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Category : 未分類
米軍から本格的機雷がなくなろうとしている。第二次世界大戦型はすでに在庫していない様子である。CAPTOR(対潜魚雷を発射する)も退役している。SLMM(潜水艦発射式自航機雷)も退役間際である。残っているクイック・ストライクは、通常爆弾を機雷に変更するキットでしかない。
新機雷についても大量調達の目処も立たない。新機雷であるシー・プレデターは間違いなく高価になる。シー・プレデターは一種の無人潜水艦であり、技術的にも実用化できるかわからない。できても機雷原に相当するほどの数を調達できる見込もない。SLMMも、Mk48長魚雷を流用した後継型が計画されている。だが、廃用魚雷が出てこないことには大量整備できない。
数的に主力であるクイック・ストライクは、限定された性能しかない。最大でも2000ポンド爆弾を転用できるだけである。現用している2000ポンド爆弾も、弾殻が厚いため炸薬量も400kgと少なく、威力も水雷用爆薬よりも劣る。旧式の2000ポンド薄肉爆弾が残っていればそれを使ったほうが良い。たが、薄肉爆弾は寸法的に2000ポンド爆弾と同じというだけで実際の重量は600kg程度である。炸薬量も500kgと大して増えない。水雷用爆薬ではないため、威力もそれなりである。クイック・ストライクはどの爆弾を使おうとも沈底式に限定される。危害半径で及ぶ程度の、浅い海域でしか使えない。
米軍が好む大規模機雷原を構成するには、開発中の機雷も、クイック・ストライクでも不足がある。いま開発している機雷は高価すぎる。クイック・ストライクは浅い海でしか使えない上に、威力も不足する。消耗機雷原や、海上封鎖をするためには、開発している機雷よりも安く、クイック・ストライクよりも強力な機雷が必要になる。
実際に米海軍は機雷を買えばいいと考えている。第二次世界大戦で米国が使った感応機雷は、英国製感応機雷を参考にした機雷や、英国が入手したドイツ製感応機雷のコピーであった。米国と英国は親密な関係にある。このため、米海軍には「機雷程度であれば、いつでも英国が売ってくれる」と考えている節がある。
しかし、それは甘い考えではないか。今の米国に新型感応機雷を大量生産する能力があるかは疑問である。魚雷や機雷に用いる水雷用爆薬は、生産に高度な技術力が必要である。化学合成をする段階も厳密に管理しなければならない。充填や成形に際しても、炸薬にスが入らないように高度管理する必要がある。もちろん米国は魚雷を生産しているが、生産規模は大きくではない。短期間に1000個単位の機雷用炸薬を大量生産し、充填・成形する能力はないだろう。砲弾・爆弾用炸薬を流用すると、威力が小さく、危害半径が狭く、敷設深度も浅くなってしまう。威力低下分を炸薬量増加で対応すると、航空機や艦艇、潜水艦への搭載数が激減してしまう。
また、別の懸念もある。ノーマン※は「外国製機雷は[米海軍基準に]摺り合わせることは以下の理由から難しい[中略]なによりも海軍は、機雷のコードにトロージャン・ホースや致命的なコード・エラー組み込まれている可能性を恐れている」と言っている。システム連接をする場合、機雷は自国製で開発しなければならないといっている。
米国には戦時に必要なだけ機雷を集められない可能性がある。高度な機能を求める新機雷は取得性で見通しが暗い。既存のクイック・ストライクでは能力的に不足してしまう。本来なら、在来型機雷をある程度ストックしておきたいが、すでに在庫はない。
※ Norman Polmar,Scott C.Truver'Weapons That Wait...and wait'"Proceedings"June 2011,USNI,87.p.
新機雷についても大量調達の目処も立たない。新機雷であるシー・プレデターは間違いなく高価になる。シー・プレデターは一種の無人潜水艦であり、技術的にも実用化できるかわからない。できても機雷原に相当するほどの数を調達できる見込もない。SLMMも、Mk48長魚雷を流用した後継型が計画されている。だが、廃用魚雷が出てこないことには大量整備できない。
数的に主力であるクイック・ストライクは、限定された性能しかない。最大でも2000ポンド爆弾を転用できるだけである。現用している2000ポンド爆弾も、弾殻が厚いため炸薬量も400kgと少なく、威力も水雷用爆薬よりも劣る。旧式の2000ポンド薄肉爆弾が残っていればそれを使ったほうが良い。たが、薄肉爆弾は寸法的に2000ポンド爆弾と同じというだけで実際の重量は600kg程度である。炸薬量も500kgと大して増えない。水雷用爆薬ではないため、威力もそれなりである。クイック・ストライクはどの爆弾を使おうとも沈底式に限定される。危害半径で及ぶ程度の、浅い海域でしか使えない。
米軍が好む大規模機雷原を構成するには、開発中の機雷も、クイック・ストライクでも不足がある。いま開発している機雷は高価すぎる。クイック・ストライクは浅い海でしか使えない上に、威力も不足する。消耗機雷原や、海上封鎖をするためには、開発している機雷よりも安く、クイック・ストライクよりも強力な機雷が必要になる。
実際に米海軍は機雷を買えばいいと考えている。第二次世界大戦で米国が使った感応機雷は、英国製感応機雷を参考にした機雷や、英国が入手したドイツ製感応機雷のコピーであった。米国と英国は親密な関係にある。このため、米海軍には「機雷程度であれば、いつでも英国が売ってくれる」と考えている節がある。
しかし、それは甘い考えではないか。今の米国に新型感応機雷を大量生産する能力があるかは疑問である。魚雷や機雷に用いる水雷用爆薬は、生産に高度な技術力が必要である。化学合成をする段階も厳密に管理しなければならない。充填や成形に際しても、炸薬にスが入らないように高度管理する必要がある。もちろん米国は魚雷を生産しているが、生産規模は大きくではない。短期間に1000個単位の機雷用炸薬を大量生産し、充填・成形する能力はないだろう。砲弾・爆弾用炸薬を流用すると、威力が小さく、危害半径が狭く、敷設深度も浅くなってしまう。威力低下分を炸薬量増加で対応すると、航空機や艦艇、潜水艦への搭載数が激減してしまう。
また、別の懸念もある。ノーマン※は「外国製機雷は[米海軍基準に]摺り合わせることは以下の理由から難しい[中略]なによりも海軍は、機雷のコードにトロージャン・ホースや致命的なコード・エラー組み込まれている可能性を恐れている」と言っている。システム連接をする場合、機雷は自国製で開発しなければならないといっている。
米国には戦時に必要なだけ機雷を集められない可能性がある。高度な機能を求める新機雷は取得性で見通しが暗い。既存のクイック・ストライクでは能力的に不足してしまう。本来なら、在来型機雷をある程度ストックしておきたいが、すでに在庫はない。
※ Norman Polmar,Scott C.Truver'Weapons That Wait...and wait'"Proceedings"June 2011,USNI,87.p.
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Category : 未分類
"Jane's Navy International"で各国CIWSの記事を見かけたのだけれども。
ファランクスの改良型、Mk15Mod41はレーザ兵器になっている。ま「実際に作ってみました」で終わりじゃないかと。ウン、ファランクスのバルカン砲をレーザに変えたシロモノなんだけれどもね。
・ 散布界がないから、まぐれあたりなし。照準シビアじゃね?
・ 長距離になればなるほど、照準キツクね?
・ 連続発射に耐えられるのか?
・ バルカンなら、弾が続く限り撃てるけど、発振器まわりの加熱とかあるんじゃね?
・ システムは相当大きくなるんじゃないの?
・ 容積/排水量/電力に余裕のあるフネじゃないと、積めなくね?
・ 気象条件で有効距離が短くなるんじゃね?
・ 霧/視程不十分では、射程500mとかだと困らね?
・ ミサイルを鏡状に磨かれたら、対数的に威力が減るんじゃ?
・ SDI対策で出てきた、ミサイルの表面を鏡した空間磁力メッキ風で相当威力は減じないかね?
まあ、素人でもコレくらいは考えつくよね。
米軍も、すぐには実用できないのは分かっていて作っているのだろうけどさ。無垢の20mm機関砲とか40mm以上の破片とか、ミサイルの破片調整子の類の方が威力はあるわけだ。出来てもいないのに、ダメだしされるのがレーザー兵器でね。ロマンはあるけど、実用性は常に「あと20年」ではないかと。この40年の間「あと20年で」と言われ続けたリニア・モータ・カーの方が先行しているのではないかと。兵器ではなく、測距とか観測とか、救難、製造、あるいは医療なんかが全然先行しているのも、光は長距離まで届くものの、「殺人光線」としてのパワーは近距離に限られるからなんでしょうなあ。
あとこの特集で気づいたこと。ちうごくのType730Aの形状かね。どう見てもゴールキーパーのコピーですというオーラが出まくっているよ。http://defense-studies.blogspot.com/2009/10/type-730-chinas-ciws.html
2011年3月24日、MIXI日記より転載
ファランクスの改良型、Mk15Mod41はレーザ兵器になっている。ま「実際に作ってみました」で終わりじゃないかと。ウン、ファランクスのバルカン砲をレーザに変えたシロモノなんだけれどもね。
・ 散布界がないから、まぐれあたりなし。照準シビアじゃね?
・ 長距離になればなるほど、照準キツクね?
・ 連続発射に耐えられるのか?
・ バルカンなら、弾が続く限り撃てるけど、発振器まわりの加熱とかあるんじゃね?
・ システムは相当大きくなるんじゃないの?
・ 容積/排水量/電力に余裕のあるフネじゃないと、積めなくね?
・ 気象条件で有効距離が短くなるんじゃね?
・ 霧/視程不十分では、射程500mとかだと困らね?
・ ミサイルを鏡状に磨かれたら、対数的に威力が減るんじゃ?
・ SDI対策で出てきた、ミサイルの表面を鏡した空間磁力メッキ風で相当威力は減じないかね?
まあ、素人でもコレくらいは考えつくよね。
米軍も、すぐには実用できないのは分かっていて作っているのだろうけどさ。無垢の20mm機関砲とか40mm以上の破片とか、ミサイルの破片調整子の類の方が威力はあるわけだ。出来てもいないのに、ダメだしされるのがレーザー兵器でね。ロマンはあるけど、実用性は常に「あと20年」ではないかと。この40年の間「あと20年で」と言われ続けたリニア・モータ・カーの方が先行しているのではないかと。兵器ではなく、測距とか観測とか、救難、製造、あるいは医療なんかが全然先行しているのも、光は長距離まで届くものの、「殺人光線」としてのパワーは近距離に限られるからなんでしょうなあ。
あとこの特集で気づいたこと。ちうごくのType730Aの形状かね。どう見てもゴールキーパーのコピーですというオーラが出まくっているよ。http://defense-studies.blogspot.com/2009/10/type-730-chinas-ciws.html
2011年3月24日、MIXI日記より転載