Category : ミリタリー
だよもんさんは、物事の概略を掴むセンスがないのではないか?
だよもんさんは「M1A2は[略]燃料を補給すると400リットル入る」と言っているが、その数字に違和感を持たないのが不思議である。
戦車の燃料タンクが400リットルであることは「オカシイ」と感じなければならない。M1戦車は、重量60tを超えており、エンジンもガスタービン1500馬力である。400リットルという数字はあまりにも小さすぎる。日常使う自動車の給油量での感覚や、ガスタービンの燃費に照らして、あまりにも小さい数字であると気づかなければならない。
普通の自動車の給油量からしても、戦車の燃料として400リットルは少なすぎる。自家用の普通自動車でも燃料タンクに50リットルは入る。仕事で、部隊で持っている3-5トンのマイクロバスやキャブオールでも、馬力は100-200程度であるのに、燃料を100リットル以上搭載する。
ガスタービンの燃料消費率を計算しても、400リットルで済むはずがないことは分かるはずである。
400リットルでは、全力では1時間も走れない。小型ガスタービンでは、最良燃費でも1時間あたり300g/馬力程度消費する。M1戦車では、最大出力付近の数字である。つまり1500馬力を出せば、1時間に450kg程度、灯油/軽油に換算すれば500リットルは消費する。だよもんさんの言う400リットルでは、M1戦車は全力で50分も走れないことになる。
出力を絞っても、部分負荷になるので、走行時間は1時間半程度しか持たない。仮に1/3程度、500馬力で走行しても、航続時間は大して改善しない。回転数が半分以下に落ちると部分負荷になり、燃費は急激に悪化する。1時間あたり500g/馬力と計算しても、1時間250kg、300リットルの燃料を消費する。1時間20分程度行動すれば燃料が切れる。
だよもんさんの言うとおり、400リットルではアイドリングしているだけでも8時間は持たない。ガスタービンを空回しにするのも、燃料の無駄である。ガスタービンはアイドリングをしていても、パワータービン回転数で1500rpm程度は維持されている。定格出力の10%程度と見ても、M1で言えば150馬力である。1時間500g/馬力とすると毎時75kg、80リットル程度は燃料を消費する。動かない状態で5時間しか持たない。
この辺りをオカシイと気づかないのが不思議である。
だよもんさんは、おそらく、ガロンとリットルを間違えたのだろう。調べてみるとその通りで、M1戦車の燃料タンクは400に近い500ガロン、約1900リットルである。(1米ガロンは約3.8リットル、約2升と覚えると良い)
つまり、燃料所要量を5倍甘く見積もっていたわけだ。5倍の誤りに気づかないのでは、だよもんさんは、後方関連である4科の仕事は難しいのではないかな。まあ、トラックで船舶輸送を代替できると思っている程度なので、無理だろうけどね。
ドクトリンだの戦略だのを学ぶ前に、自分のところ足許を見たほうがいい。部隊の車輌に燃料がどれぐらい入るか、毎日どれくらい燃料を消費しているのかを、車輌運行票あたりに印鑑付くときに把握しておくべきだと思う。
だよもんさんは「M1A2は[略]燃料を補給すると400リットル入る」と言っているが、その数字に違和感を持たないのが不思議である。
だよもん軍曹@V2ypPq9SqY
米軍のM1A2は定量の燃料を補給すると400リットル入る。これを8時間走ると使い尽くす。電撃戦期の米軍戦車は単純に考えると一日辺り一台約1トンの燃料を必要とする。
https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/307068012274515968
戦車の燃料タンクが400リットルであることは「オカシイ」と感じなければならない。M1戦車は、重量60tを超えており、エンジンもガスタービン1500馬力である。400リットルという数字はあまりにも小さすぎる。日常使う自動車の給油量での感覚や、ガスタービンの燃費に照らして、あまりにも小さい数字であると気づかなければならない。
普通の自動車の給油量からしても、戦車の燃料として400リットルは少なすぎる。自家用の普通自動車でも燃料タンクに50リットルは入る。仕事で、部隊で持っている3-5トンのマイクロバスやキャブオールでも、馬力は100-200程度であるのに、燃料を100リットル以上搭載する。
ガスタービンの燃料消費率を計算しても、400リットルで済むはずがないことは分かるはずである。
400リットルでは、全力では1時間も走れない。小型ガスタービンでは、最良燃費でも1時間あたり300g/馬力程度消費する。M1戦車では、最大出力付近の数字である。つまり1500馬力を出せば、1時間に450kg程度、灯油/軽油に換算すれば500リットルは消費する。だよもんさんの言う400リットルでは、M1戦車は全力で50分も走れないことになる。
出力を絞っても、部分負荷になるので、走行時間は1時間半程度しか持たない。仮に1/3程度、500馬力で走行しても、航続時間は大して改善しない。回転数が半分以下に落ちると部分負荷になり、燃費は急激に悪化する。1時間あたり500g/馬力と計算しても、1時間250kg、300リットルの燃料を消費する。1時間20分程度行動すれば燃料が切れる。
だよもんさんの言うとおり、400リットルではアイドリングしているだけでも8時間は持たない。ガスタービンを空回しにするのも、燃料の無駄である。ガスタービンはアイドリングをしていても、パワータービン回転数で1500rpm程度は維持されている。定格出力の10%程度と見ても、M1で言えば150馬力である。1時間500g/馬力とすると毎時75kg、80リットル程度は燃料を消費する。動かない状態で5時間しか持たない。
この辺りをオカシイと気づかないのが不思議である。
だよもんさんは、おそらく、ガロンとリットルを間違えたのだろう。調べてみるとその通りで、M1戦車の燃料タンクは400に近い500ガロン、約1900リットルである。(1米ガロンは約3.8リットル、約2升と覚えると良い)
つまり、燃料所要量を5倍甘く見積もっていたわけだ。5倍の誤りに気づかないのでは、だよもんさんは、後方関連である4科の仕事は難しいのではないかな。まあ、トラックで船舶輸送を代替できると思っている程度なので、無理だろうけどね。
ドクトリンだの戦略だのを学ぶ前に、自分のところ足許を見たほうがいい。部隊の車輌に燃料がどれぐらい入るか、毎日どれくらい燃料を消費しているのかを、車輌運行票あたりに印鑑付くときに把握しておくべきだと思う。
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次の機関銃どうするのかね。
62式機関銃は相当評判が悪い。まあ、実射なんて2回しかみたことなく、その時は快調に回転していた。だが、海曹が言うには「A4の方がいい」という身も蓋もない評価だった。A4はエーフォアと読む。自衛隊創成期に米軍が供与したM1919A4をさす。評判はよく、実際に、インド洋派遣の時に、最新護衛艦なのに「A4で1連射」みたいな話があった。62式では不満でA4も積んでったのだろう。
ヘリのドアガンを極めるときにも、一番評判が悪かった。SH-60Kの研究会での話を聞くと、回転不良とのこと。昔に陸自もヘリに搭載して上手く行かなかった話もあるので当然の話なのだがね。しかし、62式の機構は、大元は旧海軍30mm航空機関砲なのに航空機と相性が悪いというのも情けない話だった。ちなみにA4は好調、M2も好調。その頃、航空部隊まで住重のM2QCBの売り込みもあった。だから、てっきりM2QCBかと思っていたのだが、今調べたら戦車用の74式機関銃になっていた。
ここまでなら、別に国内開発やめて「FN-MAG買えば済むんじゃね?」という話なのだが。実際には、単純にFN-MAGとも言えない様子でもある。米軍が機関銃の弾薬を変えようとしているためである。
米軍はLWMMGを作ろうとしている。FN-MAGの弾を338Normaに変えたようなものらしい。IDRか、なにかの記事で読んだのだが、アフガニスタンの件で、火制距離に不満があった従来の7.62mm、308WINを狩猟用の8.6mmに換えるというもの。実質的な火制距離を800mから1200m(この数字はうろ覚え)まで伸ばすというもの。
先行き不鮮明なので、何に変えたらいいのかわからない。米軍が、すべての汎用機関銃を338Normaに変えるのかは分からない。しかし、米軍が弾を変えたら、日本も338に変えないと塩梅が悪い。だが、LWMMGがどうなるのかも分からない。
だが、62式を放置するわけにもいかない。機関銃は陸戦での基幹装備である。歩兵戦闘では、機関銃がないとどうしようもない。事実上、杞憂である本土防衛でしか使えない戦車や自走砲よりも優先順位は高い。怪しい銃を放置するわけにもいかない。素直に傑作を買ったミニミは快調らしいが、火制距離や威力に不満があるので、汎用機関銃を代替するものでもないだろう。
さて、次の機関銃をどうするのかね。
62式機関銃は相当評判が悪い。まあ、実射なんて2回しかみたことなく、その時は快調に回転していた。だが、海曹が言うには「A4の方がいい」という身も蓋もない評価だった。A4はエーフォアと読む。自衛隊創成期に米軍が供与したM1919A4をさす。評判はよく、実際に、インド洋派遣の時に、最新護衛艦なのに「A4で1連射」みたいな話があった。62式では不満でA4も積んでったのだろう。
ヘリのドアガンを極めるときにも、一番評判が悪かった。SH-60Kの研究会での話を聞くと、回転不良とのこと。昔に陸自もヘリに搭載して上手く行かなかった話もあるので当然の話なのだがね。しかし、62式の機構は、大元は旧海軍30mm航空機関砲なのに航空機と相性が悪いというのも情けない話だった。ちなみにA4は好調、M2も好調。その頃、航空部隊まで住重のM2QCBの売り込みもあった。だから、てっきりM2QCBかと思っていたのだが、今調べたら戦車用の74式機関銃になっていた。
ここまでなら、別に国内開発やめて「FN-MAG買えば済むんじゃね?」という話なのだが。実際には、単純にFN-MAGとも言えない様子でもある。米軍が機関銃の弾薬を変えようとしているためである。
米軍はLWMMGを作ろうとしている。FN-MAGの弾を338Normaに変えたようなものらしい。IDRか、なにかの記事で読んだのだが、アフガニスタンの件で、火制距離に不満があった従来の7.62mm、308WINを狩猟用の8.6mmに換えるというもの。実質的な火制距離を800mから1200m(この数字はうろ覚え)まで伸ばすというもの。
先行き不鮮明なので、何に変えたらいいのかわからない。米軍が、すべての汎用機関銃を338Normaに変えるのかは分からない。しかし、米軍が弾を変えたら、日本も338に変えないと塩梅が悪い。だが、LWMMGがどうなるのかも分からない。
だが、62式を放置するわけにもいかない。機関銃は陸戦での基幹装備である。歩兵戦闘では、機関銃がないとどうしようもない。事実上、杞憂である本土防衛でしか使えない戦車や自走砲よりも優先順位は高い。怪しい銃を放置するわけにもいかない。素直に傑作を買ったミニミは快調らしいが、火制距離や威力に不満があるので、汎用機関銃を代替するものでもないだろう。
さて、次の機関銃をどうするのかね。