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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2011.12
24
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13:00
Category : ミリタリー
 とりあえず、冬コミ新刊は概成しています。まあ、所用があるので集中できないのが難ですが。本業が詰まったときに書いていますので、31日はでるでしょう。
 で、今回出す「対日攻勢機雷戦」本を書いていて、思うところを少々ね


 磁気機雷受磁部には指向性がある。現用機雷は知らない。しかし、戦争中に使用された誘導型磁気機雷には、指向性があった。通電式による磁気掃海を行う場合、磁気機雷と掃海電線との角度次第では、有効掃海幅は大きく伸び縮みする。また、力づくで大電力を流すと、有効掃海幅内側に、掃海できない「ホリディ」と呼ばれるエリアが発生する。機雷がこの指向性は、厄介であった様子である。

 磁気機雷が持つ指向性に対抗する手段が、五式掃海具である。
 五式掃海具は掃海電線で菱形を作る。一見、ひしゃげたソロバン玉であり、奇妙な形をしている。また、三艘曳きと手間を要する方法を採用している。

海軍資料より
   横須賀海軍工廠『磁気及音響機雷並ニ同掃海具便覧』(横須賀海軍工廠、1945.5)p.25.より。著作権保護期間は経過済である


 しかし 5式掃海具を磁気機雷指向性への対策とすれば、そこに合理性を見だす事ができる。掃海電線は5方向に走っている。5方向とは、菱形各辺にあたる4本と、頂点方向から掃海発電機につながる1方向である。掃海電線を5方向、5角度に設定することにより、沈底磁気機雷に対して、掃海電線5本中、少なくとも1-2本は有効な掃海幅を確保しようとする発想である。

 五式掃海具は、指向性対策である。
 この仮設は、日本海軍による通電式掃海具変遷でも裏付けられる。日本海軍が使用した通電型掃海具は、シンプルな形状から、複雑な形状に変化している。
 二式掃海具は、掃海電線1本を2艘曳する。展開器を使えば単艦曳航も可能である。
 四式掃海具は、掃海電線をやや複雑に四角に引き回し、二艘曳、あるいは単艦曳航する。
 その後に制式化された五式掃海具では、掃海電線はさらに複雑な形体になり、掃海具投入も容易ではない。曳航も三艘曳しなければならない。展開器等を活用しても、単艦曳航は実用上不可能である。
 磁気機雷が持つ指向性に対抗するため、日本は掃海電線形状を、シンプルから複雑に変化させた。その最終形態が、五式掃海具なのである。

  10月位に書いた、冬コミの原稿を整理していて気づいたことだけれどもね。
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