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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2012.09
26
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13:00
Category : ミリタリー
 面積あたりの配備密度で比較すれば、陸自戦車は明らかに過剰ある。23年度防衛大綱で戦車が400両に削減された。その当時の報道では、陸幕は「都道府県あたり1ヶ中隊も維持できない」というロジックを持ちだし対抗しようとした。47都道府県で戦車400両では、8.5両となる。一見少ないように見える。だが、面積あたりで換算すると、世界最高水準の配備密度を誇る。却ってやぶ蛇になる話だったのだろう。

 日本の戦車配備率は、面積で比較すると極めて高い。国土面積38万平方キロに、今のところ600両、後には400両であるが、1万平方キロあたりで16-11両になる。2012年の実数806両で計算すると22両になる。これは米・露・中印・英・仏・独よりも高い。

 面積あたりの配備率をみると、列強の配備密度もそれほど高いものではない。米国は1万平方キロあたりで6両になる。960万平方キロに、陸軍5850+海兵450両。ロシアは2両にすぎない。面積1700万に陸2800、海軍歩兵150、沿岸防備350で3300両。中国は7.7両。面積960万に旧式戦車含めて7400両。インドは10両、面積320万に旧式戦車含めて3200両。イギリスは9.5両。面積24万に227両。フランスは4両。面積63万に254両。ドイツは9.7両。面積36万に350両。1万平方キロあたり22両の陸自を超える国※ は、列強にはない。

 面積あたりの配備というロジックでは、戦車は過剰という結論しか出ない。日本の戦車配備率は、列強と比較すると最も高い数字という結果になる。

 もちろん、面積あたり配備数は、意味のある数字ではない。戦車は国内にばら撒くものでもない。各国ともホットな正面に配備し、あるいは外征に備えて纏めておいている。面積あたりでどうこうという話にはならない。

 そして同様に「都道府県あたり1ヶ中隊も維持できない」も、意味はなさないのである。

 これは、陸自配備密度についても準用できる。「山陰の配備兵力が絶望的だ」などどいう人もいる。だが、配備密度でみれば、同じように大規模な侵攻もない大国の辺境より配備密度は濃密である。



※ スイスは86両、4万平方キロで344両になるけどね。あの国、軍事上の必要性というよりも、国民皆兵とおなじように執着で維持してるんだろう。国連加盟も婦人参政権も、ギリギリまで認めなかった国だからねえ。

※※ 面積は「国の面積順リスト」、戦車の数は『ミリタリー・バランス2012』に拠った
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