Category : ミリタリー
地対艦ミサイルも新型を作る必要はない。陸自は地対艦ミサイル(SSM)をシステムごと入れ替えようとしている。しかし、新旧装備に大差はない。無駄としか言えない。
もちろん、対艦ミサイルは戦車よりも役に立つ。対上陸戦では、敵を揚げて叩くよりも、揚がる前に沈める方が手間がかからない。戦争末期、本土決戦構想でも、陸上決戦というより、半ばは近海決戦であった。日本陸軍であっても、主力は事実上、特別攻撃隊を主要した対艦艇、対船舶攻撃であった。対上陸戦以外にも使えないこともない点も、戦車よりも役立つ点である。
しかし、現況でシステムごと新型SSMを作る必要性は見当たらない。日本本土に敵が上陸する脅威もない。念のため、用意しておくのであれば既存の88式SSMで充分である。性能的には、今の88式SSMに不足はない。12式SSMに変わっても、ミサイル本体は大して性能向上するわけではない。
まず、着上陸の脅威はない。極東ロシアは日本に侵攻する余力はない。中国も、日本本土に侵攻する力はない。確かに中国は軍隊を近代化している。海軍力を増強しているが、日米同盟どころか、日本海空戦力を排除できる力は獲得できそうにない。いずれにせよ政治的緊張が高く、極東ソ連が最盛期であった80年代前半とは異なる。着上陸の脅威は無視してよい水準である。
対艦ミサイルの性能を見ても、88式に不足はない。とりあえず中露艦艇を目標としても、88式SSMでも性能的に不足はないだろう。中露は対艦ミサイル防御を軽視しているとはいえないが、飽和攻撃への対処を目指した日米ほど重視しているわけでもない。日米はイージスのような専門艦を整備し、それ以外の艦艇にも80年代からシステム化を進めている。艦載ヘリも大型高級なヘリを導入し、早期警戒能力を付与している。投入した努力量からして、中露の対艦ミサイル防御能力は、高くても欧州海軍同等程度で、たいしたものではない。
逆に、88式SSMで対抗できない場合には、12式SSMでも歯が立たない。12式は、公表されている限りは、88式と同じ亜音速SSMである。ある程度はステルス性も向上しているかもしれないが、敵防空網を突破する上で88式SSMと差はない。両者は同サイズであるため、弾頭も同程度と考えられ、破壊力に優れるわけでもない。88式では倒せない相手が、12式になって倒せるようになるわけではない。
長射程化した点は性能向上かもしれない。しかし、長射程化させるにしても、システムごと入れ替える必要もない。ミサイル弾体だけで更新し、中間誘導機構を追加すれば済んでしまう。
その、長射程化に実用性があるかも怪しい。射程延伸は悪いことではないが、その性能を生かせるかどうかは別である。88式SSMの射程は150㎞+、おそらく100nm程度であるが、内陸から沿岸域を叩くには充分である。日本の国土は狭い、それ以上に下がる地積はない。海岸線に前進して、水平線より先にある艦艇を叩くことを期待しているかもしれない。その場合に、艦艇や航空機による目標情報支援が必要となる。しかし、艦艇や航空機が、敵艦隊にシャドーイングできるような状態であれば、空対艦ミサイルや艦対艦ミサイルで済んでしまう。
そもそも、88式でもオーバー・スペックである。上陸船団を叩く程度の所要であれば、中古ハープーンSSM程度で充分済んでしまう。抗湛性が気になるのであれば、陣地にこもらせればよい。台湾は山に地下陣地を作り、女性を含むおそらく2線級部隊で雄風を運用させている。おそらく、方位とレーダ開眼位置を指示する方位発射モードで運用している。前に「さおだけ屋SSMはなぜ否定されるのか」で書いたように、軽トラのトリイに積んで発射しても構わない。対艦ミサイルは発射時に大した設定は要しない。目視発射なり、方位発射なり、緯度経度指定程度であれば容易にできる。
12式SSMは、必要な装備ではない。まず、着上陸の脅威はない。性能的に88式SSMと大差はない。システムも入れ替える必要はない。長射程化での利益もない。趣味的な技術開発にすぎない。12式SSMを大金はたいて開発し、性能も充分な88式SSMと交代させることは、防衛費の無駄使いである。
もちろん、地対艦ミサイルは南西諸島に貼る政治的なコマとして、陸自戦力では最も適している。艦隊からみれば、小銃持った歩兵や戦車はハエのようなものだ。警戒する必要はなにもない。それに較べれば、地対艦ミサイルはスズメバチである。刺されたら厄介程度には意識される。地対艦ミサイルは、中国海軍力を掣肘できるコマとして、眼の上のたんこぶ程度にはなる。しかし、それは新型でなければならないわけでもない。別に12式SSMでなくとも、88式SSMでも、余剰ハープーンでも構わない。
もちろん、対艦ミサイルは戦車よりも役に立つ。対上陸戦では、敵を揚げて叩くよりも、揚がる前に沈める方が手間がかからない。戦争末期、本土決戦構想でも、陸上決戦というより、半ばは近海決戦であった。日本陸軍であっても、主力は事実上、特別攻撃隊を主要した対艦艇、対船舶攻撃であった。対上陸戦以外にも使えないこともない点も、戦車よりも役立つ点である。
しかし、現況でシステムごと新型SSMを作る必要性は見当たらない。日本本土に敵が上陸する脅威もない。念のため、用意しておくのであれば既存の88式SSMで充分である。性能的には、今の88式SSMに不足はない。12式SSMに変わっても、ミサイル本体は大して性能向上するわけではない。
まず、着上陸の脅威はない。極東ロシアは日本に侵攻する余力はない。中国も、日本本土に侵攻する力はない。確かに中国は軍隊を近代化している。海軍力を増強しているが、日米同盟どころか、日本海空戦力を排除できる力は獲得できそうにない。いずれにせよ政治的緊張が高く、極東ソ連が最盛期であった80年代前半とは異なる。着上陸の脅威は無視してよい水準である。
対艦ミサイルの性能を見ても、88式に不足はない。とりあえず中露艦艇を目標としても、88式SSMでも性能的に不足はないだろう。中露は対艦ミサイル防御を軽視しているとはいえないが、飽和攻撃への対処を目指した日米ほど重視しているわけでもない。日米はイージスのような専門艦を整備し、それ以外の艦艇にも80年代からシステム化を進めている。艦載ヘリも大型高級なヘリを導入し、早期警戒能力を付与している。投入した努力量からして、中露の対艦ミサイル防御能力は、高くても欧州海軍同等程度で、たいしたものではない。
逆に、88式SSMで対抗できない場合には、12式SSMでも歯が立たない。12式は、公表されている限りは、88式と同じ亜音速SSMである。ある程度はステルス性も向上しているかもしれないが、敵防空網を突破する上で88式SSMと差はない。両者は同サイズであるため、弾頭も同程度と考えられ、破壊力に優れるわけでもない。88式では倒せない相手が、12式になって倒せるようになるわけではない。
長射程化した点は性能向上かもしれない。しかし、長射程化させるにしても、システムごと入れ替える必要もない。ミサイル弾体だけで更新し、中間誘導機構を追加すれば済んでしまう。
その、長射程化に実用性があるかも怪しい。射程延伸は悪いことではないが、その性能を生かせるかどうかは別である。88式SSMの射程は150㎞+、おそらく100nm程度であるが、内陸から沿岸域を叩くには充分である。日本の国土は狭い、それ以上に下がる地積はない。海岸線に前進して、水平線より先にある艦艇を叩くことを期待しているかもしれない。その場合に、艦艇や航空機による目標情報支援が必要となる。しかし、艦艇や航空機が、敵艦隊にシャドーイングできるような状態であれば、空対艦ミサイルや艦対艦ミサイルで済んでしまう。
そもそも、88式でもオーバー・スペックである。上陸船団を叩く程度の所要であれば、中古ハープーンSSM程度で充分済んでしまう。抗湛性が気になるのであれば、陣地にこもらせればよい。台湾は山に地下陣地を作り、女性を含むおそらく2線級部隊で雄風を運用させている。おそらく、方位とレーダ開眼位置を指示する方位発射モードで運用している。前に「さおだけ屋SSMはなぜ否定されるのか」で書いたように、軽トラのトリイに積んで発射しても構わない。対艦ミサイルは発射時に大した設定は要しない。目視発射なり、方位発射なり、緯度経度指定程度であれば容易にできる。
12式SSMは、必要な装備ではない。まず、着上陸の脅威はない。性能的に88式SSMと大差はない。システムも入れ替える必要はない。長射程化での利益もない。趣味的な技術開発にすぎない。12式SSMを大金はたいて開発し、性能も充分な88式SSMと交代させることは、防衛費の無駄使いである。
もちろん、地対艦ミサイルは南西諸島に貼る政治的なコマとして、陸自戦力では最も適している。艦隊からみれば、小銃持った歩兵や戦車はハエのようなものだ。警戒する必要はなにもない。それに較べれば、地対艦ミサイルはスズメバチである。刺されたら厄介程度には意識される。地対艦ミサイルは、中国海軍力を掣肘できるコマとして、眼の上のたんこぶ程度にはなる。しかし、それは新型でなければならないわけでもない。別に12式SSMでなくとも、88式SSMでも、余剰ハープーンでも構わない。
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