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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.02
25
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13:00
Category : ミリタリー
 浜口和久さんが、迷彩服通勤は悪く無いと主張している。「陸自の迷彩服通勤-『反対』が国民の認識?」で、毎日新聞電子版で報道された件に関して、「自衛隊員が誇りを持って迷彩服を着て活動できる環境こそが、日本の災害対応力の強化に繋がるのである。」と述べている。※

 浜口さんの主張するように、迷彩服をそれほど嫌う必要もない。外で着て悪いものではない。迷彩服が適しているなら、あるいは必要があれば着ればいい。

 しかし、通勤を迷彩服とするなら、通常の制服は必要なくなるのではないだろうか。

 自衛隊には常装という、いわゆる制服がある。冬は背広で、夏は半袖になっている。部隊勤務時は、基本は常装と定められている。作業服や戦闘服装、体育服装は、勤務時必要に応じて着用するものであって、基本はあくまで常装となっている。通勤時は、作業服や戦闘服を着る必要はなく、正門通過に際しては威儀を整える意味から、常装か私服での通過を求められることになっている。

 その常装を、通勤に着用しないのであれば、着用の機会はなくなる。特に大津駐屯地司令が「迷彩服での通勤は災害派遣に迅速に対応する」という英断をしている。それならば通勤以外でも迷彩服着用なのだろう。準備段階から長時間拘束される儀式の際も「災害派遣に迅速に対応する」ためには迷彩服なのだろう。儀礼での服装は日日命令なので「本職」の意嚮次第でどうとでもなる。おそらく、大津では常装は事実上廃されているはずである。

 常装はたしかに面倒くさい。毎日、アイロンを掛ける必要がある。ネクタイは煩わしい。軽作業にも向かない。官品は自宅で洗濯できない。(実際には普通に出来るが)だから、曹士は私服で通勤し、朝礼と終礼の時だけ常装を、シワがつかないように丁寧に着る。勤務時は作業服か戦闘服である。

 それなら、常装を廃止すればよい。陸空には、あまり常装の必要はない。海のように、海外等で登舷礼のような礼装(冬服なら常装+白手袋)機会はない。それならば、迷彩服を制服にすればよい。米陸空軍も、だいたい迷彩服を着てくる。昔のBDU、バトル・ドレス・ユニフォームみたいな制度を採用すれば、今の常装の必要はなくなる。変った幹部を除けば、隊員も喜ぶ。

 常装の煩わしさ、非効率にある点を明示しないで、左サイドへの憎悪につなげている点、浜口さんの記事は残念である。「中越沖地震発生の際、『反自衛隊』を主張していた一部の柏崎市民は、自衛隊の給水、給食、入浴サービスなどに並んだ。」といった、みみっちいことを言うよりも、常装や、それを着用することによる威厳の維持を旧弊なものと断じ、論じるべきであった。



※ 浜口和久「陸自の迷彩服通勤-『反対』が国民の認識?」(NetIB news,2013.2.19)http://www.data-max.co.jp/2013/02/19/post_16449_hmg_1.html
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