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モンゴル産の安価な石炭が日本に来るのだろうか?
モンゴル産の石炭は、山元価格では相当に安くなるだろう。しかし、海までの輸送コストは安くはならない。現実的な輸送路である中国の鉄道輸送は既に天井である。モンゴルで掘って日本に運ぶ石炭輸送を安くする義理はない。輸送コスト次第だが、港で積みこむ時、国際価格よりも高くなれば開発の意味は無い。
日本とモンゴルが経済協力で炭田を開発するという。ニュースによると「資源開発で協力、モンゴルと合意」http://digital.asahi.com/articles/TKY201303300554.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201303300554という。
モンゴルには石炭がある。中国の大炭田は、モンゴル国境沿いの内蒙古自治州にある。国境挟んで反対側にも、巨大な石炭資源があって不思議はない。これまで採掘されなかったのは、自前で使う必要が少なかったこと。隣国のロシアや中国も大規模炭田をもっており、自前で採掘していたので輸出先がなかったことによる。
仮に、日本の資本と技術で露天掘りでも始めれば、相当効率よく、安価に石炭を採掘できるようになるだろう。
しかし、その石炭が国際商品としてペイするかどうかは疑問である。
モンゴルに港はない。このため、モンゴルで採掘した石炭は、鉄道で運び出すことになる。
鉄道で運ぶにしても、海へのアクセスには、現実的には最短距離の東向きで、中国とロシアを経由するしかない。モンゴルからインド洋に出る、経済的な鉄道ルートはない。※ ヒマラヤからパキスタンに至る山地があり、鉄道網は貧弱であり、経済的な輸送はできない。西向き輸送ルートは長大になりすぎる。
しかし、中国とロシアの鉄道輸送能力は既に天井である。中国鉄道網は輸送量の70%を占める自国炭輸送でアップアップしている。ロシアのシベリア鉄道は、消費物資を送る東行輸送力はおおむね一杯になっている。
そこに、モンゴル産石炭輸送を割りこませる余地があるのだろうか。
今ある鉄道網で、モンゴルから石炭を海に運ぶ現実的な方法は、中国の石炭輸送線に相乗りする形になるだろう。モンゴルから内蒙古の二連まで送り、そこから山西省まで輸送し、石炭専用の大秦線で秦皇島の石炭岸壁まで運ぶ方法である。
しかし、中国は自国内石炭輸送でいっぱいである。モンゴルで掘って日本に運ぶ石炭で面倒は掛けられたくない。値段は高めに設定される。
ロシアルートとして、タヴァン・トルゴイ炭田からチョイバルサン経由でシベリア鉄道に結ぶ経路も計画されている。しかし、本当に建設されるのか、輸送力に問題はないのか、積出港(ナホトカの石炭岸壁?)の能力が十分であるのかは分からない。
ロシアルートも、中国同様に、自国に関係ない石炭輸送を安くする義理もない。同じように価格は高めに設定される。
輸送コスト次第だが、モンゴル産石炭が港の積出岸壁に来た時、国際価格よりも高くなれば開発の意味は無い。モンゴル産石炭価格がペイしない場合には、開発は白紙に戻る。これは、帝国石油による春暁ガス田の開発と同じである。
モンゴルの石炭が日本に来るかどうかは、不明瞭であるし、その時に安価であるとは限らない。※※
※ 昔は、チベットから新疆(インド人巡査制度があった)にいたるインド交易圏があり、そこからインド商人がモンゴルまで足を伸ばしていたらしい。
※※ モンゴルの石炭は、日本まで運ぶよりも、中国に売却した方がいいかもしれない。日蒙共同開発の石炭を山西省か内蒙古の中国石炭企業に売却し、日本はその利益で輸送コストの安い豪州炭を輸入したほうが合理的な可能性もある。
※※※ モンゴルの石炭品質については、対象だろうタヴァン・トルゴイ炭田は高品質ということになっている。だが、国境を挟んだ反対側、内蒙古の出炭量のうち、7割が低品質の褐炭である。手付かずの巨大な石炭資源というが、全体の品質は分からない。もちろん、日本までの輸出コストでペイするのは高品質炭である。
モンゴル産の石炭は、山元価格では相当に安くなるだろう。しかし、海までの輸送コストは安くはならない。現実的な輸送路である中国の鉄道輸送は既に天井である。モンゴルで掘って日本に運ぶ石炭輸送を安くする義理はない。輸送コスト次第だが、港で積みこむ時、国際価格よりも高くなれば開発の意味は無い。
日本とモンゴルが経済協力で炭田を開発するという。ニュースによると「資源開発で協力、モンゴルと合意」http://digital.asahi.com/articles/TKY201303300554.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201303300554という。
モンゴルには石炭がある。中国の大炭田は、モンゴル国境沿いの内蒙古自治州にある。国境挟んで反対側にも、巨大な石炭資源があって不思議はない。これまで採掘されなかったのは、自前で使う必要が少なかったこと。隣国のロシアや中国も大規模炭田をもっており、自前で採掘していたので輸出先がなかったことによる。
仮に、日本の資本と技術で露天掘りでも始めれば、相当効率よく、安価に石炭を採掘できるようになるだろう。
しかし、その石炭が国際商品としてペイするかどうかは疑問である。
モンゴルに港はない。このため、モンゴルで採掘した石炭は、鉄道で運び出すことになる。
鉄道で運ぶにしても、海へのアクセスには、現実的には最短距離の東向きで、中国とロシアを経由するしかない。モンゴルからインド洋に出る、経済的な鉄道ルートはない。※ ヒマラヤからパキスタンに至る山地があり、鉄道網は貧弱であり、経済的な輸送はできない。西向き輸送ルートは長大になりすぎる。
しかし、中国とロシアの鉄道輸送能力は既に天井である。中国鉄道網は輸送量の70%を占める自国炭輸送でアップアップしている。ロシアのシベリア鉄道は、消費物資を送る東行輸送力はおおむね一杯になっている。
そこに、モンゴル産石炭輸送を割りこませる余地があるのだろうか。
今ある鉄道網で、モンゴルから石炭を海に運ぶ現実的な方法は、中国の石炭輸送線に相乗りする形になるだろう。モンゴルから内蒙古の二連まで送り、そこから山西省まで輸送し、石炭専用の大秦線で秦皇島の石炭岸壁まで運ぶ方法である。
しかし、中国は自国内石炭輸送でいっぱいである。モンゴルで掘って日本に運ぶ石炭で面倒は掛けられたくない。値段は高めに設定される。
ロシアルートとして、タヴァン・トルゴイ炭田からチョイバルサン経由でシベリア鉄道に結ぶ経路も計画されている。しかし、本当に建設されるのか、輸送力に問題はないのか、積出港(ナホトカの石炭岸壁?)の能力が十分であるのかは分からない。
ロシアルートも、中国同様に、自国に関係ない石炭輸送を安くする義理もない。同じように価格は高めに設定される。
輸送コスト次第だが、モンゴル産石炭が港の積出岸壁に来た時、国際価格よりも高くなれば開発の意味は無い。モンゴル産石炭価格がペイしない場合には、開発は白紙に戻る。これは、帝国石油による春暁ガス田の開発と同じである。
モンゴルの石炭が日本に来るかどうかは、不明瞭であるし、その時に安価であるとは限らない。※※
※ 昔は、チベットから新疆(インド人巡査制度があった)にいたるインド交易圏があり、そこからインド商人がモンゴルまで足を伸ばしていたらしい。
※※ モンゴルの石炭は、日本まで運ぶよりも、中国に売却した方がいいかもしれない。日蒙共同開発の石炭を山西省か内蒙古の中国石炭企業に売却し、日本はその利益で輸送コストの安い豪州炭を輸入したほうが合理的な可能性もある。
※※※ モンゴルの石炭品質については、対象だろうタヴァン・トルゴイ炭田は高品質ということになっている。だが、国境を挟んだ反対側、内蒙古の出炭量のうち、7割が低品質の褐炭である。手付かずの巨大な石炭資源というが、全体の品質は分からない。もちろん、日本までの輸出コストでペイするのは高品質炭である。
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