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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2011.07
06
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20:18
Category : ミリタリー
 海自にミサイル艇って必要かね?
 現状では考えられないことだけれども。有事を想定したとしよう。しかし、それでもミサイル艇には価値を見いだせない。

 まず、周辺国には、日本に攻め寄せる戦力もない。相手が日本に近づいてくれなければ、ミサイル艇は役に立たない。ミサイル艇にはあまり意味はない。

 周辺国艦船を、三海峡やら、琉球列島線を通過させない任務であっても、ミサイル艇は役に立たない。
 そのような任務であれば、ミサイル艇よりも航空機が適している。しかも、日本は対艦ミサイルを積める哨戒機やら戦闘機をやたらと持っている。飛行機に比べて遅いミサイル艇をわざわざ使う必要もない。
 航空機は、相手のエアカバーをすり抜けることも容易である。しかし、鈍足なミサイル艇ではヘリによる哨戒をくぐり抜けるには容易ではない。
 航空機には強力な索敵能力がある。だか、ミサイル艇はレーダ高さから索敵能力は限定される。
 航空機は、海象条件に左右されない。これに対して、小型であるミサイル艇は荒天ではどうしようもない。

 港湾防備を考慮しても、ミサイル艇には価値は見出せない。
 そもそも、港湾防備に強力な対艦ミサイルは不要である。港湾防備であれば、港湾の沖合で哨戒するだけである。極端な高速力も要求されない。仮に高速性能が要求されるなら、ヘリでも使えばよい。
 港湾防備であれば、掃海・掃討艇でも、YDTでもよい。存在価値も疑われる迎賓艇「はしだて」であっても、9.11以降、横須賀では港湾警備を全うしている。

 不審船対策であっても、ミサイル艇は値段にあったものでもない。
 港湾防備同様に、ミサイルは役に立たない。高速力ではヘリに劣る。射撃をするにしても、臨検をするにしても、ビークルとしてはヘリのほうが優れている。
 そもそも、不審船対策はまず海保が担当する。その海保は「つるぎ」で済ませている。海自の「はやぶさ」と比較すれば、1/10の価格である。

 ミサイル艇には存在価値が見いだせない。
 仮にあるとすれば、仮想敵や戦術研究、教育支援程度である。値段や維持費に見合った成果はない。
  沿岸でしか使えないミサイル艇は整理して、そのリソースは海自にとって優先すべき外洋艦隊に廻すべきである。海自には人手と金が足りないのである。ミサイル艇は廃棄するなり、陸揚保存するなりして、乗員と維持費を水上艦に回すべきである。
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2011.07
06
CM:0
TB:0
20:17
Category : ナショナリズム
 『ヤシガラ椀の外へ』(アンダーソン)読んで、ちいと考えたことなんだけれども。
 ベトナムが、東アジアから切り離された時期はいつなんだろうね?

 もともと、東アジアであったベトナムと、インドの影響の近い近所の南アジアとは全然違う。それなのに、近所でひっくるめて『東南アジア』とされてしまった。

 『ヤシガラ椀の外へ』には、「東南アジアの誕生」みたいな条がある。 そこでベトナムが東アジアからはなれてしまった経緯がある。
「グエン朝をフランスが保護国化したとき、たまたま「インドシナ」としてしまった。このため、ベトナムはインドシナと見なされるようになった。そして、第二次世界大戦において、連合国は「インドシナ」を『東南アジア』戦域としてした。ベトナムは結果として完全に東アジアから切り離された」 (アンダーソン、大意)
 という内容。
 でも、これって極めて最近、まあ少なくとも50~150年※の出来事じゃないのかねえ。ごく最近の話じゃないかと。

 こう見ると、ベトナム問題≠東南アジア問題では無かったのかな、と。

 ベトナム問題を「東南アジアの問題」とみて、「ベトナムの共産化により、東南アジアはドミノの倒れるが如く」と介入したアメリカは、エライ勇み足をしたもんだということになるね。

 ※『ヤシガラ椀の外へ』では、「『東南アジア』の誕生」1920~45年くらいだとしている


2009年10月04日 MIXI日記より