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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2010.12
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12:19
Category : 雑誌読み
 『季刊民族学』をちょい読み。「広東省の豊かな台所事情」(1985年 通号32号)で発見。中国、広東省での犬肉食(香肉料理)では、黒犬が珍重されるとのこと。日本での、赤犬がおいしいとは異なっている、残念ながら犬肉を食べたこともないから(個体識別できる犬は食いにくいだろうね)、どちらがうまいか断ずることはできないけれども。ちなみに、食肉として一番効果な動物はハクビシン。以前SARSの要因として疑われた動物である。
 ついでにいっておくと、この号には書いていないことだけれども、中国人に「何でも食べるのだろう」というと結構反発する。特に華北や東北の連中曰く「なんでも食べるのは南方の連中だけ」とのこと。チワン族自治区にいる少数民族の中には、調味料として「糞便汁」、牛の大腸の中身を濾した調味料を用いる例(選書メチエ『嗜好品の文化人類学』)がある、というと露骨に嫌な顔をした。

 話もそれたけど。この「広東省の豊かな台所事情」では、市場で流通する食べ物だけを紹介するのではなく、広州付近の農業も紹介している。珠江デルタ地帯での農業形態の特色として養殖池を上げている。珠江デルタでは、養殖池を中心に据えた農業のサイクルが成立しているらしい。

・ 現地では家畜・家禽に加えて家魚というカテゴリーがある。
 - 家魚は養殖が容易なコイ科の養殖魚を指す
 - 家魚養殖が農業の中心にある
・ 養殖池には養分として豚の排泄物をそのまま入れる
・ 養殖池は定期的に浚い、浚渫土を畑に入れて地力を上げる
・ 浚渫土は有害菌が多いので、石灰で消毒する
 - 水を抜いたあとの池にも石灰を撒く
・ 養殖池の堤防には、砂糖黍と桑を1~2年交代で植える
 - 桑は1~2年で抜根し、桑の皮を製紙に使う
・ 砂糖黍の絞り滓(ガバス)は豚の飼料にする

 養殖池を中心とした農業サイクルとは直接関係しないが、

・ 粉炭と豚糞を混ぜあわせて練炭を作る

 という記述がある。北方とか高地では糞を燃料に使う例はあるが、暑くて湿気も多い亜熱帯で実施するには、脱水工程も面倒だろう。


 同号には「ニューファウンランドのタラ漁」も載っていた。実際にはカナダ全体の漁業についてのレポート。

・ タラの顎、2cm四方は「コッド・タン:cod tongues」といって美味・高価
 (鮭のハラスみたいなものか?)
・ かつてはタラの肝から肝油を取っていた
・ 鯨が湾内に入ると「昔なら大喜びで…」
・ ノバ・スコシアでは日本人がマグロ蓄養をやっている
・ 太平洋岸フレーザー川では海苔を食べる習慣がある

 また、前号の31号には、モルジブの鰹一本釣の記事がある。なんでも三食がカツオ料理らしいのだが、当地のことなので調理法はカレーオンリーらしい。モルジブ人に醤油とわさびを教えて刺身調理とか、油の青臭さを落とすための「たたき」を教えたらどうなるのだろうね。


割と年末まで仕事が詰まっているので、古いMIXIの日記からお手軽に転載。
MIXI日記 2010年05月07日 より転載
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