fc2ブログ

RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2012.02
25
CM:0
TB:0
13:00
Category : 中国
 沖縄問題でピントの外れた人が「台湾有事云々」を口にするけどさ、実際に台湾有事ってあるものかね。




 中国にとって、台湾問題での最善手は、平和回収となる。

 日米は、台湾が中国に回収されても文句のつけようはない。平和的手法なら、どこも文句はつけようもない。日米とも、微妙な表現は含むものの「中国は一つ」を認めている。

 平和回収は利が多く、武力回収には利がない。平和回収は、人命、コスト、予算、外交関係、経済的安定で優れる。武力回収は全てに劣る。武力回収での利点は、自己都合で着手できるという点だけであるが、成功する保障もない。

 その得失から、中国は平和回収を採用する。実際に、香港の例もある。台湾には、香港、澳門方式を応用する。中国人は気が長い。煮詰まって、熟した柿が落ちるまで待つ。経済格差がなくなり、中国での人権思想が成長し、一国二制度ならOKと台湾人が納得するまで待てば良い。

 台湾は今でも中国の一部である。台湾回収を急ぐ理由もない。今まで60年間回収しなかった領土を、急いで回収する必要はない。中国から見ても、別に国土が外国に奪われたわけではない。民国政府は外国の傀儡でもない。外国の軍隊が駐留しているわけでもない。中国の一部である台湾で、中国人である台湾人が政府の言うことを聞かない。それだけの話で、失敗した時の面子を考えれば、武力侵攻は危なくてできない。

 今の中国は、台湾が中国の一部である限りは、武力侵攻はしない。中国が台湾に侵攻する。そういうった状況をは考え難い。中国が武力行使するのは、台湾が中国から離脱しようとした時だろう。しかし、台湾で軍隊機構が健全なら海峡を渡っての侵攻は、相当にハードルが高い。失敗した時、台湾は中国から完全に離れてしまう。実際にできるのは海上封鎖と空爆に限定される。

 台湾への上陸を決意するのは、台湾が大混乱した時だけだ。台湾が中国から離れようとした時に、政治的大混乱が生まれ、軍隊機構が無力化した場合である。そうでもなければ、中国は台湾に武力侵攻しようとも思わない。

 対岸にいる中国軍は、台湾が中国から離れないように圧力を掛ける戦力である。「攻め込めるぞ」という姿勢を示す見せ金であり、台湾が中国である限り、武力侵攻は行わない。独立派が力を持った時に、演習をする程度のものだ。

 平和回収は妙手である。どこの国も文句のつけようもない。また、どこの国も大して困ることもない。

 日米としても、台湾が平和的に中国統治下に戻っても特に困ることはない。外交・軍事面を除けば、特に困る事態も考え難い。





 …確かにね、外交・軍事的には、中国の自由度が上がるから、日米はチョット困まる。中国を拘束した台湾がコマ落ちする。台湾正面に張り付けられてた中国軍がフリーハンドになってしまう。そうなると、日米とも後のゲームで困る。その戦力が、太平洋方面に指向された場合、日米は海空軍力でのアドバンテージを維持するために、大きな努力を強いられるからねえ。

 でもねえ、必ずしも太平洋に来るとも限らないんだよね。浮いた中国の戦力がどこに指向されるかは分からない。いわゆる中国「膨張主義」の結果、ゲーム的には四囲皆敵となっている。彼らが思い込んでいる「核心的利益」は南シナ海にある。インドやロシア、イスラム諸国との国境もある。もしかしたら、その頃になっても国内治安に問題を抱えているかもしれない。(あるいは、歴代王朝のように、外の世界に興味を失い、軍縮してしまう可能性もある。)

 まあ、日米としては、そこを上手く突いて、中国をどこか別正面で拘束させるべきなんだろうね。

 なんにせよ、沖縄問題と台湾有事をリンクさせるのには、無理があるだろうね。たしかに、中国と日米のゲームからは、沖縄に日米のコマを置く必要性はある。(それが海兵隊でなければならない理由はないけどね) しかし、その理由として台湾有事は、蓋然性に大きく欠けるよね。
スポンサーサイト



2012.02
25
CM:0
TB:0
12:59
Category : 有職故実
 『ユダヤ教の誕生 「一神教」の成立の謎』 荒井章三 (メチエ) を読んでいて。 牽強付会っぽいけど、「イスラエル」の起源を見つけたのでね。

 以下、「イスラエル」語源の大意

 ある夜、ヤコブ(アブラヒムの孫、イサクの息子)が「ヤボクの渡し」で神様と格闘した。
そして、夜明けまで神様を離さずに善戦。逃げにかかる神様から「お前はサラーエルを名乗れ、『神(エル)と戦った(サラー)から』からだ」と祝福を受ける。
以後、ヤコブはサラーエル、つまりイスラエルとなった。 「創世記」32章23-33節より

 そこで、著者の解説。
「ヤコブが叩かれた場所、『腿の筋』、『腿の関節』とは、おそらく性器」

 うーん、味わい深い。なんとなく印象に残り、木口小平風に
「ヤコブは金○を蹴られても、神様を離しませんでした」
って書いてみたのです。

 でも、なんとなく殉教者っぽくなっていけない。神様を第三者から守るために戦ったみたいになる。

 正確には
 「ヤコブは神様と喧嘩しました。しつこく付きまとい、ついには神様に金○を蹴られても離さなかったので、捨て台詞に『おまえ今日から【イスラエル】な』とあだ名されました」
なんですけどね。

 ヤコブは一方的に、この神様に襲いかかられている。

 この神話の起源として荒井章三さんは「川に棲む、デモーニッシュな存在ではないか」と言及されています。神が絶対唯一神となる前、河童みたいな土地の神様に尻子玉でも狙われたのでしょう


MIXI日記 2008年07月24日より