RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2010.11
29
CM:4
TB:0
06:54
Category : ミリタリー
 冬の新刊、本文について「一言でいえば何か?」でつまずいて四苦八苦しています。例によってなぜか、まえがきは『俺の妹はあんなに可愛かったのに』評は概成しているのですけどね。
 仕事の合間も新刊作業で呻吟している状況です。ですから、隅田金属記事では、当座、前にMIXIで書いた日記でしばらくはお茶を濁させてください。

 今回引っ張り出すのは、「T-4にASMは搭載できる」です。
 まあ、思考停止した人たちは、オマエは馬鹿か? と至る所でヒステリックに叫ぶのでしょうけど、それは防衛反応です。感情をコントロールして、本当にできないのかY/Nで考えてみる、具体的に何が問題できないのかを考えるとよろしいでしょう。
 なお、某鉄牛教信者の方もアンチの方も、コメントされる方は短目に、箇条書きで書いてください。そこそこヒマなしなので回答できるかは保証できませんが。


 T-4にASMは搭載できる

 前々から「できるんじゃないの?」と思っていたこと。
 根拠になる数字を探していたのだけれども、和書にない。しかたがないから、重い腰をあげてJane's World Aircraftをひっくり返して確認。
 T-4、両翼1箇所づつと、胴体下1箇所のパイロン(日飛製)に200gal(750リットル)の燃料タンクが搭載できるらしい。JP-5の比重が0.8だから、ハード・ポイントに600kg懸下は大丈夫ということ。
 ASM-1とか-2の資料はないけど、『世界の艦船』で拾ってきたハプーンの記事によると、ケーブル一本あれなホットにできるみたい。それから発射(つうか、投下)すれば、あとはカジュアル/LOSモードで飛んで行く。FCSの関与も不要。ミサイルは針路上にある水上目標に突っ込む。発射用のギミック(大したものでもないだろう)をパイロン側に付けてやって、あとは細いケーブルで、機外を這わせてでも操縦席に持っていけば大丈夫。

 問題は、後続距離が短くなるだろう点。また目標を目視で捜索して、目視で概略照準決めて発射(これは、西ドイツ海軍のF-104Gのコルモラン運用と同じ)しかない点である。水上捜索は哨戒機の同伴を頼むとして、悪天候の時は…哨戒機に近づいて、指示された方位に飛びながら発射するしかないだろう。
 T-4+ASMは足が短くなる。敵が沿岸に近づく本土決戦でしか使えない。ただ、その時にはT-4よりも偉いF-1と比較しても、同等の攻撃力をもった対艦攻撃機となるだろう。
 対空砲火? 直掩機? 深刻な問題ではない。大丈夫、相手が米海軍でもない限りは水平線の下に隠れていれば見つからない。また水平線の下を狙えるSAMは今のところない、相手も対空戦闘のしようがない。戦闘機による邀撃についても 日本周辺の非西側諸国で、艦隊に固定翼AEWを運用できて、かつ直掩機もつけられる国は存在しない。ロシアが空母を廻航しても…まあ練習空母程度にすぎない。陸上からの直掩機は入れ替わり立ち代わりとなるので、密度も低いだろう。日本沿岸では有力な要撃管制もうけられまい。

 もちろん、T-4を動員しなければならない状況、本土決戦での着上陸阻止なんて、アメリカとガチンコで戦争しない限りは発生しないから、対艦ミサイルを積む必要もないのだろうけどね。

2009年08月06日 MIXI日記より転載


スポンサーサイト
2010.11
24
CM:3
TB:0
17:53
Category : ミリタリー
 空母っぽいフネの話。「ひゅうが」も22DDHも30kt発揮できることになっている。しかし、この手の大型艦が30ktを出すシチュエーションはない。「ひゅうが」の類は27ktから25kt程度で充分ではないか。

 水上砲戦に参加するために30kt必要ということはない。砲戦であれば有利な対勢を取るためにスピードが要求されるが「ひゅうが」の類が水上砲戦に参加することはない。そもそも砲を持っていない
 占位運動するために30kt必要ということはない。艦隊陣形を変更する場合でも「ひゅうが」の類は基準艦となる。陣形変更に応じ、ちょこまかと占位速力で動く必要はない。艦隊速力を発揮できれば充分である。艦隊速力は出しても24ktである。
 航空機発艦のために30kt必要ということはない。搭載しているヘリコプターは垂直に離発着する。かつての航空母艦のように合成風力を必要としない。ヘリコプターであっても滑走発進をすることはあるが、そのために30ktが不要ということもない。

 高速の利点は、強いて挙げても潜水艦を避けやすくなる点だけだろう。"Submarines"(Brassey's)によれば、潜水艦による接敵の可否は水上艦速力と潜水艦静粛速力、魚雷の雷速と射程で決まる。潜水艦速力12kt、雷速45kt、射程12.6kmとした場合、航海速力30ktの場合、正面49度以内でなければ潜水艦は攻撃できない。それ以外の位置からは魚雷攻撃圏に占位できない。ただ、これも30ktである理由にはならない。水上艦速力が27ktであれば53度※、25ktであっても58度※にしかならない。

 速力は27kt~25kt程度で充分だろう。フランスのドゴールは27kt、旧海軍の飛鷹は25ktで問題は生じていない。「ひゅうが」の類は、護衛する側ではなく、護衛される側である。主兵装は航空機である。30ktは過剰な性能だろう。

 ※ "Submarines"(Brassey's)149pp.の図を参考に作図・測角した。
2010.11
19
CM:2
TB:0
01:25
Category : ミリタリー
 "International Defence Review"で給水の記事を見つけた。造水については、今のところは、濾過と逆浸透、あっても化学処理程度だから、それほど食いつくような内容ではない。だが、配給システムを見ると面白いものがある。ケルヒャーフューチャテック※ のWBP700という機材なのだが、水をペットボトルに詰めて供給する仕組みになっている。

 ペットボトルを用いた給水は相当に便利だろう。浄水を運ぶのに特別な器材がいらない。給水車とかパイプラインもいらない。飲料水用の缶々もいらない。手ぶらで来たトラックの荷台に、いきなり水が積める。しかも、ポンプなんかなくとも、フォークリフトでもバケットローダでも車両クレーンでも水を積み込むことができる。水を分けるときも同じ。いきなり個人に水を配分できる。給水タンクも要らない。蛇口待ちも出ない。そして貯蔵でも有利、水タンクは一箇所でも穴が開いてしまうと水は際限なく漏れるし、汚染物質が入ると全部ダメになる。だが、ペットボトルであれば被害が限定される。

 ペットボトルの供給も、プリフォームで供給すればOKとなっている。
そしてこのWBP700は、ISO20ftコンテナと同じサイズ。ISOコンテナに対応した輸送手段ならばなんでも乗っけられる。IDRの記事によると、「アフガニスタンで英軍と独軍が使用している」とのこと。これがあれば、牽引式のチッコイ給水車は、清水を運ぶためには要らなくなるんじゃないかね。まあ雑水運びにも必要かもしれないけれども

※この会社、高圧洗浄器のKÄRCHERの軍事部門だった。
http://www.karcher-futuretech.com/futuretech/about_futuretech.htm

MIXI日記 2009年05月09日より
2010.11
14
CM:5
TB:0
02:47
Category : ミリタリー
 自衛隊も案外と鉄砲を打たないといわれている。たまに撃つとアサッテや弾痕不明も出るとか聞く。キチンと眼を明けて撃っているとすれば、これは姿勢と自然狙点の問題である。

 射撃姿勢と自然狙点を改善するには、エアーライフル(以下AR)を導入し実射させればよいだろう。
 ARは火薬銃に較べて遥かに高精度である。火薬によるバラツキがない。ハズレる理由は見出しと姿勢と自然狙点、あとは呼吸くらいしかない。それを認識して矯正すれば、大口径射撃も当たるようになる。従来のように見出しだけを教えて、射撃予習で小銃を壁に向かってカラ打ちさせただけでは、自分にあるクセはなかなか矯正できない。精密な実射によるフィードバックが必要なのである。
 練習にはそれほど時間もかからない。伏射であれば、無経験でも2時間で5級程度までは伸びる。具体的に言えば、マイクロ・サイトを使えば、誰でも10m先においた5円玉の穴を掠める程度にあつめられる。この段階で弾痕解析をすれば、姿勢は意識できるようになる。また自然狙点を教えれば、次回次には弾着はさらに収束するだろう。

 また、ARを導入すれば、手軽に射撃を実施できるようになる。射撃機会の増加により、正しい姿勢や自然狙点の意識も定着する。
 ARは屋内で射撃できる。遠い射場まで出かけなくてもよい。天候も問題とならない。屋内射場も15m程度の奥行きが確保できればどこでもよい。バックストップ等の設備も不要である。騒音も発生しない。
 ARは人手を要しない。弾は火薬類ではないので管理不要である、ウチガラもでないので、射手へ渡し切りで良い。また監的作業員は不要である。10m伏射であれば、標的を紐と滑車で結べばよい。ハンドルなりマブチモータなりで随時手許まで戻せるようにすれば、簡単確実に弾着を確認できる。特に電子標的やカメラ、望遠鏡も要らない。射後手入れも事実上不要である。
 ARはコストも安い。銃本体も単純なスプリング式(昔で言えばM300あたり)にすれば安価である。弾は高級品でも@2円程度、標的も@5円程度である。1的10発撃ち込みとして、伏射60発とすれば、150円程度で済んでしまう。これは旧軍が学校教練で実施した、22口径を用いた練習よりも遥かに安価である。

 ARによる練習は、大口径射撃の機会増加と同等の訓練効果を期待することができる。もちろんAR射撃で大口径射撃を代替することはできない。だが、ARによって見出し以外の要素を意識させれば、大口径でも当たるようになる。限定された大口径射撃の機会を有意義に使うことができるのである。



■■■14日午後7時30分追記■■■

「おまえは馬鹿だ」さんから、的はずれな批判があったので少々。前の罵倒?部分はさておき。

> エアーライフルはそんなに収束するはずがない

とのことですが、文意からするとエアーソフトガンと混同しているのではないかと思います。
ライフリングが切ってあって、鉛の弾を撃つ方、競技用(または狩猟)ARを使えという話をさせていただいております。8~25グレイン、初速は150m/s~300m/sはあります。
最近の新しい銃で上手な射手が依託射撃をした場合、4.5mmペレットの弾着は、10m先でφ5mm程度のワンホールです。

2010.11
10
CM:0
TB:0
18:53
Category : 未分類
 不要になるだろうスパロー/シー・スパローは地対空ミサイルに転用すべきではないのか? 日本にどれぐらいの在庫があるのか不明だけれども、スパロー系ミサイルはいずれ余剰になる。それを転用して比較的安価に対空兵器作ればよいのではないか。全体的に重くなるが拠点防空なら問題はない。実現性については問題ない。既存の陸式短SAMと比較すれば、性能は劇的に向上する。システムもそれほど高くはならない。

 スパローを地対空用として発射することは容易だ。シー・スパロー登場以前、スパローはそのまま個艦防空用として使用されていた。その後も、各国のホーク代替用にランド・スパローが構想されたこともある。拠点防空用のスカイ・ガード防空システムにはシー・スパローが組み込まれている。東欧諸国のSA-6の近代化改修でも、ミサイルそのものをスパローやシー・スパロに置き換える話もある。

 スパロー系統を転用することにより、陸式短SAMよりも性能は向上する。短SAMもサイドワインダーの類を空に向かって撃っているだけである。よりエライほうのスパローに変えれば、射程も射高も全天候性も向上する。命中率も対妨害能力も、サイドワインダーよりも高いだろう。オマケとしては対艦攻撃にも使える。CWで敵艦を照射すればそこに当たる。実際に米空母がトルコの軍艦に当てている。

 システムもそれほどは高くならない。捜索レーダその他は安くはないが、それは陸式短SAMも変わらない。既存の陸式短SAMと異なるところは、目標の位置にミサイルを向けるだけではなく、CWを照射する必要がある点だ。これはイルミネータを同調させて、ミサイルと同じ方向を向くようにすればよい。CWが標的に正しく照射されているかをフィードバックするにしても、単純にイルミネータの脇にCW検波用のアンテナを並べておけばそれで充分である。かつてのMk95程度のシステムにすればそれほど費用はかさまない。安くするなら、人力操作できる目視イルミネータを作ればよい。ランチャーをイルミネータと同調させ、あとは目視でCWを照射すれば最低限の用には足りる。

 スパロー/シー・スパローはいずれ余剰となる。しかし、ミサイルとしての性能的では短SAMを超えている。余剰品を利用して地対空ミサイルを作れば安く効果的なシステムとなるだろうね。
2010.11
07
CM:0
TB:0
14:25
Category : ミリタリー
 『オブイェクト』新記事、『だよもん氏のツッコミ解説「極東ロシアの軍事輸送能力」』について。

 私をバカにしたいという気持ちは見えるのだが、JSF氏&だよもん氏の主張がわからない。新記事の内容は一文で言えば何なのだろう? 「ロシアは日本本土を侵攻できる」なのだろうか?
 主張の骨子が不明であるので反論するわけでもないのだが、内容を見ると、JSF氏&だよもん氏は、数字の検討をしないでそのまま引用しているだけであるのは非常に興味深い。

 平時の基幹幹線、シベリア鉄道輸送力が、戦時の末端輸送、湾岸戦争での輸送力を超えている? 何が不思議なのだろう。平時にインフラを利用した輸送と、戦時に何も無いところでの輸送、前者が後者を凌いでいることには何の不思議もない。

 LASHの類についても同様である。平時に条件の整えて出した、スペシャルの実績を持ち出している。しかし、戦時にそれは実現できない。やはり「ゆとり上陸作戦」であり、甘すぎる話である。
 しかも、自分たちが示した例が中途半端であることに気づいていない。荷物をバラして陸岸に達着させただけであって、どうやって荷捌をするのかに気づいていない。海岸作業所要を全く考慮していないのである。今までもJSF氏&だよもん氏は海岸作業部隊について一言も言及していないことはやはり「ゆとり」である。ビーチ・サポート・エリアで荷捌をするには、道路から始めて色々作らないといけない。このあたりのノウハウは米海軍/海兵隊、英蘭両用戦部隊はもっているが、周辺国にノウハウはない。JSF氏&だよもん氏はノウハウ軽視だから気にしないのだろう。結局は、戦車で海岸を占領することしか考えていない限界が露呈している。

 そう、今回の記事にしても、小手先の発想ばかり全体を見ないJSF氏&だよもん氏の欠点が浮き彫りなのである。ソースソースという割には、御都合主義的な引用に終始しかない。
   > あと、河川や海が凍結したらそのルートは輸送不能というが、
   > だよもんの記憶が正しければ冬のソ連の川は高速道路で、
   > 戦時中も数多の陸軍が凍結した河川や海を自力で越えた記憶があるだよもんが
凍結河川の利用も、最後の10kmを輸送するならまだしも、鉄道や船舶輸送のような大量輸送手段を代替できるものではない。
 ただ、そこに気づかない以上、「ゆとり上陸作戦」が今以上の袋小路となると「サハリン(あるいは北方領土から)歩いて渡って攻めてくる」とか言い出すのだろう。ミクロで検討も加えていない傍証だけを頼みにして。

 あと、信者もアンチ信者の方も、コメントを頂戴するのは有難いし、ピント外れでも罵倒でもいいのですけど、長すぎて困ります。短く、できれば箇条書きでおねがいしますね。
2010.11
06
CM:2
TB:0
00:58
Category : ミリタリー
 熱心な読者の方から、懲りもせずに何回も同じ内容のコメントを寄せていただいております。さすがに気の毒なので、回答させていただこうと思います。
 「アンタはダメだ」から始まる、ノータイトル・名無しさんのコメントです。かなり長い上に、全体の2/3は「(文谷は)バカか?」が繰り返される内容です。この部分については、おそらくなんですけど、文谷がバカか否かを確認する質問ではなく、反語で「おまえは馬鹿だ」と言いたいのでしょう。あまり意味もなさそうですので、そこらへんは割愛させていただきます。なんにせよ、できればもう少し短く、箇条書きで書いていただけたらと存じます。

 で、「アンタはダメだ」さんが一番主張したいことは、私の「ロシア・中国の対機雷戦戦力は少なく、機雷戦に対して脆弱」への反論だとおもいます。一文で拾いだせば
> ロシアの対機雷戦戦力は少なくない、40~50隻(のUUV・無人艇※)を他に保有している(「アンタはダメだ」さん)
 でしょう。

 でもね、それは誤りなんですよ。「40~50隻」(のUUV・無人艇)は対機雷戦艦艇の代替にはならないからです。水中ロボットの類は、最初に掃海艇・掃討艇がソナーで機雷を見つけてから初めて利用できるのです。掃海艇・掃討艇が持つ捜索能力なしでは使えません。いくら水中ロボットを用意しても、それだけで掃討はできません。対機雷戦艦艇を代替するものではないのです。無人艇にしても、トロイカの類で、掃海ができるだけでしょう。でも、複合感応機雷は掃海では無効化できません。結局は、掃討せざるを得ない。そうなると、やはり掃討艇が必要になる。対機雷戦艦艇を代替できるものではありません。

 やはり、ロシア・中国の対機雷戦力は少なすぎるのです。極東ロシアに7隻、中国で5隻はあまりにも少ない。それぞれの主要港湾には最低1隻づつも貼りつけられないのです。これは相当危険でしょう。攻勢機雷戦に対抗するためには、日常的に"Routine Survey"で海底状況を把握しておかないといけないといいます。しかしロシア・中国が保有する対機雷戦艦艇は少ないため、主要港湾全てで"Routine Survey"はできないのです。やはり機雷戦に対して脆弱なのです。

 さらに、対機雷戦戦力が少なく機雷戦に対して脆弱では、渡洋侵攻にも障るでしょう。防御側が上陸適地の沖合に機雷を植えたとき、彼らは対機雷戦艦艇を何隻回せますかね? 対処にどれくらいの日時を要しますかね? 渡洋侵攻能力といった観点からしても、ロシア・中国の対機雷戦戦力は少なすぎるのです。

 まず実際にはありえないことであって、頭の体操と断っておきますけど、両国が日本本土上陸を決意したとしても、日本が上陸適地に機雷を植えたらお手上げじゃないでしょうかね。対日劣勢の外洋戦力、限定された両用戦艦艇戦力を見てもロシア・中国による日本本土上陸侵攻は不可能ですけど、対機雷戦戦力不足もまた、日本本土上陸侵攻が相当難しくする要素だといえるでしょう。
2010.11
03
CM:0
TB:0
11:45
Category : ミリタリー
 JSF氏の新記事ですけど、やっぱり戦車の性能しか見ていない視野狭窄です。こっちのスタンスは該当部分の3行前に示したように『戦車の質は些細な問題』ですな。あとデータに文句があれば、あれはミリタリーバランスから引っ張ってきたものだから、IISSにでもメールすれば宜しい。「読者を惑わすので修正せよ」とか好きなんでしょうから。
 要は、日本に敵が揚がってくるか否かですよ。上陸戦です、海岸まで上陸部隊をどうやって運ぶのか、揚がった部隊への補給は維持できるのか、凶悪な日米同盟を相手に制空権と制海権を維持できるのかが問題でしょう。そこらへんで「どこにどれくらいが揚がってくるのか」「破壊した港湾をどう復旧するのか」(そういや、日本が機雷原つくったらどうするんだろう?)「珍奇な2割ルールが何故信じられるのか」…全然明らかにできないのがJSF氏です。些細な性能には細かいくせに、大きな部分に答えられないという…「正確に間違える」人なのでしょう。あの姿を見ていると、漠然と正しくありたいと思いますね。


 余計な話はともかく本題の日本海軍の対潜魚雷について。資料を見つけたので少々。ただし、無誘導であり、役に立つとも思えないシロモノだけれども。

 ポンチ絵と項目だけを記した1葉(別紙?)が旧軍資料に入っていたのですよ。ただし、未整理資料を脈絡もなく綴ったものであるので、本紙にあたる書類がない。だから、思いついただけなのか、あるていど試験されたのか、まずはないが、実用されたのかも不明です。ただ、「マニラ×8、高尾×9、沖縄×8、硫黄×8」と鉛筆で書込んであるので、ある程度までは検討が進んでいたのでしょう。

 ポンチ絵の中身は、97艦攻?が魚雷を投下、そこから魚雷は円筒に沿うように、スパイラル状に下降し、潜水艦に命中しているというもの。添えられた項目によれば、魚雷が沿って下降する円筒の直径は250mから300m、高さは110mから125mです。雷速は25kt、馳走距離は3000m、一周あたりの降下率は25m程度になっていました。

 使用する魚雷は91式魚雷とされています。おそらく91式航空魚雷のジャイロと深度調整機構を無効化、あるいはバラストと交換し、水平・垂直の舵角を一定方向に固定して発射するのでしょう。水平方向の舵角を左右いずれかで固定すれば、同じところをグルグル廻ります。垂直方向の舵角を下向きに固定すれば、一定の角度で下向きに進みます。どちらかというと発射法ですね。原理的には現地で簡単にできそうな内容です。

 ただ、まず当たらないでしょう。魚雷が動く円周が潜水艦の大きさに比べてチョット大き過ぎるだろうし、垂直方向の密度も全然足りない。円周上で魚雷と潜水艦は交差するかもしれないけれども、深度が異なった「ねじれの関係」でオシマイでしょう。

 コストもエラク高くなるでしょう。対潜爆弾や完成しなかった航空爆雷とは異なり、魚雷は精密機器で高価です。「敵潜水艦らしい」で気軽に使えるようなものではありません。敵潜水艦確実でも、この程度の命中公算では何発必要なのかを考慮すれば、割に合わないことは間違いないでしょう。

 ポンチ絵は3枚組なんだけれども、2枚目は水中グライダー?のような魚形対潜爆弾、3枚目はホーミング魚雷になっていました。本紙がないのも残念ですが、作成元や作成年月日も記入されていないのも残念ですね。おもしろそうなのに。
2010.11
01
CM:0
TB:0
09:23
Category : ミリタリー
 今月※の”Proceedings”(USNI)をパラ読みしていたら『無人・潜水による大西洋横断成功』の記事を発見。水中グライダー”Scarlet Knight”※※が大西洋横断したという内容。

 要は
(1) 船体を負浮力とし、沈降する力を翼で分解して前に進む。
(2) 一定の水深で正浮力とし、浮き上がる力を分解して前に進む。
 を繰り返して進む水中UAV。

 これって80年代に考えられた「無人水中輸送船」の子孫ではないか、と読むと、やはりそのとおり。80年代版の無動力輸送船、正式名称”Slocum glider”の直系の子孫であるとのこと。略中正浮力のハルクを用意して、負浮力・正浮力を切り替えることにより沈降を繰り返させる。沈降するときには調整室に海水を導入する、浮揚するときはヒドラジン(だったと思う)で気体を作り、調整室の海水を追い出す。沈降・浮揚する力から、翼をつかって前向きに進む力を作り出す。

 ただし、”Scarlet Knight”は”Slocum glider”のように貨物を搭載したり、深海まで降りたり、ヒドラジンをつかって浮揚したりしない。搭載するのは観測機器だけ、潜る深さも100m程度、浮力の切替メカニズムも、ボディの気室の容積を「半カップほど」変化させるだけで実現している。

 大西洋横断に成功している以上、当然だけれども誘導機構もついている。航跡から潮に流されている様子もあるけれども機能している。大圏コースはとっていないが、おそらく海洋観測の必要上設定されたコースなのだろう。次は、イギリスからオーストラリアまで自律航海させるようだ。

 ただ、大西洋横断には221日を要している。直接的な軍事転用、誰でも思いつく機雷敷設あたりには使い難い。戦争中ならば飢餓の戦地に米を入れて送るとか、むりくり「ふ」号風に使うのかもしれないけれども。

※ 2010年5月
※※ 製造元の説明 http://rucool.marine.rutgers.edu/atlantic/index.html

(2010年05月21日 MIXI日記より)