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- » 2011 . 11
Category : 有職故実
『イギリス連合王国の政治と行政』(発行年月日不明 東京駐在英国大使館情報部)※を読んで少々。
わりと有職故実紹介で面白い。
有名ところだと、王妃は王と同格になるが王配は女王より下になる。嫁さんは政治に口出さないけど、婿さんは口を出す可能性があるから影響力を下げておく。いまも女王に対してエディンバラ「公」というアレね。
それ以外でも、珍妙な組織もある。中世以来の四季裁判(Court of Quater Session)、巡回裁判(Assize)がある。教会裁判所である大僧正裁判所(Provincial Court)と僧正裁判所(Consistory Court)も戦後に残っている点。組織名だけの話だと、検死裁判所(Coroner's Court)とかスコットランドの奉行裁判所(The Sheriff Court)といった珍妙な名前もある。
近代以前を引きずったような制度もある。軽微犯罪治安裁判所は無給判事(多分、地方の名士のボランティア)による。ただしロンドンは有給判事である。これは自治都市ロンドンの格の高さなのかねえ。
で、一番興味をそそられるのが、警察組織の「王立アルスター警備隊」(The Royal Ulster Constabulary)だね。 北アイルランドの警察組織なんだが、北アイルランド政府とベルファウスト諸団体のカンパで運営されているような書きぶり。植民地の権力側が金を出し合って作った自警組織がそのまま警察になったような感じ。東インド会社自前の陸軍に似ている。 東インド会社軍、のちのインド植民地軍と王立アルスター警備隊は相似形になのよね。植民地支配そのものの制度じゃないのかな。
これがアイルランド紛争激化に至る原因だね。アイルランド独立運動が長引き、過激になり"Ireland Terrorist War"までエスカレーションした原因には、王立アルスター警備隊も挙げられる。スポンサーが英国にしがみつくユニオニストだから、独立運動に対して中立的な立場は取れない。ハッキリ言えばユニオニストの犬。アイルランド独立を主張するナショナリストへの弾圧に躊躇はない。過剰な暴力の行使を行なって、一般市民や穏健派を武力闘争に追い込み、アイルランド紛争を泥沼化させたんだろう。
※ ”Goverment and Administration of the United Kingdom”1952年版と1956年の抄訳とのこと
わりと有職故実紹介で面白い。
有名ところだと、王妃は王と同格になるが王配は女王より下になる。嫁さんは政治に口出さないけど、婿さんは口を出す可能性があるから影響力を下げておく。いまも女王に対してエディンバラ「公」というアレね。
それ以外でも、珍妙な組織もある。中世以来の四季裁判(Court of Quater Session)、巡回裁判(Assize)がある。教会裁判所である大僧正裁判所(Provincial Court)と僧正裁判所(Consistory Court)も戦後に残っている点。組織名だけの話だと、検死裁判所(Coroner's Court)とかスコットランドの奉行裁判所(The Sheriff Court)といった珍妙な名前もある。
近代以前を引きずったような制度もある。軽微犯罪治安裁判所は無給判事(多分、地方の名士のボランティア)による。ただしロンドンは有給判事である。これは自治都市ロンドンの格の高さなのかねえ。
で、一番興味をそそられるのが、警察組織の「王立アルスター警備隊」(The Royal Ulster Constabulary)だね。 北アイルランドの警察組織なんだが、北アイルランド政府とベルファウスト諸団体のカンパで運営されているような書きぶり。植民地の権力側が金を出し合って作った自警組織がそのまま警察になったような感じ。東インド会社自前の陸軍に似ている。 東インド会社軍、のちのインド植民地軍と王立アルスター警備隊は相似形になのよね。植民地支配そのものの制度じゃないのかな。
これがアイルランド紛争激化に至る原因だね。アイルランド独立運動が長引き、過激になり"Ireland Terrorist War"までエスカレーションした原因には、王立アルスター警備隊も挙げられる。スポンサーが英国にしがみつくユニオニストだから、独立運動に対して中立的な立場は取れない。ハッキリ言えばユニオニストの犬。アイルランド独立を主張するナショナリストへの弾圧に躊躇はない。過剰な暴力の行使を行なって、一般市民や穏健派を武力闘争に追い込み、アイルランド紛争を泥沼化させたんだろう。
※ ”Goverment and Administration of the United Kingdom”1952年版と1956年の抄訳とのこと
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