Category : ミリタリー
中国空母、遼寧を洋上中継地として使おうとしても、実戦では齟齬が出て上手くいかないだろう。『鏡報』最新号に、梁さんの「『鯨鯊合壁』遼寧艦戦力深窺」※ があり、その中に「殲15を陸上発進させて、攻撃後に遼寧に収容すればよくね」という意見が紹介されている。
いずれにせよ、カタパルトがない遼寧の不利を補うための発想である。遼寧にはカタパルトがなく、兵装や燃料を満載できない。また、甲板を広く使えないため、連続発進も難しい。このあたりの欠点を陸上発進で補い、攻撃後、遼寧に収容するというアイデアである。おそらく、沖合で遼寧に収容させることで、陸上から通常の作戦範囲を超えて航空機を出撃できるという発想だろう。さすがに、第二次攻撃隊以降は遼寧から発艦させるとしている。
しかし、洋上中継というアイデアは上手くいかない。日本海軍も、速吸や信濃で似たように発想したが実用していない。また、マリアナ沖海戦でも同じような運用法を考えたがアイデアどおりには上手くいかなかった。
遼寧で同じ事をやろうとしても上手くいかない。梁さんが紹介した陸上発進・母艦収容にしても、あるいは、信濃のような陸上基地からの増援にしても上手くいかない。陸上部隊では、イマイチ状況がわからない。陸上配置航空部隊は、勝手に動き回る母艦と落ち合うのは不安がある。艦隊も、きっちり決められた計画通りに動く運用は飲めない相談である。なんにしても、逐一の行動や行動可能範囲が制約されるのは艦隊には耐えられない。この点は、梁さんも「運用とか秘密保持が大変だろうね」と言っている。
そもそも、海軍作戦では複雑巧緻な作戦はあまり上手くいかない。相手を叩くつもりなら、一気に距離を詰める程度のことしかない。指揮も単純で、進退指示と、今やっていることを「ヨリ積極的に」あるいは「止めろ」程度が大半である。いずれにせよ、部隊は手許に纏めておく。下手に分けて戦力を分散させてもいいことはないもない。母艦部隊と艦載機を別々に配置して運用する。しかも母艦部隊を事前計画から逸脱させないように行動させようとしても上手くいかないだろう。
※ 梁天仞「『鯨鯊合壁』遼寧艦戦力深窺」『鏡報』426(香港,鏡報文化企業有限公司,2013.1)pp.84-87.
なお、鯊はシャークの音写で鮫を指す。ハゼではない。
いずれにせよ、カタパルトがない遼寧の不利を補うための発想である。遼寧にはカタパルトがなく、兵装や燃料を満載できない。また、甲板を広く使えないため、連続発進も難しい。このあたりの欠点を陸上発進で補い、攻撃後、遼寧に収容するというアイデアである。おそらく、沖合で遼寧に収容させることで、陸上から通常の作戦範囲を超えて航空機を出撃できるという発想だろう。さすがに、第二次攻撃隊以降は遼寧から発艦させるとしている。
しかし、洋上中継というアイデアは上手くいかない。日本海軍も、速吸や信濃で似たように発想したが実用していない。また、マリアナ沖海戦でも同じような運用法を考えたがアイデアどおりには上手くいかなかった。
遼寧で同じ事をやろうとしても上手くいかない。梁さんが紹介した陸上発進・母艦収容にしても、あるいは、信濃のような陸上基地からの増援にしても上手くいかない。陸上部隊では、イマイチ状況がわからない。陸上配置航空部隊は、勝手に動き回る母艦と落ち合うのは不安がある。艦隊も、きっちり決められた計画通りに動く運用は飲めない相談である。なんにしても、逐一の行動や行動可能範囲が制約されるのは艦隊には耐えられない。この点は、梁さんも「運用とか秘密保持が大変だろうね」と言っている。
そもそも、海軍作戦では複雑巧緻な作戦はあまり上手くいかない。相手を叩くつもりなら、一気に距離を詰める程度のことしかない。指揮も単純で、進退指示と、今やっていることを「ヨリ積極的に」あるいは「止めろ」程度が大半である。いずれにせよ、部隊は手許に纏めておく。下手に分けて戦力を分散させてもいいことはないもない。母艦部隊と艦載機を別々に配置して運用する。しかも母艦部隊を事前計画から逸脱させないように行動させようとしても上手くいかないだろう。
※ 梁天仞「『鯨鯊合壁』遼寧艦戦力深窺」『鏡報』426(香港,鏡報文化企業有限公司,2013.1)pp.84-87.
なお、鯊はシャークの音写で鮫を指す。ハゼではない。
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