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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.04
05
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13:00
Category : 有職故実
 火災用脱出シュータというものがある。小学校や中学校の、3階・4階に備え付けられている、地上まで袋状の非常脱出器具といえばわかりやすい。

 アレ、火事で使ったという話を聞かない。小学生でさえ、火災訓練で悠長に展開しての降下展示※ を見て「階段を使ったほうが早い」と思うほどである。

 『フェスク』という、ハッキリ言って消防利権業界誌には、この手の広告がよく出ている。例えば、ほかにも、高層階から脱出する際に、ベルトを締めればゆっくり降りられるという「オリロー」の類もある。企業は一生懸命に作っているのだろう。しかし、これも火事で使ったという話は聞かない。

 実際には、建築基準法がしっかりしているので、消防法の脱出器具なんて使うこともない。だいたい、階段で降りたほうが早い。建築基準法、施行令、施行規則で、建物には複数の避難経路が規定されている。実際はどの部屋からも50m以内に階段があるので、ヘンテコな脱出器具はまず必要ない。

 しかし防災面では、建設基準法に屋上屋を架す消防法があり、無駄に金を使わせるようになっている。その象徴があの火災脱出用シュータであり、オリローの類である。

 消防設備は消防利権になっている。戦後、家の中で火を使うことが極端に減った。また藁葺き、茅葺きのような燃えやすい建築材料は排除されている。火事は相当に起きなくなっている。そこでヒマになり、有用性を主張しにくくなった消防が、存在価値と利権を主張するために手を出したのが消防設備である。

 家庭用火災報知機なんか、何の役に立つのかね。家の中で「火事だ火事だ」というだけで、家人が居なければ誰も聞きやしない。家人がいれば、燃え出したら臭いや音、熱で分かるだろう。

 まあ、消防のやることはあまり褒められたものでもない。建物を立てるときも、わけの分からない横車を押してくるのは消防検査なのは常識だ。建築主事は、建築基準法に基づき、あくまでもルールにのっとって仕事をしている。しかし、消防吏員は人によっていうことは違う。その上、事前説明しても何にもならない。アレは人治だな。



※ 展示で降りてくる子が、まあお行儀のよい「選ばれた子供」なのを見て、子供心に「アレは飴だな」というような感想を持ったよ。
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