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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.08
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Category : ミリタリー
 東シナ海は結構浅い海で、水深も200mもない。そこで日本が対潜戦やるとした時の話なんだが、潜水艦に沈底されたら厄介じゃないのかな?

 東シナ海では、一応、日中対峙の最前線ということになったいる。日中は国交があり、友好関係にあるから、有事ということも考えがたい。ただ、互いの海空軍力でゲームをやっている関係上、その最前線になっている。

 そこで対潜戦をやるとしたらの話だ。潜水艦ほか、海軍力は足が長いので、互いの最短距離で使うものとも限らない。※ そういったことは、考えないで、単純に考えた話だ。
 浅い海で、潜水艦に沈底されて、無音を極め込まれるとお手上げではないかね。捜索手段も、攻撃手段が限定されてしまう。

 まず、捜索手段が限定される。パッシブ戦は意味がなくなる。アクティブ戦でも、対潜戦用ソーナーでは海底地形と潜水艦を分離できない。MADか、対機雷戦用の精密ソーナー、あるいは透明度と水深が許せば目視となる。いずれも捜索範囲は極めて狭い。

 対潜戦をやるようなソーナーでは、無音状態にある沈底潜水艦を発見できない。

 パッシブ・ソーナーは、無音ではお手上げである。そもそも、外洋用であって、雑音が多い浅い海では使いにくい。

 アクティブ・ソーナーは分解能が良くない。到達距離を稼ぐため、低周波数を使っている。このため、デジカメで言う解像度が低い。海中を航走している潜水艦からの反射は、点としてしか認識できない。その方位と距離が分かる程度である。当然、海底地形に紛れた潜水艦を見分けることができない。動いていれば、反射波がドップラー・シフトを起こすので救いがある。しかし、沈底状態で無音であれば、どうしようもない。

 MAD、対機雷戦用ソーナー、目視は、もともと捜索手段ではない。最終確認手段にすぎない。「追っかけていた潜水艦が沈底を極め込んだ、その場所はこのあたり」程度ならできるかもしれないが、水上艦に気づいた潜水艦に機先を制されたら終わりである。

 無音の沈底潜水艦に対しては、発見しても攻撃手段も限定される。短魚雷は役に立たないだろう。いまある装備で役立ちそうなのは、哨戒機やヘリからの対潜爆弾程度である。水上艦からすればお手上げである。今はなきボフォースやヘッジホッグ、爆雷を使うしかない。あるいは、掃討具で120kgの爆薬を設置してくるかだ。

 この場合、短魚雷は役に立たない。基本はパッシブ・アクティブ誘導を組み合わせたものである。海底近くで地形と潜水艦を識別するには、ドップラー・シフトを利用するしかない。無音状態にある沈底潜水艦には通用しないのは、既述したとおりである。

 使えそうなのは爆雷の類だけでとなる。対潜爆弾、爆雷、ボフォース、ヘッジホッグといろいろ種類はあるが、海自が投下手段とともに保有しているのは対潜爆弾だけである。

 あるいは、掃討具で潜水艦の側に爆薬を設置してくるか。機雷掃討に使用する爆薬は、NATOタイプで120kg(だったと思う)ある。至近距離で1つ、あるいは2つ置いて炸裂すれば、潜水艦はただではすまないだろう。もちろん、対機雷戦艦艇が必要となり、投入や回収に時間も手間もかかるので、実用的ではない。

 まずは、探すのが容易じゃない。攻撃手段まで気にしてもしょうがないのだが、仮に発見できても攻撃する手段もないということだ。

 逆に、海自潜水艦あたりが沈底して、ほぼ無音に入れば、中国側も気付かないし、攻撃も容易じゃない※※ のだけれどもね。

※ 特に潜水艦の運用なんてわからないもの。リアル有事では、中国潜水艦とは太平洋とか南シナ海とか、インド洋とかで対峙するかもしれない。また、日本の潜水艦もトンでもないところにいるかもしれない。ホント、なんにも知らないから無責任に言うけど、日本潜水艦が台湾海峡に張り付いているとか、香港・広州の港の目前で張っているとかね。

※※ 中国海軍は、一応、ヘッジホッグ風は持っている。
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