Category : ミリタリー
高新6号の記事が日本のニュースになっている。筆者は梁天仞さんで、発表は『鏡報』7月号。しかし、「P-3Cよりも高性能」というところだけを切り取った残念なもの。
記事には他にも面白いところがある。たとえば「美製P-3C満布中国周辺上空」以下では、哨戒戦力が絶対的に不利なのでどうしようもないとか、「日本天天出動P-3C監視中国艦船活動」と日本は毎日中国を監視しているといった現状認識(事実だけど)が述べられているところ。日本は100機も持っていてズルい「世界上擁有最多P-3C[略]100多架P-3C」という羨望が見えるところ。海自保有数は自衛の域を超えてる、中国への野心を看取れるよねという「日本擁有遠遠超出自身防衛需求的P-3C、狼子野心昭然若喝嗎」まで飛躍しているところ。特に最後の日本脅威論は、まずは読者への迎合、あるいはリップサービスにしか見えない。過剰に愛国心に富んでいるだろう一部ミリオタや憤青は、日本のお仲間同様に脅威を煽ると喜ぶのだろう。
また、景気のいい部分も興味深い。梁さんは「『高新6号』的監控範囲可覆至第二島連」と、高新6号量産の暁には第二列島線まで哨戒できると主張している。たしかに、平時に物理的には哨戒できるかもしれない。だが、航空自衛隊機(海自固定翼機もやるかもしれない)による平時の監視/圧迫/追跡といった問題がある。なんらかのトラブルが起きても、東シナ海の向こうには降りられる味方根拠地がなく、落ちても味方救難手段がない所も、遠く第二列島線までの進出を難しくする。なにより、戦時には見つかれば落とされてしまう。実際には、太平洋にでる段階で高いハードルに行き当たる。その先、遠く第二列島線までを日常的に哨戒するのは容易ではない。梁さんは、計画機数は100機以上とも述べている。だが、空母とその護衛艦を新造し、潜水艦を建造しなければならない中国海軍には少々重荷ではないのかな。
そして、高新シリーズ全体の紹介がある。梁さんは最後に「運-8」輸送機をベースとしたシリーズを紹介している。高新シリーズは、1号-6号までの6種存在し、海空軍に使用されているといった内容である。
「高新1号」が合成開口レーダを積んだ偵察機。巡航ミサイル誘導のためのマッピングに使うとしている。
「高新3号」は、電子情報収集機としている。具体的な役割としては、対輻射誘導(レーダ波に向かっていくヤツ)に必要なレーダ波収集を挙げている。ミサイル名は、「YJ-91[超音速]対艦ミサイル」としている。
「高新4号」は、空中指揮型、あるいは偵察機ではないかと梁さんは推測している。とにかくアンテナだらけなんだそうだ。
で、高新2・5・6は「本文で紹介したから省略する」とのこと。本文では「高新2号」を海軍用電子偵察機、「高新5号」は、キャプションで「空警-200そのものである」と述べている。そして「高新6号」が、今回ニュースになった哨戒機。また、別に「運-8海上巡邏機」についても本文で僅かに言及している。
※ 梁天仞「6大高新戦機震撼問世」『鏡報』420(鏡報文化企業有限公司,香港,2012.7)pp.80-82.
あと気になるのが、P-3スキーという言葉。キャプションで、ロシアのIl-38を「也被称為『P-3斯基』」と書いている。だが。「P-3スキー」って言い方も珍しいなと思う。どっちかといえばオライオンスキーだろうけどね。しかし「P-3斯基」「獵戸座斯基」とググってもでて来ないのでなんとも言えない。確かにIL-38はP-3Cソックリなわけで、「口語ではそういう言い方をしている」という話なのかね。
高新6号そのもの関して → 、「新型哨戒機、高新6号」
記事には他にも面白いところがある。たとえば「美製P-3C満布中国周辺上空」以下では、哨戒戦力が絶対的に不利なのでどうしようもないとか、「日本天天出動P-3C監視中国艦船活動」と日本は毎日中国を監視しているといった現状認識(事実だけど)が述べられているところ。日本は100機も持っていてズルい「世界上擁有最多P-3C[略]100多架P-3C」という羨望が見えるところ。海自保有数は自衛の域を超えてる、中国への野心を看取れるよねという「日本擁有遠遠超出自身防衛需求的P-3C、狼子野心昭然若喝嗎」まで飛躍しているところ。特に最後の日本脅威論は、まずは読者への迎合、あるいはリップサービスにしか見えない。過剰に愛国心に富んでいるだろう一部ミリオタや憤青は、日本のお仲間同様に脅威を煽ると喜ぶのだろう。
また、景気のいい部分も興味深い。梁さんは「『高新6号』的監控範囲可覆至第二島連」と、高新6号量産の暁には第二列島線まで哨戒できると主張している。たしかに、平時に物理的には哨戒できるかもしれない。だが、航空自衛隊機(海自固定翼機もやるかもしれない)による平時の監視/圧迫/追跡といった問題がある。なんらかのトラブルが起きても、東シナ海の向こうには降りられる味方根拠地がなく、落ちても味方救難手段がない所も、遠く第二列島線までの進出を難しくする。なにより、戦時には見つかれば落とされてしまう。実際には、太平洋にでる段階で高いハードルに行き当たる。その先、遠く第二列島線までを日常的に哨戒するのは容易ではない。梁さんは、計画機数は100機以上とも述べている。だが、空母とその護衛艦を新造し、潜水艦を建造しなければならない中国海軍には少々重荷ではないのかな。
そして、高新シリーズ全体の紹介がある。梁さんは最後に「運-8」輸送機をベースとしたシリーズを紹介している。高新シリーズは、1号-6号までの6種存在し、海空軍に使用されているといった内容である。
「高新1号」が合成開口レーダを積んだ偵察機。巡航ミサイル誘導のためのマッピングに使うとしている。
「高新3号」は、電子情報収集機としている。具体的な役割としては、対輻射誘導(レーダ波に向かっていくヤツ)に必要なレーダ波収集を挙げている。ミサイル名は、「YJ-91[超音速]対艦ミサイル」としている。
「高新4号」は、空中指揮型、あるいは偵察機ではないかと梁さんは推測している。とにかくアンテナだらけなんだそうだ。
で、高新2・5・6は「本文で紹介したから省略する」とのこと。本文では「高新2号」を海軍用電子偵察機、「高新5号」は、キャプションで「空警-200そのものである」と述べている。そして「高新6号」が、今回ニュースになった哨戒機。また、別に「運-8海上巡邏機」についても本文で僅かに言及している。
※ 梁天仞「6大高新戦機震撼問世」『鏡報』420(鏡報文化企業有限公司,香港,2012.7)pp.80-82.
あと気になるのが、P-3スキーという言葉。キャプションで、ロシアのIl-38を「也被称為『P-3斯基』」と書いている。だが。「P-3スキー」って言い方も珍しいなと思う。どっちかといえばオライオンスキーだろうけどね。しかし「P-3斯基」「獵戸座斯基」とググってもでて来ないのでなんとも言えない。確かにIL-38はP-3Cソックリなわけで、「口語ではそういう言い方をしている」という話なのかね。
高新6号そのもの関して → 、「新型哨戒機、高新6号」
スポンサーサイト