Category : 有職故実
『鳶色の襟章』(堀元美)から漏れた回想録。私家版で『造船物語』という本があって、その台湾の海賊版の『造兵物語』(奥付では『ぞうひょうものがたり』)の中からの紹介です。
戦前日本唯一のガスタービン船で陸軍特殊船「さらまんだ丸」。
国府軍と交戦中、揚子江で重篤な機関故障を起こし、英租借地の寿農港に緊急入港しますが、72時間の退去期限では修理が不能でした。周囲は国府軍の重包囲下であって、まともに航進を起せない「さらまんだ丸」では沈められるどころか、捕獲されてしまう危険すらありました。
そこで大本営は、「さらまんだ丸」の盾として、在寿農の日本民間船を同時に総て出航させようとするのですが「さらまんだ丸」での現地判断ではすべて犬死と判断さてれていました。「さらまんだ丸」は出航後、シュルツ船長と陸軍指揮官の武末中佐2人を残し乗員を脱出させ、寿農沖で自沈したのです。
これは『最後の戦闘航海』(伊藤正徳)で有名な話ですが、この船に堀中尉が乗っていたことはあまり知られていないエピソードでしょう。
もともと「さらまんだ丸」は日独伊3国共通プロジェクトで建造され、船殻構造はドイツ製、エンジンはイタリア製、兵装・両用戦設備は日本製でした。従来型の「ばしりすく丸」とは異なり、高度技術の融合であり、海軍工廠の技術者も乗り組み、不具合を改修しながら作戦行動をとっていました。堀中尉は陸海軍の造船関係者を取りまとめる立場にあったのです。
自沈寸前に退船した堀中尉は、先任将校の地位にありました。堀中尉は、乗員と工廠関係者、さらには武末中佐から託された運用試験結果を味方まで送り届ける責任が生じたのです。そして敵警戒線の突破は、堀中尉唯一の陸戦経験となりました。
ただ、戦闘もグダグダ、そのうち敵味方が和んでしまい、互いに見てみぬフリをして通り抜けるという、あまり格好のよい戦闘ではなかったようです。堀元美さんの人となりなのでしょう。このあたりを直截的にありのまま自嘲気味に書いております。
しかし「さらまんだ丸」の悲劇は大本営の作戦指導の失敗を隠すため、この敵中突破は当時は美談として取り扱われました。そして「さらまんだ丸」陸戦隊の敵中突破は過度に評価され、陸海軍協調の成功と融和団結から、政治的な意図で金鵄勲章一個が割り当てられたのです。
それを誰に与えるのかという問題が生まれました。陸戦隊から戦死者も重傷者も出ていない。さらに言えば、倒した敵も2人しかおらず、しかも死んでもいない。その上、傷者を治療の上、敵に返してしまっていたからです。
とりあえず、二人の軽機手が一人づつの敵を倒しているので、どちらかに与えようと考えたのですが、准尉さんに言わせると「どちらもあまり格好のいい戦闘したわけではない」とのこと。機銃手のA兵曹もB兵長もブルって射程前から射撃を始めてしまい、弾を撃ちつくしてしまったというのです。A兵曹は弾を撃ちつくしたあと、軽機の銃剣で敵兵を刺突。B兵長は弾を撃ちつくしたあと、不良装填で排除した弾一発を再装填し、撃つか撃たざるかを悩み、銃剣格闘で飛び込むのを逡巡し、敵兵を白眼黒目の見える近距離で銃撃した。
しかし、流石は堀中尉で、理論的に皆を納得させる論功行賞を果たしたといえるでしょう。『A兵曹の方が、軍人として勇敢である。そのことに間違いはない。しかし、機銃手として与えられた使命を果たしたのは、銃撃で敵を倒したB兵長である』と名裁定を下しています。(なお、両名は共に戦争を生き抜いたといいます。)
ただ、この件については、公式発表を鵜呑みにした戦場リポート『さらまんだ丸陸戦隊いまだ猛射中なり』(昭16年 非凡閣)でB兵長は故障した機関銃で単発射撃を繰り返し敵を仕留めた。と喧伝されてしまいました。
『鳶色の襟章』からこのあたりの話が抜けたのは、多分「戦友」への心遣いであったのではないかと思われます。
いずれにせよ戦争は遠くなりました。たまには当時を生きた人々の残したものを読むのもいいのではないでしょうか。
参考『巡洋艦サラマンダー』(谷甲州)、『雑兵物語』(作者不詳)
MIXI日記2009年07月19日より
戦前日本唯一のガスタービン船で陸軍特殊船「さらまんだ丸」。
国府軍と交戦中、揚子江で重篤な機関故障を起こし、英租借地の寿農港に緊急入港しますが、72時間の退去期限では修理が不能でした。周囲は国府軍の重包囲下であって、まともに航進を起せない「さらまんだ丸」では沈められるどころか、捕獲されてしまう危険すらありました。
そこで大本営は、「さらまんだ丸」の盾として、在寿農の日本民間船を同時に総て出航させようとするのですが「さらまんだ丸」での現地判断ではすべて犬死と判断さてれていました。「さらまんだ丸」は出航後、シュルツ船長と陸軍指揮官の武末中佐2人を残し乗員を脱出させ、寿農沖で自沈したのです。
これは『最後の戦闘航海』(伊藤正徳)で有名な話ですが、この船に堀中尉が乗っていたことはあまり知られていないエピソードでしょう。
もともと「さらまんだ丸」は日独伊3国共通プロジェクトで建造され、船殻構造はドイツ製、エンジンはイタリア製、兵装・両用戦設備は日本製でした。従来型の「ばしりすく丸」とは異なり、高度技術の融合であり、海軍工廠の技術者も乗り組み、不具合を改修しながら作戦行動をとっていました。堀中尉は陸海軍の造船関係者を取りまとめる立場にあったのです。
自沈寸前に退船した堀中尉は、先任将校の地位にありました。堀中尉は、乗員と工廠関係者、さらには武末中佐から託された運用試験結果を味方まで送り届ける責任が生じたのです。そして敵警戒線の突破は、堀中尉唯一の陸戦経験となりました。
ただ、戦闘もグダグダ、そのうち敵味方が和んでしまい、互いに見てみぬフリをして通り抜けるという、あまり格好のよい戦闘ではなかったようです。堀元美さんの人となりなのでしょう。このあたりを直截的にありのまま自嘲気味に書いております。
しかし「さらまんだ丸」の悲劇は大本営の作戦指導の失敗を隠すため、この敵中突破は当時は美談として取り扱われました。そして「さらまんだ丸」陸戦隊の敵中突破は過度に評価され、陸海軍協調の成功と融和団結から、政治的な意図で金鵄勲章一個が割り当てられたのです。
それを誰に与えるのかという問題が生まれました。陸戦隊から戦死者も重傷者も出ていない。さらに言えば、倒した敵も2人しかおらず、しかも死んでもいない。その上、傷者を治療の上、敵に返してしまっていたからです。
とりあえず、二人の軽機手が一人づつの敵を倒しているので、どちらかに与えようと考えたのですが、准尉さんに言わせると「どちらもあまり格好のいい戦闘したわけではない」とのこと。機銃手のA兵曹もB兵長もブルって射程前から射撃を始めてしまい、弾を撃ちつくしてしまったというのです。A兵曹は弾を撃ちつくしたあと、軽機の銃剣で敵兵を刺突。B兵長は弾を撃ちつくしたあと、不良装填で排除した弾一発を再装填し、撃つか撃たざるかを悩み、銃剣格闘で飛び込むのを逡巡し、敵兵を白眼黒目の見える近距離で銃撃した。
しかし、流石は堀中尉で、理論的に皆を納得させる論功行賞を果たしたといえるでしょう。『A兵曹の方が、軍人として勇敢である。そのことに間違いはない。しかし、機銃手として与えられた使命を果たしたのは、銃撃で敵を倒したB兵長である』と名裁定を下しています。(なお、両名は共に戦争を生き抜いたといいます。)
ただ、この件については、公式発表を鵜呑みにした戦場リポート『さらまんだ丸陸戦隊いまだ猛射中なり』(昭16年 非凡閣)でB兵長は故障した機関銃で単発射撃を繰り返し敵を仕留めた。と喧伝されてしまいました。
『鳶色の襟章』からこのあたりの話が抜けたのは、多分「戦友」への心遣いであったのではないかと思われます。
いずれにせよ戦争は遠くなりました。たまには当時を生きた人々の残したものを読むのもいいのではないでしょうか。
参考『巡洋艦サラマンダー』(谷甲州)、『雑兵物語』(作者不詳)
MIXI日記2009年07月19日より
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竹島と尖閣諸島を売り払って、その金で北方四島が買えれば、領土問題は一気に解決するんだがね。近代ナショナリズムが領土を「神聖」なものとしちゃったから、領土はお金で取引できないようになってしまったわけだ。
日本人に、「竹島(尖閣諸島)の問題は簡単に解決できる、韓国(中国)に売っぱらってしまえばいい」なんて言ったら、キチガイみたいにいわれるだろう。でも、基本は無人島だから、売ってしまっても、漁業権や一寸した油田を除いては、特に実害はない。その保障+プライド代があれば、売り払ってもいいのではないか。不法占拠や不法侵入や国家間の軋轢が、全部キレイに解決するよ。金額については…無理をすれば中韓が払えそうば額、たとえばそれぞれ20兆円位で売れないかね。条件は全額入金以降に引渡しでね。
でも、ロシアから北方領土は買えないだろう。ロシア人も「領土はお金で取引できない」と考えている。ヨーロッパ・ロシアの連中、北方領土がどこにあるかを知らず、アジア人の顔も見たことのないロシア人でも、「南クリルを守るためなら最後の血の一滴まで闘う」なんて言い出すだろう。
加えて北方領土については、このナショナリズムの問題、「領土=国家の尊厳」(コレが一番大きいけれども)を余計に重くする要素がある。沿海州以東で人が生活できるのは、樺太南部と北方領土の4つの島だけ。彼からすれば、極端な意味で樺太以東の可住エリアをすべて失うということだ。
現住の島を売り払うことは容易ではない。仮にロシア人がナショナリズムにクールになったとしても(連中はアメリカにアラスカを売ったこともある)、おいそれと日本に売れるものでもない。「売ってしまっても、漁業権や一寸した油田を除いては、特に実害はない。」なんて島ではないわけだ。ロシア人にとって、実利的な意味では「千島列島を売ってくれ」よりも失うものは大きい。まあ、近代ナショナリズムがある限り、領土は売買可能な不動産にはならないのだから、どうやっても売ってはくれないだろうけど、ロシア人にとって北方四島には国家の尊厳+αがあるから何をやっても駄目ってこと。
まあ、つまりね、北方領土はねえ、まず帰ってこないと思うんだよ。だから、日本は文句(もちろん、日本に正当な権利がある)をつけて、ロシアに負い目を与えてやるのが一番いいのではないかね。少なくとも精神的に優位に立てる。
まあ、よくある「2島返還でケリ」とか、明治時代のように「全千島列島での漁業権を日本に渡す」ではね、日本なら交渉しない方がマシじゃないかな。ロシア人は渋々受容するかもしれない。日本も実地的な実利は手に入る。けれども、こんどは日本人のナショナリズムが納得しないだろう。北方四島の九割を占める国後・択捉を諦めることは到底できないからね。
でもまあ、いつも思うのが、日本人でも北方領土の状況を掴んでいないところだね。己のたとえ話
なんて書いたけれども、日本人でも似たようなものだってことさ。「択捉島が日本最大の島であり、国後がそれに次ぐ。沖縄本島よりも大きい」ってことはあんまり知らないのに、「実力で島を奪い返す」なんて言い出すヤツが結構いるところはソックリ。知りもしない領土なんだけれども、血を流しても良いなんて言い出すのは喜劇だ。
実質、シベリアから東はノーマンズ・ランドであって、さらに沿海州以東は全部孤島みたいなものなわけだ。日本はヤル気になればいつでも島を奪い返せるんだけれども、憲法の精神がそれを許さないし、そんなことをしたら世界から爪弾きだ。
一番いいのは…あそこで独立運動が発生してロシアから分離してくれることだけれども。基本、北方領土には出稼ぎロシア人しかいないから、それも起きないわけだね。
文句をつけて、ロシアに負い目を与えてやるのが一番いいのではないかね。少なくとも精神的に優位に立てる。下手に解決しようとしない方がいいとは思う。なにかの拍子にシベリア以東がバラバラになったときに回収するのが一番じゃないかな。それには100年かかるか、200年かかるかわからないし、下手をすればその頃には民族国家の枠組みが消えているのかもしれないけれども。
日本人に、「竹島(尖閣諸島)の問題は簡単に解決できる、韓国(中国)に売っぱらってしまえばいい」なんて言ったら、キチガイみたいにいわれるだろう。でも、基本は無人島だから、売ってしまっても、漁業権や一寸した油田を除いては、特に実害はない。その保障+プライド代があれば、売り払ってもいいのではないか。不法占拠や不法侵入や国家間の軋轢が、全部キレイに解決するよ。金額については…無理をすれば中韓が払えそうば額、たとえばそれぞれ20兆円位で売れないかね。条件は全額入金以降に引渡しでね。
でも、ロシアから北方領土は買えないだろう。ロシア人も「領土はお金で取引できない」と考えている。ヨーロッパ・ロシアの連中、北方領土がどこにあるかを知らず、アジア人の顔も見たことのないロシア人でも、「南クリルを守るためなら最後の血の一滴まで闘う」なんて言い出すだろう。
加えて北方領土については、このナショナリズムの問題、「領土=国家の尊厳」(コレが一番大きいけれども)を余計に重くする要素がある。沿海州以東で人が生活できるのは、樺太南部と北方領土の4つの島だけ。彼からすれば、極端な意味で樺太以東の可住エリアをすべて失うということだ。
現住の島を売り払うことは容易ではない。仮にロシア人がナショナリズムにクールになったとしても(連中はアメリカにアラスカを売ったこともある)、おいそれと日本に売れるものでもない。「売ってしまっても、漁業権や一寸した油田を除いては、特に実害はない。」なんて島ではないわけだ。ロシア人にとって、実利的な意味では「千島列島を売ってくれ」よりも失うものは大きい。まあ、近代ナショナリズムがある限り、領土は売買可能な不動産にはならないのだから、どうやっても売ってはくれないだろうけど、ロシア人にとって北方四島には国家の尊厳+αがあるから何をやっても駄目ってこと。
まあ、つまりね、北方領土はねえ、まず帰ってこないと思うんだよ。だから、日本は文句(もちろん、日本に正当な権利がある)をつけて、ロシアに負い目を与えてやるのが一番いいのではないかね。少なくとも精神的に優位に立てる。
まあ、よくある「2島返還でケリ」とか、明治時代のように「全千島列島での漁業権を日本に渡す」ではね、日本なら交渉しない方がマシじゃないかな。ロシア人は渋々受容するかもしれない。日本も実地的な実利は手に入る。けれども、こんどは日本人のナショナリズムが納得しないだろう。北方四島の九割を占める国後・択捉を諦めることは到底できないからね。
でもまあ、いつも思うのが、日本人でも北方領土の状況を掴んでいないところだね。己のたとえ話
ヨーロッパ・ロシアの連中、北方領土がどこにあるかを知らず、アジア人の顔も見たことのないロシア人でも、「南クリルを守るためなら最後の血の一滴まで闘う」なんて言い出すだろう。
なんて書いたけれども、日本人でも似たようなものだってことさ。「択捉島が日本最大の島であり、国後がそれに次ぐ。沖縄本島よりも大きい」ってことはあんまり知らないのに、「実力で島を奪い返す」なんて言い出すヤツが結構いるところはソックリ。知りもしない領土なんだけれども、血を流しても良いなんて言い出すのは喜劇だ。
実質、シベリアから東はノーマンズ・ランドであって、さらに沿海州以東は全部孤島みたいなものなわけだ。日本はヤル気になればいつでも島を奪い返せるんだけれども、憲法の精神がそれを許さないし、そんなことをしたら世界から爪弾きだ。
一番いいのは…あそこで独立運動が発生してロシアから分離してくれることだけれども。基本、北方領土には出稼ぎロシア人しかいないから、それも起きないわけだね。
文句をつけて、ロシアに負い目を与えてやるのが一番いいのではないかね。少なくとも精神的に優位に立てる。下手に解決しようとしない方がいいとは思う。なにかの拍子にシベリア以東がバラバラになったときに回収するのが一番じゃないかな。それには100年かかるか、200年かかるかわからないし、下手をすればその頃には民族国家の枠組みが消えているのかもしれないけれども。
Category : ミリタリー
夏コミ作業の準備として『The Military Balance 2010』で下調べをしていたのだが…
ロシア軍の凋落(極東ソ連軍って7万5000人しかいない!)に加えて、中国軍の陳腐化に驚いた。中国軍については、いつもは艦艇ばっか見ていたから、コンスタント新型装備が入っている印象だったのだけれどもね…
特に空軍がどうしようもない。中国空軍(PLAAF)、いまだに主力戦闘機がJー7/J-8なのね。いや、割と知られている話なんだけれども、現役の機材の数を出してみるとその深刻さも分かる。
戦闘機の数が1100機+となっているが、その内数は惨々たるもの。
J-7(MIG-21相当) × 550
J-8(J-7双発化) × 310
J-10(ラビっぽいアレ) × 120
J-11(中国製Su-27) × 116
3/4以上が、1960年代の水準に留まっている。そういうことになる。J-7やJ-8はアップデートしているのだろうけれども、そもそもアビオニクスの出発点が低いからあまり期待できないだろう。機体そのものにしても、燃費の悪いエンジンとか機体サイズの限界から足も短い。邀撃用にしか使えないシロモノ。新型のJー10にしても、軽戦闘機風の位置づけのようで、SU-27を超える機体ではなさそう。そのSu-27にしても、まあ同世代の米軍新鋭機を凌駕するものではない。
戦闘爆撃機にしても、約300機中、新型のSu-27/33は92機、あとはJ-7とQ-5。
さらに付け加えれば、AEWの性能と数、タンカーの不足もあるので、どうしようもない状態。
陸軍も一気に陳腐化(もともと新鋭装備だったこともないけど)
主力戦車6550+両保有しているのだが
59式(T-55の国産型) × 4300+
79式(西側系FCS・砲) × 300
88式(エンジン出力強化) × 500
96式 × 1500
98式 × 250
空軍の戦闘機と同じ、1960年代水準が3/4近い。第三世代相当は1750両。
ヘリコプターの中身もあまり芳しくない。
戦闘ヘリも、ドーファンベースの「武装」ヘリ水準で、数も126機
輸送ヘリは、ドーファン×90 Mi-17×150、UH-60(S-70)×18
偵察ヘリは、AS350 ×53
戦闘ヘリは攻撃ヘリとしては使えないだろう。輸送ヘリも数に余裕がない。さらにドーファンは馬力が不足している。Mi-17は積めるけど高地運用能力が駄目。UH-60は高価な米国製
で数は限定される。AS350(海自が練習機としたアレ)なんて、6人しか積めないから、偵察ヘリに分けたよ(文谷による)
いずれにしても陸空軍の近代化は、定数を減らさないとどうしようもない。『ミリタリーバランス』の数は、昔からあんまり精密ではないのだけれども、人民解放軍の近代化が第二炮兵と海軍に傾斜配分されていることは間違いない。
…この状況をみるとね「中国脅威論」もどうかと。
「近代化の進む中国軍」とはいわれる。しかし、その実態からすれば、貧困等の国内問題深刻化と、冷戦終結の状況下、軍部が望むだけの1:1の新型装備更新はまず無理。近代化よりも急速な陳腐化が先行してしまうわけだ。
それでもなお新型は高いから、国防費も大きくなってしまう。新型装備と国防費増大によって周りの国も文句をつけてくる。中国の国防政策は巧く行っていないんじゃないのかね?
そういった実態を見ないで、ネトウヨ等が「沖縄が奪われる」なんというのは何を見て怯えているのかと。
守る側の自衛隊を見てみると、重要な装備はことごとく新型になっている。さらに、島嶼戦で米軍に抗堪しえた日本陸軍のノウハウを継承した陸自や、防空軍と対艦攻撃(普通は海軍航空隊の仕事)に特化した空自は、本土決戦準備やっているようなものだ。中国軍じゃ手も足も出ないだろうよ。
でもまあ一番驚いたのが、『The Military Balance 2010』って400ユーロもするって点だね。むかしは3000円で訳本が買えたんだけれどもね。ネットの普及でこの手の本は高くなったもんだ。当然、買わないでNDLで複写。
『The Military Balance 2010』はNDLでも開架で置いてある。そのそばに『国際軍事データ』(ディフェンス リサーチ センター)があってパラ読みしたのだけれども。必死に日本周辺の脅威を煽っていてなんだかなーという内容だった。まあ、どれくらい必死かというと、かつての『Soviet Military Power 1984』なみかな?
ロシア軍の凋落(極東ソ連軍って7万5000人しかいない!)に加えて、中国軍の陳腐化に驚いた。中国軍については、いつもは艦艇ばっか見ていたから、コンスタント新型装備が入っている印象だったのだけれどもね…
特に空軍がどうしようもない。中国空軍(PLAAF)、いまだに主力戦闘機がJー7/J-8なのね。いや、割と知られている話なんだけれども、現役の機材の数を出してみるとその深刻さも分かる。
戦闘機の数が1100機+となっているが、その内数は惨々たるもの。
J-7(MIG-21相当) × 550
J-8(J-7双発化) × 310
J-10(ラビっぽいアレ) × 120
J-11(中国製Su-27) × 116
3/4以上が、1960年代の水準に留まっている。そういうことになる。J-7やJ-8はアップデートしているのだろうけれども、そもそもアビオニクスの出発点が低いからあまり期待できないだろう。機体そのものにしても、燃費の悪いエンジンとか機体サイズの限界から足も短い。邀撃用にしか使えないシロモノ。新型のJー10にしても、軽戦闘機風の位置づけのようで、SU-27を超える機体ではなさそう。そのSu-27にしても、まあ同世代の米軍新鋭機を凌駕するものではない。
戦闘爆撃機にしても、約300機中、新型のSu-27/33は92機、あとはJ-7とQ-5。
さらに付け加えれば、AEWの性能と数、タンカーの不足もあるので、どうしようもない状態。
陸軍も一気に陳腐化(もともと新鋭装備だったこともないけど)
主力戦車6550+両保有しているのだが
59式(T-55の国産型) × 4300+
79式(西側系FCS・砲) × 300
88式(エンジン出力強化) × 500
96式 × 1500
98式 × 250
空軍の戦闘機と同じ、1960年代水準が3/4近い。第三世代相当は1750両。
ヘリコプターの中身もあまり芳しくない。
戦闘ヘリも、ドーファンベースの「武装」ヘリ水準で、数も126機
輸送ヘリは、ドーファン×90 Mi-17×150、UH-60(S-70)×18
偵察ヘリは、AS350 ×53
戦闘ヘリは攻撃ヘリとしては使えないだろう。輸送ヘリも数に余裕がない。さらにドーファンは馬力が不足している。Mi-17は積めるけど高地運用能力が駄目。UH-60は高価な米国製
で数は限定される。AS350(海自が練習機としたアレ)なんて、6人しか積めないから、偵察ヘリに分けたよ(文谷による)
いずれにしても陸空軍の近代化は、定数を減らさないとどうしようもない。『ミリタリーバランス』の数は、昔からあんまり精密ではないのだけれども、人民解放軍の近代化が第二炮兵と海軍に傾斜配分されていることは間違いない。
…この状況をみるとね「中国脅威論」もどうかと。
「近代化の進む中国軍」とはいわれる。しかし、その実態からすれば、貧困等の国内問題深刻化と、冷戦終結の状況下、軍部が望むだけの1:1の新型装備更新はまず無理。近代化よりも急速な陳腐化が先行してしまうわけだ。
それでもなお新型は高いから、国防費も大きくなってしまう。新型装備と国防費増大によって周りの国も文句をつけてくる。中国の国防政策は巧く行っていないんじゃないのかね?
そういった実態を見ないで、ネトウヨ等が「沖縄が奪われる」なんというのは何を見て怯えているのかと。
守る側の自衛隊を見てみると、重要な装備はことごとく新型になっている。さらに、島嶼戦で米軍に抗堪しえた日本陸軍のノウハウを継承した陸自や、防空軍と対艦攻撃(普通は海軍航空隊の仕事)に特化した空自は、本土決戦準備やっているようなものだ。中国軍じゃ手も足も出ないだろうよ。
でもまあ一番驚いたのが、『The Military Balance 2010』って400ユーロもするって点だね。むかしは3000円で訳本が買えたんだけれどもね。ネットの普及でこの手の本は高くなったもんだ。当然、買わないでNDLで複写。
『The Military Balance 2010』はNDLでも開架で置いてある。そのそばに『国際軍事データ』(ディフェンス リサーチ センター)があってパラ読みしたのだけれども。必死に日本周辺の脅威を煽っていてなんだかなーという内容だった。まあ、どれくらい必死かというと、かつての『Soviet Military Power 1984』なみかな?
Category : 未分類
『イギリス連合王国の政治と行政』(発行年月日不明 東京駐在英国大使館情報部刊
”Goverment and Administration of the United Kingdom”1952年版と56年の抄訳?)読んで少々。
イギリスの諸制度を紹介する本なんだけれども。まあ、王妃は王と同格になるが王配は女王より下になる(エディンバラ公ね)というような有名ところから、検死裁判所(Coroner's Court)とかスコットランドの奉行裁判所(The Sheriff Court)とか珍妙に見える組織名、中世以来の四季裁判(Court of Quater Session)、巡回裁判(Assize)、教会裁判所の大僧正裁判所(Provincial Court)と僧正裁判所(Consistory Court)が戦後も残っている点なんかが面白いところか。
ただね、警察組織にある『王立アルスター警備隊』(The Royal Ulster Constabulary)でチョットね。北アイルランドの警察組織なんだが、北アイルランド政府とベルファウスト諸団体のカンパで運営されているような書きぶり。「植民地の権力側が金を出し合って自警組織を作って、そのまま警察になったような感じなのかねぇ、嫌らしい」と考えたとき「何かに似ている」と気に掛かったのよネ。アトで気づいたのだけれども、東インド会社が自前で軍隊を持ったようなものなんだろうね。(正しいかどうかは確認しないといけないけれども)
あとは、軽微犯罪治安裁判所は無給判事(多分、地方の名士のボランティア)によるが、ただしロンドンは有給判事である、というあたりもなんか自治都市ロンドンの格の高さなのだろう。
MIXI日記 2010年02月13日 より
”Goverment and Administration of the United Kingdom”1952年版と56年の抄訳?)読んで少々。
イギリスの諸制度を紹介する本なんだけれども。まあ、王妃は王と同格になるが王配は女王より下になる(エディンバラ公ね)というような有名ところから、検死裁判所(Coroner's Court)とかスコットランドの奉行裁判所(The Sheriff Court)とか珍妙に見える組織名、中世以来の四季裁判(Court of Quater Session)、巡回裁判(Assize)、教会裁判所の大僧正裁判所(Provincial Court)と僧正裁判所(Consistory Court)が戦後も残っている点なんかが面白いところか。
ただね、警察組織にある『王立アルスター警備隊』(The Royal Ulster Constabulary)でチョットね。北アイルランドの警察組織なんだが、北アイルランド政府とベルファウスト諸団体のカンパで運営されているような書きぶり。「植民地の権力側が金を出し合って自警組織を作って、そのまま警察になったような感じなのかねぇ、嫌らしい」と考えたとき「何かに似ている」と気に掛かったのよネ。アトで気づいたのだけれども、東インド会社が自前で軍隊を持ったようなものなんだろうね。(正しいかどうかは確認しないといけないけれども)
あとは、軽微犯罪治安裁判所は無給判事(多分、地方の名士のボランティア)によるが、ただしロンドンは有給判事である、というあたりもなんか自治都市ロンドンの格の高さなのだろう。
MIXI日記 2010年02月13日 より
Category : 有職故実
『衆議院先例集』(昭和53年 衆議院)を職場でヒマツブシ読書。『解散』の項目に『解散の詔書は会議中であると否とを問わず伝達される』という項目でふと思いついた疑問。「天皇がいなければ国会は開けないんじゃないの?」
『国事行為』というオブラートで包まれているけれども、現行憲法においても、国会は天皇が召集するというスタイル。議員が勝手に集まっても、国会は開けない。天皇の「国会やるから集まれ」という詔書、まあ命令が必要。実際のところ、天皇が召集しない場合には国会は存在できない。内閣が依頼する「参議院の緊急集会」はあくまでも「集会」なわけだ。
あくまでも国会は天皇が命じて開催する会議なのよ。そして、天皇によって開催された会議だから、議事進行関係なく、天皇の都合により解散できる。少なくとも、形式的にはこうなっているのだろうね、と。
結局、国会の構造って帝国議会と同じなのよね。まあ『天皇の議会』と言っていいのではないか、と思う。
その帝国議会にしても、天皇大権の下にあることにはなっていたけれども、天皇は国家機関の一部としてしか機能しなかったわけで、議会に対する天皇の働きかけって、ぢつは戦前と全く変わっていないのではないかと考えてみたり
MIXI日記(2009年02月27日分)より転載
『国事行為』というオブラートで包まれているけれども、現行憲法においても、国会は天皇が召集するというスタイル。議員が勝手に集まっても、国会は開けない。天皇の「国会やるから集まれ」という詔書、まあ命令が必要。実際のところ、天皇が召集しない場合には国会は存在できない。内閣が依頼する「参議院の緊急集会」はあくまでも「集会」なわけだ。
あくまでも国会は天皇が命じて開催する会議なのよ。そして、天皇によって開催された会議だから、議事進行関係なく、天皇の都合により解散できる。少なくとも、形式的にはこうなっているのだろうね、と。
結局、国会の構造って帝国議会と同じなのよね。まあ『天皇の議会』と言っていいのではないか、と思う。
その帝国議会にしても、天皇大権の下にあることにはなっていたけれども、天皇は国家機関の一部としてしか機能しなかったわけで、議会に対する天皇の働きかけって、ぢつは戦前と全く変わっていないのではないかと考えてみたり
MIXI日記(2009年02月27日分)より転載
「中国が日本を狙っている」というネトウヨの妄想。その「根拠」としてよく引き合いに出される『2050年の国家戦略』と題した地図。"日本が中国の一部とされ、東海省と日本自治区に分割統治されている"という図版であり「中国外務省から流出した」との説明が附されている。ネトウヨの元締め、櫻井よしこが「中国脅威論の論拠」として挙げたことでネトウヨ界隈で出回っている。
この『2050年の国家戦略』、私の友人がその意味・内容を「コリャ、紅い『田中上奏文』だね」と適切に評した。内容も、性質も全くそのとおり、天下の偽書『田中上奏文』(参考:WIKI)そのものだ。ここで『田中上奏文』について細かく説明することは避けるが、内容に不自然な点があることでも『2050年の国家戦略』と同じだ。
そう『2050年の国家戦略』については不自然な点が多い。この図版を見て不自然に見えるのは(1)日本を取り込む優先度について、(2)沖縄の所属について、(3)東海省と朝鮮省の設置、(4)東海省と日本自治区の境界について、(5)直轄都市の不存在についての4点である。
(1)日本を取り込む優先度
この図版では、沿海州はロシアそのままになっている。中国の立場では「璦琿(アイグン)条約」は不平等条約であり、かつては「沿海州は未回収の中国」である(いまはロシアの一部と-不承不承であるにせよ-認めている)とされていた。沿海州こそ最優先であり、そこを放置して朝鮮半島や日本を取り込むとするのは歴史的経緯や中国の公定ナショナリズムから見て不自然である。さらに、沿海州は朝鮮半島や日本に較べ人口希薄であり、工業基盤もヨーロッパ・ロシアとの交通も配備兵力も貧弱である。中国にとって比較的簡単に回収できるだろう。
この図版では、沿海州をそのままにして、朝鮮半島や日本を奪おうとしている点、不自然である。
(2)沖縄の所属
同じく、この図版では、沖縄は東海省に含まれている。しかし、中国からすれば琉球はかつての朝貢国(しかも頻繁に来朝する「熟蛮」)であり、日本とは別個の王朝が成立し、日清戦争まで所属を争った係争の地である。加えて言えば、中華民国は「下関条約で台湾は引渡したが、琉球を日本の物と認めたわけではない」と主張していた。(未だに台湾では、日本ではないというニュアンスで「沖縄」ではなく「琉球」と称することがある)
新中国は「沖縄は日本の一部である」と黙認しているが、やはり歴史的な経緯、あるいはナショナリズムの方向としては「琉球は日本ではない」「琉球は中国の一部」という方向に流れる傾向があるだろう。
中国が日本を取り込み、国内に編入するとしよう。そのとき沖縄=琉球を「日本の一部」=「東海省」とするだろうか? 歴史的に中国では、台湾を大琉球と呼び、沖縄を小琉球と呼んだ事もある。台湾省の一部とされるか、あるいは「琉球族自治区」となるはずだろう。沖縄が東海省の一部となっていることは、この図版が中国で作られたとしたら、あまりにも不自然である。
(3)東海省と朝鮮省の設置
現在の中国では、少数民族対策として民族自治区を設定している。自治区が認められた少数民族の人口をみると最大のチワン族で1500万人、最小のチベット族で500万人である。朝鮮半島のコリアンは6000万人、日本の日本人は1億2000万人であり、最大の「少数民族」となる。当然、自治区設定が考慮されるはずである。
さらに「亡国の民」という立場を考慮すれば、従来の民族自治区以上の自治を、香港、あるいはそれ以上の独立性を持つ独立行政区の設置が自然となるはずだ。
この観点から図版を観察すれば、日本と朝鮮半島が民族自治区・特別行政区の対象となっていない点が不自然である。
(4)東海省と日本自治区の境界について
この図版では、東海省と日本自治区の境界線が奇妙な形で引かれている。フォッサ・マグナと略平行に、西50kmあたりを境界としているが、この境界線は現行の県境ではなく、旧「国」の境を踏襲している。東日本省は能登国-加賀国-越前国-美濃国-三河国を東縁にしている。図版を作った(おそらく)日本人の遊び心、あるいは「こだわり」が感じられる。
さらに、この境界線には本質的に不自然な点がある。中国にとって経済的な旨味である東海-関東地方を日本人自治区側に渡している点である。日本から収奪することを考えれば、経済的な旨味のある関東地方に自治は認めないだろう。東海省と日本人自治区を区画するとすれば、日本人自治区は辺境-低開発地域に限定されるはずである。日本人自治区は北海道-東北、あるいは北海道-北東北に限定されるのが自然だ。
東海省と日本自治区の境界線そのものが不自然なのである。
(5)直轄都市の不存在
この図版では、東京が直轄都市とされていない。
中国の中央政府の立場からすれば、政治的なコントロールや経済的な旨味から地方政府には渡さないはずである。中国の直轄都市の規模を考えれば、少なくとも東京圏(東京と横浜、あるいは横浜-さいたま市-千葉市の内側、もしくは東京通勤圏)は、地方政府から独立した「東京市」となるはずである。
この点、中国の制度上では不自然であり、中国外務省、つまり中央政府が作ったものとしてはおかしな点である。
『2050年の国家戦略』の内容には、中国歴史的経緯や主張、国内制度が反映されていないのだ。パッと見てこれだけの不自然な点がある、信憑性は疑って然るべきだろう。特に沖縄が東海省に属し、民族自治区との境界線が旧国の境である点、この地図を作成したものが日本人による偽書である点を伺わせるものである。
作成者については、真性の酷使様が義憤により捏造したものか、あるいは、愉快犯がネトウヨを釣ろうとしたものかを判断することはできない。しかし、それに「情報強者」であるはずのネトウヨがマンマと乗せられれ「緊急拡散」※したことは、真に受けたネトウヨの知的水準の低さの証左である。
また、持論の根拠として使用した「保守派論客」についても、信じていれば知性の低さを、知らないでいるのなら誠実さを疑われるべきだろう。ネットでの紹介を見る限りは、櫻井よしこは「…と言われている」「事実であるとすれば」とエクスキューズしている点、捏造を知っていながらデマを流した点で後者であり、その誠実さを疑われるだろう。
※ 既に「ゆとり(笑)」なみに脱構築された言葉であるが
隅田金属日誌の関連日記:
【無根拠】「このままでは日本が侵略される…」という煽り
アメリカのネトウヨ
この『2050年の国家戦略』、私の友人がその意味・内容を「コリャ、紅い『田中上奏文』だね」と適切に評した。内容も、性質も全くそのとおり、天下の偽書『田中上奏文』(参考:WIKI)そのものだ。ここで『田中上奏文』について細かく説明することは避けるが、内容に不自然な点があることでも『2050年の国家戦略』と同じだ。
そう『2050年の国家戦略』については不自然な点が多い。この図版を見て不自然に見えるのは(1)日本を取り込む優先度について、(2)沖縄の所属について、(3)東海省と朝鮮省の設置、(4)東海省と日本自治区の境界について、(5)直轄都市の不存在についての4点である。
(1)日本を取り込む優先度
この図版では、沿海州はロシアそのままになっている。中国の立場では「璦琿(アイグン)条約」は不平等条約であり、かつては「沿海州は未回収の中国」である(いまはロシアの一部と-不承不承であるにせよ-認めている)とされていた。沿海州こそ最優先であり、そこを放置して朝鮮半島や日本を取り込むとするのは歴史的経緯や中国の公定ナショナリズムから見て不自然である。さらに、沿海州は朝鮮半島や日本に較べ人口希薄であり、工業基盤もヨーロッパ・ロシアとの交通も配備兵力も貧弱である。中国にとって比較的簡単に回収できるだろう。
この図版では、沿海州をそのままにして、朝鮮半島や日本を奪おうとしている点、不自然である。
(2)沖縄の所属
同じく、この図版では、沖縄は東海省に含まれている。しかし、中国からすれば琉球はかつての朝貢国(しかも頻繁に来朝する「熟蛮」)であり、日本とは別個の王朝が成立し、日清戦争まで所属を争った係争の地である。加えて言えば、中華民国は「下関条約で台湾は引渡したが、琉球を日本の物と認めたわけではない」と主張していた。(未だに台湾では、日本ではないというニュアンスで「沖縄」ではなく「琉球」と称することがある)
新中国は「沖縄は日本の一部である」と黙認しているが、やはり歴史的な経緯、あるいはナショナリズムの方向としては「琉球は日本ではない」「琉球は中国の一部」という方向に流れる傾向があるだろう。
中国が日本を取り込み、国内に編入するとしよう。そのとき沖縄=琉球を「日本の一部」=「東海省」とするだろうか? 歴史的に中国では、台湾を大琉球と呼び、沖縄を小琉球と呼んだ事もある。台湾省の一部とされるか、あるいは「琉球族自治区」となるはずだろう。沖縄が東海省の一部となっていることは、この図版が中国で作られたとしたら、あまりにも不自然である。
(3)東海省と朝鮮省の設置
現在の中国では、少数民族対策として民族自治区を設定している。自治区が認められた少数民族の人口をみると最大のチワン族で1500万人、最小のチベット族で500万人である。朝鮮半島のコリアンは6000万人、日本の日本人は1億2000万人であり、最大の「少数民族」となる。当然、自治区設定が考慮されるはずである。
さらに「亡国の民」という立場を考慮すれば、従来の民族自治区以上の自治を、香港、あるいはそれ以上の独立性を持つ独立行政区の設置が自然となるはずだ。
この観点から図版を観察すれば、日本と朝鮮半島が民族自治区・特別行政区の対象となっていない点が不自然である。
(4)東海省と日本自治区の境界について
この図版では、東海省と日本自治区の境界線が奇妙な形で引かれている。フォッサ・マグナと略平行に、西50kmあたりを境界としているが、この境界線は現行の県境ではなく、旧「国」の境を踏襲している。東日本省は能登国-加賀国-越前国-美濃国-三河国を東縁にしている。図版を作った(おそらく)日本人の遊び心、あるいは「こだわり」が感じられる。
さらに、この境界線には本質的に不自然な点がある。中国にとって経済的な旨味である東海-関東地方を日本人自治区側に渡している点である。日本から収奪することを考えれば、経済的な旨味のある関東地方に自治は認めないだろう。東海省と日本人自治区を区画するとすれば、日本人自治区は辺境-低開発地域に限定されるはずである。日本人自治区は北海道-東北、あるいは北海道-北東北に限定されるのが自然だ。
東海省と日本自治区の境界線そのものが不自然なのである。
(5)直轄都市の不存在
この図版では、東京が直轄都市とされていない。
中国の中央政府の立場からすれば、政治的なコントロールや経済的な旨味から地方政府には渡さないはずである。中国の直轄都市の規模を考えれば、少なくとも東京圏(東京と横浜、あるいは横浜-さいたま市-千葉市の内側、もしくは東京通勤圏)は、地方政府から独立した「東京市」となるはずである。
この点、中国の制度上では不自然であり、中国外務省、つまり中央政府が作ったものとしてはおかしな点である。
『2050年の国家戦略』の内容には、中国歴史的経緯や主張、国内制度が反映されていないのだ。パッと見てこれだけの不自然な点がある、信憑性は疑って然るべきだろう。特に沖縄が東海省に属し、民族自治区との境界線が旧国の境である点、この地図を作成したものが日本人による偽書である点を伺わせるものである。
作成者については、真性の酷使様が義憤により捏造したものか、あるいは、愉快犯がネトウヨを釣ろうとしたものかを判断することはできない。しかし、それに「情報強者」であるはずのネトウヨがマンマと乗せられれ「緊急拡散」※したことは、真に受けたネトウヨの知的水準の低さの証左である。
また、持論の根拠として使用した「保守派論客」についても、信じていれば知性の低さを、知らないでいるのなら誠実さを疑われるべきだろう。ネットでの紹介を見る限りは、櫻井よしこは「…と言われている」「事実であるとすれば」とエクスキューズしている点、捏造を知っていながらデマを流した点で後者であり、その誠実さを疑われるだろう。
※ 既に「ゆとり(笑)」なみに脱構築された言葉であるが
隅田金属日誌の関連日記:
【無根拠】「このままでは日本が侵略される…」という煽り
アメリカのネトウヨ
Category : オカルト
こっちから向こうは見えるけれども、向こうからこっちは見えない。
相手には気づかれていないことが必要だし、その観察の一方向性があるから、「覗く」行為には快楽、愉悦に似たものが生じる。
初期のエロ写真、エロ映画なんかでも、わざわざ鍵穴のマスクを作って、その中にエロスを放り込むことによって、エロさを倍加させているわけだ。エロにも限らず、「覗く」ことの一方向性によって、観察者は好奇心や興味を書き立てられる。
しかし、その一方向性が崩れたときに、観察者は狼狽する。たとえ観察が合法であり、なんら咎めだてされない行為であっても、暴かれたことによって観察者は優位から劣位の存在となってしまう。匿名者の匿名性が暴かれたとき、その名前が明らかとなったときも同じだろう。神話や民俗にも似たような例もあるだろう、オカルトものなんかでは、怪力乱神はその真名を知られることによって服従、使役されてしまうなんてパターンは結構ある。
というそのオカルトなんだが
<こわい話>狂った村人が村民を皆殺しにして、「地図から消えた幻の杉沢村」
ホラーとしては良くできている。そう思って、なんでホラーがあるのかを考えた結果、冒頭のような結論に達したわけだ。これは、完全に「覗く」行為の一方向性が崩れ、観察者が対象に対して優位から劣位に遷るときの恐怖を利用したものだろう。
まあ、最初に面白いと思ったのは
> 双眼鏡で見てみたら全裸でガリガリに痩せた子供みたいな奴が、
> 満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。
というところ。
いや、マンガや小説、映画に登場する双眼鏡や望遠鏡への過剰な期待が見事に現れているのですよ。
7倍~10倍の双眼鏡では、自転車に乗った人間の表情なんてわからない。10倍~20倍の双眼鏡では、視野が狭く、手ブレで自転車の追尾なんか、詳細な観察を継続しながら不可能だろう。まして夜だもの、そんなにクッキリ見えやしない。
とはいえ、この手のガジェットで絵的には(おはなしや文章であっても)面白くなるのだから、ウソでも楽しめればいいのでしょう。
(「ジャッカルの日」で、スコープに入る標的がドゴール風じゃないとね、実際人間の頭なんて粟粒大にしか見えないけれどもさ)
MIXIの2010年02月21日日記から転載
相手には気づかれていないことが必要だし、その観察の一方向性があるから、「覗く」行為には快楽、愉悦に似たものが生じる。
初期のエロ写真、エロ映画なんかでも、わざわざ鍵穴のマスクを作って、その中にエロスを放り込むことによって、エロさを倍加させているわけだ。エロにも限らず、「覗く」ことの一方向性によって、観察者は好奇心や興味を書き立てられる。
しかし、その一方向性が崩れたときに、観察者は狼狽する。たとえ観察が合法であり、なんら咎めだてされない行為であっても、暴かれたことによって観察者は優位から劣位の存在となってしまう。匿名者の匿名性が暴かれたとき、その名前が明らかとなったときも同じだろう。神話や民俗にも似たような例もあるだろう、オカルトものなんかでは、怪力乱神はその真名を知られることによって服従、使役されてしまうなんてパターンは結構ある。
というそのオカルトなんだが
<こわい話>狂った村人が村民を皆殺しにして、「地図から消えた幻の杉沢村」
884 名前: 下敷き(宮崎県)[] 投稿日:2010/02/13(土) 11:28:20.96dHOZKod/
漏れにはちょっと変な趣味があった。
その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出て
そこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること。
いつもとは違う、静まり返った街を観察するのが楽しい。
遠くに見えるおおきな給水タンクとか、
酔っ払いを乗せて坂道を登っていくタクシーとか、
ぽつんと佇むまぶしい自動販売機なんかを見ていると妙にワクワクしてくる。
漏れの家の西側には長い坂道があって、
それがまっすぐ漏れの家の方に向って下ってくる。
だから屋上から西側に目をやれば、
その坂道の全体を正面から視界に納めることができるようになってるわけね。
その坂道の脇に設置されてる自動販売機を
双眼鏡で見ながら「あ、大きな蛾が飛んでるな~」なんて思っていたら、
坂道の一番上のほうから物凄い勢いで下ってくる奴がいた。
「なんだ?」と思って双眼鏡で見てみたら全裸でガリガリに痩せた子供みたいな奴が、
満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。
奴はあきらかにこっちの存在に気付いているし、漏れと目も合いっぱなし。
ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけど、
なんだか凄くヤバイことになりそうな気がして、急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだ。
885 名前: 下敷き(宮崎県)[] 投稿日:2010/02/13(土) 11:29:56.83dHOZKod/
ドアを閉めて、鍵をかけて「うわーどうしようどうしよう、なんだよあれ!!」って怯えていたら、
ズダダダダダダッって屋上への階段を上る音が。明らかに漏れを探してる。
「凄いやばいことになっちゃったよ、どうしよう、まじで、なんだよあれ」って心の中でつぶやきながら、
声を潜めて物音を立てないように、リビングの真中でアイロン(武器)を両手で握って構えてた。
しばらくしたら、今度は階段をズダダダダッって下りる音。
もう、バカになりそうなくらいガタガタ震えていたら、
ドアをダンダンダンダンダンダン!!って叩いて、
チャイムをピンポンピンポン!ピポポン!ピポン!!と鳴らしてくる。
「ウッ、ンーッ!ウッ、ンーッ!」って感じで、奴のうめき声も聴こえる。
心臓が一瞬とまって、物凄い勢い脈打ち始めた。
さらにガクガク震えながら息を潜めていると、
数十秒くらいでノックもチャイムもうめき声止んで、元の静かな状態に……。
それでも当然、緊張が解けるわけがなく、日が昇るまでアイロンを構えて硬直していた。
あいつはいったい何者だったんだ。
もう二度と夜中に双眼鏡なんか覗かない。
ホラーとしては良くできている。そう思って、なんでホラーがあるのかを考えた結果、冒頭のような結論に達したわけだ。これは、完全に「覗く」行為の一方向性が崩れ、観察者が対象に対して優位から劣位に遷るときの恐怖を利用したものだろう。
まあ、最初に面白いと思ったのは
> 双眼鏡で見てみたら全裸でガリガリに痩せた子供みたいな奴が、
> 満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。
というところ。
いや、マンガや小説、映画に登場する双眼鏡や望遠鏡への過剰な期待が見事に現れているのですよ。
7倍~10倍の双眼鏡では、自転車に乗った人間の表情なんてわからない。10倍~20倍の双眼鏡では、視野が狭く、手ブレで自転車の追尾なんか、詳細な観察を継続しながら不可能だろう。まして夜だもの、そんなにクッキリ見えやしない。
とはいえ、この手のガジェットで絵的には(おはなしや文章であっても)面白くなるのだから、ウソでも楽しめればいいのでしょう。
(「ジャッカルの日」で、スコープに入る標的がドゴール風じゃないとね、実際人間の頭なんて粟粒大にしか見えないけれどもさ)
MIXIの2010年02月21日日記から転載
Category : ミリタリー
明末の技術書、『天工開物』(宋應星 平凡社東洋文庫版)の中で気になったところ。
黒色薬の製法なのだが。
コレって、爆速と爆圧の事じゃないの?
爆速を上げたければ、硝石を増やして爆轟のスピードをあげる。
爆圧を上げたければ、硫黄を増やしてカロリーと発生ガス量を稼ぐ。
ってことじゃないのかな。
化学的にあっているかどうか怪しいけれども、配合比を変えたりした結果、そういう傾向にあるということを突き止め、それを発射薬用、爆薬用と表現したのではないか?
「硝石の性質は真っ直ぐ…」とか理学っぽい(儒教のほうね)感じだし、「原典のニュアンスどうよ」と、版本に当たってみたのだが、やっぱり発射薬と爆薬っぽい感じ。
『消性主直、直撃者消九而硫一。硫性主横、爆撃者消七而硫三。』
(九大デジタルアーカイブ該当部分より、句読点は文谷)
この『天工開物』の兵器の部、地雷や機雷、擲弾の親玉みたいな武器も出ている。爆撃=「炸薬としての爆薬」って意味ならば、7:3の配合は爆圧重視なのかもしれない。
まあ、硝石の節約策の可能性もあるのだけれども。
↓版本(九大デジタルアーカイブ)へのリンク
地雷=地雷(導火線式)、機雷=混紅龍(導火線管制式水中上向砲?)
擲弾=万人敵(桶の中に火薬をいれて投擲する)
黒色薬の製法なのだが。
『硝石の性質は真直に飛ぶのが特徴である。
だから直撃する火薬の成分は硝石九で硫黄が1である。
硫黄の性質は横に広がるるのが特徴であるから、
爆撃する火薬の成分は硝石が七で硫黄が三である』(302頁)
コレって、爆速と爆圧の事じゃないの?
爆速を上げたければ、硝石を増やして爆轟のスピードをあげる。
爆圧を上げたければ、硫黄を増やしてカロリーと発生ガス量を稼ぐ。
ってことじゃないのかな。
化学的にあっているかどうか怪しいけれども、配合比を変えたりした結果、そういう傾向にあるということを突き止め、それを発射薬用、爆薬用と表現したのではないか?
「硝石の性質は真っ直ぐ…」とか理学っぽい(儒教のほうね)感じだし、「原典のニュアンスどうよ」と、版本に当たってみたのだが、やっぱり発射薬と爆薬っぽい感じ。
『消性主直、直撃者消九而硫一。硫性主横、爆撃者消七而硫三。』
(九大デジタルアーカイブ該当部分より、句読点は文谷)
この『天工開物』の兵器の部、地雷や機雷、擲弾の親玉みたいな武器も出ている。爆撃=「炸薬としての爆薬」って意味ならば、7:3の配合は爆圧重視なのかもしれない。
まあ、硝石の節約策の可能性もあるのだけれども。
↓版本(九大デジタルアーカイブ)へのリンク
地雷=地雷(導火線式)、機雷=混紅龍(導火線管制式水中上向砲?)
擲弾=万人敵(桶の中に火薬をいれて投擲する)
Category : ネトウヨ批判
「緊急拡散」って言葉、すでに脱構築されているね。
「世間の人に広く伝えよう」という意味で使っているんだろうけれども、見つけた方は「デマかもしれないから気をつけよう」って差し引くようになっている。本来の意味から変化した、脱構築された点で「ゆとり教育」の意味が、「ゆとり教育(w)」になったのと同じ。その「緊急拡散」の実態にしたところで、単にネトウヨの閉じたサークル、その中の回覧板程度の怪文書にすぎないわけだ。まあ脱構築もされるというものだ。
この手のマルチポスト、2chからも排除されたようだし、mixiでも「相手にされず、馬鹿にされ」なんだけれども。それにも関わらネトウヨは未だに「緊急拡散」w だものね。世間が全然見えていないというこった。
「世間の人に広く伝えよう」という意味で使っているんだろうけれども、見つけた方は「デマかもしれないから気をつけよう」って差し引くようになっている。本来の意味から変化した、脱構築された点で「ゆとり教育」の意味が、「ゆとり教育(w)」になったのと同じ。その「緊急拡散」の実態にしたところで、単にネトウヨの閉じたサークル、その中の回覧板程度の怪文書にすぎないわけだ。まあ脱構築もされるというものだ。
この手のマルチポスト、2chからも排除されたようだし、mixiでも「相手にされず、馬鹿にされ」なんだけれども。それにも関わらネトウヨは未だに「緊急拡散」w だものね。世間が全然見えていないというこった。
Category : ミリタリー
戦闘機開発に「最強」を求める必要はあるのでしょうか
領空防備と防空だけなら、要撃管制さえできれば、ホークやF-5やF-8やF-104でもいいような気がします。基本的に中小国をイメージしてもらえればよいのですが、日本でも防空専従任務なら、F104でも充分でしょう。
いや、某正面用には、遠距離での行動にはF15や支援戦闘機が必要でしょうが、それ以外の単純なアラート任務(太平洋側とか)なら、F104でも問題はないでしょう。武器も普段使いはガンとサイドワインダー・AAM3程度だろうし、本格的な防空戦をするときには、AMRAAMやAM4を積めばよいでしょう。対艦攻撃能力についても、西ドイツのF104はコルラモンと搭載しました。だからASMも積めるでしょう
だから、FXとして、F104/2000みたいな機体があっても良いと思うのです。
開発の手間から、空力形状はかつてのF104をそのまま踏襲する。でも、マッハ1.6以上は必要ないので、ショックコーンは不要だし、フレームについても、安全側に振りながらも単純分割とする。
エンジンはJ79からF110に変えて燃費を良くする。内装備については、エンジンや電子整備の整備性向上だけを企画する。
レーダーは、基本的には管制からもリンク任せで、最低の測距と追尾能力に留める。退役するF4改あたりから引っぺがしたAGP65でもよい。(レドームがプックリ膨らむけど)
開発も調達も維持費も安くて、ソコソコな機体ができると思うのですが、どうでしょう。
領空防備と防空だけなら、要撃管制さえできれば、ホークやF-5やF-8やF-104でもいいような気がします。基本的に中小国をイメージしてもらえればよいのですが、日本でも防空専従任務なら、F104でも充分でしょう。
いや、某正面用には、遠距離での行動にはF15や支援戦闘機が必要でしょうが、それ以外の単純なアラート任務(太平洋側とか)なら、F104でも問題はないでしょう。武器も普段使いはガンとサイドワインダー・AAM3程度だろうし、本格的な防空戦をするときには、AMRAAMやAM4を積めばよいでしょう。対艦攻撃能力についても、西ドイツのF104はコルラモンと搭載しました。だからASMも積めるでしょう
だから、FXとして、F104/2000みたいな機体があっても良いと思うのです。
開発の手間から、空力形状はかつてのF104をそのまま踏襲する。でも、マッハ1.6以上は必要ないので、ショックコーンは不要だし、フレームについても、安全側に振りながらも単純分割とする。
エンジンはJ79からF110に変えて燃費を良くする。内装備については、エンジンや電子整備の整備性向上だけを企画する。
レーダーは、基本的には管制からもリンク任せで、最低の測距と追尾能力に留める。退役するF4改あたりから引っぺがしたAGP65でもよい。(レドームがプックリ膨らむけど)
開発も調達も維持費も安くて、ソコソコな機体ができると思うのですが、どうでしょう。
Category : ミリタリー
香港の雑誌『鏡報』5月号で発見。まあ、さらにいえば『文匯報』からの孫引きなんだけれども。
インド軍が世界一辛い唐辛子を「非致死性兵器」として採用する模様。アッサム産の「魔鬼辣椒」、ジョロキアを粉末にして詰めるよらしい。江戸時代の捕物道具『目潰し』(卵の殻に唐辛子を詰める)のリバイバルとみて差し支えないだろう。
この手榴弾、中文版では「テロ分子を窒息させる」とあるが、日本語とはニュアンスが違い「息をできなくさせる」程度の意味らしい。「無毒」とあるけど、まあ吸い込んだら当座はエライ目で無効化されるだろうね。後遺症が残らないといった意味での「無毒」なんだろう。
インドの新聞で検索すると
http://timesofindia.indiatimes.com/india/The-chilli-hand-grenade-is-ready-to-explode/articleshow/5696693.cms
あたり。
威力は『現地では象を追い払うのに使っている』とか『1kg当たりのコストが300ルピー(600円)』なんて書いてある。催涙ガスや純粋カプサイシンの方が効果はあるのだろうが、安くてそれなりに実用性があるといったあたりが採用する理由なのだろう。
画像は検索で出てこないけれども、中文では「長さ(高さ)3インチ」とある。円筒形かベースボールタイプなのだろう。
インド軍が世界一辛い唐辛子を「非致死性兵器」として採用する模様。アッサム産の「魔鬼辣椒」、ジョロキアを粉末にして詰めるよらしい。江戸時代の捕物道具『目潰し』(卵の殻に唐辛子を詰める)のリバイバルとみて差し支えないだろう。
この手榴弾、中文版では「テロ分子を窒息させる」とあるが、日本語とはニュアンスが違い「息をできなくさせる」程度の意味らしい。「無毒」とあるけど、まあ吸い込んだら当座はエライ目で無効化されるだろうね。後遺症が残らないといった意味での「無毒」なんだろう。
インドの新聞で検索すると
http://timesofindia.indiatimes.com/india/The-chilli-hand-grenade-is-ready-to-explode/articleshow/5696693.cms
あたり。
威力は『現地では象を追い払うのに使っている』とか『1kg当たりのコストが300ルピー(600円)』なんて書いてある。催涙ガスや純粋カプサイシンの方が効果はあるのだろうが、安くてそれなりに実用性があるといったあたりが採用する理由なのだろう。
画像は検索で出てこないけれども、中文では「長さ(高さ)3インチ」とある。円筒形かベースボールタイプなのだろう。
10式戦車って要らなくね?
90式に対するアドバンテージが「軽くなった」ことだけだもの。攻防走の性能は概略そのままだしね。『市街地戦やゲリコマ対処…』なんていっているけど、そんなの相手は歩兵でしょう、74式で充分でしょ。
内地での運用にしたところでね、まず日本に着上陸かませる国ってある?米国だけですよ。さらに、米軍にしても本土決戦準備そのものの陸自や、正味防空軍である空自を排除するのは容易ではない。それ以外の国は、日本を指向できるような渡洋侵攻能力を持っていませんよ。
他の国についてもね。まず軍事的能力だけみても、日本に着上陸する能力は持っていません。
北方領土や樺太のロシア軍は、アレは日本に攻められるのを警戒して貼り付いているだけ。両用戦艦艇は貧弱。なによりも沿海州以東にまともな交通路がないので大規模な作戦活動そのものはできないでしょう。
中国軍は、まずは台湾があるし、その台湾を屈服させられるかどうかも疑問。両用戦艦艇も航空戦力も質量とも不足。
北朝鮮軍は、何ができるのw 国内の移動にしてもままならない軍隊ですよ。
政治的なことは抜きにして列挙するとして、韓国軍は多少の渡洋侵攻能力(渡海、程度だね)を持っているけど、日本の沿岸防衛を突破できないだろう。太平洋戦争末期のトラウマが作った日本陸海空自衛隊の対艦打撃力は韓国海空軍では飽和してしまう。さらに、沿岸防衛を奇跡的に突破しても、日本の沿岸を制圧する火力もない。上がれたにしても、以降の補給や増強船団は日本陸海空自衛隊の対艦打撃力に晒される。
台湾も韓国と同じ。装備の水準的にはむしろ少々低い。
この状況だもの、まず敵は上がれないのですよ。さらに、想定される上陸部隊の敵戦車も多寡が知れている。だいたい戦車は第一波で上がってくるものではない。第二波以降のことになるし、下手すりゃLSTとかでビーチングできるようになってから初めて上がってくる。その仕事も、移動トーチカ/トーチカ粉砕火力が期待されてのもの。日本の戦車を警戒してというのは副次的な目的でしょう。そもそも、上陸戦に成功しているということは航空優勢を確保しているわけだから、そんなことは考えなくてよい。実際に各国の海兵隊/陸戦隊/海軍歩兵の戦車はほとんど旧型。ソ連海軍歩兵の戦車なんてT-55のまま。数も少ない。10式を必要とするような敵新鋭戦車が上がってくるのは、内陸侵攻(さらに難しく、ありえない設定だけれども)の時期以降だけれども、その前に陸自は海岸に戦車を突入させるだろうから、10式は残らないだろう。
まあ、陸自の理屈では、全国から戦車をスイングして対抗する、そこに新鋭戦車に対抗できる10式は不可欠になるのだろうけれどもね。でもね、内地で内陸の機動戦ってできるものかね? 内地の平野は狭い。水田が占める平野部では、田んぼに水を引いている間は戦車は機動を阻害される。対戦車崖のような3面張り河川や用水路も巡らされている。都市化も進んでいる…戦車って出る幕無くね?
まあ、国土防衛は74式で充分でしょうということです。沿岸防衛を頑張っている台湾を見てご覧なさい、戦車はM48で済ませて、それよりも海空戦力や防空力の強化に力を注いでいるでしょう。沿岸防衛の戦車なんて「あれば充分」なんですよ。
いま流行りの海外派遣を考えたとしても、それなら重量的に余地のある90式でしょう。10式戦車は90式と同等の防御力を持つ事になっていますけれども、増加装甲をつけたら90式の方が防御力は上ですからね。
とにかくねえ、10式戦車って中途半端なんですよ。富士学校分を作ってオシマイでいいんじゃないですかね。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010061400736
90式に対するアドバンテージが「軽くなった」ことだけだもの。攻防走の性能は概略そのままだしね。『市街地戦やゲリコマ対処…』なんていっているけど、そんなの相手は歩兵でしょう、74式で充分でしょ。
内地での運用にしたところでね、まず日本に着上陸かませる国ってある?米国だけですよ。さらに、米軍にしても本土決戦準備そのものの陸自や、正味防空軍である空自を排除するのは容易ではない。それ以外の国は、日本を指向できるような渡洋侵攻能力を持っていませんよ。
他の国についてもね。まず軍事的能力だけみても、日本に着上陸する能力は持っていません。
北方領土や樺太のロシア軍は、アレは日本に攻められるのを警戒して貼り付いているだけ。両用戦艦艇は貧弱。なによりも沿海州以東にまともな交通路がないので大規模な作戦活動そのものはできないでしょう。
中国軍は、まずは台湾があるし、その台湾を屈服させられるかどうかも疑問。両用戦艦艇も航空戦力も質量とも不足。
北朝鮮軍は、何ができるのw 国内の移動にしてもままならない軍隊ですよ。
政治的なことは抜きにして列挙するとして、韓国軍は多少の渡洋侵攻能力(渡海、程度だね)を持っているけど、日本の沿岸防衛を突破できないだろう。太平洋戦争末期のトラウマが作った日本陸海空自衛隊の対艦打撃力は韓国海空軍では飽和してしまう。さらに、沿岸防衛を奇跡的に突破しても、日本の沿岸を制圧する火力もない。上がれたにしても、以降の補給や増強船団は日本陸海空自衛隊の対艦打撃力に晒される。
台湾も韓国と同じ。装備の水準的にはむしろ少々低い。
この状況だもの、まず敵は上がれないのですよ。さらに、想定される上陸部隊の敵戦車も多寡が知れている。だいたい戦車は第一波で上がってくるものではない。第二波以降のことになるし、下手すりゃLSTとかでビーチングできるようになってから初めて上がってくる。その仕事も、移動トーチカ/トーチカ粉砕火力が期待されてのもの。日本の戦車を警戒してというのは副次的な目的でしょう。そもそも、上陸戦に成功しているということは航空優勢を確保しているわけだから、そんなことは考えなくてよい。実際に各国の海兵隊/陸戦隊/海軍歩兵の戦車はほとんど旧型。ソ連海軍歩兵の戦車なんてT-55のまま。数も少ない。10式を必要とするような敵新鋭戦車が上がってくるのは、内陸侵攻(さらに難しく、ありえない設定だけれども)の時期以降だけれども、その前に陸自は海岸に戦車を突入させるだろうから、10式は残らないだろう。
まあ、陸自の理屈では、全国から戦車をスイングして対抗する、そこに新鋭戦車に対抗できる10式は不可欠になるのだろうけれどもね。でもね、内地で内陸の機動戦ってできるものかね? 内地の平野は狭い。水田が占める平野部では、田んぼに水を引いている間は戦車は機動を阻害される。対戦車崖のような3面張り河川や用水路も巡らされている。都市化も進んでいる…戦車って出る幕無くね?
まあ、国土防衛は74式で充分でしょうということです。沿岸防衛を頑張っている台湾を見てご覧なさい、戦車はM48で済ませて、それよりも海空戦力や防空力の強化に力を注いでいるでしょう。沿岸防衛の戦車なんて「あれば充分」なんですよ。
いま流行りの海外派遣を考えたとしても、それなら重量的に余地のある90式でしょう。10式戦車は90式と同等の防御力を持つ事になっていますけれども、増加装甲をつけたら90式の方が防御力は上ですからね。
とにかくねえ、10式戦車って中途半端なんですよ。富士学校分を作ってオシマイでいいんじゃないですかね。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010061400736
Category : ミリタリー
シンガポールの防衛産業、CIS社。あまりお金のない国に、上手に新品売っているみたい。
そのイチオシの機関銃ウルティマックス(Ultimax)だけれども、その採用国をみると見事にお金のない国が多い。ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、キプロス、フィジー、ホンジュラス、インドネシア、モロッコ、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、シンガポール、ソロモン諸島、スリランカ、ウルグアイ(http://en.wikipedia.org/wiki/Ultimaxより)
もちろん、分隊支援とか後方部隊用として使うのならともかく。正規の汎用機関銃として採用するのはチョットしょっぱいね。まあ、新型小銃SAR21も、そういう国に売り込んでいるのだけれども。
CIS社って「冷戦期に供与された東西小火器のリプレース市場」を狙っているんじゃないかね。「Ultimax 100」なんて、自動小銃に交換可能なヘビーバレルを取り付けたようなもの。弾倉式だから、採用国からすれば、BARやブレンやデグチャレフの代替品。
採用のいきさつも
・ 既存の機関銃は経年劣化で動作不良が増えている
・ 交換部品もなくなってきている
・ 機関銃の信頼性が担保されない(信頼性が命なのに…)
・ しかし、汎用機関銃(ベルト式)は高くて揃えられない
・ でも、機関銃がないと陸戦はなりたたない
→ ウルティマックス「で」いいや
ではないかと。
・ お金はないけど、新品で信頼性のある機関銃が欲しい。
・ 信頼性があればベルト給弾でなくても、弾装給弾式でもいいや
という「バターが買えないからマーガリン」的な採用経緯じゃあないかな。弾倉式ならベルト給弾式よりも安くて(さらに軽くて)信頼性もある機関銃を作れる。もともと持っている機関銃が弾倉式ならば、BARやブレンやデグチャレフだったら、ベルト給弾にこだわる必要もないだろう。逆に、弾倉式でも100発入る(223口径だからね)のだから、それでOKと割り切っているのかもしれない。
この弾倉の値段だが、20~40ドルくらいはすると思う。洋物の武器雑誌なんかに「M-16用120発マガジン」とかあるが、だいたいその値段。『弾倉は使い捨てが前提』(床井雅美さんの本から)にしては安くないけど、実際のところ戦闘でも余裕のある時、また平時には再利用するのだろう。(MIXI日記2008年06月27日より)
追記(当時のレス回答分に手を入れて)
おまけ
なんとなく思いついたのですが
「M16に加えて、新兵器ウルティマックスを装備し、意気揚々の対ゲリラ部隊が遂に敵部隊を包囲する、
223口径の断続的な射撃音、交互躍進を行う兵隊もどことなく悲壮感はない。
しかし、突然、前方からキツツキのような九二重機の響き、そして重擲の雨が部隊に降りかかる・・・」
…良好な旧日本軍装備のゲリラだったら、ウルティマックスでは絶対に撃ち負けでしょうね。
そのイチオシの機関銃ウルティマックス(Ultimax)だけれども、その採用国をみると見事にお金のない国が多い。ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、キプロス、フィジー、ホンジュラス、インドネシア、モロッコ、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、シンガポール、ソロモン諸島、スリランカ、ウルグアイ(http://en.wikipedia.org/wiki/Ultimaxより)
もちろん、分隊支援とか後方部隊用として使うのならともかく。正規の汎用機関銃として採用するのはチョットしょっぱいね。まあ、新型小銃SAR21も、そういう国に売り込んでいるのだけれども。
CIS社って「冷戦期に供与された東西小火器のリプレース市場」を狙っているんじゃないかね。「Ultimax 100」なんて、自動小銃に交換可能なヘビーバレルを取り付けたようなもの。弾倉式だから、採用国からすれば、BARやブレンやデグチャレフの代替品。
採用のいきさつも
・ 既存の機関銃は経年劣化で動作不良が増えている
・ 交換部品もなくなってきている
・ 機関銃の信頼性が担保されない(信頼性が命なのに…)
・ しかし、汎用機関銃(ベルト式)は高くて揃えられない
・ でも、機関銃がないと陸戦はなりたたない
→ ウルティマックス「で」いいや
ではないかと。
・ お金はないけど、新品で信頼性のある機関銃が欲しい。
・ 信頼性があればベルト給弾でなくても、弾装給弾式でもいいや
という「バターが買えないからマーガリン」的な採用経緯じゃあないかな。弾倉式ならベルト給弾式よりも安くて(さらに軽くて)信頼性もある機関銃を作れる。もともと持っている機関銃が弾倉式ならば、BARやブレンやデグチャレフだったら、ベルト給弾にこだわる必要もないだろう。逆に、弾倉式でも100発入る(223口径だからね)のだから、それでOKと割り切っているのかもしれない。
この弾倉の値段だが、20~40ドルくらいはすると思う。洋物の武器雑誌なんかに「M-16用120発マガジン」とかあるが、だいたいその値段。『弾倉は使い捨てが前提』(床井雅美さんの本から)にしては安くないけど、実際のところ戦闘でも余裕のある時、また平時には再利用するのだろう。(MIXI日記2008年06月27日より)
追記(当時のレス回答分に手を入れて)
機関銃の動作不良は、小銃とは比較にならないほどの問題ですからね。多少重くとも、旧式でもとにかくまともに動作する機関銃は必要になるのでしょう。あのM60で頑張った米軍であっても「信頼性」からFN-MAGそのもののM240に先祖がえりしている。大口径の必要性が出てきても、100年前のデザインであるM2重機の改修型M2QBCの再登場させているわけです。
機関銃は実用性が一番なんですよね。小銃なら別にアレでも構わない。それよりも見栄の問題が優先するのでしょう。自動小銃は、ある程度の国なら自国開発かつ自国生産する。多少兵隊が困っても、戦争で多少の不具合が出ても構わないのでしょう。毎回、尾栓を引かないといけないような実質単発式でも弾が出て、銃剣がつけばそれでいい。
でも、火力の根幹となる機関銃についてはそういうわけもいかない。自国で開発して不具合が出る、熱をもつと固着するとか、銃身と機框部に相性があるとか、すぐに単発式機関銃となってしまうとなると、陸戦そのものに差し障ってしまう。
もともと小銃と機関銃では、工作精度が段違い、機関銃は段違いに高級らしいのです。ですから当然値段も段違い。でもないとどうしようもない。
…そこに付け入ったのがCISなのでしょう。一番めんどくさい、高信頼性が求められ高価になりがちなベルト式のフィード機構をオミットして、代わりに大容量の軽機用弾倉をつけることによって安価な機関銃を実現して売り出したというところではないかと。まあ「大容量の弾倉」なんて223口径だから可能だし、反動もマイルドだから安く作れたのであって、308NATOでは作れないのでしょうけど。(当然、火制距離も短くなっちゃうし)
これは完全に推測ですけど、フィリピン軍なんて「軍事同盟が緩くなってから、アメリカがロハでM60を供与してくれなくなったので、ウルティマックス購入した」といったあたりではないでしょうか。
まぁ、3点射・6点射で撃つ限りは、ZB26と同じくらいの信頼性はあるのでしょうね。
本当に、お金のない国向けですよね。そういった国の兵隊さんからすれば
「わーい、ウルティマックスだ、新品の機関銃なんて初めて交付されたヨ 」(*^ー゚)b
「軽ーいなー、ボクみたいな小兵でも扱いやすいネェ!」(・∀・)イイ!
「スゲー、引金引くと弾丸がズーっと出るΣ (゚Д゚;)
3発撃っらた弾が出なくなる旧式ブレンとは大違いだ」
って感じじゃないですかね。相手がAKとPRGしかもっていないゲリラなら、強力な新兵器になると思うのです。
しかし、相手がソビエト伝来のPKM機関銃とか、手入れの良いDShKとか持っていたら、絶対に撃ち負けしますよね。(文谷)
おまけ
なんとなく思いついたのですが
「M16に加えて、新兵器ウルティマックスを装備し、意気揚々の対ゲリラ部隊が遂に敵部隊を包囲する、
223口径の断続的な射撃音、交互躍進を行う兵隊もどことなく悲壮感はない。
しかし、突然、前方からキツツキのような九二重機の響き、そして重擲の雨が部隊に降りかかる・・・」
…良好な旧日本軍装備のゲリラだったら、ウルティマックスでは絶対に撃ち負けでしょうね。
日本のネトウヨ、韓国のネチズン、中国の憤青に加えて、アメリカにもネトウヨ風味は居るらしい。『クーリエ・ジャポン』の2010年7月号で発見。加えてチョイチョイ調べてみた。
とりあえず見つけたのが、オース・キーパー(Oath Keepers)という連中。ありえない事態をこねくり出しては自身のナショナリズムをこじらせているらしい。うーんネトウヨと同じ。
例えば「米国に侵略されたとき、米政府が侵攻軍に協力したら、米政府を許さない」(憲法上の権利として武装蜂起をするんだとさ)とかね、まあ、そんなことがあると信じているところもネトウヨと同じ。「ソ連に占領された祖国」というモチーフのドラマ「Amerika」を現実と混同している危機感なんだろうね。ちなみに「AMERIKA」では合衆国は12個に分割統治されるのだけれども「中国外務省から流出した"2050年の国家戦略"と題した地図」の「東海省と日本自治区に分割されている」という与太のネタ元じゃないのかな。
あと「オバマは米国生まれではない」(大統領となる権利がないと主張したいらしい)と主張しているのも、ネトウヨのよく言う「○○は××人」そのもの。「オバマは売国奴」というのも「売国○○」と全く同じで、ナショナリズムの想像がいきすぎて、自己と国家の同一化をやりすぎたせいだろう。
他にも「CIAに監視されている」(それならFBIじゃないの?)といった被害妄想も同じ。
生まれてくる構造も似ている「実際の社会での挫折をこじらせた結果」オース・キーパーになるらしい。軍隊に入ったけれども、体を壊して除隊。戦争に行って愛国者になるつもりが、故郷に帰る顔もないから国内で愛国者になろうと過激運動に身を投じるらしい。
日本のネトウヨと違って、外出して軍事訓練なんかしているらしいのだけれども、それを「まだ外に出るだけマシ」と評価するか、「○○に刃物」と見るかは微妙なところ。
ただ、この『クーリエ・ジャポン』の記事で、「国を裏切った連邦軍との戦いに備えて、ボルト・アクション・ライフルを買いたいが、5600ドルもするのでしばらく買えない」(大意)とあるのだけども。そこに違和感がある。誤訳じゃないのかな?
ボルト・アクション・ライフルなんて、実用上充分の高精度を持つレミントンM700でも500ドル~1500ドル程度で買えるはず。5000ドルなんて競技射撃やベンチレスト用の過剰精度品を買ったところで使い道もない。彼らの経済力では高精度弾(自作しかない)で練習なんかできないだろうし。
考えられるのは、単純に誤訳か、ツァイスあたりの高級スコープ込みか、あるいは「愛国者」君が「ボクには高精度銃が必要」と痛い勘違いしているかだろう。
とりあえず見つけたのが、オース・キーパー(Oath Keepers)という連中。ありえない事態をこねくり出しては自身のナショナリズムをこじらせているらしい。うーんネトウヨと同じ。
例えば「米国に侵略されたとき、米政府が侵攻軍に協力したら、米政府を許さない」(憲法上の権利として武装蜂起をするんだとさ)とかね、まあ、そんなことがあると信じているところもネトウヨと同じ。「ソ連に占領された祖国」というモチーフのドラマ「Amerika」を現実と混同している危機感なんだろうね。ちなみに「AMERIKA」では合衆国は12個に分割統治されるのだけれども「中国外務省から流出した"2050年の国家戦略"と題した地図」の「東海省と日本自治区に分割されている」という与太のネタ元じゃないのかな。
あと「オバマは米国生まれではない」(大統領となる権利がないと主張したいらしい)と主張しているのも、ネトウヨのよく言う「○○は××人」そのもの。「オバマは売国奴」というのも「売国○○」と全く同じで、ナショナリズムの想像がいきすぎて、自己と国家の同一化をやりすぎたせいだろう。
他にも「CIAに監視されている」(それならFBIじゃないの?)といった被害妄想も同じ。
生まれてくる構造も似ている「実際の社会での挫折をこじらせた結果」オース・キーパーになるらしい。軍隊に入ったけれども、体を壊して除隊。戦争に行って愛国者になるつもりが、故郷に帰る顔もないから国内で愛国者になろうと過激運動に身を投じるらしい。
日本のネトウヨと違って、外出して軍事訓練なんかしているらしいのだけれども、それを「まだ外に出るだけマシ」と評価するか、「○○に刃物」と見るかは微妙なところ。
ただ、この『クーリエ・ジャポン』の記事で、「国を裏切った連邦軍との戦いに備えて、ボルト・アクション・ライフルを買いたいが、5600ドルもするのでしばらく買えない」(大意)とあるのだけども。そこに違和感がある。誤訳じゃないのかな?
ボルト・アクション・ライフルなんて、実用上充分の高精度を持つレミントンM700でも500ドル~1500ドル程度で買えるはず。5000ドルなんて競技射撃やベンチレスト用の過剰精度品を買ったところで使い道もない。彼らの経済力では高精度弾(自作しかない)で練習なんかできないだろうし。
考えられるのは、単純に誤訳か、ツァイスあたりの高級スコープ込みか、あるいは「愛国者」君が「ボクには高精度銃が必要」と痛い勘違いしているかだろう。
米海軍協会(USNI)機関誌"Proceedings"2010年6月号で発見。記事名は"Alternative Fuels for the Navy "(Colonel Bill Siuru, U.S. Air Force (Retired))
米海軍がバイオ燃料でスーパーホーネットの飛行に成功したとのこと。燃料はJPー8とアブラナ(Camelina)ベースのバイオ燃料を50/50としたもの。前にB747で実験したものと同じ。
いまとのころ米軍(4軍あるいは5軍)としてはバイオ燃料化を推進するつもりらしい。まあ、原油価格が下がれば方向変換するだろうけれどもね。
記事によれば、海軍省、つまり海軍と海兵隊については、次のように5段階の目標を立てているとのこと。
1 2012年までに「グリーンパワー」のデモンストレーションをやる
グリーンパワーとは、核動力とバイオ燃料
2 2016年までに「グレート・グリーン・フリート」(Great white Fleetのモジリだろう)を洋上に出す
動力源はフネも飛行機もバイオ燃料で動かす
(エンタープライズ、トラクスタン、ベインブリッジの「原子力艦隊」で世界一周したアレと
同じデモンストレーションだろう)
3 2015年までに、50000両の非戦闘車両の動力をガソリン車から、
ハイブリッド、他燃料車、電気自動車に切り替える
(多分、国内ではまかない切れないから、プリウスとかインサイトとかも買うのだろうね)
4 2020年までに陸上施設の半分は代替燃料で、残り半分はゼロエミッションで運用する
5 2020年までに海軍省管轄(海軍と海兵隊)の艦艇・航空機・戦車・車両
・陸上施設(4からすれば、多分半分)は代替燃料で動かす
この記事でちょっと気になるのは、前の戦争でのドイツ人造石油には触れているのに旧帝日本のバイオ燃料に触れていないこと。大戦末期の日本軍では、砂糖由来のアルコール燃料は実用化されていたし、謎の松根油利用にも着手していたのだけれどもね。
米海軍がバイオ燃料でスーパーホーネットの飛行に成功したとのこと。燃料はJPー8とアブラナ(Camelina)ベースのバイオ燃料を50/50としたもの。前にB747で実験したものと同じ。
いまとのころ米軍(4軍あるいは5軍)としてはバイオ燃料化を推進するつもりらしい。まあ、原油価格が下がれば方向変換するだろうけれどもね。
記事によれば、海軍省、つまり海軍と海兵隊については、次のように5段階の目標を立てているとのこと。
1 2012年までに「グリーンパワー」のデモンストレーションをやる
グリーンパワーとは、核動力とバイオ燃料
2 2016年までに「グレート・グリーン・フリート」(Great white Fleetのモジリだろう)を洋上に出す
動力源はフネも飛行機もバイオ燃料で動かす
(エンタープライズ、トラクスタン、ベインブリッジの「原子力艦隊」で世界一周したアレと
同じデモンストレーションだろう)
3 2015年までに、50000両の非戦闘車両の動力をガソリン車から、
ハイブリッド、他燃料車、電気自動車に切り替える
(多分、国内ではまかない切れないから、プリウスとかインサイトとかも買うのだろうね)
4 2020年までに陸上施設の半分は代替燃料で、残り半分はゼロエミッションで運用する
5 2020年までに海軍省管轄(海軍と海兵隊)の艦艇・航空機・戦車・車両
・陸上施設(4からすれば、多分半分)は代替燃料で動かす
この記事でちょっと気になるのは、前の戦争でのドイツ人造石油には触れているのに旧帝日本のバイオ燃料に触れていないこと。大戦末期の日本軍では、砂糖由来のアルコール燃料は実用化されていたし、謎の松根油利用にも着手していたのだけれどもね。
Category : ミリタリー
『対日攻勢機雷敷設戦』"The Offensive Mine Laying Campaign Against Japan"より
Appendix C、Section Ⅰが、米潜水艦による機雷敷設戦。
・・・昭和17年10~12月に、本土沿岸に機雷入れられていることが判明!
太平洋は遮るものがないからネェ
石廊崎 ×19個 沈没×1(計8000t)、損傷×1(計2000t)
豊後水道 ×24個 効果なし
伊良湖水道 ×24個 損傷×2(1隻は4200t)
紀伊水道 ×24個 沈没×2(計5000t)、損傷×3(2隻で3400t)
このうち、石廊崎の沈没1隻は、敷設した米潜トリガーが見ている前で触雷した。機雷って随分と有効なんだね。
(2008年07月30日 MIXI日記より転載)
Appendix C、Section Ⅰが、米潜水艦による機雷敷設戦。
・・・昭和17年10~12月に、本土沿岸に機雷入れられていることが判明!
太平洋は遮るものがないからネェ
石廊崎 ×19個 沈没×1(計8000t)、損傷×1(計2000t)
豊後水道 ×24個 効果なし
伊良湖水道 ×24個 損傷×2(1隻は4200t)
紀伊水道 ×24個 沈没×2(計5000t)、損傷×3(2隻で3400t)
このうち、石廊崎の沈没1隻は、敷設した米潜トリガーが見ている前で触雷した。機雷って随分と有効なんだね。
(2008年07月30日 MIXI日記より転載)
Category : 昭和の新聞
昭末平初「コンニャク密輸事件」の記事があった。聞蔵(朝日新聞の検索機能)で調べると
・ コンニャクイモ密輸で食品会社などを起訴(1991年5月2日 朝日夕刊 17頁)
が出てきた。
しかし、最近の記事もゴロゴロ
・ こんにゃく粉、密輸入企てる 税関、容疑の業者告発(2010年1月23日 朝日朝刊 横浜地方31頁)
他にも、1996年、2000年、2003年にも記事になっている。
まだ自由化されていないわけだ。チョット調べると無茶苦茶な内外格差も見えてくる。
コンニャクイモは、中国では野地で勝手に生えているとかいう。割当を超えた関税率から逆算するとおそらく国産の1/17程度で買えるのだろう。ならば、密輸も続くというもの。
まあサトウキビとか、テンサイもそうだけど、採算が極度に悪化した作物をいつまで保護するつもりなのかね。
『財団法人 日本こんにゃく協会』のWEBを発見 http://www.konnyaku.or.jp/
読み物としては面白いいのだけれども、お金の出所を考えれば…こりゃ、ダメだわ
・ コンニャクイモ密輸で食品会社などを起訴(1991年5月2日 朝日夕刊 17頁)
が出てきた。
しかし、最近の記事もゴロゴロ
・ こんにゃく粉、密輸入企てる 税関、容疑の業者告発(2010年1月23日 朝日朝刊 横浜地方31頁)
他にも、1996年、2000年、2003年にも記事になっている。
まだ自由化されていないわけだ。チョット調べると無茶苦茶な内外格差も見えてくる。
国会会議録検索システムより http://kokkai.ndl.go.jp/
平成十九年三月二十九日(木曜日)参議院 財政金融委員会
○政府参考人(青山幸恭君) コンニャクイモでございますけれども、関税割当て制度の対象になっております。これはウルグアイ・ラウンドでいわゆる関税化された品目でございます。
関税率でございますが、関税割当てを受けて輸入されるものが四〇%、それ以外のものが二千七百九十六円、キログラム当たりということでございますが、二千七百九十六円ということでございます。
○富岡由紀夫君 パーセントでいうとどのぐらいになりますか。
○政府参考人(青山幸恭君) 従価換算でいきますと一七〇六%という数字になってございます。
コンニャクイモは、中国では野地で勝手に生えているとかいう。割当を超えた関税率から逆算するとおそらく国産の1/17程度で買えるのだろう。ならば、密輸も続くというもの。
まあサトウキビとか、テンサイもそうだけど、採算が極度に悪化した作物をいつまで保護するつもりなのかね。
『財団法人 日本こんにゃく協会』のWEBを発見 http://www.konnyaku.or.jp/
・ こんにゃくいも需給調整推進事業の実施及び調整保管等事業の指導
・ 国内産こんにゃく原料の買い入れ
・ こんにゃく原料の輸入
・ こんにゃく原料の加工・保管
・ こんにゃく原料の売り渡し
読み物としては面白いいのだけれども、お金の出所を考えれば…こりゃ、ダメだわ
Category : ミリタリー

米海軍協会『Proceedings』 April 2009 Vol. 135/4/1,274 の66ページから転載。この写真についてはcopyright corbis とあるけれども、真に山城であるか、本当に水上砲戦中であるかについて、以下の通り疑義があり、批評のため、法の認めるところによりに引用した。
キャプションを読む限り、『山城』の最期。
また、本文記事"What's So Important about Energetics? Everything"でも
"At the turn of the 20th century, U.S. naval guns ranged to 6,000 yards. By World War II, they ranged more than 30,000 yards, firing munitions with several uses. They penetrated armor, exploding in Japanese ships like the Yamashiro and Mogami in the Battle of Leyte Gulf. "
でもね、確か西村艦隊って夜に進入してヤラレタんじゃなかったっけ?と思いだして手許の戦史叢書で調べると、米側の射撃は現地時刻(GMT+8h)0351hに射撃が始まり、0413hに射撃が終わっている。当日、このあたりの日出は0630h、日没は1830h。
・ 写真、随分と鮮明に過ぎなくない?
・ 日出前なのに、影の長さがやたらと短くない?(光源の高さが45度?)
さらに、山城はスリガオ海峡を真北に進み、0400hに左転してそのまま南に向かい、0419hには沈んでいる。この写真が水上砲戦中の撮影であるとすれば、主砲が敵艦隊を、北を指向しているすれば、この写真での当該艦針路は南西方向になる。
そうなると
・ 写真の影は南東に向いているから、太陽の方向が北西?
となり、水上砲戦の時間と合致しない。
まあ、この点は、後続する志摩艦隊が「互いに照明射撃をしている」、「照明弾が使われている」と確認しているのだけれども、探照灯にしては影が短いし、照明弾にすると距離が近いわりにパララックスがない。
…これ、ホントに軍艦『山城』の最期なのだろうか?ただ、写真は山城型といえば、それを否定できないのよね…
最初は、まあ見事に「挟差されて、空中から観測」されている写真だと思ったのだけれどもね
-----------------------------------------------------------
追 記
同じ写真を"Battle Report The End Of An Empire" の340-341頁間でも発見。
キャプションが違っていて、
・ シブヤン海での航空攻撃
・ フネは巡洋艦
となっている。
” PLATE LXVIII (upper left] Like an etching on silver the sun sets on this Japanese cruiser, cornered by U. S. Navy carrier planes in the Sibuyan Sea, the Philippines. The vessel is bracketed by near misses, one of them so close aft that it caused severe damage. The central Japanese force took a heavy pounding in the Sibuyan Sea. ”
写真の艦橋や煙突が、山城型か伊勢型っぽいので巡洋艦はないだろう。
そうすれば、山城型/伊勢型のどちらかだろうが、前日のスールー海での空襲あたりか?
(MIXI日記2009年05月13日より転載)
Category : 旧ソ連
国立国会でアエロフロートの機内誌を読んでいて発見。
国際南極横断観測プロジェクトにソ連(当時)が参加。
航空補給の必要が生まれたため、IL-76TDを南極のキングジョージ飛行場に派出することになったのだが、滑走路が1232mしかない。140トンの貨物を搭載したIL-76TDは最低1600m(この数値はうろ覚え)の着陸距離が必要。
この難プロジェクトを担当したソ連功労パイロット、S.ブルズニュクは見事に問題を解決した。
1 エンジンは、着陸前に4発ともリバース(逆噴射)する。
2 着陸前にエアブレーキを全開にする。
3 同様の効果を狙って、着陸前に全てのドアを開ける。
4 タイヤの空気圧を1/2とする(接地面積が大きくなるので、抵抗になる)
→ 着陸距離、750mを達成
…航空安全の意識が疑われるのだけれども、それを堂々と誇るように、しかも民間航空機の機内誌で「スゴイでしょ」と言ってのけるところが大陸性のロシア人。
実際は、着地寸前に失速させ、そのままの姿勢で滑走路に入り込み、行き足も無理やり殺したということだろう。
MIXI日記 2010年03月27日より
国際南極横断観測プロジェクトにソ連(当時)が参加。
航空補給の必要が生まれたため、IL-76TDを南極のキングジョージ飛行場に派出することになったのだが、滑走路が1232mしかない。140トンの貨物を搭載したIL-76TDは最低1600m(この数値はうろ覚え)の着陸距離が必要。
この難プロジェクトを担当したソ連功労パイロット、S.ブルズニュクは見事に問題を解決した。
1 エンジンは、着陸前に4発ともリバース(逆噴射)する。
2 着陸前にエアブレーキを全開にする。
3 同様の効果を狙って、着陸前に全てのドアを開ける。
4 タイヤの空気圧を1/2とする(接地面積が大きくなるので、抵抗になる)
→ 着陸距離、750mを達成
…航空安全の意識が疑われるのだけれども、それを堂々と誇るように、しかも民間航空機の機内誌で「スゴイでしょ」と言ってのけるところが大陸性のロシア人。
実際は、着地寸前に失速させ、そのままの姿勢で滑走路に入り込み、行き足も無理やり殺したということだろう。
MIXI日記 2010年03月27日より
Category : ミリタリー
今月の”Proceedings”(USNI:米海軍協会)をパラ読みしていたら『無人・潜水による大西洋横断成功』の記事を発見。水中グライダー”Scarlet Knight”※が大西洋横断したという内容。
要は
(1) 負浮力とし、沈む力を翼で分解して前に進む
(2) ある一定の水深となると正浮力とし、浮き上がる。
この時も翼を利用して前向きに進む力を作る
を繰り返して進む水中UAV。
これって、80年代に考えられた「無人水中輸送船」。翼をつけた中正浮力のハルクに錘を付ける。「底」に到達したら錘の気室にヒドラジン(だったと思う)を入れて気体を作り、正負力にするというヤツの子孫じゃないのか、と読むと、やはりどうもそうらしい。80年代版の無動力輸送船、正式名称”Slocum glider”の直系の子孫であるとのこと。
ただし、”Scarlet Knight”は”Slocum glider”のようにヒドラジンをつかったり、深海まで降りたりはしない。ボディの気室の容積を「半カップほど」変化させることによって沈んだり浮かんだりする。潜る深さも100m程度。
当然だけれども誘導機構もついているらしく、航跡から潮に流されている様子もあるけれども機能している。大圏コースじゃないのが気に掛かるけれども、それは海洋観測やりながら・・・だからなのだろう。次は、イギリスからオーストラリアまで自律航海させるようだ。
ただ、まあ直接的な軍事転用…誰でも思いつくのは機雷敷設あたり…には使い難いね。
大西洋横断には221日を要していいるから。まあ軍事的応用は海洋観測位かなぁ。
※ 製造元の説明 http://rucool.marine.rutgers.edu/atlantic/index.html
要は
(1) 負浮力とし、沈む力を翼で分解して前に進む
(2) ある一定の水深となると正浮力とし、浮き上がる。
この時も翼を利用して前向きに進む力を作る
を繰り返して進む水中UAV。
これって、80年代に考えられた「無人水中輸送船」。翼をつけた中正浮力のハルクに錘を付ける。「底」に到達したら錘の気室にヒドラジン(だったと思う)を入れて気体を作り、正負力にするというヤツの子孫じゃないのか、と読むと、やはりどうもそうらしい。80年代版の無動力輸送船、正式名称”Slocum glider”の直系の子孫であるとのこと。
ただし、”Scarlet Knight”は”Slocum glider”のようにヒドラジンをつかったり、深海まで降りたりはしない。ボディの気室の容積を「半カップほど」変化させることによって沈んだり浮かんだりする。潜る深さも100m程度。
当然だけれども誘導機構もついているらしく、航跡から潮に流されている様子もあるけれども機能している。大圏コースじゃないのが気に掛かるけれども、それは海洋観測やりながら・・・だからなのだろう。次は、イギリスからオーストラリアまで自律航海させるようだ。
ただ、まあ直接的な軍事転用…誰でも思いつくのは機雷敷設あたり…には使い難いね。
大西洋横断には221日を要していいるから。まあ軍事的応用は海洋観測位かなぁ。
※ 製造元の説明 http://rucool.marine.rutgers.edu/atlantic/index.html
Category : ミリタリー
台湾軍の精鋭部隊は海兵隊(海軍陸戦隊)といわれている。
でも、この海兵隊を保持し続ける理由は、金門・馬祖の防衛だけ。かつては大陸反攻を呼号していたのだけれども、冷戦構造が定着すると、もちろん呼号するだけに終わっている。(チョットした工作なんかはやっていたみたいだけれども)
ただ、この海兵隊、何気に台湾軍の重荷になっているのではないか。兵力1万人に加えて両用戦艦艇、大型揚陸艦16隻(乗員数2000名)、LCU200隻を金門・馬祖の防衛に貼りつけるのは、台湾の国防上かなり無駄なのではないか。(このことは前々から考えていたことでもあった)
到着した『尖端科技(尖端科技)』6月号に似たようなオピニオン記事があった。台湾人の中にも同じことを考えている人はいる様子。『金門外島兵力裁編与転型』(30p)は「将来は徴兵制になるから、今までのように金門島防衛に人手はかけられないよ?」という内容。海兵隊を対象とはしていないが、金門島他の、大陸側への貼付兵力の存在価値を捉え直す内容になっている。
数字のあたりを中心に抜き出してみると
・ 現在の金門島配備戦力は約1万~3万人(軍事機密らしい)
・ 金門島方面の兵員維持コストは、兵員5000人あたり50億元(150億円位?)
また
・ かつては大陸反攻の踏台だったけれども、今は警戒哨だからそんなに兵力は要らない・ 下手に兵員を置いといても、中国(大陸)の人質になりかねない
・ 中国(大陸)は金門島だけを狙うことはないだろう。
→ また、台湾本島を落とす時に金門島は狙わないだろう。
→ その時には金門島には地雷を敷設しとけばスキップする。
そもそも金門島も守ろうとしたら幾ら兵員がいても足りない
このような前提から、金門島配備兵力は5000人以下で充分と結論づけている。
加えて「中台両軍の緩衝地帯となるなら、兵力を配置しないでもいいんじゃないの」という意見もあり興味深い。
でも、この海兵隊を保持し続ける理由は、金門・馬祖の防衛だけ。かつては大陸反攻を呼号していたのだけれども、冷戦構造が定着すると、もちろん呼号するだけに終わっている。(チョットした工作なんかはやっていたみたいだけれども)
ただ、この海兵隊、何気に台湾軍の重荷になっているのではないか。兵力1万人に加えて両用戦艦艇、大型揚陸艦16隻(乗員数2000名)、LCU200隻を金門・馬祖の防衛に貼りつけるのは、台湾の国防上かなり無駄なのではないか。(このことは前々から考えていたことでもあった)
なまじ金門島があるから 2006年04月08日10:48 MIXI日記から
台湾海軍は、海兵隊を、海上高速輸送部隊を捨てられない
台湾にとって、実利上は、金門島は別になくてもかまわないのだろう。
しかし、政治的オプションとしては、中国に対して、実効上大きく与えた制約である。 ただ、「中国」としての大きな拠り所を失うので、金門島を捨てられない。金門島に強力な軍隊を置かなければ、中国の平和進駐を、軍事的に略無抵抗の「強制接収」を許してしまう。
だから、台湾海軍/海兵隊は随分とイビツな構成となってしまった。78年発行の『極東海軍の手引』(米海軍協会)を入手したが、その台湾の項目を眺めると、大陸支配地維持(もしくは大陸反攻)のために特化した海軍の姿しかない。
経済発展のおかげで、台湾海軍はいまでは強力な外洋活動能力をもつようになった。
それでいて、海兵隊装備の更新が比較的後回しなのは、基本的には「金門島では軍事的抵抗ができるという水準があればよいから」だろう。
到着した『尖端科技(尖端科技)』6月号に似たようなオピニオン記事があった。台湾人の中にも同じことを考えている人はいる様子。『金門外島兵力裁編与転型』(30p)は「将来は徴兵制になるから、今までのように金門島防衛に人手はかけられないよ?」という内容。海兵隊を対象とはしていないが、金門島他の、大陸側への貼付兵力の存在価値を捉え直す内容になっている。
数字のあたりを中心に抜き出してみると
・ 現在の金門島配備戦力は約1万~3万人(軍事機密らしい)
・ 金門島方面の兵員維持コストは、兵員5000人あたり50億元(150億円位?)
また
・ かつては大陸反攻の踏台だったけれども、今は警戒哨だからそんなに兵力は要らない・ 下手に兵員を置いといても、中国(大陸)の人質になりかねない
・ 中国(大陸)は金門島だけを狙うことはないだろう。
→ また、台湾本島を落とす時に金門島は狙わないだろう。
→ その時には金門島には地雷を敷設しとけばスキップする。
そもそも金門島も守ろうとしたら幾ら兵員がいても足りない
このような前提から、金門島配備兵力は5000人以下で充分と結論づけている。
加えて「中台両軍の緩衝地帯となるなら、兵力を配置しないでもいいんじゃないの」という意見もあり興味深い。
Category : ネトウヨ批判
まあ、ネトウヨの言う事だから、ホントにそんな法律は存在するのかから疑わないとイケナイ。なんせデマとか平気で信じる、事実関係を全然重視しないからね。
日本語で、ニュース検索でググってみるとヒット件数0なので、「またデマかね」とは思ったものの、念のため簡体字で「国防动员法」としてググってみるとヒットした。まあ、一応存在する法律らしい。
でもね、この法律をなんでそんなに怖れるのかね?
いままでの中国を見てみろって、民間資産の保護なんて、戦時どころか平時ですらあやしかった国でしょう。我々もそれをチャイナ・リスクと呼んでいたわけだ。それこそ「戦時に民間資産を徴用する」なんてことは、いままでの中国でも常識だった。
ただし、人治だから法制化していなかった。それを最近の「人治はヨクナイ、法治にしなければ」という動きがあって法制化したということじゃないの。むしろ「人治から法治へ」という動きの現れとしては悪くない話じゃないのかね。
ネトウヨ諸氏は、「異様」、「戦争準備」、「日本を征服するため…」なんて言っているけど、それは自分たちの国のモノサシで他国を測っているだけの話。特に日本の私有財産権は世界無類の強固さを誇っているので、その眼で他国を見て騒いでいるだけだろう。中国は革命でできた国、あんなでも一応は社会主義なんだから、個人の財産権は社会の利益のはとうてい抵抗できない仕組みなんだから、彼らとしては自然な考え方なんだって。
さらに、似たような法規は世界中どこにでもある。日本も最近、有事法制を作っていて、その範囲内では個人財産の徴用制度を整えている。他にも。東西冷戦の最前線にあったドイツ有事法制では、基本法の停止も含まれている。そして、日本もドイツもどこかを侵略する準備として法律を作ったわけでもないことは明らかだろう?
この程度の法律ができたからって、その国が侵略的だなんて言えないということだ。
まあ、ネトウヨはUFO信者のようなもの。すべてはUFOの実在が前提であり、UFOが存在するという意見にしか耳を貸さない。(神学部のようなものでもOKかな)
だから7月1日まで、ネトウヨは「拡散推奨」なんていいながらデマを飛ばし続けるのでしょうね。その証拠はニコニコ動画とその上の同意コメントだけ。実態は、オカルト信者同士の相互保証にすぎないのだけれども。
日本語で、ニュース検索でググってみるとヒット件数0なので、「またデマかね」とは思ったものの、念のため簡体字で「国防动员法」としてググってみるとヒットした。まあ、一応存在する法律らしい。
でもね、この法律をなんでそんなに怖れるのかね?
いままでの中国を見てみろって、民間資産の保護なんて、戦時どころか平時ですらあやしかった国でしょう。我々もそれをチャイナ・リスクと呼んでいたわけだ。それこそ「戦時に民間資産を徴用する」なんてことは、いままでの中国でも常識だった。
ただし、人治だから法制化していなかった。それを最近の「人治はヨクナイ、法治にしなければ」という動きがあって法制化したということじゃないの。むしろ「人治から法治へ」という動きの現れとしては悪くない話じゃないのかね。
ネトウヨ諸氏は、「異様」、「戦争準備」、「日本を征服するため…」なんて言っているけど、それは自分たちの国のモノサシで他国を測っているだけの話。特に日本の私有財産権は世界無類の強固さを誇っているので、その眼で他国を見て騒いでいるだけだろう。中国は革命でできた国、あんなでも一応は社会主義なんだから、個人の財産権は社会の利益のはとうてい抵抗できない仕組みなんだから、彼らとしては自然な考え方なんだって。
さらに、似たような法規は世界中どこにでもある。日本も最近、有事法制を作っていて、その範囲内では個人財産の徴用制度を整えている。他にも。東西冷戦の最前線にあったドイツ有事法制では、基本法の停止も含まれている。そして、日本もドイツもどこかを侵略する準備として法律を作ったわけでもないことは明らかだろう?
この程度の法律ができたからって、その国が侵略的だなんて言えないということだ。
まあ、ネトウヨはUFO信者のようなもの。すべてはUFOの実在が前提であり、UFOが存在するという意見にしか耳を貸さない。(神学部のようなものでもOKかな)
だから7月1日まで、ネトウヨは「拡散推奨」なんていいながらデマを飛ばし続けるのでしょうね。その証拠はニコニコ動画とその上の同意コメントだけ。実態は、オカルト信者同士の相互保証にすぎないのだけれども。