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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.03
31
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13:00
Category : ミリタリー
 海自の潜水隊って要らないよね。



 海自の潜水艦は、潜水艦隊に属する。潜水艦隊は、潜水隊群×2で構成され、潜水隊群は、2-3個潜水隊で構成される。話題とする潜水隊は、潜水艦2-4隻で構成される。

 この潜水隊だが、ポスト維持以外に用途はない。

 まず、作戦時に潜水隊は意味を持たない。潜水隊でまとまって行動することはない。潜水艦はおそらく個別に行動する。潜水隊としてまとめて運用されることは、まずないだろう。仮に複数が同一行動するとしても、潜水艦同士は連絡を取ることは難しい。海自潜水艦に、水中電話等があるかもしれない。もしあったとしても使えば発見される可能性が高い。隠密行動をモットーとする潜水艦は余程のことがなければ使えない。隊として行動することはないのである。

 また、潜水隊司令部は、水中では仕事はない。潜水艦に隊司令が座乗しても、できる仕事はない。潜水艦には、一応、潜水隊司令と隊付(准尉さんかな)が乗り込む部屋があるらしい。しかし、潜水艦に乗った隊司令にできる仕事はない。隊司令は艦長が行う行動には口を挟めない。※ 護衛隊や掃海隊なら、隊行動を指示することもあるが、潜水艦ではそれもできない。隊隷下に別の潜水艦があっても、指示しようがないのである。隊司令と隊付が何をやるかと言えば、艦長が発令所で出す指示をワッチする程度。これではバラストと変わらない。実際には、潜水艦の練度評価等で乗り込む程度なのだろう。

 陸上でも、潜水隊が担当する仕事はほとんどない。陸上作業は、潜水隊群や潜水艦基地隊がメインで実施している。呉と横須賀には潜水艦の基地が置かれている。そこには、潜水隊群が置かれ、その下に潜水隊と潜水艦基地隊がある。潜水艦のオペレーションがどのレベルで行われるかは、知らないし知る必要もない。しかし、監理や後方支援について計画は、潜水隊群で行われている。細かい実務や実作業は個艦と潜水艦基地隊、造修補給処、業者で行われる。潜水隊がやることはない。

 唯一の仕事は、人事評価である。隊内での調整、最終的な審査を行う立場にある。しかし、そのためだけに潜水隊が必要かとすると疑問である。潜水隊が隷下にもつ潜水艦は2-4隻、各艦には60名程度しか載っていない。2-3個潜水隊をまとめても、500名程度である。この程度の人事作業であれば、潜水隊群で充分に実施できる。

 潜水艦やその周辺にも、節約の余地はある。海自が潜水艦戦力を増強する方針は正しい。潜水艦に資源を投入することは、戦車に投入することに比べれば有意義である。しかし、潜水隊を維持することには意義は見いだせない。廃止してしかるべきである。



 まあ、潜水隊司令は、艦長以上、群司令以下の待機ポストだよね。

※ 艦長としての決定に司令は口出しできない。艦長は法令上「船長」としての権利・義務を持つ。「船長」は独裁者である。司法警察権や懲戒権も持つ。司令は、その上司であるに過ぎない。実際に、艦長に司令が意見しても退けられることもある。航海中のトラブルに際して、ある潜水艦で艦長が潜水員(ダイバー)による水中作業を実施しようとした。司令は「単独作業は危険である」と翻意を促したものの、艦長により作業は実施され、事故を起こした例がある。
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2012.03
31
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12:59
Category : つれづれに
 20年ほど前のこと。

 広島県の離島にある某収容所に収容されていた。収容所離島では、行儀作法にことのほかうるさい。そこでは湯殿でもマナーがある。その指導に辟易していた己は「屋上シャワー」愛好家となった。

 学部を卒業した翌日、3月末に収容。最初は湯殿を使っていた。だが、5月連休あけてからは、収容所の屋上シャワーで暮らした。最初のうちは仲間も居たが、11月を越える頃には己だけに。

 こうなると、件のワルノリの虫が疼きだす。国内研修から戻った、2・3月の広島で、冷水シャワーだけで暮らしてた。広島は結構寒い、雪も降る。雪の降るなかでの冷水シャワーは修行以外のなにものでもない。

 まず、40人の大部屋で素っ裸になり、サンダル履きで屋上に出る。屋上シャワーには全周さえぎるもののない。ヘッドの下に立ち、バルブを開き、体を一回転。5秒?でバルブを閉める。体をナイロンたわしで磨く、これは結構ノンビリ。そのアト、再びバルブ開放。20秒?位で石鹸を完全に洗い流す。これが冷たい。終わるときには、寒さで足の爪が紫色になる。寒さはそれほどでもないのだが、冷たさは痛覚に触る。

 しかし、体を拭きあげると、存外に寒くない。また振珍で屋上ペントハウスから大部屋に戻る。◯分隊の大部屋、その外側にある◯分隊の大部屋のヤツは既に慣れっこ。驚かない。 しかし、反対舷にある分隊の連中が驚いてくれるのには欣快だった。

 B(陸で言うIね)やC(SLOだっけ?)の方と(屋上は、物干しや喫煙所でもあった)偶に遭うと、眼を背けられるほどのインパクトを与えていた。3階に収容されるAとは違い、BCは2階なので屋上シャワーの存在そのものを知らない人も多い。その上、真冬だからねえ。

 しかし、あの建物は今では棲家ではないという。居住区が新館に遷ってから、屋上シャワーは廃されたと聞く。 すでに屋上シャワー族も絶えてしまったのだろう。
2012.03
28
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13:00
Category : ミリタリー
 陸士・海兵・防大問わず、自分は慕われていると書いているけれども、ホントはどんなもんだろうね。

 自衛隊内を対象にした雑誌に、エライさんの回顧が載っていることがよくある。
 そのなかに「ダラけた部隊を引き締めた」みたいな文章が結構載っている。「厳しくやっても、心が通じれば部下も付いてくる」なんて書かれることもある。

 バリバリの将校さんなんだろう。けれども、こういう人は、自分に陶酔しているか、ホントに廻りが見えていないかのどっちかだろうね。多分、部下10人として、1人の積極的追従者と2人の消極的追従者がいる程度。あとの6人は「嵐もいずれ過ぎる」と考えている。最後の1人?が積極的反抗者だろう。パレート最適みたいなもんか。

 陸士・海兵出の将校さんの回顧なんか読んでも、「部隊やフネは一致団結していた」ように飾っている。けれども、近くにいる予備士官回顧録を読むと「職業軍人って、自分の身繕いだけだね、気の毒だから助けてやっているのに」とか「◯◯艦長は、救助した駆逐艦長に『引換してフネを処分してくれ』と懇願していた、沈まなかったら体裁悪いんじゃないの?」とか温度差が激しい。下士官・兵になると、もっとスゴイ。

 まあ、『ダラけた部隊を立て直した』だの『部下に慕われている』だのいうヤツってロクなのはいないだろうってことだね。

 自衛隊の中だけではなく、世間でもそういう例はいくらでもあるけれどもね。
2012.03
28
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13:00
Category : 有職故実
 昭和10年、衆議院で採択したものを公文書館で発見。

 吃音は本人にとっては大変なことなのでしょう。しかし、聾唖とか盲人ほど深刻な問題ではない。吃音矯正機関も、国がやることかなと思うしね。国立機関を作っても周辺の人しか来ないんじゃないかと。

 他にも、「うーん」というものを色々と閲覧。

 娼妓開放へのカウンターとしてか、「公娼制度存置ニ関する請願」というのもありました。ちなみに「公娼制度は社会風紀を守り(姦通防止?)、性病を予防する(大意)」とする内容。
 しかし、性病予防の効果はどれほどのものかね? 娼妓は月一回でチェックしていたという。まったく無駄なことでもないが、性病が防遏されたわけでもない。公娼制度は戦前から、戦後しばらくまで存続していた。しかし、その間、新聞には花柳病の売薬広告が常に掲載されている。公娼私娼ともに感染の太宗だったのではないかな。
 あと、公娼制度では後腐れのない性欲処理云々についてもね。公娼制度は、女性は利用する側ではない。女性がムラムラ来たときには、公娼制度があっても効果はない。姦通を防ぐ効用もなんだよね。

 「国字問題解決ニ関スル請願」とか「25歳以下に酒を飲ませるな(おぼろげ)請願」とかね。結構面白い。

 でもねえ、肝心な資料が見つからないのは困りものでね。
2012.03
25
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13:00
Category : ミリタリー
 『高射砲兵の運用』※には、対空部隊が沿岸での対艦攻撃を行う構想が載っている。捜索レーダで目標艦船を探し、測距レーダで距離を求め、スカイ・スイーパー他の高射砲で攻撃するというものである。

 旧陸軍が、対艦攻撃を重視していた影響であろう。旧陸軍は、陸上戦以上に対艦船戦闘を重視していた。戦争後半には、戦車量産は諦め、艦船攻撃に用いる兵器に力を注いでいる。

 敵は船で来る。その船を沈めることは、陸に上がった敵部隊を攻撃するよりも効率は高く、優先度も高い。対空部隊を対艦戦闘に投入することには意義があったのである。

 その後、陸自にはHAWK(ホーク)対空ミサイルが導入された。ホークはセミ・アクティブ・レーダ・ホーミング方式(SARH)で誘導される。つまり、誘導用レーダで照射すれば、それに当たる。飛行機であっても、艦船であっても変わらない。

 ターター/スタンダート対空ミサイルは、ホークと同じSARH方式であるが、対艦攻撃モードがあった。また、シー・スパローもホークと同じSARH方式による対空ミサイルである。このシー・スパローは、艦船に命中してしまった例もある。米空母に搭載したシースパローが、たまたま照射されたトルコ海軍フリゲートに命中したのである。

 ホークも、CWで艦船を照射すれば命中する。そしてホークを運用した陸自は、高射砲兵で艦船攻撃を行わせる発想があった。高射特科には、有力な対艦攻撃手段になるホークがある。それを対艦攻撃に使わない理由はない。

 おそらく、ホークには対艦攻撃モード、あるいは対艦攻撃用法があったのではないかな。

※ 第一幕僚監部『高射砲兵の運用』1953年
2012.03
23
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20:31
 自称ロシア通である某さん「対空挺地雷である」と断じているのだけれども、どうみても水際機雷/地雷なんだよね、って話。

 発端は、朝日新聞の関根和弘さんが紹介された1枚の写真です。どうみても水際機雷なのだけれども、関根さんは、

>これは対空てい部隊の地雷です。面白い形をしています。
http://twitpic.com/8zxray

と説明されています。しかし、実物は対上陸舟艇用に使われる水際機雷です。おそらく関根さん、「対デサント用」を「対空挺作戦用」と理解されたのでしょう。専門ではないとのことですから、仕方がないことです。もちろん、地雷とすれば珍しく、面白い形体です。役に立つ紹介といえるでしょう。

 しかしこれを見た、ロシア通を自称する某さんが、対空挺用であると断じるのは、どうなんでしょうね。

>対空挺地雷? これは初めて見た…
https://twitter.com/#!/obiekt_JP/status/182976475815878657

>@hachimaki_t ロシアは対空地雷を開発した国でもあるので、これもそれに近いものかも。
https://twitter.com/#!/obiekt_JP/status/182978904284344320

某さん、軍事に詳しい人を自称しているわけです。それなら、写真を見れば、水際機雷であることが明らかなことくらい分かるでしょう。また、ロシア通を気取っている某さんや、周囲の人なら、ロシアの地雷について詳しいはずです。ロシアに対空地雷があるなら、その形体、動作原理と比較してオカシイことに気づかなければなりませんよね。

 いやね、某さんは「軍事的な誤り」「デマ」に厳しい人でもある。はっきり言えば、他人の過ちを見つけて、鬼の首をとったように喧伝する。しかし、某さん、これを対空挺用地雷という「軍事的誤り」を紹介しているわけです。それって「デマ」じゃないのって。

 一番不思議なのが、なんで某さん「対空挺地雷」「対空地雷に近いもの」なんて判断したかってところね。特異な形状、空挺用だとした場合の動作原理について、疑問に思わなかったところ、相当に甘いですね。

 だってさ、この形体で「地雷」とすれば、水際機雷/地雷※しかありませんもの。底板は、機雷の沈みこみを防ぎ、缶体を垂直に保持するため。球体の上にある棒は、触角そのものか、おそらくは触角の先端を延長した棒。船底が棒に引っ掛かると、根本にある信管、多分、電解液の入ったガラス瓶が割れて、発火させる役割でしょ。

 状況証拠としてもさ、指揮棒で説明する兵隊さんの後ろにあるのも、水際機雷だね。半球型に棒がつきだしたタイプで、日本海軍が作った「タラワ型」の1触角タイプと全く同じ形ですからねえ。

 説明で、キャプションで、「対空挺地雷」とあると、そのまま信じてしまうのでしょうね。そこにあるもの、説明されているものには気づくけど、説明されていないもの、そこにないものには気づかない。某さんはそういうタイプなのでしょう。

 ま、常々公言している「軍事的な常識」や「情報へのリテラシー」に欠けているのは、御本人ということになりますね。
 某さんは、他人の間違いをあげつらう人です。だから、私が間違いを見つけて指摘しても、文句もないでしょう。

※ 水際機雷(みずぎわきらい)は旧海軍兵器、水際地雷(すいさいじらい)は陸自現用の兵器。用途は同じ。



-------------------------24日午後4時に追記-----------------

調べてきたけど、該当機雷は、PDM-2水際機雷/地雷だね。
Russian's Arms and Technology Vol12(Public House,Moscow,2006)p351.に写真付きで説明があった。
別の本をあわせてみると、ロシアは水際機雷/地雷としてPDM-1,PDM-1M,PDM-2,PDM-4,PDM-6を保有しているとされている。でも、浅海・河川用であるMIRAB機雷あたりと境目がないねえ。

2012.03
21
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13:00
Category : ミリタリー
 方面隊、地方隊を省略、あるいは縮小整理することにより、人件費を下げ、人員を部隊に回すことができないかね。



 陸自は5方面隊、海自は4地方隊それぞれに総監部を置き、行政、作戦、後方支援を担当している。これは余分な結節になっている。

 地方ごとで業務を行う理由も乏しい。行政や後方支援のメインである人事や調達も、今ではIT化により全国一括で行えるようになっている。たしかに、土地に縛り付く補給処や造補所は必要である。しかし、総監部として今の規模が必要ではない。作戦部も、冷戦終結以降、本土戦に備える必要性は大きく減少している。災害派遣、ゲリラ・コマンド対策程度である。今の作戦部ほどの規模は必要ない。

 そして、管区も多すぎる。陸上を5管区、海域を4管区と、自衛隊規模に比較し細分しすぎである。すでに脅威は海外にシフトしている。国内・沿海を多管区に分割する理由もない。

 方面隊・地方隊、特に総監部には、廃止あるいは規模縮小の余地がある。また、5方面隊、4地方隊といった管区数も、減らす余地がある。

 方面隊・地方隊、特に中核となる総監部は絶対必要な機関ではない。行政、作戦、後方支援とも、全国区で集約処理することができる。

 行政のメインである人事はIT化により、全国区で管理できる。今やっているような、カード、ジャケット、赤表紙、黒表紙による人事管理も、電子化すれば、方面隊、地方隊といった結節抜きで処理できる。

 作戦も、地方に固定した司令部の必要はなくなっている。本土への脅威はすでにない。内地での作戦は、それほど考える必要はない。国内地方を担任する司令部は、意味を失っている。陸自に、師団以上の司令部が必要になっても、アド・ホックなタスク編成で済む。海自は実際にそのようにやっている。各地方ごとの、災害対処計画やその実施は重要かもしれないが、その準備として、総監部規模の作戦部は必要はない。

 後方支援も、IT化により、全国区で処理できる。もちろん、現地にある補給処や造補所は動かせない。会計や経理が行う調達/入札も現地から動かせいない。しかし、それを監理する総監部の必要性は、それほど切実ではない。

 また、管区も多すぎる。5方面隊・4総監部は、自衛隊規模に比して多い。 自衛隊規模は、小さいものではないが、戦前に比べれば半分以下である。
 陸上戦力も、基幹10個師団と5個旅団である。それを5管区に細分する必要はない。
 海上戦力はもっと極端である。4個護衛隊群(これは地方隊とは全然関係ない)基幹とはいいながら、自衛艦隊のレベルで混ぜ合わされて運用されている。地方に回された護衛隊とも混ぜ合わされ、適宜組み合わせて運用されているのである。地方隊には意味はない。※
 そして、いまや日本本土への脅威はなくなった。自衛隊活動も海外が焦点になっている。国内を多管区に細分する必要もない。

 方面隊・地方隊は、縮小する余地がある。方面隊・地方隊の数も多すぎる。そのメリットも大きい。
 総監部が抱える人員は、少ないものではない。特に将官以下、高級・中級幹部を多数含んでおり、人件費も高い。総監部を廃止し、あるいは整理縮小し、ポストを減らせば人件費を減らすことができる。中級幹部以下も、部隊に回し、充足率を上げることもできるのである。


 まあ、高級ポストを整理すれば、人件費も現場の充足率も上がるよね、って話。全国区で処理できるようになっているのに総監部とかねえ。まあ、一番アレなのが、護衛艦隊司令部かね。屋上屋を架すような司令部で、庁舎と旗艦を両方持っている。「必要なのかな」って誰でも思うでしょう。



※ 海軍区を分割するのは、明治期にフランスの影響を受けたものである。だが、その後、戦力は連合艦隊でまとめて運用されている。旧海軍区-地方隊は、その頃から戦力分割とは関係を失っている。

※※ 団、群や機関、小規模部隊、造補処、弾補所、教育隊を束ねる地方単位の管理組織は必要になるが、今の総監部ほど高級である必要はなく、多数設置する必要もない。


予約投稿失敗したので、21日20時過ぎに反映しました
2012.03
18
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13:00
Category : ミリタリー
 この財政厳しい中、陸自が新ヘリを開発するというのだが。OH-1と同じで、コスト高で失敗に終わるだろうね。喜ぶのは、技本と防衛産業と国産大好きマニアだけじゃないのかな。



 陸自が新型ヘリを開発する。東京新聞※によると「『低価格でUH1より高性能』の機種が存在しないことから、防衛省は本年度からの七年間で二百八十億円を投じ開発する」とのことである。

 しかし「『低価格でUH1より高性能』」なヘリを開発することは難しい。まず、陸自所要数程度では実現できない。民間バージョンとして成功するにしても、陸自ヘリとして大量使用の実績が必要になるが、今の陸自ヘリの規模では、それも期待できない。

 高性能なヘリは作れるかもしれないが、低価格は無理だ。まず、航空機製造で、目論見通りの価格が実現した例はない。1.5倍、2倍はいつもの話だ。製造費はUH-1を超える。それに、頭割り開発費が足される。高価になった機体は数が調達できない。当然、頭割り開発費は増える。

 開発費も含めれば、UH-1よりも高性能だが、UH-60よりも高価、下手すれば、EH-101やNH-90なみ価格のヘリになるのではないか。

 本当に「『低価格でUH1より高性能』」にするなら、ベル412でもライセンスすればいい。ベル412は、UH-1を、そのまま大型・双発化、4枚ローター化した機体である。新開発という冒険なしで、間違いなく高性能は得られる。



 まあ、新型ヘリは三菱MH2000と同じ運命をたどるんじゃないかね。川崎だから、バートルとかMBBみたいなところと合弁なり共同開発なりすればまだマシかもしれないけど。
 強いて言えば防衛産業保護なんだろうけどさ、日本にヘリメーカ、3社も必要かねえ。

※ 半田滋「多用途ヘリ 川重に決定 防衛省」『東京新聞』2012年3月7日 朝刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012030702000026.html?ref=rank
2012.03
17
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18:14
Category : ナショナリズム
 夕べ書いた「尖閣諸島に来るのも、ノルマでやっているんだろうね」の続きみたいなもんだけどね。



 昨3月16日、尖閣諸島で日本領海に侵入した中国公船が、今日はガス田を周航している。新華網によると、※ 中国海洋局は、別に4隻を加え6隻で艦隊を組み、ガス田周辺を航行している。

 法的には何の問題もない。ガス田は、日中どちらの領海でもない。強いて言えば、中国側EEZにあるが、EEZでは艦船は自由に航行できる。

 日本優位である尖閣諸島と異なり、ガス田では中国側がゲームをリードしている。日本としても、中間線から先にある中国側リグ設置そのものに文句はつけがたい。海底で日本側からも吸い取っている点を非難する程度である。日本にできるのは、とりあえず、毎日P-3Cで偵察し、状況を把握する程度である。

 神聖な領土での争いである。日本も威信をかけてリグを建てて採掘することもできる。日本側も中間線に沿ってリグを建てて、中国側にあるガスを吸い取ればお互い様になる。
 しかし、金銭的に割りに合わない。ガス田としては小規模であり、日本側が投資してもペイしない。そのため、P-3Cで偵察して抗議するだけである。

 実際には、尖閣も竹島も沖ノ鳥島も、ガス田と同じだ。実際には、何れも張り合うほどのメリットはない。※※ ガス田は、日本からすれば開発の利益がない。尖閣の石油も似た様なもので、コスト的にペイしない。尖閣と竹島はそれなりの好漁場であるが、実際に貼り合って、互いの国の関係をこじらせるほど魅力的な経済的利益は見込めないでもない。沖ノ鳥島は、陸地にも価値はなく、漁場としても全く魅力的ではない。

 領土問題も、実利からすれば全く引き合わない。莫大なコストを突っ込んで、しかも近隣国との摩擦を引き起こすだけ。ガス田、尖閣、竹島、沖ノ鳥島も、実利は産まない。
 ナショナリズムも面倒臭いよね。ほとんど利益を生み出さない島であっても、「領土は神聖」であり「血を流してでも守らなければならない」わけだ。そのために千金を費やし、近隣国と互いに非難を繰り返している。

 仕方がないことではあるが、非生産的である。合理的に考えれば、尖閣と竹島を売って、そのお金で北方領土でも買えばよい。19世紀末のアラスカ売買の例もある。でも、領土をお金で売り買いできない時代となった。中国人も韓国人も、領土をお金で買うつもりもない。ロシア人も売るつもりもない。もちろん、日本人も売り買いすることは許せない。

 いずれにせよ、ゲームを延々と続けるしかないわけだ。海保も、これから何年も、尖閣に巡視船を貼り付け続ける。海自も、飛行機で何年もガス田を偵察し続ける。
 国防での焦点は、中国とのゲームに移行している。ゲームに負けたくなければ、海軍戦力のアドバンテージを維持するしかない。本土防衛でしか使えない戦力は整理して、その分、海保、海自に廻すべきである。



「中国海監船編隊在東海油気田附近海域巡航」『新華網』(2012年03月17日15時29分)http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/news.xinhuanet.com/politics/2012-03/17/c_111667891.htm

※※ 例外は北方領土で、択捉、国後は日本で1・2番目の面積を誇り、第3位の沖縄本島よりも大きく、利用可能な面積も広い。また、四島周辺漁場も魅力的である。
2012.03
17
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00:18
Category : 博物館ほか
 金曜夕方、国立科学博物館でやっていた「インカ帝国展」を見てきたのだが、あまり有意義ではなかったよ。せめてねえ(初代インカ皇帝 御名)が連呼されるような素敵でも良かったのだがね。そうではなかった。

 まず、入場料1400円の割に密度が薄い。しかも大学生への学生割引がない。学生割引がないくせに、水曜日は女性1000円とか、夕方5時以降はカップル2000円にする工夫に力を注ぐあたりに、商業主義が現れている。

 中身も、先行文明とインカ帝国との関係、スペインによる侵略、ミイラ展示、マチュピチュ3D映画だが、有機的に連結していない。

 見に来る客もねえ。声高に私語をしてね。博物館の特別展というよりもね、興味本位でミイラを見に来ただけだろう。これでは衛生博覧会と大差ない。これではミイラは、ほとんど見世物。しかも、係は「作品」と言う。尊厳をもっと尊重すべきではないかね。

 そして、最後のマチュピチュ3Dは、3Dにする意味がない。本来ならば、等高線や石組みを強調すべきだがしていない。マチュピチュを観光客そのものの視点で撮影して終わり。

 おそらく、あまりにも3D感がないので困った。仕方がないから、CGでハチドリやコンドルを飛ばして3D感を出しているが、それは本質ではない。

 目録は、それなりにマシであったが、解説部分が少々薄い感じなので購入せず。手元で玩味するほどかな。必要ならば図書館で読めばいいかと。

 科博は、はやぶさ(アレも過剰に持ち上げるのが気持ち悪い)の件でも、便乗していたようなんだけどね。東博の「故宮博物院200選」はオススメだったけど「インカ帝国展」は推せないね。

メンダコ

 折角だから見てきた常設展から「メンダコ」。でも、常設展での江戸時代遺体展示も、尊厳には注意を払っているものの、見世物的に見える。展示での意図がね。
 それと、館外にあるクジラの模型、いつの間にかシロナガスになっていた。昔は、リベットで作られたマッコウクジラだったのだけどね。
2012.03
16
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23:17
Category : ナショナリズム
 たまには、予約投稿以外にも書いてみようかと。



 今日、尖閣諸島の日本領海に中国公船が侵入した。日経新聞※によると、「16日午前6時ごろ、尖閣諸島」に「中国船『海監50』『海監66』が」「一時、日本の領海内に侵入した。」とのことである。

 私も日本人であるので、中国が行った行動は、領海への侵入と退去拒否としか見えない。中国が行ったのは、日本の領域を侵す行為である。

 しかし、中国人からすれば、日本領域を侵した感覚はない。中国人からすれば「釣魚島領海に入った所、不法に占拠している日本巡視船に文句を言われた」という話になる。

 日本に置き換えれば「北方領土付近で操業中の漁船が、ロシア公船から警告を受けた」ことと同じだろう。

 早速ググったのだが、やはり元気の良い人が、ナショナリズムから爆発している。強硬手段をとれと主張している。しかし、それは得策ではないだろう。

 ここで強硬手段をとれば、中国のナショナリズムも刺激され、爆発する。そうなると、元気のいい中国人が漁船で寄せてくる。これは困り者だ。

 元気の良い人には、ゲームのルールが通用しない。

 日本と中国は、ルールに則ってゲームをしている。尖閣諸島を燃え上がらせて、戦略的互恵関係を損なうことは、両国にとって本意ではない。日中は、海軍競争、尖閣諸島での領土問題、東シナ海ガス田開発で角を突き合わせている。しかし、そのゲームは、戦略的互恵関係を損なわない前提である。ゲームはゲームであり、両国経済的利益を阻害しないルールである。

 しかし、元気の良い人が出てくると全部台無しになる。片方の元気の良い人が過激な行動を取ると、もう片方の国の元気の良い人はヨリ過激な行動を取る。ナショナリズムに火がつくと、戦略的互恵関係、経済的利益がおジャンになってしまう。

 両国政府は、ナショナリズムを抑制しようとしている。尖閣諸島の問題も、互いが勝手に既成事実を積上げない、言わずもがなの取り決めがある。

 両国にとって、現状が一番理想的である。互いに、民間を締め出し、また軍艦を出さない。政府公船同士でゲームを行う。あくまで事務的に対応する。

 中国公船が尖閣諸島12マイルに入るが、居座らず航過する。これはゲームの範囲内であり、ルールを蔑ろにしない行為である。

 日本側も、ルールに則り、互いの互恵的な利益を損なわないように行動すべきである。また、ナショナリズムの暴発も抑制しなければならない。




 まあ、中国国内へのアリバイづくりで、ノルマで日本領海に入ったのではないかね。そして、深刻な対立をもたらす前に、航過したと見ていいのではないかな。

 日本から見ても、いつもの話である。中国側にも、特にエスカレーションさせる意図が見えない。日本人にとっては不愉快だけど、ゲームのルールに従って処理するのが良い。
 基本的に、尖閣諸島は日本側が優位にある。北方領土、竹島とは違い、日本側が実効支配できている。それを安穏に継続することを第一にすべきである。


※ 「中国監視船、尖閣で一時領海侵入 付近「巡視」公表 政府、官邸内に連絡室設置」『日経新聞』2012年3月16日12時21分(WEB)http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9C8197E09B9C99E2E08DE3E4E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195166008122009000000

※※ 2010年9月7日、中国漁船衝突事件以降の騒動は、日本側がゲームのルールを一部逸脱した結果ではないかな。
 それまでの前例では、領海からの退去であった。これを逮捕し、船長は日本国内に拘束しようとした。中国は、日本のルール逸脱に対抗するため、レアアースを禁輸し、中国国内の日本人を拘束した。こう見ることもできないかねえ。
2012.03
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13:00
Category : ミリタリー
 ボルトを手入れしていて気づいたことなのだが。223から22LRへのコンバーションやるとしたら、ボルトを交換しないといけないね。

 西側現用小銃、M4やらG36やら89式は223口径、弾の口径はだいたい22LRと同じ。それを利用すれば、銃身はそのままで22LRが撃てるはず。

 お手軽にやるとすれば、単3乾電池を単1乾電池にするスペーサみたいなものを噛ますのが一番かね。
 薬室に、5.56×45薬莢サイズで作った22LR用スレーブをはめる。マガジンも、STANAGモックアップにバイアスロン用マガジンをハメる。薬室とマガジンはこれでクリアするだろう。

 でも、どうやってもボルトは交換しなければならないねえ。撃針とエキストラクターの位置関係がぜんぜん違う。ここらへんは、写真のボルト・フェイス面を見てもらえば分かりやすい。
ボルトフェイス
22LRに接するボルトフェイスの、12時にあるのが撃針、10時・2時にあるのがエキストラクターである。
 22LRでは、ウチバリはヘリの丈夫なところを叩くようになっている。先端もノミににた形状で、センターファイアーとは違っている。22LRの薄い薬莢を、223用の尖った撃針で叩いたら、雷管突破(薬莢突破)が起きるんじゃないかな。
 また、エキストラクターも22LRに合わせないといけない。薬莢底面の大きさが違うから、22LRを噛み込めない。

 また、半自動/自動で射撃するには、ボルトそのものを軽くしないといけない。22LRはほぼ雷汞の力だけで飛んで行く。ガス量も少ない。反動も小さい。そうなると、ボルトを軽くしないと回転しない。
 もちろん、手動単発で撃つなら問題にはならないけどねえ。





 実際のコンバーション・キットをググって探したのだが(http://cdn1.cheaperthandirt.com/ctd_images/bgprod/ARR-059.jpg)やはりボルトは交換している。薬室(先端部が薬莢と同じ形)と一体化させたボルトで撃針問題、エキストラクター問題、ボルト質量問題を解決しているみたいだね。
2012.03
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Category : 有職故実
 30年くらい前の民俗学関連資料を読んでいて発見。

 ミクロネシア連邦、トラック島には、よばい棒を用いた婚前交渉がある。(あった?) 不倫には厳しい社会であるが、婚前でのよばいには寛容な社会。でも、家族に見つかると、いろいろ面倒。 そこで使われるのがよばい棒。

 使い方は、次のとおり。男は懸想する相手の寝床に、外からよばい棒で突っついて呼ぶ。熟睡していたら髪を絡めとって、引っ張って起こす。で、起こされた女は、よばい棒の形状から男を識別する。昼間によく見ておくので、形で男がわかる。そしてOKなら棒を引っ張って男を引き入れる。家族にバレずに逢引で、ハッピー。NOなら棒を押し返すというもの。

 たぶんポリネシアで、あるいはミクロネシア共通する習慣だと思うのだけれどもね。

 なんとなく「アイマスの我那覇響と関連つけられないか」とくだらないコトを考えてしまったよ。響が笑い話のつもりで「14歳になって、村まつりで歌垣に出たんだ。そのあと始めての夜這いで、よばい棒が来たのでドキドキして棒ごと引き入れてみたら兄貴だったぞ」みたいな話をしてドン引きという。ま、『海の御先』でもいいんだろうけど。

 アニマスなら、海合宿の回。未成年で集団飲酒をする。その際、夏祭りの話を聞いた響が、いきなり夜這いの話を始めて、律子に他所でそんな話をしちゃ駄目だと言われるようなね。

 ちなみに、響のふるさとは二つ腹慣習(本当は北陸?だったか、漁師が、互いの奥さんを交換して子供を作る)なので、兄との血縁は薄い。そもそも兄妹云々のタブーない。でも「兄貴は、ジュゴンと××している変態なんだぞ」という理由で拒絶したというような話がいいなあ。
2012.03
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Category : ミリタリー
 護衛艦に比して艦載ヘリは少ないんじゃないのかね。使い勝手が悪くなった「あぶくま」とかさ、仮想敵あたりがせいぜいのミサイル艇なんかさっさと捨てる。その金で艦載ヘリを買ったほうがいいんじゃないのかな。



 護衛艦等に搭載できるヘリの総数は、海自が保有する艦載ヘリの総数よりも多い。海自艦艇にある格納庫能力は100機を超える。大して、艦載運用できる哨戒ヘリは70機程度に過ぎない。車の数よりも駐車場の数が多いようなものである。護衛艦のうち半数は艦載ヘリを2機搭載できるようになっている。しかし、ほとんどの場合、実際には1機しか搭載されない様子である。

 艦載ヘリを増やすことにより、水上艦が持つ能力を増加させる方法もある。現用艦で最も有効な兵器は、艦載ヘリである。今日、水上艦は、多くを艦載ヘリに依存している。護衛艦への艦載ヘリ搭載率を増加させれば、水上艦隊が持つ能力も向上する。

 護衛艦が持つ、軍艦としての基礎的な仕事は、多くは艦載ヘリで実施されている。遭難者捜索、救難、連絡、偵察、軽輸送、軽揚陸は、艦載ヘリ使用が第一選択となる。また臨検も、艦載ヘリが活用される傾向がある。これら任務は、大型となった護衛艦にはやりにくくなっている。内火艇等でやるにしても艦載艇を下ろす手間や、限定された速力といった問題がある。艦艇よりもはるかに高速であり、視界も広い艦載ヘリなしには成り立ちにくい任務となっている。

 対潜任務は、艦載ヘリが主用される。対潜戦は艦載ヘリなしではできない時代となっている。艦載ヘリはMADを搭載するため、ソナーよりも正確な潜水艦位置極限が可能である。ソノブイを使用することにより、搭載艦から離れたエリアを広く捜索することもできる。ディッピング・ソナーをアクティブで使用することにより、重要艦船に近接した護衛も可能である。重要艦船が出す騒音下でも、ヘリはアクティブ・ソナーで近接する潜水艦を探知・防圧できる。攻撃手段としても、位置を局限した上で、真上から短魚雷を落とせる艦載ヘリは優位にある。

 艦載ヘリは、単独での対艦攻撃もできる。艦載ヘリは強力な水上捜索が可能である。強力な対空兵装を保有しない艦船であれば、一方的に攻撃が可能である。いまのところ海自は機関銃、ヘルファイアしか装備していない。小型艇を相手とできる程度である。しかし、マーベリックやペンギン、エグゾゼを搭載する例も海外にはある。

 また、搭載艦側システムでも、艦載ヘリへの依存は大きい。アスロックやSSMも、センサーである艦載ヘリがいなければ長射程は生かせない。対空兵器も、能力を活かすためには、超水平線で捜索できる艦載ヘリが必要である。

 艦載ヘリ搭載数は、多ければ多いほどよい。救難、捜索、輸送任務では、数は多ければ多いほどよい。1機だけあればいい仕事もある。しかし、別に機体があれば、他任務に投入できる。ヘリは整備間隔が狭いといった問題も、複数機あれば解決は容易である。

 全護衛艦が持つヘリ格納庫数は、今保有している艦載ヘリ搭載数よりも多い。
 海自艦船にある格納庫能力は、合計すると収容数100機を超える。護衛艦が持つヘリ格納庫、合計搭載数は82機分である。戦闘艦としても使用可能な練習艦を含めれば、合計搭載数は85機にのぼる。護衛艦から自衛艦に対象を広げればその数は更に増える。掃海母艦、輸送艦、補給艦、試験艦、訓練支援艦、砕氷艦にある格納庫を含めれば、その能力は100機を超える。
 海自が保有する艦載運用可能な哨戒ヘリは、おそらく70機強※※しかない。哨戒ヘリは100機程度存在するが、陸上基地で運用する機体、研究・訓練用機体も存在する。小松島、大湊では、哨戒ヘリは陸上運用されている。また、館山、大村、舞鶴に配備された哨戒ヘリは、艦載用とされている。しかし、防備や訓練のため、一定数は陸上に残す必要がある。厚木には、研究用として哨戒ヘリが配備されている。
 また、ヘリは稼働率が高いわけではない。※※※ このため、常に70機強を艦艇に派遣できるわけではない。

 海自水上艦は、その能力を艦載ヘリに依存している。艦載ヘリが多ければ多いほど、洋上で可能な行動や、発揮できる能力は増加する。
 しかし、艦載ヘリは格納庫に対して少ない。

 海自水上艦隊の戦力を増加させるためには、艦艇数を増やすことよりも、艦載ヘリを増加させるべきである。ヘリを搭載できない「あぶくま」級や、仮想敵程度しか使えない「はやぶさ」級、屋台船以外の何者でもない「はしだて」を処分する。海外に売っぱらうなり、海保にくれてやるなり、保管艦にするなり、スクラップにするなりする。その予算、その枠で艦載ヘリを増やすべきである。




 SH-60Kのドンガラだけとかでもいいと思うんだけどね。簡単なレーダ程度があれば、戦闘以外には困らんでしょう。戦闘はモノホンの60Kにやらせて、救難や軽輸送に使えば便利だろうね。別に、OH-6でもEC-135でも(ローターとか尻尾を折りたたみにできるかどうかは知らないけどさ)、あれば重宝だと思うよ。まあ、ヘリも定数枠があるけど、今となっては能力不足な、あぶくまで占めるDE分を減らしてでも増やすべきだと思うな。


※ 護衛艦数は、最新ジェーン年鑑の数字に従った。搭載数は、ひゆうが(7機)×2隻、あたご(1+1機)×2隻、しらね(3機)×2隻、たかなみ・むらさめ(1+1)×14隻、あさぎり(1+1機)×6隻、はつゆき(1機)×10隻で計82機。戦闘可能な練習艦、あさぎり(1+1機)×2隻、しまゆき(1機)を足すと87機。自衛艦に広げると、おおすみ(6機)×3隻、ましゅう(2機)×2隻、あすか(1機)、てんりゆう(1機)、しらせ(3機)を足すと114機になる。

※※ ヘリの配備数は発表されていない。大雑把に、小松島に10機未満として5機、大湊に10機未満として5機、館山、大村、舞鶴での陸上残置用ヘリも各5機、厚木の研究用ヘリを各1種、2機とみた。100-27で、70機強と判断した。(艦載ヘリとして運用されるだろうMH、MCMは少ないため無視した)

※※※ ヘリコプターは震動がつきものであるため、固定翼機と比較的して、短時間で高段階整備を行わなければならない。
2012.03
07
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Category : ミリタリー
 たとえルノーFTでも、上陸海岸や降下地点に出現すれば脅威だろうね。「旧式戦車は役に立たない」みたいなコメントが寄せられるのだけれどもさ。上陸してきた戦闘部隊や海岸作業部隊、空挺部隊は生身の人間。ルノーFTでも、ブレン機銃車でも、95式軽戦車でも脅威だって。いわんや、頑丈で大きな大砲積んでいるシャーマンや74式の類が出てきたらねえ。上陸海岸、降下地点は大混乱するよ。
 相手が、常時エアカバーとCASが提供される米軍じゃなければね。それ以外の国に上陸なり空挺なりされてもさ、景気付けに迫撃砲でも野砲でも撃ちこんで、そこに戦車風を突っ込ませれば充分だろ。

 こないだ、民国軍ファンの「じょーぢ」さんと話したんだが。国共内戦、金門戦役(金門島の戦い)で新中国(できたてだ)は上陸戦に失敗している。「制空権、制海権を持たない上陸作戦がどうなるかを示すよい結果である」という。まあ、上陸はあると信じたい人は「一時的な航空優勢」云々するけど、エアカバーと航空直接協力、泊地の制海は常時確保できないと上陸戦は厳しいね。制海権、制空権を確保せず、海空戦力劣勢な側が上陸戦をやることはリスキーであるよい事例だね。

 で、この金門戦役では、M3スチュアートが海岸で無双した。細かい点は、細かい点は、Wikipediaだけど「古寧頭戦役」で項目が立っている。まあ、生身の兵隊からすれば、大砲積んでいる鋼の塊が出てくれば恐怖だね。今様の水陸両用戦車が来ても、M3でも対抗可能だし、懐かしのパナールやサラディンの砲でもあれば略対等、シャーマンなら有利だろ。74式があれば、それなりの戦車が上がってきても撃破できるしね。

 なんにせよ、上陸部隊や空挺部隊は、大半、生身の人間とソフトスキンでできている。とりあえずは何でも突っ込ませれば役に立つよ。「10式でなければ海岸で役に立たない」などと意見する人は想像力が足りないと思うぞ。
2012.03
03
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Category : ナショナリズム
 ま、日本から見れば他人ごとだけどね。
 元気のある人々、中国が南沙諸島での領有権主張に文句をつけている。でもねえ、中国のやり方は強引かもしれんが、日本としては文句はつけられないんじゃないかね。

 南沙諸島は、戦前に日本が領有を宣言している。無主の地であるとして領有し、台湾に属するとした。
 戦後、国府は南沙における領有権を継承する旨を宣言した。南沙は、台湾に属する。台湾は、中国に返還された。南沙は、中国のものである。理屈は立つ。
 その上で、新中国も南沙を自国領域と宣言した。南沙は台湾に属する、台湾は中国に属する。この主張に、日本は文句はつけがたい。
 中国・台湾による支配は、かつての日本主張を下敷きにしている。元気のある人のスタンス、戦前日本を肯定する立場であれば、中国・台湾主張を支える立場ではないのかと思うんだよね。

 ま、元気のいい人達は「中国は敵」とみなしている。だから中国領有権主張に文句をつける。また「敵の敵は味方」で、それ以外の国の主張を良しとするのだろうけど。

 もちろん、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイの主張にも納得できる部分はあるんだけどね。
 南沙諸島は、日本領有以前にフランスも領有を宣言している。南沙はインドシナに属するとした。その伝でいえば、ベトナムも南沙領有を主張する充分な根拠がある。
 フィリピン、マレーシア、ブルネイは、領有宣言で出遅れている。しかし、中国、台湾、ベトナムよりも南沙に近い。昔から往来していたとする主張、地理的に自国島嶼に含まれるとする主張にも、納得できる部分は大きい。

 領土問題なんてそんなものだろうね。当人は自国のものであることは自明と眼を四角くして主張する。だが、傍から見れば、濃い薄いはあるにせよ、それなりに根拠があるもんだ。

 日本の場合も、そんなものではないのかね。もちろん、日本人だから、北方領土、竹島、尖閣、沖の鳥島は、日本領であることは自明である。地図の上でも赤く塗る。他の国が手を出すと、自分の身体を傷つけられるに似た感覚を覚える。私もそう思うよ。
 でもねえ、傍から見れば、どっちもどっちではないのかな。北方領土は誰のものかといえば、アイヌの人のものだし。それ以外も無人島なんだね。とはいえ、国民国家にとって領土は神聖だから仕方が無いのかね。