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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.09
03
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13:00
Category : 有職故実
 自衛隊官舎には指揮官官舎というものがある。所在部隊の指揮官、将官・1佐あたり向けの官舎。威厳を示すためか、床面積が2倍3倍もある。昔は一軒家もあったが、土地が無駄だということになった。今は集合住宅以外には建替えが認められていない。だが、それでも床面積はそうとうのもの。

 この指揮官官舎だが「自腹で入れ」というと誰も入らない。面積と減価償却で、新築だと月13万とかになる。官舎ごときに13万も払う奴は居ない。戦闘部隊、航空隊の司令や飛行隊の隊長といった実働部隊の指揮官だと無料になるのだが、世の中には非戦闘部隊の指揮官も多い。その人には自腹を払わせる。安けりゃいいのだが、時には高い官舎に、しかも無理矢理入居させる結果になる。さて、誰のための指揮官官舎かね。

 ある部隊で、定年前配置の将補ドノが「指揮官官舎なんて頼んでないぞ」と言った。それは当たり前の話。その人、まず近所に新築で家を建てている。「家のローンがあるのに、13万の官舎に入れというのはどういう了見か」とね。

 官舎は厚生科所掌で、役所特有の自転する論理で官舎を建てる。しかし13万円官舎が埋まるはずもない。だから因果を含めようとする。上の部隊や先輩期あたりから「指揮官が入らんと何のために建てたのか」と圧力を掛ける。でもねえ、人の財布に手は突っ込めるはなしではない。大抵もめる。

 その指揮官が、入居したかどうかは忘れた。ただ、厚生が「入居してくれないと、監査で叩かれる」とか情けない泣きをを入れていたのは覚えている。

 でもねえ、指揮官は結構単身が多い。晩婚化もあって、子供も受験のお年ごろと行ったケースも多い。親の介護というものもある。家族は帯同しないほうが普通になっている。

 社会が変化しているのに、家族帯同前提の官舎整備は時代から外れている。官舎も、埋まるのは単身独身官舎から。下手に広い官舎をあてがおうとしてもむしろ断られる。それにも関わらず、古い官舎を壊して、同じ間取りの100平米150平米の官舎を再生産しているのもマヌケな話。

 国や共済がやると一事が万事こう。国の厚生事業は隊員を財布としてしかみていない。無理矢理に官舎に入居させて金を取ることしか考えていない。共済組合は寄生虫そのものでもっと酷い。抱き合わせその他で月々の支払を増やすことしか考えていない。

 官舎もやめたほうが良い。官舎は人気がない。まず安くない。国設宿舎、共済組合特借のいずれも、地方では価格競争力がない。面積や間取り、内装、立地条件で民間に叶わない。営外居住下士官は、「官舎は最後は高く付く」と民間に入居する。

 特に防衛省共済組合は酷いもの。共済官舎は金をとることしか考えていない。駐車場料金や、芝刈り費用、レンタル家具の抱き合わせをやっている。退去時には強制壁塗そのほかで結構ぶったくられるもんだ。
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