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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.04
30
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13:00
Category : 有職故実
 まあ、遠隔操作のなりすましメールごときで3度めの逮捕、拘留期間最大60日の非道に近いものがあるよ。

 戦争直前に、英国系スパイの一斉検挙が行われている。だが、どうみても言いがかりに近い。昭和15年に「見よこのスパイ暗躍」とする記事が朝日に載っていた。在留英国系ほかの一斉検挙なのだが、その中にどうみても言いがかりがある。

 座礁船を「要塞地帯の水深を測るためのスパイ」として検挙している。東京湾要塞第一海堡付近での座礁(実際には座州だね)をスパイ行為と見なしている。だが、第一海堡付近での座礁例は多い。レーダ以前の霧中航行でハマり易かった場所である
古い水路誌には紛らわしいから注意しろと書いてあるし、実際に座礁した例も挙げられている。

 具体的には
英国貨物船○○○○○号は、去年初め横浜入港の途中東京湾要塞地帯第一海堡の西南西約千二百メートルの地点で座礁戦術を用いて約五十分に亙って水深等をはかり離州して入港した
「見よこのスパイ暗躍」『朝日新聞』(朝日新聞社,1940.8.1)p.2
である。

 しかし、スパイをする理由がない。まず、当時の第一海堡には軍事的な価値はない。また、第一海堡周辺の水深データは、英国も保有している。そして、第一海堡周辺では水深情報は軍事的な価値を持たない。どう見ても別件逮捕である。

 まず、当時の第一海堡には軍事的な価値はない。東京内湾の富津-第一海堡-第二海堡-第三海堡-観音崎線は、大正期には実際の防衛線と見做されていない。しかも関東大震災による被災・崩壊で各海堡は事実上廃止されている。当時の陸軍東京湾要塞の防御線は、東京外湾の洲崎-城ヶ島線であり、場合によれば大島も含む三角形のエリアにある。

 また、第一海堡周辺の水深データは、英国も保有している。特に情報を集める理由もない。明治以降、日本が行った水路測量での成果は、海図を交換する形で英米に提供されている。1920年に国際水路機構ができる以前から、日本は、世界で英米海図をトレースした日本語海図を使用しており、英米は東アジアで日本海図をトレースした英文海図を利用していた。明治大正の時期には、まだ軍機海図はなく、交換海図に海堡周辺の水深もすべて記載されている。

 そして、第一海堡周辺では水深情報は軍事的な価値を持たない。基本的に、富津岬からは極端な浅瀬で、第一海堡を通り越して第二海堡のすぐ東までは水深は4mもない。もともと第一海堡そのものに軍事的な価値もないが、その付近の海面も浅すぎて、軍事的にどう利用できるものでもない。

 座礁によるスパイ行為は、まずは英国人と貨物船への完全な言い掛かりである。※ 日本側が、法匪のように法令条文を用い、スパイに仕立てあげたものである。日本側が主張するスパイ行為によって、日本側は実際に被害を受けていない。実被害がない行為を無理矢理犯罪に仕立て上げる様は、なりすましメール事件での長期勾留に似ている。



※ 英国は報復としてロンドンで日本人を検挙している。これは三井と三菱の支店長だが「座礁によるスパイ」に較べれば故ない事ではない。日本商社は現地日本陸海軍武官の活動に相当の便宜を計っていた。
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2013.04
29
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13:00
Category : ミリタリー
 JSFさんの10式戦車に対する評価は、子供のスーパーカー贔屓と変わるところはない。世界最強という言葉に踊るところは、世界で一番早い車へのあこがれと大差はない。

 10式戦車ファンであるため、何も見えなくなっているのだろう。その発言を見ても、10式戦車が世界最強とする評価が妥当であるか、また世界最強な戦車が必要であるかについて、全く思慮に及んでいない。

 JSFさんの発言は次のとおりである。
ニコニコ超会議で10式戦車の開発者が10式戦車が世界最強の戦車であることを詳しく説明してしまったので、これまで10式戦車を碌な根拠も無くDisって来た雑誌やライターが青くなってるんじゃないか?
https://twitter.com/obiekt_JP/status/328376576041431040
内容的に、どのスーパーカーが早いかで喧嘩する子供と大差のない。

 まず、開発者が世界最強であると評した点を鵜呑みにするのは、間抜けである。開発者が、その製品購入先である軍隊の企画で招かねれば、その問題点は指摘しない。仮に軍艦大和の開発者に聞けば、大和は最強だと評するだろう。大和にある問題点は知っていても口にすることもない。

 JSFさんは単なる兵器ファンであるため、兵器を抽象的に観察することができない欠点がある。例えば、10式戦車、F-2、オスプレイ、F-35、MDのいずれも肯定的評価については、鵜呑みにしている。そこに史料批判といった観点はない。

 10式の性能そのものについても、限界を見ようとはしない。例えば防御力について、公的文書には、90式を超えるものとしたものはない。※ 小型軽量化は述べていても、防御力向上について「90式を超える」とした公式発表もない。役所の発表であれば、従来を超える成果がある場合には、それを誇るのだが、それがない。※※

 また、世界最強の戦車が必要であるかについて、考えられない点も思慮が浅い。大和の例で言えば「世界最強の戦艦が必要であるのか」といった問題点に気づかないところである。JSFさんは兵器ファンであるため「今、日本本土で使う戦車を、わざわざ高価な新車にする必要があるか」といった問は、考えないか、抑圧されているのだろう。

 実際のところ、日本に新戦車へのニーズはない。現今の国際情勢で、本土着上陸は考慮する必要はない。仮にあっても、戦車の質云々で負けることもない。その戦車の質にしても、戦力として10式戦車と大差のない90式戦車がある。10式を買う話は、卑近に例えれば、iPodを持っているのに、シリコン・ウォークマンを買おうというものだ。ウォークマンの方がiPodよりも音質が良い云々という話があったが、実際使う上では大差はない。10式と90式はそれと同じだ。

 JSFさんの10式贔屓は、スーパーカー世代の子供に似ている。ポルシェはスゴイ、スカイラインGTRは早い、と言った程度である。サーキットでもない限り、カローラでもシビックでも同じであることを理解せず、高性能であるから偉いと言っている。その程度の発言に終始しているのである。



※ たとえば、http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/21/jizen/youshi/02.pdf では、事業目的の項目で将来戦での見通しのなかで、防御力については向上が述べられていない。

※※ よく出る「90式同等」とは、簡単にいえば90式と同じがそれよりも劣る部分もあるという意味になる
2013.04
28
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Category : ミリタリー
 陸自はこれまであまりアピールしていない層に10式を公開している。たとえば民間イベントへの展示(「最新戦車“10式”が見れる! 『ニコニコ超会議2』自衛隊ブース」※)や、買い物系雑誌への提示(「陸自の最新鋭『ヒトマル式戦車』に乗ってきた」※※)である。

 10式戦車をメディア露出させる理由は、必要性をアピールできないからだ。そもそも、陸自の必要性が主張しにくい時期にある。尖閣ほかのフリクションでも、陸自は完全に蚊帳の外になっている。その中でも、10式ほかの機甲・特科が使う重装備は、新型装備にする必要性が説明できない。

 これらは、特に戦車更新への理解が得られないことへの対応でもあるのだろう。今の日本で新型戦車を必要とする理由もない。予算要求でも、新戦車は話題にもならない。戦車調達数を応援する論調はまずない。陸自とオトモダチの「防衛費を増やせ」と言っている人が義理でしている程度である。

 また、陸自に全く追い風がない現況に、積極的な広報をしない陸自がやらざるを得なくなった面もある。陸自には追い風がない。海外での情勢でも、国内での情勢でも、陸自が必要であると連想される事態が起きていないのである。

 たとえば、イラク戦争・アフガニスタン戦争・アデン湾海賊対処といった国際協力も、まず海であり、ついで空だった。陸は強く要求されることもなかったし、日本側も陸を出すつもりは全くない。陸の実績もほとんどない。空自のイラク空輸の裏で陸少数を出し、アデン湾でも警備要員として、オマケ的に派遣されたにすぎない。

 国内情勢でも、尖閣諸島で日中が行なっているアピール合戦で、陸は全く出番がない。メインは海保であり、サブとして海自・空自である。南西諸島全体でも、陸は張り切ってアピールしようとしているが、世間の眼は海空に行ってしまう。

 仮に、海外情勢・国内情勢で陸自がアピールできたとしても、そこに機甲・特科用の重装備の出番はない。歩兵や工兵、通信、衛生あたりに陽が当たるだけである。

 機甲・特科が使う重装備は、陸が主張する必要性を理解してもらえない時代である。ある意味、逆風に耐えかねての10式アピールなのだろう。

 しかし、10式が高性能であることをアピールできても、必要性はアピールできない。今の日本で新戦車が必要な理由を提示できないのであるので仕方がない。技術的に高い性能を示しても、無駄に高性能で高価な新車を買う必要があるのかについては、むしろ疑念が浮かぶことになるだろう。

 国際環境が変わったにも関わらず、必要性を吟味せず、今までの延長線上に惰性で作ったのが10式戦車である。開発時の予算要求同様に、国内での必要性は組織内部でしか通用しない。その上、海外での運用に適するように作ったわけでもない。まずは「超高性能のガラケーができました」※※※ というようなもので、技術的な成果は誇ることができても、それを買う必要はないよねという結果になるのは当然である。

 10式を展示するのは別に悪い話でもないだろう。10式が、必要性があるかどうかはともかく、高性能であることは理解してもらえるかもしれない。しかし、それで10式の必要性や、陸自の主張する本土防衛の重要性をアピールすることはできない。



※ 伊藤真広「最新戦車“10式”が見れる! 『ニコニコ超会議2』自衛隊ブース」『ascii.jp』(2013.4.27)http://ascii.jp/elem/000/000/783/783798/

※※ 湯浅英夫「陸自の最新鋭『ヒトマル式戦車』に乗ってきた」『日経トレンディネット』(2013.4.23)http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130419/1048836

※※※ まず10式戦車は、超高性能のガラケーだよねえ。技術者はスゴイスゴイを連発し、使う部署は買うべきだという稟議書を乱発している。しかし、部外者、まあ予算当局や議会、一般国民は今までの携帯と同じじゃねという眼でしか見ていない。いくら超高性能でもスマホ時代にガラケー出しても売れないだろうよ。
2013.04
27
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Category : 未分類
 眼の正月ということで。

 昨日、内堀通り三宅坂交差点で夕方の五時半ころ
鹵簿に行き遭ったよ。

 まず、警官が信号機を操作している。それを珍しく見ながら横断歩道を渡り、二段階右折でもう一つの横断歩道で待っていると、そこの警官に後ろに下がれと言われる。「なんでかね」と尋ねると、「まあ、とにかく下がってくれ、この信号が青になる前には終わるから」とのこと。同じ所にいた別口のサラリーマン三人と下がると、5秒もしない内に車列が北上してくる来る。どこぞの元首かねと見ていると、自国の
元首だったよ。

 ただ、気づいた時は最接近した所。車列が真ん前を通り過ぎるとき、2両目に
天皇旗がついていたのに気づいた。まず、奉迎もなにもないね。夕方ゆえ車中は見えず、
今上おわすところまでは見えなかった。まず、直接見たら目が潰れるのかもしれないけどね。

 鹵簿が半蔵門の方向に過ぎると、横断歩道の線まで出てイイよと言われた。その信号待ちのところで、ウインカ出して曲がってきた原付が捕まる。いきなり止まれと言われていて、運転手がビビっているのが見えたよ。これも警官は「いや、なんでもないのですけど、ちょっと止まってくれればいいのですよ、チョット」という微妙な言い方をしていたよ。

 ニュースを見ると、憲政記念館に
行幸されたらしい。「
天皇陛下、『みどりの式典』に…
皇后さまは欠席」http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130426-OYT1T01117.htm?from=ylistとのこと。警備上の理由はあるにせよ、誰が通るかは教えてくれても良かったんじゃないかなあ。




オマケ

最高裁判所に鯉登りが揚がっている。面白い試みだと思うけど、三宅坂には子供がいないのが難だなと

最高裁判所の鯉登り

夕方で逆光、iPHONEの拡大で撮ったやつなんで、あんま鮮明じゃないけどね
2013.04
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Category : 有職故実
 在特会のデモだけれども。何かに似ていると思ったらイギリスファシスト連合だね。

 「在特会、人権救済申し立て『デモで抗議側から妨害受け』」に、どの面下げて申し立てかねと思っていたのだが。在特会が、アンチ在特会に圧迫されて何もできず泣き言をいう姿がイギリスファシスト連合のそれと重なっていることに気づいたいよ。

 新大久保のデモと、カウンターデモによる圧迫は、ケーブル・ストリートの戦い(ただし英語)そのものではないかね。これは戦争寸前に、イギリス・ファシスト連合がロンドンで反ユダヤ主義のデモしたのだが、それを数十倍の反ファシスト・デモが押しつぶしたという事件。今では英国の良心がファシストのデモを防遏した事件とされている。

 どうみてもカウンターデモが正義だねえ。ケーブル・ストリートの戦いにせよ、新大久保のカウンター・デモにせよ、左派っぽいけど、英国の労働運動ほかによる反ファシスト運動や、各個人で立ち上がったカウンター・デモのほうが正義であり良心である。

 それに勝てないからって、間違いなく悪の側が、警察の保護や人権救済申し立てをするのは、みっともないことこのうえないよ。実際にイギリス・ファシスト連合は官憲が味方だと思い込んでいた。在特会もデモをする権利やその保護を他者に求めている。そのあたりがソックリではないかな。まあ、発言その他は在特会がさらに品下るけどね。
2013.04
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Category : ミリタリー
 「通説」の問題点を突きたいのだろうが、「28榴は威力を発揮した」に対して「28榴は威力を発揮できなかった」とするのは乱暴ではないか。

 田中さんと松沢さんの「露軍旅順艦隊沈没原因調査」は、日露戦争での28サンチ榴弾砲の威力を重大視する通説に対して、その威力を冷静に見直そうとする、興味ふかい内容である。旅順では28榴は大きな効果を挙げたものの、28榴で勝ったとまでの評価は短絡的過ぎる。陸戦でも、他の砲も各種投入され効果を挙げており、また赤城艦による公算射撃も在泊艦艇に被害を与えている。

 しかし「28榴の威力・効果を発揮できなかった」とする主張は「28榴で勝った」とする主張同様に、短絡的である。28榴が威力を発揮したという「通説」の問題点を突きたい様子であるが、威力を発揮したことは否定できない。

 田中さんと松沢さんは、日露戦争で28サンチ榴弾砲は露軍艦を沈没させることができなかったとする問題提起をしている。傍証として陸軍調査に基づく不発弾問題や船底を貫通しない問題を挙げている。しかも初速と存速と撃角について※※ の砲外弾道学の微積分を提示しているのだが、どうもピントがズレているように思える。

 28榴は露軍艦を轟沈させなければならなかったわけではない。旅順港内に隠れている露軍艦の戦闘能力、あるいは航洋能力を奪えば十分である。特に轟沈せずとも、緩慢に沈めてもいいし、撃破するだけでもよい。

 もともと28榴は、すでに旧式化しつつあった要塞砲である。開発は日清戦争以前であり、しかも習作といってよい。砲弾も質量効果でまず貫通させることを狙っている。高品質な鋼材でできた砲弾と確実に動作する信管で轟沈させることは、当時の技術では望むべくもない。

 また、日本の要塞は、海峡系に作られており、通峡を阻止できればそれで良い。一発で轟沈させるに越したことはないが、それは二義的である。また、当時としては、軍艦を轟沈させるのは砲ではなく、新兵器である水雷(海軍水雷営が運用)に期待されていた。

 その28榴で、露艦艇を轟沈できなかったことで「28榴が威力を発揮できなかった」とするのは乱暴である。むしろ、旧式で弾道すら怪しい28榴が、その弾薬質量で露艦艇を戦闘不能とした点は評価すべきだろう。信管不調や炸薬未発火といった問題はあったが、28榴は、露艦艇を戦闘不能にするという、期待された効果を充分発揮できたのである。

 本当に主張したいことは、陸軍が科学技術を重視していた部分陸軍が困難な砲外弾道学を研究し、充分に活用しているという部分なのだろう。しかし、それを主張する上で、無理に通説※※※ との違いを強調するため「28榴は威力を発揮できなかった」は、乱暴ではないだろうか。



でも、陸軍調査の中身を紹介する面白い論文です、一読をオススメ!



※ 田中道彦. 松沢邦彦「露国旅順艦隊沈没原因調査」『技術史教育学会誌』(日本技術史教育学会誌編集委員会,2009.9)pp.40-45

※※ 初速と存速と撃角に齟齬が、横転弾まで船殻内に貫通しているのだから、あまり意味は無いのではないかと。

※※※ 社会科学系や人文科学系だと、通説と異なる点をもって新発見であるとしないといけないので、仕方がない部分かなあと。オマエの提出論文どうだったと言われるとね。
2013.04
25
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13:00
Category : 有職故実
 青山繁晴さんは、自衛隊が使っていた木製モデルガンを構えたことがあると言っている。これは、警備で銃剣道で使う木銃を使っているという話を聞いて「木製の偽小銃を使っている」と判断し、自分で話を作った結果である。

 青山さんは講演「日本の希望が目覚める」※ で、共同通信の記者時代に、六本木の防衛庁で木製の偽小銃を使っていたことを紹介している。
「『今、私[内局の局長]が許可しますからこの銃を持ち上げてください』と言われたんです。この銃を何気なく僕が持ったら本物じゃなくて木だったんです[略]現在は本物の銃になりましたが、これは残念ながら私達や私達の国が目覚めたからではなくて、何と外圧で九.一一同時多発テロがあったからです
「日本の希望が目覚める」『平成22年度 靖國神社崇敬奉賛会 講演 シンポジウム 勉強会 記録集』p.17」
見た目で分からない木製小銃の存在と、その軽さを実感したと述べているのである。

 当然の話だが、警衛は実際には昔から実銃を使っている。9.11以前から哨所の直長は実包が配布されている。そもそも64式小銃そっくりな、木製の偽小銃は存在していない。

 64式小銃のモデルガンができたのはごく最近である。青山さんが共同通信に勤務されていた1979-97年の時期には存在しない。また、持つまで分からないほどの木製小銃は作れない。むしろ二脚や剣座をどのように作るのか興味が惹かれるほどである。

 銃剣道用の木銃は、一目見て弾のでないことは明らかである。木製であると気づかないことはない。確かに、警備用器材として木銃を使うことはある。しかし、銃と勘違いさせるものではない。木製警棒や乳切木と同じ、非致死性の棒として使うだけである。

 これらは、木銃を木製小銃と誤ったことに起因するのだろう。「自衛隊は警備に[銃剣道用の]木銃を使うこともある」を「警備で本物の小銃を使えない」「警衛も[モデルガンのような]木製小銃を使っている」と判断したものである。

 それだけであれば単純な誤解であるが「それを見た、持ったら木製であった」とするのは、虚言である。そういう観点に立てば、この講演で青山さんが主張するものであっても、虚言だろうと疑う部分がいくつも見つかる。

 たとえば、硫黄島の滑走路下に埋まっている遺骨収集について提議したのは自分の功績とする部分である。2006年12月に硫空基に行ったあとで問題提議し、その収集について菅首相を動かしたとしている。だが、この話は硫黄島の返還後からある話である。

 だいたい、硫黄島での心霊写真の件も盛り過ぎである。デジカメで写真を取って、パソコンで見たら陸軍正装の将校と小さな子どもが写っていたという条がある。心霊現象云々の与太はいい。しかし、その写真は栗林さんではないかと判断した件、自分に訴えたいことがあるので出てきたと示唆する件は、あまりにも無神経ではないのか。栗林さんの奥さんはつい最近までご存命でらっしゃった。出てくるなら、まず奥さんやゆかりの方の写真に出てくる。

 青山さんの講演は靖国神社で行われている。その場所柄を考えても、あまりにも無神経な虚言ではないのかな。



※ 青山繁晴 口述「日本の希望が目覚める」『平成22年度 靖國神社崇敬奉賛会 講演 シンポジウム 勉強会 記録集』(靖國神社崇敬奉賛会,2011)
2013.04
24
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Category : ミリタリー
 「部内限り」の内実を知っていれば、あまりにも間抜けな話である。というのも、「部内限り」には、まず秘密が含まれていない。

 ニュースに「防衛省情報本部の女性事務官、文書持ち出し図る」※ とあるが、その中身は公表されている米国の定例会見を和訳したものであるという。その文書に「部内限り」とあるので「文書持ち出し」云々と騒いでいる。

 しかし、「部内限り」は、ほとんど何の秘密もない。秘密を区分する上で、最も低いレベルであり、大した内容もない。なんとなく秘密っぽい内容だけど、明確に秘密に指定できない内容のときに、雰囲気で付すものである。

 「部内限り」は、外に出すと恥ずかしい程度にすぎない。例えば、公刊文献を無断翻訳、し、複製した本に付してある、その程度のものだ。参考資料の類に多いが、著作権上の問題がやかましい。外に持ちだされて騒がれないように、「部内限り」にする。まず、そのようなものである。

 この「部内限り」程度で、持ち出し云々の注意処分は尋常ではない。実際には誰も気にしないし、問題視もしない。他人に渡すとか、持ち出す必要があるなら「部内限り」を付箋で隠してコピーすれば何の問題もなかった。実際にそうしろといわれるし、そうする。データで持っていれば、必要な内容部分だけをテキストでベタ打ちする。その程度のものだ。

 たまたま、秘密保全週間みたいな時期に引っかかっただけなのだろう。情報本部のあるC棟玄関で、一斉検査かなにかをやっている時期にカバンを忘れて、たまたま引っかかったかといったあたりだろう。可能性としては、予めマークしていたオバちゃんが忘れ物をしたので、好機と探ったら「部内限り」しか出てこない、しかたがないので処分をしたというのは考えがたい。そんな面倒なのはサッサと配置転換するものだ。

 スーパーで中国人と知り合いになっていたことも報道に添えているが、これも大したことではない。東京市内なら隣人が中国人というのもよくある話である。普通の居酒屋でも始終行っていれば、王さんや孫さんみたいなネームプレートの人と知り合いになることもある。そんな程度の話は、身上調書に書く「年賀状をやり取りする程度」にも達していない。それ以上であっても、メンドイだけなので誰も報告はしない。

 そもそも、情本勤務や幕勤務の奴が、中国人がいる夜のお店に通っている。だからといって、報告した話は聞いたこともない。知っていても告げ口もしない。外国人の知り合い云々は、その程度の死んだ規則である。実際には、奥さんが外国人なら届け出る程度である。

 情本はスタンドプレーが好きなところである。今回も、まずは、セキュリティー関係をやっていますよという姿勢を見せるために公表したのではないか。正規の事務官、自衛官なら揉み潰すだろう。しかし、60代というのであれば、多分、日当幾らの1年契約職員※※ なので、自衛隊のスネに傷もつかないと処分して公表したのではないかね。



※ 「防衛省情報本部の女性事務官、文書持ち出し図る」『YOMIURI ONLINE』(読売新聞社,2013.4.23)http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130422-OYT1T01413.htm?from=ylist

※※ 事務官の定年は60になった年の年度末。なので、正規職員であれば60代は正規職員の定年年度だけで考えにくい。その後の再雇用(1年契約で月給)か、翻訳技術者としての技術補(アルバイトとして募集)のような日当採用(だいたい一年契約)ではないかな。事務官と自衛官を合わせた自衛隊員の面子を気にしないあたりで後者ではないかと思うよ
2013.04
23
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Category : ミリタリー
 P-1とP-3Cには大した性能差もない。10式戦車と90式戦車の関係と同じで、P-1でできる事はP-3Cでもできる。開発する甲斐もなく、投じた開発費はまず無駄金であった。

 P-1はP-3を少しエラクした程度に過ぎない。それも速度、搭載量といった機体性能がやや上がった程度のものだ。P-3も搭載機器をP-1と同等とすれば、哨戒機として機能は略同程度となる。

 P-1となって向上した機体性能については、実運用では大した差ではない。

 極端な高速性は必要はない。哨戒機が相手にするのは船舶である。追いつくのは容易である。攻撃動作その他でも、ヤバい相手には哨戒機は近接しない。時速600kmのP-3も、900kmのP-1にも大差はない。

 搭載量も一杯に積むことはない。P-3は2発しか積めない対艦ミサイルをP-1は8発積めるみたいな話があるが、それ位ならP-3Cでも可能である。日本のP-3は積む気がないので翼下に2発搭載するにとどめているだけで、米国は4発搭載している。対艦ミサイルはそれほど重くない。翼下にそれ以上積むことも可能であるし、ボンベイに入れてもいい。

 キモである搭載機器は、P-1でなければ積めないわけでもない。P-3に同じものを積めば使えるし、同じ捜索能力や解析能力を獲得できる。発電量が必要なら強化すれば良い。

 無理に新型機をゼロから開発する必要はなかったということだ。哨戒機を高性能化させたいなら、P-3の内臓を入れ替えればいい。どうしても機体を大きくしたいなら、米国のように旅客機を転用すればよい。機体強化ほかが必要なら、米国のP-8と相乗りすれば済んだ。哨戒機のキモは内臓である。ガワである機体開発に金をかけても意味はない。

 そもそも工夫がない。将来、固定翼哨戒機に何が必要なのか。外洋での哨戒がどう変わるか。何を対象にするのかといったあたりは考えていない。大型の新型機を作るとなると30年どころか50年は使う機体になるのだが、30年後50年後にどのような運用が必要なのかを考えていない。

 今、保有している機材の性能を、総花的に強化するだけなのは怠惰である。P-3の速度、搭載量そのほかを全般的に伸ばすだけでは、何の工夫もない。

 仮に将来的に、日本の国益はグローバル化する。日本にとっての将来の戦場や国際貢献もより遠方になる。そう見たとすれば、たとえば地上支援機材を組み込んでおき、外国の空港でも整備容易にする。または短い滑走路でも使えるとか、滑走路上の石やゴミといったFODに強くする。最初から空中給油を考慮して、受けるだけでなく、タンカーとして燃料を与えられるようにする工夫も必要である。

 日本の兵器開発にはそれがない。航空機も艦艇も、今ある装備の延長線上に能力を少し強化するだけである。日本は将来装備に必要なコンセプトを必死になって詰めていない。米海軍は賭博的に過ぎるきらいがあるが、それをやっている。失敗しているがLCSはまさにそれである。金も人も少ない英海軍も蘭海軍もやっている。英海軍が構想している新型フリゲートは2060年まで使えるかどうかを考えている。蘭海軍のM型フリゲートも同じように長期的な展望をしている。

 P-1での性能向上は喜ぶようなものではない。前作に小手先的な性能向上を施して済ませているだけである。将来的に、運用環境変化があったとすれば、前作のP-3も新作のP-1も同時に陳腐化してしまう。

 近視眼的なP-1開発は無意味であった。P-1にできる事はP-3でも可能である。特に開発する意味はない。90式戦車と大差のない10式戦車開発に投じた金と同じで、まずは無駄金であった。
2013.04
22
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Category : 未分類
 どこかにあるといわれる防衛省の中央指揮所で働いていた時のことだが。

 金庫扉の鍵が渋いと言われた。通信関係の部屋は厳重管理で、金庫室基準になっていて、出入りの扉は金庫扉になっている。その扉についている錠を開けるのが重くて困るとのこと。

 庶務の3空曹がその旨を電話で取ったのが、己に金庫屋を呼んでくださいという。司令部勤務によくいる曹士で、古株なのをいいことに物事を勝手に動かそうとするヤツだった。鍵が渋いくらいで、しかも確認しないで金庫屋なんか呼べるものか。

 どこの部署の電話であるかを聞くと、編成上で隣になる通信班とのこと。その間も、庶務が役務調達に時間が掛かるから(調達を起こすのは己の下僚で庶務ではない)、早く業者を呼べとか煩い。本人は特にセキュリティ関係の業者に密着していたタイプで、裏で何やられるかわからない。「お宅を呼ぶようにいった」と、恩着せがましくいいかねない。実際にコイツのいうことは基本的に聞かないと決めていた。だから、無視して通信班に行く。

 話しに行くと通信班では1空尉と海曹長さんがその件を気にしている。ただ、錠の開け建てそのものができないわけではないので大事ではない。「大したこともない、鉛筆の粉塗っとけばいい、油はダメだよ」といっても、どうやっていいのか分からないので、付いてきてくれとのこと。

 普段は「中を見たら目が潰れる」と言われて入れてくれない部屋だった。まあ、困ったときのセキュリティはそんなもので、気送管が止まったとか、空調系がアレになった時には、あの情本にも手続きなしで普通に入っていけた。そこはモノホンの通信関係だけあって、机の上は完全にクリーンで残念だった。

 肝心の金庫扉は確かに渋い。鍵を入れても錠がすぐに回らない。錠が開いても扉が重い。その部屋の人もどうにかしてくれという。

 で、鉛筆、正確に言うと私物のファーバーカステルの、芯だけで出来たグラファイト鉛筆を出して、鍵をこすって鉛筆の粉を擦り付ける。別に完品エコロジー鉛筆でいいのだけれどもね。そのあと、グラファイト鉛筆をナイフで削って黒鉛の細かい粉を作り、鍵穴と扉の回転軸に擦り込む。

 その鍵を回し、扉を開閉すると途端に滑らかになる。2-3回繰り返すと新品同様に動作する。それを見ていた関係者はそれで満足。己もこれだけのことに役務調達しないで済み、しかも庶務の鼻先を封じたので満足。国も余計な支出をしないで済んだ。三方一両得とでもいうような結果になった。

 黒鉛の減摩作用というヤツなんだが、誰に習ったのかは忘れた。しかし、大抵の部隊で面倒があるとこの手の方法で手入れをしていた。

 司令部勤務の曹士は業者や他部隊を使うことしか考えない。なにも各所修理費使って業者を呼ぶまでもなく、隊員がいるのだから隊力施工すればいいのだがね。司令部勤務が長い曹士は無精が極まる。甚だしいのは、石膏ボードの壁の孔を放置して「発注準備中」と紙を貼るのは何だと思った。釘打ってパテで盛って、同じ色の紙を貼れば終わるのだがねえ。



 庶務係の件で思い出したのは、陸自施設学校で一緒だった3空佐が、要件あって空幕から来たときのことか。件の3空曹が驚いて嫌な顔をする。同期の3空佐も庶務にキツく当たっている。
 仕事はNBC防護について己に聞きに来ただけの話で、概念と特許と実施権をもつ会社名を教えて、○○○○○○を見せて話は終わったのだがね。その部屋は部屋からの監視機器がないので、気安く3曹との話を聞くと、やはり件の3曹と仲が悪いとのこと。他人を操縦して自分に有利を図る傾向があるようなことを言っていた。
「司令部勤務は勘違いするし、同じ所に長く置くと会計法規上も良くないから、早く部隊に放り込んだほうがいいよ」と言うと、そのつもりとのことだった。空曹人事に口出せるか知らないが、都心から50kmか100km離れたところ。まあ、司令部勤務の曹士は長くいると腐るよなという話になった。
2013.04
21
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13:00
Category : 未分類
 何かの拍子に作るに何かを作るにしても、5000発分のプルトニウムは必要ないだろう。

 太田昌克さんの「余剰プルトニウム問題は最優先課題」によると、日本は現在44tのプルトニウムを保有している。そのうち30tは核分裂性であって、核兵器5000発分に及ぶという。

 太田さんの言うとおり、このプルトニウムは使い道がない。日本は高速増殖炉を諦めている。MOX燃料とするにしても、使用する原子炉がない。プルトニウムを使う前提の高速増殖炉は事実上失敗している。通常の原発で使うとしても、国内約50基ある原発は再起動の見込みはない。動いているのは大飯原発の2基に過ぎない。これも長期継続的に運転されるか怪しい。

 しかもプルトニウムは増える見込みにある。すでにある44tに加えて、六ケ所村ではは新しいプルトニウムがどんどん生産されている。六ヶ所にある再処理工場は使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出す施設だが、原発が止まった後も稼働を続けている。

 プルトニウムは貯まる一方ということになる。日本で使い道がないからといって、国外に売れるものでもないし、捨てられるものもでもない。なんせそのまま核兵器の材料である。

 多量のプルトニウムは保有しているだけで胡散臭い目で見られる。使い道もなく、核兵器5000発分という量は尋常ではない。そもそも、日本の状況でプルトニウム生産を続け、また多量のプルトニウムを保有し続けなければならない合理的な理由はない。

 もし仮に、日本がプルトニウムで何か作るとしても、5000発も要らない。1発2発、多くても50発100発で足りる。それなら、1-2トンも手許に置いておけばよい。作る必要があるかどうかはともかくね。

 なんにしても、核兵器用プルトニウムを30t以上も退蔵すると痛くない腹を探られる。また管理やセキュリティ上の面倒もある。日本の原子力行政や現場のやることはどうも信用できない。

 とりあえずは、処分してもいいんじゃないのかね。太田さんによれば、イギリスが処分を請け負ってくれる様子とのことだ。いつもの困ったときのイギリス頼みで、金払ってでも処分してもらえばいいんじゃないのかね。

 ただ、例によって電力会社が損失処理するのを嫌がっている。将来的にはヨリ損になるのに、資産であると言い張っているらしい。六ケ所村の再処理工場も、金を払って不良債権を積み増しているだけなのだがね。まあ、電気代で払うから自分の腹は痛まないという感覚なのだろう。
2013.04
20
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13:00
Category : 有職故実
 艶福家、エノコ・ヌレマラ※ としても知られる近衛文麿。

 戦時中、東條の憲兵監視網のなか、ルンルン気分で花柳界に外出した近衛元首相。
あとで体制側から御叱言を頂戴する。

「この時節、花柳界に出かけるのにガソリンを使うな」

 四方憲兵大佐あたりの監視じゃないのかね

 ただ、政治的な取引云々(にもならない)はともかくとして。公然、ガソリン使って遊ぶ元首相も、それを逐一監視する体制側も「なんだかなぁ」と思うよ。

 そんな喧嘩するなら、真面目に戦争を止めるなり、戦争に勝つ方法を考えるべきだったんじゃないのかね。

 まあ、「首相として活躍したのはどっちか」というと、やはり「どっちもどっち」だし、昭和20年、重臣(首相経験者)としての振る舞いをみても、やはりどっちもどっちの寝ぼけ話ばっかり。近衛、東條に平沼、小磯を加えたあたりは、重臣としてどうもねえというような話しかしていないのは、人を得なかったのだろうね。


※ 内務省史かなにかで見かけた
2013.04
19
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Category : ミリタリー
 幹部候補生学校の時には、メシは昼飯だけ、風呂には行かないようにしていた。そこまでやったのは、多分、オレ一人だけどね。なんせ時間がないからねえ。逆にメシとフロを省略すれば、相当の時間を捻出できた。

 まず、朝と晩のメシは食わない。朝飯の時間、20分を省略すれば新聞を読むヒマができる。大したメニューもないので、朝食は食わない。たまに終わり間際に行って、日持ちする納豆や振りかけの類をゴッソリ持ってくる程度。夕飯を省略すれば30分の時間を捻出できる。みんなが夕飯食っているときは、洗濯機もアイロンも開いている。待ち時間なしで使えると非常に捗る。正規の夕飯は行っても週2回だった。

 ハラが減った分は、別に食うだけの話だ。土日に日持ちする食い物買ってきて、教室と自習室の机に放り込んでおけばいつでも食える。売店で買えるお菓子の類は結構授業中にコソコソ食べていた。なんせ「もんたに」で席は最後尾である。眠気覚ましにもちょうどいい。結構、外食もしている。上陸日の水金土日の夕食は外でも食える。水曜と金曜の上陸日なら、上陸止されなければ堂々と外で食える。

 ちなみに売店の食堂にいくと、メシ食ってないのがバレるので禁忌。逆に言えば、売店食堂さえ行かなければバレることもない。まず、日常的に食事を抜いているというのは、向こうも考えていない事態なので、休み時間等に食っている分には食いしん坊にしかみえない。疑われても当日のメニューを出して「足りなかったので」といい抜けられただろう。だいたいの判断基準は「それくらいでクビにはならないよ」だった。

 メシはやる気になれば自炊も可能だった。場所を選ぶようだが、闇自炊もできた。給湯器があるので熱湯は手に入る。パウチされたレトルトの飯(赤飯や五目飯もある)を買ってきて、休み時間に厚手のビニールに熱湯と一緒に入れる。ビニール袋は廃毛布(ペイントの際の床保護材を拝借)を切った断熱材でくるんであり、トートバック(神田の文房堂のヤツ)入れてある。それを洗濯機の脱水機に放り込んでおく。二槽式なので縦に細長く倒れない。保温と偽装かねてタオルや下着を上に置いておく。時間はかかるが、レトルトは温まり、米飯も2日程度は柔らかいままだった。これは結構やった、また、ある本からヒントを得て、上陸日に外のスーパーで買った生卵をまとめて茹で卵にしたこともあった。

 手間がかかるが、1回だけ火を使った調理したこともあった。学生隊舎(40人部屋の時代だった)屋上、喫煙場所(火気使用許可とある)で、土日の一日外に出られない当直防火隊の日に暇つぶしだったがね。小豆缶詰と餅でお汁粉を作った。まあ、小豆缶詰は予め熱湯で溶いといた。餅を焼いて鍋に入れて温めただけだが、持ち込んだ携帯コンロは火力が弱くて難渋した。ガソリンは持ち込めないが、入手は極めて容易。毎日動かす消防ポンプや草刈機にいくらでも入っている。お稽古や手入れしているフリをすればいくらでも抜き出せた。休みの日に当直防火隊で拘束するとロクなことがない。却って火事の原因になりかねないという好例だ。

 フロも、メシと同様に入らない。学生隊舎屋上にある冷水シャワーで済ませれば、3分で済む。

 分隊寝室で脱衣し、振珍、草履履きになれば、着替えの畳み方でドヤされることもない。5月の連休明けで風呂よりシャワーがいいことに気づき、それから翌年3月の修業まで屋上で冷水を被っていた。春から秋までは1・3・5分隊で10人くらいやっていた。冬まで、雨の日も雪の日も屋外冷水シャワーをやったのは己だけだが、若くて健康だったから特に風邪も引かない。

 幹事付に見つかってもお咎め無し。屋上でタバコと洗濯物をチェックしているのに行き違っても、振珍のまま頭を下げるだけ。「せめてタオルで前を隠せ」といわれる程度。冬の雨の日にシャワーが見つかった時も、相当驚いた顔をしていたが「オマエの場合、風邪引いたら個人の責任だぞ」と嫌味を言われただけ。幹事付は規則や伝統、しつけには厳しいが、規則や伝統で認められたことは全く手を出さない。ちなみに幹部候補生学校では、己は上陸止では上位を占めていたが、一回も殴られたことはない。他の連中が殴られたのも見たことはない。

 このフロ節約時間を夕飯節約の時間とあわせると、悠々と洗濯とアイロンができる。洗濯機に空きがあれば、洗濯物をにブチ込んで5分間回す。シャワーを浴びて降りると、洗い物はちょうど終わる。脱水機に移して分隊寝室に戻り、制服と作業着にアイロンでも掛けておく。みんなが飯とフロで小一時間使うあいだに、面倒事は大概済んでいる。甲板掃除の前には同人作業も読書も進むというものだった。

 まあ「上に政策あれば下に対策あり」のようなものだ。幹部候補生学校は禅寺の修行とと同じで、とにかく時間を潰させようとする。それなら、食事と風呂を抜いて対抗していたのが己だった。

 体力練成も、1500m(だったか)を6分切らないように調整して、要錬成の対象者のままにしておく。実際に中距離以上は走るのも苦手だったので、本気でも6分を切れるか切れないかだが、時間も読み上げてくれるので、そこはウカと切れないように工夫した。最後はリアルで息も切れ切れなので、普通に頑張らなければ良い。

 体力要錬成にしておくと、余計なスポーツををしないで済む。体力錬成で走るときは、みんなと逆方向に1週して、最後は八方園でサボる。かなりの確率で疲れた3佐教官も体育服装で中途合流した。八方園ではお互いに形だけストレッチをして、そのあとはだいたい駄話。まあ、技術的な話を教えてもらうのが常道だった。向こうも相当の内容を質問するので喜んでいた。こっちも江田島では石垣の編年ができるような話もした。

 幹事付が来ても、実際に体力練成で走った上でのストレッチなので何も言えない。あとは技術教育の名目と階級押しでどうとでもなった。幹事付も、むしろ教官の話を聞いてやれみたいな眼をしていたよ。



 深刻に考える奴ほど悩んで辞めていったが、ベットが飛ばされるとか、着替えが遅いといつも怒られるなんて、大した問題ではない。そもそも規則違反でもない。その規則にしても、部候補生学校や練習艦隊の規則なんて、違反しても金も命も取られない、給料も変わらない。公務員なので、チョットやソッとではクビにもできない。辞めることもないし、自殺する必要もないと思ったよ。
2013.04
18
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13:00
Category : ミリタリー
 陸軍輸送潜水艦、㋴(○ゆ「まるゆ」)について、計画した塩見文作さんによる記事をみつけた。ハッキリ言ってアレな人で、「無線機をつけるから逆探知される、要らない」とか「海軍に潜水艦の委託教育出すと、安全に気を使うようになったヨクナイ」とか言いたい放題している。

 塩見さんは自分が作った「まるゆ」については、相当に自信をもっていた。「海軍よりも先に溶接を採用した、オレの溶接工法が海軍潜水艦に採用された」とか「海軍の協力を得ずに作れた」といった類の記述がある。

 しかし、塩見さんの主張は首を傾げる。例えば「本来はガソリンエンジンが最適だと考えていた」というのは、密閉空間でのガソリン蒸気が持つ危険性を全く理解していない。ガソリンエンジンの高速艇は、防爆換気装置でエンジン起動前に5分程度の換気を行う必要がある。ホランド艇の類は使っていたが、まずは潜水艦では実用的ではない。

 また、「まるゆ」が相当難産だったことも触れていない。作ってみたが、潜水艦として全く駄目で、結局海軍が助けたことは全く触れていない。高木惣吉さん、大井篤さん、堀元美さんあたりのメジャーな本には書いてある。だが、塩見さんの本では、全く問題なく就役したようにしか読めない。

 そして、困ったちゃんの主張がある。

 塩見さんは指揮官や乗員を漁船員と規定し『一枚の新聞付録程度の世界地図とコンパス[もちろんマグネット]だけでどこでも行ける人』と書いている。そんな人材はいるわけもない。大縮尺では目的地の近くで地文航法に失敗する。実際は陸軍省が行き先がなく余っていて、素養の高い戦車兵を連れてきた。しかし、塩見さんは怒って陸軍省を批判している。実際に北東アジア全図程度の1号海図、2号海図で航海させたようだが、手旗で付近の船舶に道を聞きまくっている。

 また塩見さんはフィリピンに投入した「まるゆ」、笠戸2号艇が沈められた原因を「無線機なんかつけたから」と主張している。電波を発振したせいで敵に見つかったとする主張である。しかし、洋上でエンジントラブルの類を起こしたらどうするのかという観点はない。

 安全対策を主張することは軟弱と考えていた風もある。中途から、乗員を海軍の潜水学校に委託に出したのだが、余計なことをやったと批判している。「贅沢に慣れてしまった」ように主張している。だが、これはあまりにもな「まるゆ」やその運用法に、乗員が正当な改善を申し入れた程度のことだろう。「まるゆ」に批判的になった点を許せない感がある。

 塩見さんの魔法の言葉に「『まるゆ』の精神がわかってもらえない」がある。戦争が過酷である、戦力化を急がれたといった前提の下で、だから、塩見さんは自分の「まるゆ」は最適解であったと主張している。それに対する反論には、すべて「『まるゆ』の精神がわかってもらえない」と反論したのだろうなということが窺えるのである。



※ 「まるゆ」に便所がない話があるが、塩見さんの話には出てこない。逆に冷房は取り付けたことを誇っているのだが、優先順位は逆ではないかと思う。
2013.04
17
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Category : ミリタリー
 当節は天測暦が廃止されたので、今も六分儀(ろっぷんぎと読む)で夜間の天測をやっているかどうかは知らないのだけれども。

 練習艦隊の時には、GPSから星の高度(角度)を計算していた。星の高度から艦位を出す逆のズル。

 まず、天測暦をEXCEL化した。天測の計算は、対数表のような読み取りが多いので面倒臭い。理系(確か防大)の奴が、天測暦を元にして計算式をExcelにブチ込んだ。コレで面倒な計算が省略できる、ラッキー。

 早くても30分かかる計算が、入力含んで1分もかからない。しかし、艦長付にバレると面倒なので、40-50分時間をズラして誤差三角形を書き、推測位置を停止するようしていた。艦長付は、多分気づいていない。本当にオレの指導で天測の計算精度が上がったと思い込んでいたようだった。

 そのうち、すぐに星の高度を適当に変えて、現在のGPS位置から正確な答えを出すようになった。ナンにしても当時、すでにGPSはあった。艦橋で実習中のヤツが、測定時の艦位を教えてくれる。それを聞いてから、星の高度を操作するようになった。自分の測定値が大外れの時には、誤差2マイル程度になるように入力値を弄るようになった。もちろん、毎回正確だと怪しまれるので、そこは日により適当に外れるようにもする。

 そして、エクセルの式を逆から計算できるようにした。サインならコサイン、タンジェントならコタンジェントにする類である。私大文系には面倒だが、今までやった数字があるので、ヒント(イルカ以前だったはず)と関数の意味を調べればできる。なんせ時間はいくらでもあるのだ。

 ついにGPSから、普段使う星の、その時間の高度が計算できるようになった。測定時間の予想位置から星の高度を逆算するわけだ。一応、見えるかどうかの確認を兼ねて、自前で測定もする。正しく六分儀を使った結果が分かっているのだから、自分の誤差を生んだ悪いところがわかる。直に測定そのものが正確になる。昼間に太陽高度を利用した子午線正中法もヨリ正確になる効果をもたらしたよ。

 そうこうしているうち、どうやっても天測が合格しないWAVEの面倒を見ろと言われた。秘密のGPS逆算法は見せないが、EXCEL天測暦は使わせた、というか、己がノートパソコンで計算した。

 しかし、どうやっても合わない。3日目か4日目も駄目。最後は己が六分儀で図った角度でも大偏位した。翌日?の子午線正中法でも駄目なときに気づいたのだが、件のWAVE、腕時計の時刻が3分近くズレていた。それでは天測はできようもない。



 練習艦隊といえば、海図の位置記入で一等賞をとったことがある。

 ナンのことはない、海図上での予想位置を頭のなかにプロットしておくだけ。

 太平洋(大西洋だったかな)を練習艦は一定の針路を保っている。時間と位置の関係は、単なる一次関数のグラフにすぎない。予想といっても10分もないので地球の球面誤差なんて無視して良い。そこでGPSを睨んで、時間あたりの緯度と経度の変化量を別々に測っておく。緯度経度で必要なのは、所詮、度分までである。○○度○○分キッカリになるのが何時何分で、30秒以前か以降かを暗算をする。そして○○分+1分は何時何分の30秒から前か後か、同じように+2、+3分まで手許の雑用紙に書いておく。

 同時に、海図での現在推測位置と、近くにあるベンチマークとなる緯度経度の交差部を、どこらへんか暗記する。そして雑用紙に+0、+1-+3分の時、ベンチマークからの海図上での採寸幅を書いておいて暗記する。具体的には時計を見て、あの秒針が30秒を超えたら○○分で東西の距離は○○、そこから1分後まではに南北の距離は□□といった塩梅。

 「今の位置」と言われた時には、東西距離と南北距離は分かっている。しおらしくGPSの現在位置、その分と秒を書くが、その数字については考えない。必要量を海図の縁でデバイダーで採寸して、ベンチマークからその距離を移して記入するだけ。あとはおおまかに正確であるかどうかだけチェックしておわり。必要時間15秒。記入時間を時計で測った船務士は勝手にえらく感心していた。それまで船務士には始終殴られていたが、以降まったく殴られなくなったよ。
2013.04
16
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13:00
Category : ミリタリー
 まず㋴(○ゆ)の類なんだろうが、米国は使い道もなかったのだろう。

 米艦政本部(BuShips)が構想だけ立てたLSSTなんだがね。9000tクラス、170mの潜水輸送艦で、S5W原子炉1基で16-12ktで航走する。搭載物件は人員500名と貨物500t。

 さて、何に使うのかね?

 まず、米国が潜水艦を使ってでも揚陸や補給、輸送しなければならないところはない。原潜の独擅場となりそうなのは、結氷期の北氷洋だが、ビーチングできる場所もない。冷戦期にソ連を襲うにしても、あまり潜水艦による隠密上陸の所要もない。飛行機を使ったほうが迅速であるし、水上艦船を使ったほうが大量輸送できる。隠密上陸にしても、500人500トンも要らない。10人20人なら、普通の潜水艦でも運ぶことができる。

 輸送艦船としても、LSSTは搭載物件もあまりにも小さい。水上状態8700t、軽荷8000t、潜水時2万6000tで人員貨物それぞれ500にすぎない。大戦型LSTで2隻分程度あるようにも見えるが、大型の車両は搭載できない。

 しかも、輸送艦船としてもLSSTは使いにくい。耐圧船殻の先端をドアにする関係から、出入り口は相当に小さい。正面図を見ると、船体はビーチングに適した下膨れの台形の断面で、平底の船底は幅24mあるが。だが、耐圧船殻の開口部は、見取りでも幅4mとれない。船殻の厚みや水密を考慮すると、幅3mもとれない。大戦型のLSTや、いまのLCUのドアよりも狭い。船倉も、耐圧船殻の形状となるので、壁や天井が丸みを帯びる分、荷物を積みにくい。

 艦政本部も、原子力潜水艦の可能性を列挙するために考えたものだから、仕方がないのだけれどもね。艦政本部の題も「夢の艦船」("Dream Ships")になっている。Friedmanの"U.S. Submarines Since 1945"※ で見っけたのだけれども、LSSTは原子力タンカーや原子力弾薬補給艦、原子力豆潜水艦と一緒にまとめられている。真面目に考えたもんじゃないよという部分なのだろう。



※ Friedman,Norman"U.S. Submarines Since 1945"p139
2013.04
15
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13:00
Category : ミリタリー
 サミュエル・B・ロバーツが千切れなかった理由は、幸運にも爆風を逃すことに成功したからみたいだね。

 ペリー級の触雷記事を発見。ファン・フックさんとのインタビュー"All HEll BROKE LOOSE"※ は、ペルシア湾でイラン機雷を踏んだサミュエル・B・ロバーツ先任機関士からの聞き取りがある。その概要図では、主機関室直下で機雷が発火。その爆風が垂直方向に8層分抜けて、煙突から抜けたように書いてある。煙突から火の玉が出たともいう。

 幸運にも、爆風を逃すことに成功したので、S.B.ロバーツは沈まなかった様子である。触雷箇所がずれていて、ガスが逃げなければ、下手をすれば千切れていた。

 なんといっても、上構の一番上、屋根にあたる02甲板に亀裂が入っている。当時のイランは触発機雷を使用していた。おそらく、炸薬量240kgのM-26か、それよりも強力な触発機雷に引っかかったのだろう。イランが多用した炸薬量100kgのM-08の威力ではない。

 爆風を逃すこと、爆発物の威力は大きく減ずる。装甲車両は、車体底面を舟型や、それよりも急なV字型にする例がある。これは対戦車地雷やIED対策であり、爆風をそらすためにそうしている。中には、煙突を立てる例もある。記事本旨とは異なるが、Gibsonさんの"Blast away"※※ では、IEDの爆風を車体中央の煙突に誘導し、防護する仕組みが紹介されている。

 S.B.ロバーツが沈まなかったのは、触雷位置が主機関室下であったことによる。これが前後にずれた場合、爆風は船体にヨリ大きなダメージを与えた。触雷時に真っ二つにならなかったとしても、発生した亀裂や座屈部位に大きな力がかかる。波やうねりで船体が持ち上げられ、その後に重力で下に持ち上げられるジギング・ホギングの力でいずれは千切れたことになっただろう。

 二つに千切れても沈むとも限らないが、ブラブラでも繋がっているよりは重症である。沈まなければ、米国なら損害を軽く見せるため、どうあっても修理しようとする。しかし、沈まないまでも二つに千切れたとなると、取り扱いが面倒になるので、さすがの米国でもは廃艦としたのではないかな。



※ Van Hook,Gordan"All HEll BROKE LOOSE","Proceedings"139/4/1322,(USNI.2013.4)pp.70-73

※※ GIBSON,Neil "Blast away:eactive under-belly protection systems","International Defence Review"2013.1,(IHS,2013.1)pp.36-37
2013.04
14
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19:55
Category : ミリタリー
 JSFさんなんだが。F-35がお買い得といった手前、高値の話を聞くと毎回否定しないではいられないわけだ。

 ブログの「産経新聞の誤報『F-35A戦闘機1機189億円』は機体単価ではない」では「機体価格は高くない」と言い張っている。

 これは産経新聞の記事について、事業経費を機体数で割った数字を否定しようとするものである。産経の記事は「100億という数字だけど、米国の見積もりでもあと90億はいるよね、財政も怪しいのに大変だね」が趣旨になっている。それを否定しようとするのが、JSFさんの主張になっている。

 JSFさんは「もうはっきり『産経新聞の誤報』でいいよね。」と、誤報扱いしている。同じ機体の導入経費を、別方向から切り取っただけで誤報扱いは、言い掛かりそのものだ。産経新聞の元記事中、噛みつける可能性がある「90億円近い差額を米側から請求されるのは必至」だけを焦点に、機体価格とは別の数字であると噛み付いている。

 しかし、産経が引っ張ってきた数字は正しい数字である。機体価格はともかく、事業として、F-35導入全体では1機あたり約200億程度、日本ではおそらくそれ以上掛かることは明らかである。その費用は、防衛費や予算に対しての負担になることも誤っていない。

 JSFさんによる誤報扱いは、妥当ではない。自分がお買い得であると主張したからといって、別の観点から見ただけで誤報と書いてしまう。観点が違うだけで、正しい数字に拒否反応を起こしているのが、JSFさんの記事というわけだ。JSFさんはF-35は安くないということが明示されることを相当に嫌がっているのだろう。

 まず、F-35を過剰に推していたので、引っ込みがつかない立場に追い込まれたわけだ。もともと、新しい戦闘機は高くなるのは当然なのだが、いつもの贔屓の引き倒して「高くない、安い」と主張した。だから妥当な数字、妥当な結論にも「捏造」と言わなければならない。




 まあ、JSFさんの発言で楽しみなのは掌返しだね。F-35が配備された後で「F-2は役に立たない」といったあたりかな。10式戦車ができると「90式は旧式で役に立たない」と主張するようになったことを繰り返すのだろう。将来的にも掌返しもするのだろうね。重い戦車ができたら「トレンドは重量級、10式は失敗作」とか、制空か支援かに特化されたF-3が開発されれば「F-35は中途半端で性能不足」とか言い出すのではないかね?
2013.04
14
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13:00
Category : 博物館ほか
 国立国会図書館のメシが、残念な感じになった。もともと旨いものでもないのだが、海の家メニューレベルに落ちて、価格は高止まりとなると困ったものだ。

 前年度までは「小麦っ子」だった。まず、旨いものでもないのだが、まあこんなものという味。本を請求中にメシ食って時間を潰すのもいいだろうというもの。ラーメンの類を頼むと、100円出せば野菜を追加してくれるので、味はともかく、野菜食えて満足度まあまあだった。

 名は秘すが、現今の本館6階食堂は、味は評価できない。サンプル見た段階で遠慮したい感じなのだが、とりあえず食ってみたいとこういう文句も言えない。そこで唐揚げラーメンとやらを頼んだのだが。スープに麺を入れて、その上に唐揚げを2個置いただけというもの。量的にも650円は高いんじゃないかな。

 サンプルの段階で不味そうなところは大概マズイ好例である。ラーメンか蕎麦かカレーか、定食なんだがね。満足度も大盛りにすればいいだろうでは駄目ではないか。蕎麦で「富士山もり」とかは、国立国会で食べないだろうと。カレーも、配食用のトレイに直盛した超大盛りなんか誰が食うのだろうか。

 本館2階と新館1階の喫茶も入れ替わったみたいだけどね。新しくなって行ったこともないのでなんとも言えないが、良くなったのか悪くなったのか。本館2階の、味はともかく値段とスピードで評価できるカレーがなくなると、利用者も困る。

 入れ替えるのは入札だから仕方がないのだが、味とか満足度も加味できないのだろうか。使用料を多く払ってもまずい店入れられたら利用者が困る。

 普通に、昼の客を捌けるファストフードとかでいいのだけれども。吉牛、てんや、松屋、ゆで太郎、いわもとQ、山田うどんとか入らないものかね。ただ、国立国会は営業時間も短いので稼げない、酒も提供できない売上もナンで駄目だろうけど。

 コレが上野の東京国立博物館だと、独行なんでホテルオークラ入れている。ただ、昼飯で1500円は高いなあと思うけどね。まあ、東博は事実上、美術館なので客も金を落としやすいから成立するのだろう。
2013.04
13
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13:00
Category : 有職故実
 今の政権党は、昭和30年には邪馬台国を教えることに反対していた。今の自民党が出したパンフレット『うれうべき教科書』について、昭和37年の新聞で貝塚茂樹さんが紹介※ している。内容は「日本史教科書で魏志東夷伝の卑弥呼云々とは何事か。中国の歴史書を使うのは中共[今の新中国]の歴史宣伝に利されるだけだ。日本書紀や古事記に書かれた神話に基づいた古代史を教えるべき」というもの。

 「検定基準 文科相『直すべきものは直す』」も、後世から見ればそんなものではないのかな。「教科書検定基準の見直しについては、自民党の教育再生実行本部で」決めるといっているのだからね。

 今の首相、文相、文科政務官は、見事に教科書議連系なんだよね。石山久男さんによる※※ と実際2011年6月23日にあった教科書議連総会の日に、安倍顧問、下村博文幹事長、義家弘介事務局長が見事に揃って顔を出している。そして当日、地方議員あて文書を出している。文相は「中学歴史、公民教科書は教育基本法の趣旨および日本人の常識から大きく外れた過去に例のない非常識な教科書がほとんどになりました」と通牒するものだそうだ。

 その3人が、首相、文相、文科政務官となって、自分たちの政治主張に沿った教科書を使えと言い出している。

 前に書いたように、政務官は竹富町まで行って、作る会系の育鵬社の教科書を使えと指示している。http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-525.html

 文相は、上で示したように自分たちの政治主張に合わせた内容が記載されるように検定基準を変えようと言っている。

 首相も首相で「「第1次安倍内閣で教育基本法を改正し、日本の伝統と文化や、愛国心、郷土愛というものを尊重することを書いたが、残念ながら、教科書の検定基準には改正教育基本法の精神が生かされていない。」§ なんて言っている。

 まあ、言いたいことは昭和30年の「歴史的事実よりも神話を教えろ」と大同小異なんじゃないの。そのうち、古事記や日本書紀を引っ張りだして、進化論を教えるなとか言い出すんじゃないかと思うよ。



※ 貝塚茂樹「現代教科書批判 歴史」『朝日新聞』(朝日新聞,1967.12.21)p.9

※※ 石山久男「育鵬社版教科書採択の背景と採択制度の課題」『歴史評論』(校倉書房、2012.4)pp.70-83
   ガチ左派の雑誌だけど、事実関係はしっかり追っているいい記事です。八重山地区の採択手続は、石垣市教育長が政治的な打算で行動し、採択のために正当な手続きを経ずに人事や採択手段を操作して採択したものであることを明らかにしています。
   竹富町が全面的に反発したのは、教科書の内容もアレですけど、それを強引に決めた石垣市教育長への反発もあるのでしょう。手続き無視といったそのあたりは、公表された協議会の議事録http://www.city.ishigaki.okinawa.jp/400000/410000/410200/2011/kgki/top.htmlでもはっきりしています。

§ 「首相 教科書検定基準の見直しを」http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130410/k10013810251000.html
2013.04
12
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13:00
Category : 映画
 岩波ホールは埋もれた作品を世に送り出す映画館ですが、掛かる映画のたいていには、やはり世に埋もれる理由はあるわけです。しかし、1年に1-2回は鑑賞に耐える映画が掛かる。メジャーなところだと『山の郵便配達』、マイナーだと『氷海の伝説』『子供の情景』『イラン式料理本』なんかがそうでしょう。

 いま掛かっている『海と大陸』は、その当たり映画でしょう。イタリアのほぼ最南端、チェニスやマルタよりも南にある離島、リノーサ島を舞台とした物語です。大概は公式サイトと、相当シーンが前後していますが、予告編を見ればいいでしょう。

 
 映画そのものと別筋で興味を惹かれるのは、船舶を見つけると海に飛び込み、船に寄ってくる不法入国者の姿です。映画から離れた話ですが、実際にやられるとコレほど厄介な方法もありません。日本の近くでアレをやられると困ることこのうえないでしょう。

 落水者や難船者、漂流者を助けるのは「船員の常務」です。船員だけではなく、船舶運行に従事する漁民や、自前のプレジャーボートの持ち主であっても、落水者等を救助するのは義務であり、拒否することはできません。

 しかし、どこの国も、ボートピープルはできるだけ自船に引き揚げないことが原則になっています。船に揚げるとそれなりの責任が生じます。だから、護衛艦などでも、なるべく関わりあいにならない、絶対にフネに揚げないようにという指示が出ているそうです。

 ただし、落水した場合には助けないわけには行かないわけです。その点で厄介であり、不法入国をする側から見れば、上手いところを突いた手段になります。

 作品中では、さらに身重のおっ母さんも飛びこみ、救助されたところで陣痛が始まります。なかなかできる方法ではありませんが、これも厄介、あるいは巧妙な手段となるでしょう。そこで産まれてしまえば、その引き上げた船舶の旗国が出生地になるわけです。出生地主義を採る国であれば、子供はその国の国籍を手にできるわけです。中国人がアメリカや香港地区で出産しようとするアレと同じ仕組です。

 とりあえず、日本周辺では、東アジアでは今のところ、ボートピープルが発生する状況にはありません。しかし、かつては東アジアであったベトナム難民(国籍という概念がアレでしたが)も日本近海まで漂流して来たこともあるわけです。

 ただ、仮に北朝鮮が崩壊でもした時には、季節や状況によるでしょうが、難民や不法入国者が大量に漂着するでしょう。

 もちろん、無視はできません。まず無視をすることは許されません。船員も漁民も、保安庁や自衛隊の乗員も、船員の常務から逃れることはできません。仮に国が制度としてそれを命じても、人道上の問題として後世まで指弾されるでしょう。

 航海に耐えない船舶で漂流しているのであれば、まだ援助するだけで済みます。水と食料と医薬品を渡し、曳航して元の海岸に戻してやればよいわけです。

 しかし、映画のような行動が行われると相当に厄介でしょう。目の前で海に飛び込まれれば、救助せざるを得ないわけです。また、艦船上で出産されるような事例が出てくると、日本はその難民/不法入国者をそれなりのケアをしないといけません。その後の面倒も見ないといけないわけです。

 仮に北朝鮮が無秩序に崩壊して、一挙に来られた上、飛び込みや出産という方法が共有されると面倒この上ないでしょう。ベトナム難民の時でもあれほど大変だったわけです。これが、北朝鮮が制御不能の崩壊を起こした場合には、手に負えない事態が発生することになります。

 そういう面倒事を避けるには、北朝鮮を制御できない崩壊に追い込まないように注意するしかありません。保守が主張する強硬姿勢だけでは駄目で、不本意でも経済援助その他の飴も見せて、鞭と飴の硬軟両面で説得し、制御可能な範囲に収めないといけないのでしょうね。
2013.04
11
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Category : ミリタリー
 しかも、米海兵隊の退役大佐に言われている。今月号の米海軍協会のプロシーディングスに「デンマーク人にも劣るぞ」みたいな記事があった。Hammesさんの「The Danes have the Answer」※ だがね。米国が沿岸戦闘艦、LCSの買う金があれば、デンマークのフイトフェルト(Huitfelt)級フリゲート買えるだろという内容。

  己の見るところも、LCSは失敗作であるので、面白く読めた。己としては、LCSはまず高速性でヘリに負け、多用途性で水上艦に負け、ステルス性で潜水艦に負ける。価格は高速艇に勝てない。個艦性能も低く、ミッション・モジュールでも大したことはできない。そんなところだ。

 Hammesさんは、LCSの価格高騰と能力不足を指摘している。クソ高い割にはなにもできない。砲は57mm、対水上戦パッケージを追加しても短距離ミサイルとMk46で射程10kmにも満たない。対機雷戦モジュールは海のものとも山のものともつかない。対潜戦モジュールも、普通はコルベットの個艦についているようなものに過ぎない。

 まあ、値段が高い割に能力が低い点について言っていることは、内容的には己の同人とほぼ同じ。2012冬に出した『いづれ行き詰るLCS』なんだが。次のコミケで来てくれるか、神保町の書泉グランデで委託を買うかしてもらえば読めますよ。別に直接通販もいいけどね。

 そしてHammesさんは、デンマーク人を見習えといっている。同じ価格帯のデンマークのフイトフェルト級フリゲートと比較すると費用対効果の差異が際立つと示唆している。

 フイトフェルトは重装艦であり、搭載兵装はLCSを圧倒している。SAMとしてSM-2とESSMとスティンガー、砲は3インチ砲(5インチ換装可能)とエリコン35mm機関砲、SSMはハプーン16発、ほかに短魚雷とヘリも積めるぞと言っている。
WIKIPEDIAの該当項目


写真はMtlarsenさんによる。なお、使用条件は次のリンクの通り満たしている。http://en.wikipedia.org/wiki/File:F361_Iver_Huitfeldt.jpg

 Hammesさんは、具体的な価格も似たようなものだろうと言っている。LCSが本来価格4.8億ドル、ミッション・パッケージ3種類(実際はLCSの数より少なめで調達)でざっと3億ドル。対してフイトフェルトは船体価格3.3億ドル、兵装は含まず、値段も分からないが、まずかかっても船体価格の2倍。能力不足気味のLCSが8億ドル、重装艦のフイトフェルトが10億ドルで比較すると、表題の「デンマーク人にも劣る」ということになるわけだ。

 まあ、デンマーク艦がいいか悪いかはともかく、なんにしてもLCSは価格と能力で駄目だネということだ。



※   Hammes,T.X「The Danes have the Answer」『PROCEEDINGS』139/4/1332(USNI,2013.4)p.12
2013.04
10
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Category : 未分類
 親日的というのは、単に相手が日本人だから日本に愛想的な言動をするだけの話ではないのかな?

 「親日的」という括り方をすること自体が考えものである。「首相、NHKにチクリ?『親日的な国は報道しない』」によれば、安倍首相が「メキシコは親日的」という言い方をしたという。

 メキシコは日本に対して、特に親日でも反日でもない。確かに、日本とメキシコは、友好関係が保たれている。互いに肉無関係ではない。そして貿易で双方に経済的利益が生まれる間柄にある。それだから、日本人に向けては親日的な言論をする。それだけの話だ。同様に、メキシコ人は中国に行けば親中国的、韓国に行けば親韓国的な言論をするだろう。

 メキシコにすれば、真に親しい国はスペイン語圏だけだ。それ以外は近所付き合い程度である。会えばお世辞を言い、困っているのを見れば、世間並みに助ける程度である。近所付き合いの国のために、必死になって何かするわけでもない。

 親日的といわれるトルコやパラオも、同じように特に親日でも反日でもない。彼らからしても、日本人が商売に来たとき、好意的な身振りをし、わざわざ日本の悪口は言わない。その程度の話である。別段、何かを期待できるわけでもない。

 お世辞を真に受けるのはよくない。

 また、お世辞をいう国を勝手に親日認定して片想いを募らせるのも考えものだ。別に「親日的」な国と仲良くするのは構わないが、過度に幻想を抱くとそのうち足許を掬われる。己は、インドあたりかなと思うのだけれどもね。政治的・経済的交流が進捗すると、そのうち実務的な要求もして来る。要求は直截だから、その時に「親日的」幻想は打ち砕かれることになる。

 「親日的」という片想いが崩れた時には、こんどは憎悪するだろう。その時は「歴史的に見て親日的な国だから」と持ち上げていた人々は、「あの国は昔から反日的だから」と手のひらを返して言い出すのではないかな。

 そもそも世界の国々を日本を慕う「親日的」と、日本に抵抗する「反日的」国家で分けようとするのは夜郎自大が過ぎる。実際に、真に受けたイっちゃった右派、ネット右翼の類は、世界を親日と、その裏返しの反日に分ける二分法をしている。日本の存在はそこまで大きくもない。そして、そういう言い方を使う現宰相は、やはり支持者と同じような考え方なのではないかな。
2013.04
09
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Category : 有職故実
 モンゴル人民軍についての聞き取り調査があるのだけれども。赤い監獄と忌避され、そのなかでのイジメや負の側面が現れている。それでも兵役は悪くない、兵役いかない男は一人前ではないと兵役経験者がいう。モンゴルも、男らしさを誇示しなければならない社会なんだろう。



 『国立民族学博物館研究報告』に、娜仁格日勒さんの「1960~1980年代におけるモンゴル人民軍の生活実態」※ が載っている。内蒙古大学教授の娜仁格日さん(でいいのかな)がモンゴルでの聞き取り調査をしたものだ。

 冷戦期、モンゴル人民軍は最悪の状態にあった。娜仁格日さんは、聞き取り調査の部分「5 軍隊生活の実態-当事者の証言」で
飢寒状態、上下関係の悪化及び官僚主義的腐敗行為が一般化し、制度の不備に伴う無法状況下で、法に抵触するリンチや暴力、それに強盗などが多発していた
   「1960~1980年代におけるモンゴル人民軍の生活実態」p.168
と総括している。

 実際に、聞き取り調査は「紀律大隊」(ママ)から提示されている。紀律大隊は、犯罪者を集めて作った部隊であり、犯罪将兵を民間刑務所に送ると余計に悪さを覚えて帰ってくるので造られた。普通の軍隊よりも待遇を厳しくした収容所のようなものである。将兵は階級章をつけない。50%が小隊長経験者で、兵士への暴力で軍法会議に送り方となり、大隊に送られたとされている。

 兵士への暴力は旧日本軍隊と同じか、それ以上である。何かあると拳や棒で殴る。椅子で背もたれが折れるほど殴る。6ヶ月前に入隊した古年兵が、6ヶ月後に入ってきた新兵を「トイレに呼び出してバハル(Baqal)というロシア製の非常に硬い長靴を使って殴る」というのは、旧軍での革スリッパでのビンタに近い。「『自転車に乗る』というのは被害者の足のゆびの間に棉を挟ませ、それに火をつけるものである。被害者は熱さに我慢できず、自転車をこぐように足を動かす」というものもある。また、大量の飲み物を飲ませ、トイレに行かせずに失禁させる。飲み物を与えずにパンを腹一杯に食べさせ、ベルトを締めあげて走らせて嘔吐させるというものも採取されている。

 殺人も行われていたらしい。「兵士がお互いを建物の上から押し合い、落として死亡させる。しかし、家族に通知するときは事故死」というやり方と、それをソ連の影響とした経験者の話もある。また「何らかのトラブル或いは以前の仲たがいによって、相手を撃ち殺しておきながら銃が暴発したという」「暴発事故の多くが新兵同士ではなく、2年か3年の老兵による新兵に対するものであ」り、不自然であるという話もある。

 当然ながら、自殺者も多発する。「ズゥーンバーヤン駐屯部隊だけで毎年の自殺者は10~20人であった」や「1984年末、131部隊の新兵がズボンのベルトを使ってトイレで首をつって自殺した」という内容も再録されている。概ね旧日本軍隊と同じ雰囲気だったのだろう。

 しかし、暴力を肯定してそれを乗り越えないと男になれないという風潮もある。聞き取りでは「男は飢寒に晒され、殴られ、いじめられといったような多くの苦難を経て成長していくものである」や「兵士の経歴のない男は本当の男ではない、軍隊のいじめなどを乗り越えられない、耐えられない軍人がごみ同然である」といった意見も掲載されている。

 徴兵での理不尽に耐えて一人前になるという話は日本でもある。日本では兵隊に取られたことのない、六十七十の爺様が偉そうに言うが、それにくらべて、モンゴルではまだ兵隊に取られた人間が述べているだけはマシなのかもしれない。

 モンゴルには、イジメ、暴力、理不尽、殺人、自殺といった、前近代的な無法組織がつい最近まで存在していた。学校の先生なんかも、徴兵上がりが無茶をやったりしたのだろう。そういった雰囲気で生育ったモンゴル人は、ほかの国民に比べ、まだ無法組織で耐えることができるのではないか。



 まあ、これが相撲でモンゴル人が強い理由の一つかもしれない。イジメ、暴力、理不尽、殺人、自殺、そして前近代的な男らしさを建前とする相撲部屋とモンゴル人の相性は、ほかの国民の相性に較べれば高い。モンゴル人が横綱大関以下の多くを占める理由はその辺りにあるのではないかな。

※ 娜仁格日勒「1960~1980年代におけるモンゴル人民軍の生活実態」『国立民族学博物館研究報告』35巻1号(国立民族学博物館、2011.11)pp.139-210
2013.04
08
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Category : 有職故実
 ドイツ政治史の人とお茶飲んだ時にした話なんだが。日本の文芸作品なんかで出てくるドイツ人の苗字は、やたらユンカーっぽい姓ではないかという話になった。あれだ、所領を示すのか、語尾にベルク(城)だのベルグ(山)だのドルフ(村)だの付く感じの名前。

 あれは、ジェームズ・ミッチェナーの『ポーランド』(もう30年前の本)で、プロイセンが支配したポーランドで、スラブ系言語を苗字に流用した名残とか言っていた。本当かどうかは知らないが、ライン川付近の苗字とは相当に異なっている。

 ユンカーっぽい姓が頻出は、ドイツ関税同盟以前の時代なら、明らかにヘンだねという話になったよ。舞台がプロイセンならともかくね。

 たぶん、ドイツ人にとって、日本の文芸作品での頻出する苗字は奇妙に見える可能性があるんじゃないのかね。日本人として理解しやすいように、例えば時代劇や幕末モノの作品で、出てくるお侍さんの名前がみんな具志堅、我那覇、島袋、喜屋武、赤嶺みたいなものなのではないかという話になった。

 実際、ドイツの重心は西なわけだ。一時期、政治的中心がベルリンになったが、経済的中心は常にライン川・北海沿いにある。ドイツの標準語は確かにプロイセン方言が基になったが、それは開拓・入植者が持ち寄った言語だから支障がないというものである。北海道方言が標準語に近いようなもので、別に文化的に優れていたわけでもない。

 実際には、ハーバーとかボッシュ、デューラーとかヘッセみたいな、音節数の少ない苗字が言語・文化的にメジャーじゃないのかね。
2013.04
07
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Category : ミリタリー
 バンガロール・トーピードは破壊筒のこと、爆弾三勇士がしくじったアレなんだが。基本的に筒だけで供給される様子。去年のIDR誌に対IED器材の記事があるのだがね。現地で二ツに割った筒にC4を詰めて、導爆線を引っ張っている。

 それなら、竹でいいんじゃないのかな。節間を抜いた竹を二ツに割る。穴開けて、ヒモでも通しておいて縛れるようにする。両方の端っこで既存ソケットに繋がるように作っておけば、機能的には同じものになる。

 規格寸法にこだわるなら、塩ビのパイプを同じように加工しても良い。竹と違って正確に同じサイズである。両端のソケット接続部も塩ビで、メクラ蓋を加工して作っておけば、糊でも。ガソリンバーナで溶着してでも簡単にくっつけることができる。

 紙筒ならもっと安く、軽くなる。同じサイズの紙筒に、エポキシを浸潤させるか、柿渋でも塗っておけば防水性も強度も全く問題ない。接続部は塩ビのメクラ蓋加工で大丈夫だろう。

 そう考えると、今使っている破壊筒は相当に安くないといけない筈である。基本的に竹でも塩ビでもいいものに、大枚をはたく理由はない。

 実際は、ボッタクった値段をしているのだろう。"M1A1 Bangalore Torpedo"で検索しても、値段は出てこないが、うやうやしく箱詰めされた写真が出てくる。どう見ても安くはない。

 防衛装備とか産業なんてそんなものなんじゃないの。高い金をとるために、安く済むものを無駄に高級にする。実際は民生品で構わないのに、防衛用と名前つくと、市場原理が働かないので高くなる。日本国内ですら本体価格10万円程度で買えるライフル、レミントンM700を、わざわざM24狙撃銃と名前をつけて60万円で調達するような世界だからね。



 ま、破壊筒は金儲けのチャンスかもしれない。C4と導爆線、信管別売なら、強度と寸法のとおりに竹なり塩ビなり紙で作れば入札に参加できる。

 材質指定されていたら終わりだけどね。「規格通りでない」でハネられて終わり。もちろん、その材質である必要なんかない。それを言っても仕方がないが、仮に言っても「運搬時に変形しないように」とか「使用時の強度が」とか言い出すのだろうけど。

※ 陸戦のお稽古で使う偽物破壊筒で、竹を赤く塗ったやつを見たことがある。多分、3術校の陸警科か地上救難科あたりで見た。もしかしたら1術校か、陸自だったかもしれないけど。
2013.04
06
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 ボディ・アーマーやら、最近のヘルメットは、ケブラーの類で作る。ケブラーの類を使った防弾技術は、基本的には周知事実である。特に防衛秘密というものはない。秘密があっても、アラミド繊維の組成や、その製造法といったものであるし、それも特許出願を後のばしにしようとする程度のものだ。

 2次製品であるボディ・アーマーやヘルメットに秘密はない。基本的に性能は繊維で決まる。防弾性は、繊維の性能と、重量をどこまで許容するかで決定される。

 ボディ・アーマーやヘルメットを製作する上でも、極端な高度技術は要しない。買った繊維を加工する工程に過ぎない。縫製や成形にノウハウは必要であるが、それは特殊技術というわけでもない。軍用に多く使われるからといって、軍事秘密ではない。

 しかし、桜林美佐さんは、それを高度な秘密であると主張している。「“鉄兜”製造でも万全な保全態勢」「イラク派遣で国産メリット実感 防弾チョッキにも研究・開発力」の記事がそれである。

 ヘルメットについて、桜林さんは「情報保全には万全を期す」必要性を肯定している。
戦闘装着セットの1つである鉄帽も隊員の命に関わるため情報保全には万全を期す。倉庫と見まがう耐弾試験室は、社員も関係者以外は入れないばかりか、その存在すら知られていない。
「“鉄兜”製造でも万全な保全態勢」


 しかし、耐弾試験室への立ち入り制限を情報保全の必要性であると断じる点に疑問が湧く。既に述べたように、ヘルメットは2次製品であり、秘密はない。通常であれば、安全措置のために立ち入りを制限するのが通例である。この点、桜林さんが「立ち入り制限」=「情報保全」と判断しただけではないのかという疑念が湧く。

 ボディ・アーマーに関しても、桜林さんは秘密保全を強調している。
秘密保全上、防弾技術の流出を防ぐのは当たり前で、自国に技術がなくて輸入に依存せざるを得ない国は、だいたい旧世代の製品を買わされている。
「イラク派遣で国産メリット実感 防弾チョッキにも研究・開発力」


 しかし、ボディ・アーマーに新世代も旧世代もない。20年ほど前から、必要に応じてトラウマ・プレートの類を挟みこむようになっているが、世代を超えるような技術でもない。また、それらが挟み込まれた製品も、民間で販売されている。

 防弾性能についても、大した秘密はない。どこの国が作っても、同じような性能で同じようなものができる。桜林さんは
日本人の体形に合わせることが欠かせない。臓器がどこに位置するかなどを綿密に考慮し、死傷率低減ための研究を尽くしているのだ。
「イラク派遣で国産メリット実感 防弾チョッキにも研究・開発力」
と主張しているが、民族によって臓器の位置が違うという話も聞かない。これはターヘル・アナトミアの時代にはわかっていることである。あっても、足の指がエジプト型かギリシア型か程度である。

 桜林さんは、防衛産業は、常に高度産業であると修飾している。かつては常装の制帽まで高度技術であると称賛している。

 だが、桜林さんが称賛する技術には首を傾げたくなるものが多い。実際に高度技術でないことも多い。また、高度技術であっても、それは本当に必要な技術や品質なのか。さらに、必要な少数をわざわざ国産する必要があるのか。そういった点を一切見ようともせず、日本の防衛産業は優れているので国家や国民は金を出せとしか言わないのは怪訝である。

 前にも書いたが、桜林さんには自衛隊や防衛産業について「スゴイ、エライ、大事にしろ」といった片思いの発露しかない。その主張は、無理矢理でも現状を肯定しようとする動機と展開に引きづられて、奇妙なものになっている。全く贔屓の引き倒しといって良いだろう。
2013.04
06
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12:59
Category : 未分類
 数えたら11個ほど書いているのだけれども。

 桜林さんの自衛隊・防衛産業擁護の立場はともかくとして。取材の結果をオウム返しにして、周辺にある関連情報は調べない。すでに明らかになっている問題点は一切触れず、ただどうあっても現状を肯定する。努力しない安直さあたりがアレだから書き溜まったのだろうね。


桜林美佐さんがいうほどの秘密はない
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-545.html

桜林美佐さんは確認をしているのだろうか
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-523.html

交通安全協会の必要性はまだ完全に理解されているとは言いがたい気がしています
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-513.html

桜林美佐さんの主張は情緒的にすぎる
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-502.html

記事名と中身が一致しないことに違和感
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-485.html

桜林美佐さんは重油価格を確認していない
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-480.html

桜林美佐さんの主張は「愛国無罪」ってことかね
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-476.html

桜林美佐さんは、防衛にとって都合の悪いことは見ようとしないのではないかね
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-466.html

桜林さんは「奉祝ムード」でウキウキな時代だというけれども
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-458.html

「自衛隊スゴイ、エライ、大事にしろ」しかない
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-395.html

零戦の生産規模だと、開戦時まで200人殉職できない
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-361.html
2013.04
05
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Category : 有職故実
 火災用脱出シュータというものがある。小学校や中学校の、3階・4階に備え付けられている、地上まで袋状の非常脱出器具といえばわかりやすい。

 アレ、火事で使ったという話を聞かない。小学生でさえ、火災訓練で悠長に展開しての降下展示※ を見て「階段を使ったほうが早い」と思うほどである。

 『フェスク』という、ハッキリ言って消防利権業界誌には、この手の広告がよく出ている。例えば、ほかにも、高層階から脱出する際に、ベルトを締めればゆっくり降りられるという「オリロー」の類もある。企業は一生懸命に作っているのだろう。しかし、これも火事で使ったという話は聞かない。

 実際には、建築基準法がしっかりしているので、消防法の脱出器具なんて使うこともない。だいたい、階段で降りたほうが早い。建築基準法、施行令、施行規則で、建物には複数の避難経路が規定されている。実際はどの部屋からも50m以内に階段があるので、ヘンテコな脱出器具はまず必要ない。

 しかし防災面では、建設基準法に屋上屋を架す消防法があり、無駄に金を使わせるようになっている。その象徴があの火災脱出用シュータであり、オリローの類である。

 消防設備は消防利権になっている。戦後、家の中で火を使うことが極端に減った。また藁葺き、茅葺きのような燃えやすい建築材料は排除されている。火事は相当に起きなくなっている。そこでヒマになり、有用性を主張しにくくなった消防が、存在価値と利権を主張するために手を出したのが消防設備である。

 家庭用火災報知機なんか、何の役に立つのかね。家の中で「火事だ火事だ」というだけで、家人が居なければ誰も聞きやしない。家人がいれば、燃え出したら臭いや音、熱で分かるだろう。

 まあ、消防のやることはあまり褒められたものでもない。建物を立てるときも、わけの分からない横車を押してくるのは消防検査なのは常識だ。建築主事は、建築基準法に基づき、あくまでもルールにのっとって仕事をしている。しかし、消防吏員は人によっていうことは違う。その上、事前説明しても何にもならない。アレは人治だな。



※ 展示で降りてくる子が、まあお行儀のよい「選ばれた子供」なのを見て、子供心に「アレは飴だな」というような感想を持ったよ。
2013.04
04
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Category : 未分類
 対中強硬策も、案外、日本だけ一人ぼっちになる可能性があるよね。インドもオーストラリアもアメリカも対中対立を望んでいない。

 インドは対中封じ込めには不賛成であるという。「中国の新指導部「歓迎」=包囲網には消極的-インド外相」中国封じ込めと称して、インドとの同盟云々を言う人たちがいるが、当のインドがそれほどの対中対立を望んでいない。

 アメリカも対中強硬策を望んでいない。アフガニスタン撤退には、関係最悪になったパキスタンの協力がほしい。パキスタンに影響力を持つ中国の力添えが欲しい。まず中国とは関係を悪くしたくない。

 オーストラリアも似たようなものだ。中国封じ込めに参加することで、対中関係を悪くすることを望んでいない。中国側ニュースだが「豪外相が中国けん制を拒否」とある。中国での発言であり、中国の歓心を意識しているのだろう。だが「カー外相は『4カ国同盟の結成は安倍首相の考えであり、われわれは支持しない』と述べた。」と報じられる程度の発言はした様子である。

 さて、対中強硬策、封じ込めに同調してくれるオトモダチ国家はいるものかね。各国の軍隊はともかくとして、各国政府は経済的なつながりもあり、中国との関係を悪くしたくない。

 確かに、各国軍隊が中国を仮想敵としている。しかし、国として中国に強硬姿勢をとるつもりもない。中国そのものを外交的に封じ込めようとする「安全保障のダイヤモンド」とやらも、対中関係を悪くするだけのアイデアにしか見えない。レーダ照射ごときで余計なことを言ったのそうだが、おそらくは日本国内向けの、支持層に対するアピールなのだろう。