南北関係を安定化させることにある。北朝鮮をそこから追い出すような選択はしない。挑発的攻撃の結果、韓国が北朝鮮への態度を強硬にするにしても、右派にいい顔をする程度の、国内政治を向いた味付け程度に過ぎない。



※ 「北朝鮮、今年中に韓国に挑発攻撃か 英シンクタンク発表」(2013.3.15,AFP)http://www.afpbb.com/article/politics/2933994/10438307 からの孫引き

※※ 「平和的に南北統一」『朝日新聞』(1972.7.4,朝日新聞)夕刊,p.1

§ 木宮正史「大統領選挙に韓国の政治外交の行方」『東亜』(霞山会,2013.2)pp.30-37
2012.11
02
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19:15
Category : ナショナリズム
 離島上陸訓練中止は、なかなかの妙手ではないか。

 日米共同演習で、日本政府は離島上陸訓練取りやめ※ を決定した。それを※※ 弱腰となじる論調もある。

 だが、中国の行動と較べてみると、上陸訓練中止は面白いオプションに見える。

 実際には、中国の行動も軟化しつつあるためである。中国は政府公船で日本が主張する領海に侵入するものの、半日も居座ることもない。25日は3時間程度で、本日2日は15分程度で退去している。尖閣諸島国有化以降、7回侵入しているが、間隔も開いているように見える。

 日本の離島上陸訓練取りやめは、中国の軟化を受けてのものではないのか。中国が事態をエスカレーションさせなければ、日本は眼鼻の先で露骨な演習はやらないというシグナルを送ったものにも見える。

 また、中国のエスカレーションを防ぐ目的も見える。中国も国内世論※※※ がある。尖閣諸島で日本に対して引くことはできない。公船を派遣し、時折アリバイ的に日本が主張する領海に侵入しなければ、政権は弱腰となじられる。

 仮に、日本が眼鼻の先で上陸演習をやれば、中国もエスカレーションせざるを得ない。例えば領海居座り、あるいは上陸である。日本にとっては、どちらも面倒この上ない事態である。

 中国による領海居座り、上陸はどちらの利益にもならない。中国にとっては、最終的には排除されてしまう可能性が高い。日本にとっては、排除できたとしても、平穏な実効支配の実績が今以上に失われてしまう。

 そもそも、日中両政府にとって、尖閣での過度な緊張は望ましいものではない。今の緊張関係は、両者にとって何の利益も産まない。あまりこういう言葉は使いたくないが、ゼロサムゲームですらない、ルーズ・ルーズの状態である。

 尖閣諸島での緊張緩和に繋がるのであれば、上陸訓練中止は悪いオプションではない。上陸訓練中止は、領土での妥協ではない。

 どうでもいい訓練を止めることにより、中国にシグナルを送るのは妙手である。上陸訓練は、やる気になればいつでも実施できる。中国の眼の前であっても、離れたところでも自在である。中国向け、尖閣諸島問題向けの訓練を中止しても、日本は困ることはない。逆に「中止した」点で、ゲームでの信頼を得ることができれば安い買い物だろう。



 …車のなかで領海侵入のニュースを聞いたのだけど。なんというか、国内工作向けのアリバイ工作臭いなと思ってね。上陸演習中止とリンクさせると、案外、ココらへんで日中に暗黙の了解ができつつあるんじゃないかと思ったよ。で、パパっと書いて、ナマモノなので即時投稿した次第。



※ NHK「日米 離島上陸想定の洋上訓練実施へ」http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121031/k10013133441000.html
「日米両政府は、当初、その一環として、沖縄県の離島で敵に奪われた島を奪還することを想定した上陸訓練を検討していましたが、尖閣諸島の問題を巡って中国との関係が悪化するなか、必要以上に日中間のあつれきを高めることは好ましくないなどとして、見送ることにしました。」

※※ 宮家邦彦「野田首相、あなたもか…日米共同演習 無神経な突然中止」http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/603130/
「[野田政権は]大局的、戦略的考慮を欠いたまま、政治主導の名の下、無責任な判断を無神経に[下した]」

※※※ 国民国家は領土問題で妥協することはできない。国民国家にとって領土は神聖であり、妥協した場合には政府は持たない。これは、中国も日本も同じである。
2012.10
31
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13:00
Category : ナショナリズム
 航空宇宙分野は、相当甘やかされているのではないか。航空宇宙分野は、ロマンっぽい響きがある。そのため、航空機開発や宇宙開発は予算支出での支持は大きい。成果品の戦闘機やロケットは大したものでもないが、国産スゴイという一種のナショナリズムで勝手に過剰評価される。航空宇宙分野は、相当に無駄遣いをしているのではないか。


■ 航空機開発の理由が胡散臭い

 航空分野だと、新型機開発には希望的観測、あるいは騙しがある。いかに安く出来るかを表明するものの、コスト計算は高騰しなかった試しがない。

 できた機体も、開発見通しほどの成果もない。F-1、F-2では、万邦無比の対艦攻撃機となると言いながら、凡庸な機体が出来た。F-1は、当時でも2線級、F-2は遅れたF-16導入に過ぎない。P-1、C-2とも、共用化により世界水準の機体が低コストでできるようにいっていたが、開発途中から共用化はドンドン後退した。

 F-1なんて、過剰評価の最たるものだったわけだ。練習機に毛の生えた程度で、ジャギュア同等と言われていたが、これはつまりユーゴスラビア/ルーマニアのORAOと似た程度の機体だったということだ。しかし国産というだけで傑作機扱いされた。

 F-1は対艦ミサイル運用能力が特徴とする。対艦ミサイル専用機であるので搭載できる、そういった宣伝をしていた。なに、対艦ミサイルはどんな飛行機にも搭載できる。後にイスラエルは、対水上専用レーダもないA-4に搭載している。対艦ミサイルを使うには専用機が必要だという雰囲気を出していたにもかかわらず、空自はシレッとF-4に後付け搭載している。

 F-2もそう。対艦ミサイルを4発も積めるとか言っていたが、あれは搭載量だけの話でそれほど偉くもない。バッカニアもトーネードも、空自のF-4も対艦ミサイルを4発積んでいた。F-16そのままでも4発は積めた。

 特に、F-2は開発意図が胡散臭い。本音は、制空戦闘機が作りたいという話なのに、支援戦闘機ですといった作ったのがF-2だった。確かに、機動性の高い艦爆風の機体でなければ、直衛機や防空艦で守られた艦隊攻撃は難しかったかもしれない。しかし、F-2では機動性の部分に、戦闘機の部分に金をかけすぎた。パッとしない艦爆よりも、とにかく戦闘機を作りたいのが開発側の本音だったのだろう。空自も、本音は戦闘機と戦える戦闘機が欲しかった。結果としてムダに高級に、高直になってしまった。対艦ミサイル4発と航続距離、そこそこの機動性といった要求程度なら、A-7でも充分だったわけだ。

 まず、F-2は胡散臭く、過剰性能で高価な機体だった。しかし、国産、日本製というだけで、一種のナショナリズムから支持された。政策として反省されることもなかった。作りぬけみたいなものだ。

 P-1/C-2開発もひどかった。共通の機体とか部材共用化とか主張していたが、しぶきがかかる程の100ft、200ftの超低空でぐるぐる対潜機動をする哨戒機と、巨大な貨物室に数十トンの重量物を積み、飛行中にランプ空けても大丈夫の輸送機が共通機体になるはずもない。どっちも、生産数は見込めないのだから輸入が正解だったのだが、開発したい病と、その金と受注が欲しいメーカに押し切られたものだ。

 まあ、航空分野への支出は批判が少ないので、いい加減と言っても良いだろう。


■ 宇宙分野では、コストの検討すらされない

 宇宙分野になると、ロマンチズムによる目潰しがさらに大きくなる。宇宙という言葉であばたもえくぼになる。

 情報収集衛星は、効果がまったく示されていない。災害対策でもあるよといって整備されたにも関わらず、こないだの震災では解像度を落とした写真1枚も出していない。向直也さんによると、震災の時にはわざわざ3600万を出して、米国の商用衛星から写真を買ったという。※

 向さんには「実際には解読機能がないのに隠しているのではないか」※ とまで言われている。某教育同期で衛星情報センタに出向していた人の話だと「海自と海保からの出向で解読してたよ」と言っていた。解読できないはない話だが、成果を公表していないので疑われても仕方がない。

 H-2ロケットも同じで、成功失敗程度しか公表されていない。一体、今まで幾ら使ったのか、コスト的に太刀打ちできるかの見通しがどこにもない。出ているのは開発費用だけであって、1基あたりの製造費やその他コストを総合もない。「我が国の宇宙輸送系の現状と今後の方向性」を見ても「他の国もダンピングしている」「外国でも赤字事業」※※ と、日本だけが高いわけじゃないと開き直っている。

 製造原価と、コスト的な将来見通しくらいは明示すべきではないか。

 税金突っ込んている事業であるが、実態を隠している。コスト的に相当悪い実態なのだろう。ロケット打ち上げで儲かるとも思えないが、年金制度みたいに損を垂れ流しているのを隠すのは良くない。いずれ破綻するのではないか。

 ロマンチズムでの目潰しといえば「はやぶさ」が挙げられる。失敗したわけなのに人情浪花節で誤魔化して、うかうかと誤魔化されたわけだ。航空宇宙分野から見れば、国民とか予算当局とか議会とか、相当チョロいと思っているんじゃないかな。



※ 向直也「安全保障の名の下に現れる『権利の巣窟』」『科学』(2012.9,岩波書店)pp1001-1006.

※※「我が国の宇宙輸送系の現状と今後の方向性」http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/senmon/dai12/siryou3_2.pdf pp46では次のように開き直っている
「‡ 各国のロケット打上げ価格の背景には打上げ事業の基盤を支える政府支援があり、打上げサービス供給過多の市場において、競合するロケット間で価格の引下げが行われているものと推測。‡ 強力な政府支援を受けている欧州のアリアンスペースでも、経済情勢やロケットの品質低下等により巨額の赤字経営に陥っている。」
2012.09
29
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Category : ナショナリズム
 中国空母が就役する云々の話がある。軍事バランス云々で、中国空母が気になるなら、日本もCTOL空母風を作ればいいんじゃないの。中国にしたところで「性能よりも、保有していることが大事」と考えている。日本もそれが気になるなら、適当にでっち上げればいいんじゃないのかね。

 中国空母の能力は限定的でしかない。カタパルトがない、艦載機もホンモノではなく陸上機転用、固定翼AEWほかの支援機もロクロクない。この点は、中国指導部も認識している。それでいてなお、保有する象徴的な意義に比べれば大した問題ではないと考えている。こういった内容の記事が、去年のウォール・ストリート・ジャーナルだったかで出ていた。確かに納得できる話。

 中国は空母を持って安心したいんだろ。ゲームの相手である米国が空母を持っていて、中国が持っていないのは問題なわけだ。中国人はそう考えているんじゃないの。近代中国の歴史は、海軍力にいいようにやられた歴史である。海軍力での劣勢はいい気持ちもしない。

 実際、清朝はアヘン戦争以来、列強の海軍力でいいようにされた。清朝再末期には、海軍力を整備した日本にまで負けた。日清戦争では、核心的利益である朝鮮半島も引き剥がされた。

 民国も日米海軍力を前に苦渋を舐めている。あまり知られていないけど、中華民国は、日本の海軍力によりほぼ完全な海上封鎖を受けている。日華事変では、日本は概ね大陸を封鎖したといっていい。

 新中国も海軍力を前に苦渋を舐めた。朝鮮戦争以降、台湾回収は米海軍力により果たせなかった。それ以降、1970年代、ニクソン訪中まで中国沿岸は米海軍力の脅威にさらされていた。当時は、軍需工場を内陸部、成都や重慶に疎開させたほどだ。1996年、米空母機動部隊の台湾海峡突破も、新中国から見れば米海軍力による中国国内問題への介入である。

 中国は米だけが空母を持つことに脅威を感じている。米国が強力な空母を持っていて、中国が持っていないことはバランスが悪い。とにかく、空母がなければ安心できない。核兵器を持てば安心するアレと同じなのだろう。もちろん性能は二の次の話。

 そして、日本がその中国空母が気になるなら、日本もCTOL空母風を持てばいいんじゃないの。「ひゅうが」なり、いま作っている22DDHなり、あるいは商船規格でそれっぽいの作ればイイんじゃない。それで安心できるわけだ。

 艦載機も、ゴスホークあたりなら運用できるだろ。将来安泰かどうか不明なF-35Bとか、大掛かりな設備が必要なF-18と違って、ソコソコの値段で運用出来んじゃないの。サイドワインダーとMARTEクラスのASM詰めればイイんじゃないの。

 中国が空母を持っていて、日本が持ってないことが気になる。それなら、形だけCTOL空母持てば安心できるんじゃないのかね。核だって同じ兵器を持つと途端に安心する。弾道弾でも、対抗手段MDがあるというだけで安心しているわけだ。まあ、核やMDの効果なんてイワシの頭程度かもしれないけどね。安心できるならそれでいいというわけだろ。それなら、中国と同じように空母を買えば済む話じゃないのかね。

 海軍力で劣位に立つのは、日本人にとって恐怖なわけだ。日清戦争以前、清朝海軍力と拮抗していた時期、日本は中国を脅威に感じていた。逆に、日清戦争以降は大陸に脅威は感じていない。ロシアもそうです。日露戦争以前のロシア、あるいは冷戦後半期のソ連は、海軍力で優位に立てないので脅威だった。それが日露戦争、冷戦崩壊以降は、気にする必要もなくなった。海軍力で優位ならなんでもないが、劣位ではないかと感じると気が気ではない。

 日本にとって重要なのは、海軍力での優位を維持すること。そこで空母が気になるなら、日本も空母を作ればいい。財源は、まあ金もないことですから、ゲームで役に立たない陸自を減らすしかない。あるいは、建造費と航空機購入費なら、募金でも募ればいいんじゃないですか。あのなにもない島で10億集まったのでしょうから、空母建造募金でも募ればそれなりに集まるかもしれない。公務員の給料1割カットして建造費に突っ込むやり方も、100年前にやった実績もあるしね。
2012.09
22
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10:27
Category : ナショナリズム
 デモはありませんでしたが、中国民衆も相当キてます。先週末16日から昨日の21日まで、「日本人がラーメンを顔にかけられた」長江デルタに行ってきましたが、街頭は平穏平常でした。

 上海では、デモ、暴動の類は見聞きできませんでした。ただし、住民感情が厳しい南京ではデモがあったようです。上海図書館の喫茶スペースで同席した人の話だと「南京ではデモがあったけど、暴動ではない」と携帯の写真を見せてもらいました。その写真では人が蝟集していますが、暴動という雰囲気ではないですねえ。本当なら南京の第二档案館に行くつもりだったのですが、場所柄から今回は取りやめたのですけどね。

 とはいえ、対日感情は平穏ではない。全てのファミマは五星紅旗を揚げており、掲示では「台湾企業です」とエクスキューズしている。呉淞でバスから見かけた日本式居酒屋(このあたり)は、窓に「釣魚島は中国のもの、日帝は恥を知れ」というようなことが書いてありました。地下鉄車内で尖閣関連のニュースを見て、怒りを顕にする乗客。駅の尖閣関連ニュースを見ながら、関係ない乗客が話しあったり、それにガードマンや職員も混ざる。盛り上がりとしては、並大抵のことじゃないでしょう。

ファミマ

地下鉄


 新中国は抗日戦で産まれたのだから、ヒートアップするのも当然です。建国神話として、日本の侵略に対して立ち上がり勝利したのが新中国です。国家も抗日戦映画の主題歌。淞滬抗戦記念館にあった記念帳を見ると、今回のトラブルと日本軍国主義の侵略を同一視しています。

感想ノート


 歴史的にも、中国のナショナリズムは反帝反封です。孫文の民国以来、反帝国主義・反封建主義が行動原理になっている。尖閣諸島で実効支配を行う日本は、中国人には、自分たちの領土を蚕食する行為、帝国主義に見えるのでしょう。

 おそらく、国際法秩序を持ちだしても民衆は納得しない。国際法や国際法秩序は西洋が勝手に決めたものという感覚があるように見えます。19世紀以来、中国を侵略するツールとして使われたような感覚があるのでしょう。ニュースでも、国際海洋秩序が出来る前の実績を持ち出しています。昔、漁ができたところから締め出されるのは納得いかないのでしょう。囲い込みを受けたみたいな感覚ですかね。

テレビ

 考えてみれば、価値のない島で喧嘩してもしょうがないのですけどね。あの島そのものに価値もない。漁場としては価値があるが、200マイルは日中双方に開放されている。日本は200マイルで締め出さず、一種入会のようにしている。海底の深い方にある油田は、採算がとれるか分からない。価値があるとすれば、200マイル内の浅い方にある、大陸棚にあるガス田位だけれども、採算ベースであまり旨みがないのは、春暁ガス田とおなじ。

 あんな島はなければいいのですけどね。そうすりゃ、喧嘩にもならない。いまからでも全部削平してなくしちゃえばいい。中国から核でも借りて、外に漏れないように地下爆発させて島をなくしちゃえばいいんじゃないですか。
2012.08
23
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18:10
Category : ナショナリズム
 米国のリップサービスだろうけどね。報道※ によると、日米外交担当者が「日米安保条約の適用範囲内であるという原則を改めて確認した」とのことである。米国にとっても、そのように言及することによって、中国を牽制できるのは悪い話ではない。しかし、実際にどうこうする気もない。尖閣諸島そのものには、米にとっての価値は何もない。名前は貸すけど、それ以上は「考えておく」程度の話だろう。

 米中は軍事・政治的に対立している。この発言一つで、ゲームでの中国の行動を制約できるのは悪い話ではない。また発言により、日本の歓心を得ることもできる。日本への駐留への追い風にもなる。一担当者の、口先の発言程度であれば、リスクも少ない。

 しかし、米国は尖閣諸島にコミットする気はない。中国とゲームをしているが、深刻な対立は望んでいない。尖閣諸島での日中の争いで、中国に恨まれるほどのコミットメントはしない。前に日本が食らったレアアース禁輸のような経済的不利益を受けるのはゴメンだと考える。

 だいたい、尖閣諸島そのものに米国の利益はない。軍事的にも経済的にもどうでもいい無人島である。日中はナショナリズムで自国のものと争っている。しかし、そんなものは第三国から見れば、どうでもいい話だ。日本人が、南沙諸島がどこの国のものであるか、キプロスがどちらに属するかを見る目と同じだ。傍から見ればツマラナイ島のために喧嘩しているだけの話である。

 米国は尖閣諸島で血を流す必要を感じない。どうでもいい島で、米国人が血を流す必要はない。流したら流したで問題になる。全面戦争のついででもなければ手は出さない。

 このあたりが「日米安保条約の適用範囲内であるという原則を改めて確認した」である。まずは日本に対するリップサービス。「安保条約の範囲に入るんじゃないかと思うよ」程度のものである。有事にどうこうする約束をするつもりはない。

 有事での関与は、かつての大陳島への関与と同じような話になるだろう。昭和30年の年初、人民解放軍は浙江省沿岸島嶼を解放した。新中国の進出に対し、台湾は、米国に助けを求めたが、米国は「そんな辺境の話は知らない」といった。「軍隊と住民の脱出は手伝うけど、あとは関与しない」ということとなり、最後の島である大陳島から撤退した。

 尖閣諸島も、仮に戦闘ともなれば、米国は逃げ腰になる。血は流したくない。また、中国から余計な恨みを買いたくもない。情報くらいはくれるだろうが、戦力は出してくれない。

 ま、信用しても仕方がないという話だ。リップサービスであることを承知して、米国の威を借りるのは悪くない。しかし、いざというときに米軍が関与してくれるというのは、甘い考えである。尖閣諸島と米軍のオスプレイ配備を絡める人もいるけど、まずは牽強付会だ。

 尖閣諸島でのゲームは、日本vs中国・台湾の、決着する見込みのない綱引きである。米国は引き込まれないように用心している。「日米安保条約の適用範囲内であるという原則を改めて確認した」で、日本が勝ったと言い出す奴がいるかもしれないが、それはぬか喜びに過ぎないのである。



※ 読売テレビ「「尖閣は安保条約の適用範囲内」日米が確認」(2012年8月23日 11時25分)http://www.ytv.co.jp/press/mainnews/TI20084815.html
2012.07
04
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22:45
Category : ナショナリズム
 ふと思うことがあったので書いてみた。



 昨日3日と今日4日、領土問題に関するニュースが日本の南北で起きた。ロシアのメドベージェフ首相が国後島に上陸しロシア領であることを宣言した。尖閣諸島では台湾民間船と政府交船が尖閣諸島で日本領海に侵入し、中国領域であると主張した。それに憤慨して、政府の無策云々、政権政党云々する人がいる。しかし、どの政府でも、どんな政権政党でも、現実的に打つ手もない。

 だいたい、領土問題はどうやっても解決しない。

 もともと領有権主張は、水掛け論であり、決着はつかない。日本人からすれば、北方領土も尖閣諸島も日本領であることは自明。私も日本人なのでそう考えている。しかし、ロシア人や台湾人にしても、ロシア領であり、中国領であることは自明であり、疑う余地もない。話し合った所で何も解決しない。北方領土であれば、日本人は「北方領土は千島列島に含まれない」、「火事場泥棒で占領された島である」とする主張が揺るぎないものとしている。対して、ロシア人は「クリル列島に含まれる島」であり、「戦争で獲得した島である」と信じている。想像の共同体とはよくいったもので、ナショナリズムは確信が先に立つ宗教論争と同じだから、決着がつくはずもない。

 そもそも領土は神聖であり、絶対に喪うことが許されない。仮に領有論主張で正邪を納得させたところで、政党側に領土をホイホイ渡す政府はない。これはどの国でも同じ。日本でも、ロシアでも、台湾でも同じ話。どう交渉しても、領土を喪う国民は納得しない。政府・政権は信を喪い、倒される。

 領土交渉をする余地もない。神聖な領土を喪うような交渉、妥協はもともと成り立たない。戦争でもやって、相手を屈服させて、講和条件で領土主張を放棄しない限りは、領土交渉はできないと考えたほうが良い。

 結局、それぞれの政府にできることは、抗議程度しかない。口頭や文書による抗議、政府交船や軍艦を差し出しての示威的な抗議、大使召喚といったように、強度は色々ある。しかし、エスカレーションさせても得るものもない。そもそも、領土問題は解決しないのである。そこで領土以外の関係をこじらせても、得るものもない。

 北方領土、竹島、尖閣諸島といった領土問題は、すでに固定化している。関係国間では、漁業での調整措置、領海侵入や不法上陸での送還措置、コーストガードや軍隊同士の衝突予防措置が、明文か不文律かはともかく、ルールとして成立している。※ 政府も政権も、実質的にこのルールの中で行動する縛りがある。どの政権でも、政権政党でも、ルールの中でできるオプションは限定されている。打つ手はない。



※ このルールに違背したのが、2010年9月の中国漁船抑留、ビデオ流出だね。日本側がゲームのルールに違背したので、中国側もレアアース輸出やフジタ社員拘束をしたわけだ。日本は実績を一個積み上げたわけで、日本の勝ちといえば勝ちなのだが、最終的に解決しないゲームなので、日本人の溜飲を下げただけで、あまり意味は無かったねえ。



 まあ、次の戦争でケリつけるしかないんじゃないのかな。
 北方領土なら、日ソ国交正常化の時に2島返還で手を打つか、ソ連崩壊のドサクサで4島買い取るかがチャンスだったのだけれどもね。なんにせよ、両者にとっての利益になるシベリア開発は遅々として進まなかったのは損だった。そのうち、中国資本に取られるんじゃないかな。
 その点、尖閣で対立する日中は巧くいったもの。「戦略的互恵関係」という言葉で互いに誤魔化して、仲良くお金儲けをしている。日中両国関係は対立的であり、ドライであるように見える。でも実はウェットであるんじゃないかと己は思っているんだけどねえ
2012.03
17
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18:14
Category : ナショナリズム
 夕べ書いた「尖閣諸島に来るのも、ノルマでやっているんだろうね」の続きみたいなもんだけどね。



 昨3月16日、尖閣諸島で日本領海に侵入した中国公船が、今日はガス田を周航している。新華網によると、※ 中国海洋局は、別に4隻を加え6隻で艦隊を組み、ガス田周辺を航行している。

 法的には何の問題もない。ガス田は、日中どちらの領海でもない。強いて言えば、中国側EEZにあるが、EEZでは艦船は自由に航行できる。

 日本優位である尖閣諸島と異なり、ガス田では中国側がゲームをリードしている。日本としても、中間線から先にある中国側リグ設置そのものに文句はつけがたい。海底で日本側からも吸い取っている点を非難する程度である。日本にできるのは、とりあえず、毎日P-3Cで偵察し、状況を把握する程度である。

 神聖な領土での争いである。日本も威信をかけてリグを建てて採掘することもできる。日本側も中間線に沿ってリグを建てて、中国側にあるガスを吸い取ればお互い様になる。
 しかし、金銭的に割りに合わない。ガス田としては小規模であり、日本側が投資してもペイしない。そのため、P-3Cで偵察して抗議するだけである。

 実際には、尖閣も竹島も沖ノ鳥島も、ガス田と同じだ。実際には、何れも張り合うほどのメリットはない。※※ ガス田は、日本からすれば開発の利益がない。尖閣の石油も似た様なもので、コスト的にペイしない。尖閣と竹島はそれなりの好漁場であるが、実際に貼り合って、互いの国の関係をこじらせるほど魅力的な経済的利益は見込めないでもない。沖ノ鳥島は、陸地にも価値はなく、漁場としても全く魅力的ではない。

 領土問題も、実利からすれば全く引き合わない。莫大なコストを突っ込んで、しかも近隣国との摩擦を引き起こすだけ。ガス田、尖閣、竹島、沖ノ鳥島も、実利は産まない。
 ナショナリズムも面倒臭いよね。ほとんど利益を生み出さない島であっても、「領土は神聖」であり「血を流してでも守らなければならない」わけだ。そのために千金を費やし、近隣国と互いに非難を繰り返している。

 仕方がないことではあるが、非生産的である。合理的に考えれば、尖閣と竹島を売って、そのお金で北方領土でも買えばよい。19世紀末のアラスカ売買の例もある。でも、領土をお金で売り買いできない時代となった。中国人も韓国人も、領土をお金で買うつもりもない。ロシア人も売るつもりもない。もちろん、日本人も売り買いすることは許せない。

 いずれにせよ、ゲームを延々と続けるしかないわけだ。海保も、これから何年も、尖閣に巡視船を貼り付け続ける。海自も、飛行機で何年もガス田を偵察し続ける。
 国防での焦点は、中国とのゲームに移行している。ゲームに負けたくなければ、海軍戦力のアドバンテージを維持するしかない。本土防衛でしか使えない戦力は整理して、その分、海保、海自に廻すべきである。



「中国海監船編隊在東海油気田附近海域巡航」『新華網』(2012年03月17日15時29分)http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/news.xinhuanet.com/politics/2012-03/17/c_111667891.htm

※※ 例外は北方領土で、択捉、国後は日本で1・2番目の面積を誇り、第3位の沖縄本島よりも大きく、利用可能な面積も広い。また、四島周辺漁場も魅力的である。
2012.03
16
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23:17
Category : ナショナリズム
 たまには、予約投稿以外にも書いてみようかと。



 今日、尖閣諸島の日本領海に中国公船が侵入した。日経新聞※によると、「16日午前6時ごろ、尖閣諸島」に「中国船『海監50』『海監66』が」「一時、日本の領海内に侵入した。」とのことである。

 私も日本人であるので、中国が行った行動は、領海への侵入と退去拒否としか見えない。中国が行ったのは、日本の領域を侵す行為である。

 しかし、中国人からすれば、日本領域を侵した感覚はない。中国人からすれば「釣魚島領海に入った所、不法に占拠している日本巡視船に文句を言われた」という話になる。

 日本に置き換えれば「北方領土付近で操業中の漁船が、ロシア公船から警告を受けた」ことと同じだろう。

 早速ググったのだが、やはり元気の良い人が、ナショナリズムから爆発している。強硬手段をとれと主張している。しかし、それは得策ではないだろう。

 ここで強硬手段をとれば、中国のナショナリズムも刺激され、爆発する。そうなると、元気のいい中国人が漁船で寄せてくる。これは困り者だ。

 元気の良い人には、ゲームのルールが通用しない。

 日本と中国は、ルールに則ってゲームをしている。尖閣諸島を燃え上がらせて、戦略的互恵関係を損なうことは、両国にとって本意ではない。日中は、海軍競争、尖閣諸島での領土問題、東シナ海ガス田開発で角を突き合わせている。しかし、そのゲームは、戦略的互恵関係を損なわない前提である。ゲームはゲームであり、両国経済的利益を阻害しないルールである。

 しかし、元気の良い人が出てくると全部台無しになる。片方の元気の良い人が過激な行動を取ると、もう片方の国の元気の良い人はヨリ過激な行動を取る。ナショナリズムに火がつくと、戦略的互恵関係、経済的利益がおジャンになってしまう。

 両国政府は、ナショナリズムを抑制しようとしている。尖閣諸島の問題も、互いが勝手に既成事実を積上げない、言わずもがなの取り決めがある。

 両国にとって、現状が一番理想的である。互いに、民間を締め出し、また軍艦を出さない。政府公船同士でゲームを行う。あくまで事務的に対応する。

 中国公船が尖閣諸島12マイルに入るが、居座らず航過する。これはゲームの範囲内であり、ルールを蔑ろにしない行為である。

 日本側も、ルールに則り、互いの互恵的な利益を損なわないように行動すべきである。また、ナショナリズムの暴発も抑制しなければならない。




 まあ、中国国内へのアリバイづくりで、ノルマで日本領海に入ったのではないかね。そして、深刻な対立をもたらす前に、航過したと見ていいのではないかな。

 日本から見ても、いつもの話である。中国側にも、特にエスカレーションさせる意図が見えない。日本人にとっては不愉快だけど、ゲームのルールに従って処理するのが良い。
 基本的に、尖閣諸島は日本側が優位にある。北方領土、竹島とは違い、日本側が実効支配できている。それを安穏に継続することを第一にすべきである。


※ 「中国監視船、尖閣で一時領海侵入 付近「巡視」公表 政府、官邸内に連絡室設置」『日経新聞』2012年3月16日12時21分(WEB)http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9C8197E09B9C99E2E08DE3E4E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195166008122009000000

※※ 2010年9月7日、中国漁船衝突事件以降の騒動は、日本側がゲームのルールを一部逸脱した結果ではないかな。
 それまでの前例では、領海からの退去であった。これを逮捕し、船長は日本国内に拘束しようとした。中国は、日本のルール逸脱に対抗するため、レアアースを禁輸し、中国国内の日本人を拘束した。こう見ることもできないかねえ。
2012.03
03
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13:00
Category : ナショナリズム
 ま、日本から見れば他人ごとだけどね。
 元気のある人々、中国が南沙諸島での領有権主張に文句をつけている。でもねえ、中国のやり方は強引かもしれんが、日本としては文句はつけられないんじゃないかね。

 南沙諸島は、戦前に日本が領有を宣言している。無主の地であるとして領有し、台湾に属するとした。
 戦後、国府は南沙における領有権を継承する旨を宣言した。南沙は、台湾に属する。台湾は、中国に返還された。南沙は、中国のものである。理屈は立つ。
 その上で、新中国も南沙を自国領域と宣言した。南沙は台湾に属する、台湾は中国に属する。この主張に、日本は文句はつけがたい。
 中国・台湾による支配は、かつての日本主張を下敷きにしている。元気のある人のスタンス、戦前日本を肯定する立場であれば、中国・台湾主張を支える立場ではないのかと思うんだよね。

 ま、元気のいい人達は「中国は敵」とみなしている。だから中国領有権主張に文句をつける。また「敵の敵は味方」で、それ以外の国の主張を良しとするのだろうけど。

 もちろん、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイの主張にも納得できる部分はあるんだけどね。
 南沙諸島は、日本領有以前にフランスも領有を宣言している。南沙はインドシナに属するとした。その伝でいえば、ベトナムも南沙領有を主張する充分な根拠がある。
 フィリピン、マレーシア、ブルネイは、領有宣言で出遅れている。しかし、中国、台湾、ベトナムよりも南沙に近い。昔から往来していたとする主張、地理的に自国島嶼に含まれるとする主張にも、納得できる部分は大きい。

 領土問題なんてそんなものだろうね。当人は自国のものであることは自明と眼を四角くして主張する。だが、傍から見れば、濃い薄いはあるにせよ、それなりに根拠があるもんだ。

 日本の場合も、そんなものではないのかね。もちろん、日本人だから、北方領土、竹島、尖閣、沖の鳥島は、日本領であることは自明である。地図の上でも赤く塗る。他の国が手を出すと、自分の身体を傷つけられるに似た感覚を覚える。私もそう思うよ。
 でもねえ、傍から見れば、どっちもどっちではないのかな。北方領土は誰のものかといえば、アイヌの人のものだし。それ以外も無人島なんだね。とはいえ、国民国家にとって領土は神聖だから仕方が無いのかね。
 
2012.02
09
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13:00
Category : ナショナリズム
 沖ノ鳥島は、島であり、200マイルの排他的経済水域(EEZ)を持つ。日本は沖ノ鳥島を起点とするEEZを、平穏に支配しており、国際社会でも認められている。

 しかし、沖ノ鳥島には見るべき利益はなく、「日本の生命線」ではない。濱口和久さんは「沖ノ鳥島は日本の生命線」※とする意見を述べている。しかし、沖ノ鳥島EEZは日本にとって死活的な利益を生み出すものではない。

 濱口さんの記事は、国際海洋法上の島の定義と、沖ノ鳥島に対する適用を非常によくまとめている。
 しかし、残念なことに、EEZと領海を混同してしまっている。そして、EEZにより中国潜水艦行動を平時・有事とも制約できるとしている。

[略]沖ノ鳥島海域は沖縄本島とグァム島を結ぶ直線のほほ中間に位置し、原子力空母を含む米海軍の艦船が日本周辺に向かって西進する最短の航路上にあり、極めて重要なチョークポイントとなっている。/もし仮に、沖ノ鳥島海域が日本の排他的経済水域(EEZ)から外れると、周辺海域は公海となり、中国海軍の潜水艦が大手を振って航行するようになる。[略]
 濱口和久「沖ノ鳥島は日本の生命線」http://www.data-max.co.jp/2012/02/02/post_16433_hk_1.html より


 しかし、沖ノ鳥島とそのEEZは、潜水艦行動を制約するものではない。※※ EEZは領海ではない。また沖ノ鳥島領海は太平洋上の点であり、容易に迂回できる。そもそもチョークポイントでもない。沖ノ鳥島で制約しようにも、島は根拠地とはならず、付近にも拠点はない。

 まず、EEZは、領海ではない。経済活動を除けば、沿岸国主権はEEZに及ばない。潜水艦が行う行動に関しては、公海と同じである。無害航行の必要もなく、潜水可能である。戦争に伴う行為にしても、沿岸国は自国領域としての権利を主張できない。

 また、沖ノ鳥島を起点とする領海は、12マイル(22km)にすぎない。その範囲であれば、潜水艦に無害通航(浮上し、旗国を明確にする)を強要させることは、国際法上は可能である。しかし、沖ノ鳥島を起点とする領海は直径にして50km程度である。太平洋に浮かんだシミであり、迂回は容易である。

 そして、沖ノ鳥島はチョーク・ポイントではない。マリアナ、ハワイから横須賀、津軽海峡、沖縄、台湾、朝鮮半島、南シナ海…どこに行くにしても、特に沖ノ鳥島を通航する必要はない。グァムから沖縄に行くまでの最短距離かもしれないが、迂回しても大して時間はかわらない。マラッカ海峡のように、そこを通らないといけないわけでもないのである。これは、戦時に中国潜水艦が米艦艇を邀撃するとして同じである。沖の鳥島は、米艦隊が通るか分からない。中国も、その島を中心にしてた拒否水面(Offensive Sea Denial)は設定しない。

 最後に、沖ノ鳥島は足がかりとはならない。沖ノ鳥島は、根拠地として使うことはできない。実際に海空自や海保の根拠地は設定できない。実際には、領海や接続水域、EEZを実行支配することも容易ではない。※※※

 沖ノ鳥島と、島を起点とするEEZは貴重である。また、近代国家にとって、領土を失うことに耐えられない。そのため、沖ノ鳥島保全には力が注がれている。
 しかし、沖ノ鳥島には国防、防衛上の価値はない。実際に得られる利益は、漁業しかない。その漁業にしても、あまり漁獲も見込めない、砂漠のような海である。

 沖ノ鳥島は、日本にとって死活的な利益ではないのである。



※ 濱口和久「沖ノ鳥島は日本の生命線」http://www.data-max.co.jp/2012/02/02/post_16433_hk_1.html

※※ 領海であっても、交戦される可能性もある。米中交戦の場合、日本は米側に付くため、中立はとりえない。仮に中立を宣言しても、一方が領海を利用する(米軍が日本領海を利用する)場合、交戦国間に公平でなければならないため、もう片方にも領海利用を許さなければならない。

※※※ 沖ノ鳥島を「島」と認めない立場で、領海内を潜水して通航しても、日本が事実を確認し、追尾し、浮上を求めることは難しい。仮に日本側が中国潜水艦を追尾できるとしても、沖ノ鳥島周辺では、固定翼哨戒機以外では追尾は難しいだろう。実際のところ、水上艦でなければ、浮上を要求し、強制することはできない。
2011.12
07
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13:00
Category : ナショナリズム
 1955年12月、日本国直轄市、昭南島…
マレー系昭南市民のオバサンが、日本人専用のバスの座席に座るところから始まります。

 運動は朝鮮、台湾、南洋、樺太、またジャワやビルマの軍政地域、満州やインドのような傀儡政府に飛び火します。

 予兆はあったのです。
日本国内で大ヒットしたラジオドラマが、NHK京城放送局、台北放送局で放送されたときには、濁音が発音できない朝鮮人や、「~アル」と中国人を揶揄した演出に大抗議活動が起きました。NHKラングーン放送では、テレビドラマで、靴墨で肌の色を黒く塗ったビルマ人の姿に、CM提供をした日清製粉が焼き討ちをうけました。インドでは、コルカタの海兵団で、軍事顧問団により上陸前にポーク/ビーフカレーを食べさせられようとした現地水兵が反乱を起こしていたのです。

 エスノセントリズムを自覚しなかった大「日本」帝国、その植民地支配の限界だったのでしょう。

 皇民権運動は、折からのインドネシア反戦運動と結びつくのです。本土でも、アジア諸民族への連帯の輪が広がります。本土でも、六大学野球で不正義のインドネシア反戦運動に抗議する反戦歌が歌われたりするのでしょう。

 そして、宮城が人間の輪で囲まれる。宮城前広場でマハティールあたりが「私には夢がある」とか演説ぶったりするのではと。多分、リー・クワン・ユーとか李登輝あたりがマルコムXかなと

 すでにインドネシア独立弾圧戦争は泥沼です。多分、日本的な価値観で連れていった御都合指導者が、インドネシアナショナリズムの空気読まずに、出身民族優遇など、やりたい放題にやるので旧蘭印は滅茶苦茶になる。でも、皮肉なことに非大和民族初代首相、内鮮一体を掲げた呂運亨あたりが、反共とか言い出して、必死に腐敗政権側を支えようとするんでしょう。でも、彼は神兵隊事件の生き残りあたりに、遊説中に6.5mm弾で狙撃されてしまう。

 インドネシアでは、独立の闘士、スカルノが「アンクル・カルノ」になるんでしょうね。スカルノの死後、独立運動を掌握したスハルトも「インドネシア人はオランダと350年間戦ってきた、日本との戦いが10年長引いてもたいした話ではない」と講和会議で演説をぶつのです。この間、デビ夫人が日本で煽りまくるのでしょうねえ。それに応じて、村田英雄、春日八郎、三橋美智也あたりが、不正義のインドネシア戦争に怒り反戦歌を歌いだす。「雨の九段坂」なんて、そのまま脱構築ですね。

 まあ、宴会駄話でフト浮かんだのだけれどもね。
 うーん、大学ランキングで、偏差値的には国内最後にできた名古屋帝大、それと昭南帝大(新設)と東亜同文書院、極東学院が並ぶだろうとか。日本製のマニラ大・河内大なんか現地の人は完全に小馬鹿にしているけど、官吏登用の道でもあるので、TOEICもどきの馬鹿馬鹿しい日本語試験を受けて仕方なく行く。ベトナムで、上からの近代化と称して、漢字とチュノム復活させようとして日本がエライ目にあう。でも、フィリピンではマルコスがカシーケ民主主義をやるのは変わらない、とかね。



2011年05月29日 MIXI日記から転載
2011.08
27
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12:59
Category : ナショナリズム
 岩波ホールで映画『おじいさんと草原の小学校』(BBC)観てきたのですが、これがなかなか面白いものでした。前にケニアで「84歳の小学生」が話題になりました。その映画化です。
 何が面白いといって、イメージされる「感動ドラマ」とは全然別のベクトルにあるところです。実際は民族創世神話ですね。




 「字が読めるようになりたい」と小学校に入学した、主人公マルゲじいさん。この人、リアルで元マウマウ団で独立の闘士です。

 妻と子供を目の前で英帝に殺される。10年間収容所に入れられる。体中は拷問のあと。背中には鞭の傷、頭蓋骨にはヒビが入っている。歩くのが不自由なのは、つま先を切り落とされたから、という凄まじさ。

 マウゲ爺さん「良い生徒になるから」なんて言って、首尾よく小学校に入るのだけれども。許可した校長先生に、村人や役人から容赦無い圧力が掛かる。老人のために子供向けの予算を使うなとか、そういう話になる。
 しかし、そこでマウゲは民族対立の意識をむき出しにする。「あの役人、イギリスの手先になった部族だ」とね。
 しかし、教師や児童との交流の中で、マルゲは同じケニア人であるという意識が芽生えるのです。ケニア民族創世の物語になっているわけです。

 クライマックスでは、読み書きを教えてくれた先生と、一緒に勉強した児童を救うために立ち上がり…って話。良い生徒は、良い国民になったわけです。おそらく周囲もケニア国民としての団結があがったような結末ですね。

 うん、イギリス帝国主義をキチンと描いたBBCは立派だと思いますよ。
 絵もいいです。よく見ると画像処理してますけど、アフリカって感じが良い。
 あと、女校長先生のナオミ・ハリスは、あれは戦うタイプの大石先生なんでしょうねえ。

 『おじいさんと草原の小学校』は、一応、実話とされていますが「どこまでが実話か」となると、ちょっと膨らませた部分もあるでしょうね。いい映画になるのなら、悪いことでもないのですけど。
 でも、どうせなら、マウゲ爺さんと、あの少年の部族に潜在している敵対関係をもっと煽ったほうが更に面白くなるでしょうねえ。ケニア的にはあまりよろしくない展開でしょうけけど。
2011.08
20
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11:46
Category : ナショナリズム
 中国と台湾は、南沙諸島では喧嘩しないだろうね。
 南沙諸島、英名だとスプラトリー諸島は、5ヶ国が領有を主張している。それぞれの国はてんでバラバラに島を占拠し、互いに島を奪われないように防備を固めている。時折、衝突も発生していており、見方によっては、他国を追いだそうとしているように見えるのだけれども。

 中国と台湾は衝突しないだろう。というのも、中国にとっては「台湾により確保された島も中国領であること」に間違いはない。「中国人が支配する、中国の領土」である。台湾にしても、新中国が確保した島も「中(華民)国人が支配する、中(華民)国の領土」であることに違いはない。
 中国領土を、外国人に占領されているわけではない。大した問題ではないのだ。

 これに対して「外国」によって「中国領」が占領されていることは、大問題である。中国人にとっては、国辱といってもよい。ベトナム、フィリピン、マレーシアによって「中国領」が占拠されている事態には、耐えられない事態である。
 特に新中国政府は、強硬に対処する。摩擦を怖れず防備を固め、衝突も辞さない。場合によれば実力での回収も考慮するだろう。新中国は、反帝反封を旗印にしてきた。そして、南沙諸島では反帝国主義が、失われた領土回収がまだ終わっていない。南沙で妥協をすることは領土を失うことと同じである。その場合には政府が持たない。

 しかし、台湾による南沙支配は何の問題もない。台湾も中国の一部である。台湾人も中国人である。「中国の島を中国人が占拠している」にすぎない。言い換えれば、弟(台湾)が親の家作(中国固有の領土)に住んでいるようなものだ。自分の土地(固有領土)に他人(外国)が家を立てたほどの問題ではないのである。

 中国が台湾支配を助ける可能性もある。極端な話、台湾が南沙諸島支配に困ったときには、中国は何らかの手助けをする可能性もある。台湾支配も、中国による「中国領」確保と同義である。「外国に奪われる」おそれに対しては、協調の余地はある。1958年にあったような、暗黙の国共合作(※)や、それから一歩踏み込んだ公然とした国共合作もあるかもしれない。状況が悪化すれば、台湾上陸船団に、中国艦隊が護衛位置につくくらいのこともするだろう。もちろん、阿吽の呼吸で。

※ 廉 徳瑰「第二次台湾海峡危機(1958年)における暗黙の国共合作」『軍事史学』(2003.7)4-19p.p.
2011.07
06
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Category : ナショナリズム
 『ヤシガラ椀の外へ』(アンダーソン)読んで、ちいと考えたことなんだけれども。
 ベトナムが、東アジアから切り離された時期はいつなんだろうね?

 もともと、東アジアであったベトナムと、インドの影響の近い近所の南アジアとは全然違う。それなのに、近所でひっくるめて『東南アジア』とされてしまった。

 『ヤシガラ椀の外へ』には、「東南アジアの誕生」みたいな条がある。 そこでベトナムが東アジアからはなれてしまった経緯がある。
「グエン朝をフランスが保護国化したとき、たまたま「インドシナ」としてしまった。このため、ベトナムはインドシナと見なされるようになった。そして、第二次世界大戦において、連合国は「インドシナ」を『東南アジア』戦域としてした。ベトナムは結果として完全に東アジアから切り離された」 (アンダーソン、大意)
 という内容。
 でも、これって極めて最近、まあ少なくとも50~150年※の出来事じゃないのかねえ。ごく最近の話じゃないかと。

 こう見ると、ベトナム問題≠東南アジア問題では無かったのかな、と。

 ベトナム問題を「東南アジアの問題」とみて、「ベトナムの共産化により、東南アジアはドミノの倒れるが如く」と介入したアメリカは、エライ勇み足をしたもんだということになるね。

 ※『ヤシガラ椀の外へ』では、「『東南アジア』の誕生」1920~45年くらいだとしている


2009年10月04日 MIXI日記より
2010.06
27
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13:51
Category : ナショナリズム
Theme : 日記
Genre : 日記
 竹島と尖閣諸島を売り払って、その金で北方四島が買えれば、領土問題は一気に解決するんだがね。近代ナショナリズムが領土を「神聖」なものとしちゃったから、領土はお金で取引できないようになってしまったわけだ。

 日本人に、「竹島(尖閣諸島)の問題は簡単に解決できる、韓国(中国)に売っぱらってしまえばいい」なんて言ったら、キチガイみたいにいわれるだろう。でも、基本は無人島だから、売ってしまっても、漁業権や一寸した油田を除いては、特に実害はない。その保障+プライド代があれば、売り払ってもいいのではないか。不法占拠や不法侵入や国家間の軋轢が、全部キレイに解決するよ。金額については…無理をすれば中韓が払えそうば額、たとえばそれぞれ20兆円位で売れないかね。条件は全額入金以降に引渡しでね。

 でも、ロシアから北方領土は買えないだろう。ロシア人も「領土はお金で取引できない」と考えている。ヨーロッパ・ロシアの連中、北方領土がどこにあるかを知らず、アジア人の顔も見たことのないロシア人でも、「南クリルを守るためなら最後の血の一滴まで闘う」なんて言い出すだろう。
 加えて北方領土については、このナショナリズムの問題、「領土=国家の尊厳」(コレが一番大きいけれども)を余計に重くする要素がある。沿海州以東で人が生活できるのは、樺太南部と北方領土の4つの島だけ。彼からすれば、極端な意味で樺太以東の可住エリアをすべて失うということだ。
 現住の島を売り払うことは容易ではない。仮にロシア人がナショナリズムにクールになったとしても(連中はアメリカにアラスカを売ったこともある)、おいそれと日本に売れるものでもない。「売ってしまっても、漁業権や一寸した油田を除いては、特に実害はない。」なんて島ではないわけだ。ロシア人にとって、実利的な意味では「千島列島を売ってくれ」よりも失うものは大きい。まあ、近代ナショナリズムがある限り、領土は売買可能な不動産にはならないのだから、どうやっても売ってはくれないだろうけど、ロシア人にとって北方四島には国家の尊厳+αがあるから何をやっても駄目ってこと。

 まあ、つまりね、北方領土はねえ、まず帰ってこないと思うんだよ。だから、日本は文句(もちろん、日本に正当な権利がある)をつけて、ロシアに負い目を与えてやるのが一番いいのではないかね。少なくとも精神的に優位に立てる。
 まあ、よくある「2島返還でケリ」とか、明治時代のように「全千島列島での漁業権を日本に渡す」ではね、日本なら交渉しない方がマシじゃないかな。ロシア人は渋々受容するかもしれない。日本も実地的な実利は手に入る。けれども、こんどは日本人のナショナリズムが納得しないだろう。北方四島の九割を占める国後・択捉を諦めることは到底できないからね。

 でもまあ、いつも思うのが、日本人でも北方領土の状況を掴んでいないところだね。己のたとえ話
ヨーロッパ・ロシアの連中、北方領土がどこにあるかを知らず、アジア人の顔も見たことのないロシア人でも、「南クリルを守るためなら最後の血の一滴まで闘う」なんて言い出すだろう。

なんて書いたけれども、日本人でも似たようなものだってことさ。「択捉島が日本最大の島であり、国後がそれに次ぐ。沖縄本島よりも大きい」ってことはあんまり知らないのに、「実力で島を奪い返す」なんて言い出すヤツが結構いるところはソックリ。知りもしない領土なんだけれども、血を流しても良いなんて言い出すのは喜劇だ。

 実質、シベリアから東はノーマンズ・ランドであって、さらに沿海州以東は全部孤島みたいなものなわけだ。日本はヤル気になればいつでも島を奪い返せるんだけれども、憲法の精神がそれを許さないし、そんなことをしたら世界から爪弾きだ。
 一番いいのは…あそこで独立運動が発生してロシアから分離してくれることだけれども。基本、北方領土には出稼ぎロシア人しかいないから、それも起きないわけだね。
 文句をつけて、ロシアに負い目を与えてやるのが一番いいのではないかね。少なくとも精神的に優位に立てる。下手に解決しようとしない方がいいとは思う。なにかの拍子にシベリア以東がバラバラになったときに回収するのが一番じゃないかな。それには100年かかるか、200年かかるかわからないし、下手をすればその頃には民族国家の枠組みが消えているのかもしれないけれども。