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Category : 雑誌読み
『季刊民族学』をちょい読み。「広東省の豊かな台所事情」(1985年 通号32号)で発見。中国、広東省での犬肉食(香肉料理)では、黒犬が珍重されるとのこと。日本での、赤犬がおいしいとは異なっている、残念ながら犬肉を食べたこともないから(個体識別できる犬は食いにくいだろうね)、どちらがうまいか断ずることはできないけれども。ちなみに、食肉として一番効果な動物はハクビシン。以前SARSの要因として疑われた動物である。
ついでにいっておくと、この号には書いていないことだけれども、中国人に「何でも食べるのだろう」というと結構反発する。特に華北や東北の連中曰く「なんでも食べるのは南方の連中だけ」とのこと。チワン族自治区にいる少数民族の中には、調味料として「糞便汁」、牛の大腸の中身を濾した調味料を用いる例(選書メチエ『嗜好品の文化人類学』)がある、というと露骨に嫌な顔をした。
話もそれたけど。この「広東省の豊かな台所事情」では、市場で流通する食べ物だけを紹介するのではなく、広州付近の農業も紹介している。珠江デルタ地帯での農業形態の特色として養殖池を上げている。珠江デルタでは、養殖池を中心に据えた農業のサイクルが成立しているらしい。
・ 現地では家畜・家禽に加えて家魚というカテゴリーがある。
- 家魚は養殖が容易なコイ科の養殖魚を指す
- 家魚養殖が農業の中心にある
・ 養殖池には養分として豚の排泄物をそのまま入れる
・ 養殖池は定期的に浚い、浚渫土を畑に入れて地力を上げる
・ 浚渫土は有害菌が多いので、石灰で消毒する
- 水を抜いたあとの池にも石灰を撒く
・ 養殖池の堤防には、砂糖黍と桑を1~2年交代で植える
- 桑は1~2年で抜根し、桑の皮を製紙に使う
・ 砂糖黍の絞り滓(ガバス)は豚の飼料にする
養殖池を中心とした農業サイクルとは直接関係しないが、
・ 粉炭と豚糞を混ぜあわせて練炭を作る
という記述がある。北方とか高地では糞を燃料に使う例はあるが、暑くて湿気も多い亜熱帯で実施するには、脱水工程も面倒だろう。
同号には「ニューファウンランドのタラ漁」も載っていた。実際にはカナダ全体の漁業についてのレポート。
・ タラの顎、2cm四方は「コッド・タン:cod tongues」といって美味・高価
(鮭のハラスみたいなものか?)
・ かつてはタラの肝から肝油を取っていた
・ 鯨が湾内に入ると「昔なら大喜びで…」
・ ノバ・スコシアでは日本人がマグロ蓄養をやっている
・ 太平洋岸フレーザー川では海苔を食べる習慣がある
また、前号の31号には、モルジブの鰹一本釣の記事がある。なんでも三食がカツオ料理らしいのだが、当地のことなので調理法はカレーオンリーらしい。モルジブ人に醤油とわさびを教えて刺身調理とか、油の青臭さを落とすための「たたき」を教えたらどうなるのだろうね。
割と年末まで仕事が詰まっているので、古いMIXIの日記からお手軽に転載。
MIXI日記 2010年05月07日 より転載
ついでにいっておくと、この号には書いていないことだけれども、中国人に「何でも食べるのだろう」というと結構反発する。特に華北や東北の連中曰く「なんでも食べるのは南方の連中だけ」とのこと。チワン族自治区にいる少数民族の中には、調味料として「糞便汁」、牛の大腸の中身を濾した調味料を用いる例(選書メチエ『嗜好品の文化人類学』)がある、というと露骨に嫌な顔をした。
話もそれたけど。この「広東省の豊かな台所事情」では、市場で流通する食べ物だけを紹介するのではなく、広州付近の農業も紹介している。珠江デルタ地帯での農業形態の特色として養殖池を上げている。珠江デルタでは、養殖池を中心に据えた農業のサイクルが成立しているらしい。
・ 現地では家畜・家禽に加えて家魚というカテゴリーがある。
- 家魚は養殖が容易なコイ科の養殖魚を指す
- 家魚養殖が農業の中心にある
・ 養殖池には養分として豚の排泄物をそのまま入れる
・ 養殖池は定期的に浚い、浚渫土を畑に入れて地力を上げる
・ 浚渫土は有害菌が多いので、石灰で消毒する
- 水を抜いたあとの池にも石灰を撒く
・ 養殖池の堤防には、砂糖黍と桑を1~2年交代で植える
- 桑は1~2年で抜根し、桑の皮を製紙に使う
・ 砂糖黍の絞り滓(ガバス)は豚の飼料にする
養殖池を中心とした農業サイクルとは直接関係しないが、
・ 粉炭と豚糞を混ぜあわせて練炭を作る
という記述がある。北方とか高地では糞を燃料に使う例はあるが、暑くて湿気も多い亜熱帯で実施するには、脱水工程も面倒だろう。
同号には「ニューファウンランドのタラ漁」も載っていた。実際にはカナダ全体の漁業についてのレポート。
・ タラの顎、2cm四方は「コッド・タン:cod tongues」といって美味・高価
(鮭のハラスみたいなものか?)
・ かつてはタラの肝から肝油を取っていた
・ 鯨が湾内に入ると「昔なら大喜びで…」
・ ノバ・スコシアでは日本人がマグロ蓄養をやっている
・ 太平洋岸フレーザー川では海苔を食べる習慣がある
また、前号の31号には、モルジブの鰹一本釣の記事がある。なんでも三食がカツオ料理らしいのだが、当地のことなので調理法はカレーオンリーらしい。モルジブ人に醤油とわさびを教えて刺身調理とか、油の青臭さを落とすための「たたき」を教えたらどうなるのだろうね。
割と年末まで仕事が詰まっているので、古いMIXIの日記からお手軽に転載。
MIXI日記 2010年05月07日 より転載
Category : ミリタリー
2chで出た「竿竹屋SSM」についてです。昔同人で書いた「SSMなんて、さおだけ屋みたいにトラックに乗っけて、そのまま目視なり概略方位なりで発射すればいいんじゃないの」という話です。まずは88式SSMなんて凝り過ぎなのですよ。
さおだけ屋SSMと88式SSMには実用上の差もありません。概略方位に発射すれば当たるのが対艦ミサイルだからです。
コストはさおだけ屋SSMの方が優れているでしょう。トラックにSSMを積むだけです。ほぼSSMの単価だけで済んでしまう。余計なシステムがてんこ盛りの88式に較べれば安価です。余計なシステムもないので、運用人員も少なく、熟練も要求されません。さおだけ屋だって1人で流しているわけだから、1人で運用もできるでしょう。(別に2人でもよい)
脆弱性についても、後方で流していればそうそう撃破はされません。ダミーで中古車に塩ビ管積んだ車両を流せば、どれが本物かもわからない。なんなら陣地にこもらせてもよい。車両サイズの掩体を築くのが面倒ならば、ミサイルを台車(佐川急便のアレ)に載せて発射位置まで出し入れしてもよいでしょう。
実例にしても、イランのSSM、ハプーンの陸上発射型として計画だけされたエクスカリバーも似たような物なのです。
これを戦車門徒は必死になって否定しようします。しかし、本質を理解していないので単に「原始的である」としか否定できません。彼らは別に原始的であるから悪いということもないのです。プリミティブであることは、むしろ長所でしょう。
戦車門徒が必死になって考え出した反論は以下のようなものです。
ただし、皮肉を言ったつもりが、全然皮肉になっていない。本質を見誤った良い例でしょう
> そんな事よりお前ら、軽トラに携SAM抱えた隊員が乗り込むと
> 自走SAMになるんだぜ?
> オマエは馬鹿か?とヒステリックに叫ぶだろうが、それは防衛反応だ。
(http://toki.2ch.net/test/read.cgi/army/1286235687/850)
この「ハコ乗り携SAM」、充分に自走SAMとなることに気づいていない。アベンジャーにせよ近SAMにせよ、本質はまさにこれです。近SAMなんて余計なギミックを追加していますが、ミサイルそのものは目視照準です、例によって過剰性能でしょう。逆にハコ乗り携SAMの方が優れている点もあります。まず、トラックと携SAMが別々に使えますね。行進間射撃に不便?そればら停車すればいいでしょう。逆に、アベンジャーや近SAMみたいに、むりやり結合しても使い勝手がよくなったのかということを考えないといけません。
ハコ乗り携SAMを批判にして、それっぽい形になっているだけの近SAMとなると肯定する。これは外見だけしか見ていない。本質に気づかない証拠なのです。
戦車門徒が、それっぽい外見だけを求める傾向について、ある友人(戦車門徒の後難で面倒臭くなるので、特に名は秘す)曰く。
「彼ら(戦車門徒)は野蛮な戦争が嫌いなのですよ。
パジェロやランクルで戦争をやるのは三等国のようで格好悪いから、いやなのです。
パリを守ったのは根こそぎ動員されたタクシーだったことにも、ファシストに恐れられた
『スターリンのオルガン』の正体にも思いが至らないのでしょう。」
まず、これなんでしょうね。
なんにしても機械的に反応するだけです。仮に、新しい記事で「浅いところにある機雷なんて、UUVが無くとも掃討できる。海女を雇って時限爆弾で破壊すればよい。デスラー機雷もその方法でやった」と書くと、戦車門徒は逆上するでしょう。野蛮っぽく見えるから。
さおだけ屋SSMと88式SSMには実用上の差もありません。概略方位に発射すれば当たるのが対艦ミサイルだからです。
コストはさおだけ屋SSMの方が優れているでしょう。トラックにSSMを積むだけです。ほぼSSMの単価だけで済んでしまう。余計なシステムがてんこ盛りの88式に較べれば安価です。余計なシステムもないので、運用人員も少なく、熟練も要求されません。さおだけ屋だって1人で流しているわけだから、1人で運用もできるでしょう。(別に2人でもよい)
脆弱性についても、後方で流していればそうそう撃破はされません。ダミーで中古車に塩ビ管積んだ車両を流せば、どれが本物かもわからない。なんなら陣地にこもらせてもよい。車両サイズの掩体を築くのが面倒ならば、ミサイルを台車(佐川急便のアレ)に載せて発射位置まで出し入れしてもよいでしょう。
実例にしても、イランのSSM、ハプーンの陸上発射型として計画だけされたエクスカリバーも似たような物なのです。
これを戦車門徒は必死になって否定しようします。しかし、本質を理解していないので単に「原始的である」としか否定できません。彼らは別に原始的であるから悪いということもないのです。プリミティブであることは、むしろ長所でしょう。
戦車門徒が必死になって考え出した反論は以下のようなものです。
ただし、皮肉を言ったつもりが、全然皮肉になっていない。本質を見誤った良い例でしょう
> そんな事よりお前ら、軽トラに携SAM抱えた隊員が乗り込むと
> 自走SAMになるんだぜ?
> オマエは馬鹿か?とヒステリックに叫ぶだろうが、それは防衛反応だ。
(http://toki.2ch.net/test/read.cgi/army/1286235687/850)
この「ハコ乗り携SAM」、充分に自走SAMとなることに気づいていない。アベンジャーにせよ近SAMにせよ、本質はまさにこれです。近SAMなんて余計なギミックを追加していますが、ミサイルそのものは目視照準です、例によって過剰性能でしょう。逆にハコ乗り携SAMの方が優れている点もあります。まず、トラックと携SAMが別々に使えますね。行進間射撃に不便?そればら停車すればいいでしょう。逆に、アベンジャーや近SAMみたいに、むりやり結合しても使い勝手がよくなったのかということを考えないといけません。
ハコ乗り携SAMを批判にして、それっぽい形になっているだけの近SAMとなると肯定する。これは外見だけしか見ていない。本質に気づかない証拠なのです。
戦車門徒が、それっぽい外見だけを求める傾向について、ある友人(戦車門徒の後難で面倒臭くなるので、特に名は秘す)曰く。
「彼ら(戦車門徒)は野蛮な戦争が嫌いなのですよ。
パジェロやランクルで戦争をやるのは三等国のようで格好悪いから、いやなのです。
パリを守ったのは根こそぎ動員されたタクシーだったことにも、ファシストに恐れられた
『スターリンのオルガン』の正体にも思いが至らないのでしょう。」
まず、これなんでしょうね。
なんにしても機械的に反応するだけです。仮に、新しい記事で「浅いところにある機雷なんて、UUVが無くとも掃討できる。海女を雇って時限爆弾で破壊すればよい。デスラー機雷もその方法でやった」と書くと、戦車門徒は逆上するでしょう。野蛮っぽく見えるから。