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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.09
15
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TB:0
22:33
Category : 未分類
 イラン映画『イラン式料理本』岩波ホールで公開初日に見てきました。感想というほどのことも無いですが「おすすめです」。



 もちろん岩波ホールなので、娯楽大作というわけでもない。お金を掛けられる映画でもありません。ジャギーが分かる解像度、ドキュメンタリー仕立て。しかも、台所で、いろんなおかみさんが料理をしてもらって、話を聞くという、ものです。

 一つのドラマとしての山とか谷とかはありません。強いて言えば、カタルシスは出来た料理が、家族やスタッフに振舞われるところ。何時間もかけて作った伝統的料理が、食べるのには30分もかからない。

 ただねえ、結構面白い。料理そのものではなく、料理の周辺の話とかね。姑の前で「この人にいじめられた」とか「当日に言われて伝統料理できるわけ無いでしょ」といった会話で話が転がる。それぞれの旦那さんに、奥さんの前にさせて「何時間かかったと思う」と尋ねるあたりは、クライマックスに似たものでしょう。

 ただし、オチはあります。その頃には、登場人物(実在の家族だけど)に感情移入しているので、ああと感じます。たしかに、伏線もあったし、流れから見てもそうなるけどねというオチです。

 好感を注げるのは、監督の親爺ですねえ。青いポロシャツを着た、太ったオトッツァン。不器用な親爺で、他の夫婦同様に、「『奥さんに愛している』って言え」と毒蝮三太夫のように指示すると、アワアワしながら口にできない。その代わりとして「妻は持参金、2万トマンだったが、オレは80万トマンのマンションを買ってやった」と強がるのですけど、実は…という部分でしょう。

 話の筋ではありませんが、イランの台所が、結構、近代的というのも意外なものです。都市部高所得者層なんでしょう。しかし、日本のシステムキッチンとほぼ同等の内装・設備、大型の今様冷蔵庫がでてきます。

 逆に、大家族や年寄りの台所は、30年くらい前の、大きな家の設備同等です。日本でも、年寄が30年前に建てた家の台所と大差もないでしょう。ラマダンの宴会料理を作るシーンは、日本の田舎で、お盆や正月に大皿料理を作る姿と変わるところもありません。

 イスラム圏での、普段の女性生活を見ることができる点も、目新しいものです。初日ですので、支配人挨拶がありましたが「撮影はできるのですが、イラン国内では放映が難しい」とのこと。イスラム圏での女性生活に関しては、「抑圧されている」などと色々いわれますけど、映画を見る限り日本と大した差も無さそうです。表で発言が難しいのでしょうが、家庭では結構女性が強い。まあ、あんなものなんでしょうねえ。

 映画では、特に混雑もありません。岩波は、初日に混みあうものですが、今日、14時の回はそれほどでもありませんでした。左右席に座るのが嫌なので、30分前に並んだ(それでも15人くらい居た)のですが、上映直前でも座席は3/5程度でした。公開二日目でもほぼ満席だった『キリマンジャロの雪』よりも面白いのにねえ。
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2012.09
15
CM:0
TB:0
13:00
Category : ミリタリー
 コメントに「戦車は水田を通れる」云々があったのが。某さんのアレを鵜呑みにしたんだろうね。でも、スケール感覚がおかしい。そりゃ、1枚2枚なら問題なく通れるかもしれない。でもねえ、水田地帯を1kmも2kmも、戦闘状態で機動していれば、そのうち泥濘に脚取られる。水田地帯は遮るものは何もなく、行動は暴露する。戦車への随伴も、キャタピラ付きに限定される。

 湛水した水田地帯は沼と同じで通行を阻害する。陸自『関東地方警備地誌』(これは公開されている)でもそのように扱われている。勝田にある施設学校に入校したことがあるのだが、そこでも水田は障害として扱われていた。攻撃には通過器材を構築する。防御であれば、氾濫させて障害度を上げるとかね。

 そこら辺はねえ、例の『必要なのか新戦車』をやるときには確認しておいてある。その直前には、某統合部隊にいたのだけれども。当直幹部やったとき、隊本部にいた陸の准尉さん(機甲科)に尋ねてもみたよ。チョット考えたあとに「水田は通れませんね」との事だった。何時かは動けなくなるって。

 いつ脚を取られるかわからない水田で、しかも戦車だけで進んできてどうするのかね。

 しかも、水田ではどうやっても丸見え、暴露してしまう。戦車部隊で脇腹や背後に回りこむのかもしれないけど。無理な機動で突っ切ろうとすれば、脚を取られる車両が増えるだけじゃない。リスクが大きい。防御側の火力により、攻撃が頓挫したら、目も当てられない。なんせ丸見えで、速度も出せない。元の位置に戻ることも難しい。

 随伴歩兵をつけるにしても、キャタピラ履いた装甲車程度。兵員を積んでいても、田んぼでは役に立たない。遮蔽物もなく、ズブズブの田んぼで兵隊下ろしても、役に立たない。装甲車の陰から機関銃を撃つくらいだろ。

 その後も、経路としても使えないよねえ。水田を突破して何をするかだね。水田の中で道を作ってもねえ。地耐力が低いから、砂浜で使うような、ロールに巻いた布系のマット敷いても、部分部分では沈んでしまう。そのマットにしても、相当の長さを持ってこなければいけない。架橋資材を転用するのは、必要な長さは尋常ではないので絶望的です。

 「ベトナム戦争では」というけど、いいとこ取りしかしない。ベトナム戦争で、水田で大機動したわけではない。ベトコンが籠る拠点に対して、歩兵の支援下で水田に入ってソロリと進んだだけの話。相手がまともな対戦車火器を持っていないから可能であったに過ぎない。その運用も、砲台的なものにすぎなかったわけだ。
2012.09
15
CM:0
TB:0
01:04
Category : アニメ評
 高岡書店で『狼の口』4巻(久慈光久)をフライング購入。好きなマンガなので、帰りの汽車で面白く読ませて貰ったのだけれども。

 ちょっと、大げさかなと。そもそも蜂起そのものが、あったのかね?って疑われているスイス建国神話に乗せまくったマンガなんだがね。描写としてのギリシア火とか、溶かした鉛の描写、指火式鉄砲の破裂力とか、弩で地崩れおこすとか、大げさだねえと。

 もちろん、物語内部でのリアリティを壊すようなものではない。その描写によって、『狼の口』が面白く読めなくなることもないけど。

 読後、そのような観想を抱いていたら、物語の構造が『風雲たけし城』と同じと思ったよ。『狼の口』は関所攻略と、そこで起きるイベント描写を見せるマンガなわけだ。代官ヴォルフラムがたけしで、唯一キャラが立っている門番の騎士がストロング金剛なのかね。マンガで、各回出てきて、まず惨たらしく死んでしまうキャラは、たけし城での攻略参加者にあたるのだろう。

 イベントが城の防御設備、ギミックで攻略で起きることも同じ。特に『狼の口』3巻4巻では、主に戦闘が描写の対象となっている。ドラマの多くも、戦闘というイベントで進行する。その戦闘は盟約者団に拠る攻略戦であるが、敵はハプスブルグ兵というよりも、防御側のギミックだね。超えることができない跳ね橋、鉄格子攻略立ちはだかっている。この点も、『狼の口』は『たけし城』と同じ。『たけし城』でのイベントも、ほとんどは「悪魔の館」や「竜神池」ギミック攻略であったわけだ。

 さらに大きく見れば…、なんだろうね。竜退治の物語なのかな。多くの血を流して竜を倒す。話の筋からすれば、ヴァルターは最後の犠牲者になるんだろうねえ。







 以下、ネタバレ。

 代官ヴォルフラムと、ヴァルターの一騎打ちのいいとこで終わり。マイニングで侵入した盟約者団とハプスブルクの戦いは、白色彗星帝国攻略戦そっくりです。ただ、そこで瀕死の、水を望むハプスブルグ兵もまた人間として描かれているのはよかったですよ。水を飲ませたヒルダが、その兵が最後の力を振り絞って放った弩で殺される無常感もなかなか。