fc2ブログ

RSS
Admin
Archives

隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

→ サークルMS「隅田金属」
→ 新刊・既刊等はこちら

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
2013.04
06
CM:2
TB:0
13:00
Category : 未分類
 ボディ・アーマーやら、最近のヘルメットは、ケブラーの類で作る。ケブラーの類を使った防弾技術は、基本的には周知事実である。特に防衛秘密というものはない。秘密があっても、アラミド繊維の組成や、その製造法といったものであるし、それも特許出願を後のばしにしようとする程度のものだ。

 2次製品であるボディ・アーマーやヘルメットに秘密はない。基本的に性能は繊維で決まる。防弾性は、繊維の性能と、重量をどこまで許容するかで決定される。

 ボディ・アーマーやヘルメットを製作する上でも、極端な高度技術は要しない。買った繊維を加工する工程に過ぎない。縫製や成形にノウハウは必要であるが、それは特殊技術というわけでもない。軍用に多く使われるからといって、軍事秘密ではない。

 しかし、桜林美佐さんは、それを高度な秘密であると主張している。「“鉄兜”製造でも万全な保全態勢」「イラク派遣で国産メリット実感 防弾チョッキにも研究・開発力」の記事がそれである。

 ヘルメットについて、桜林さんは「情報保全には万全を期す」必要性を肯定している。
戦闘装着セットの1つである鉄帽も隊員の命に関わるため情報保全には万全を期す。倉庫と見まがう耐弾試験室は、社員も関係者以外は入れないばかりか、その存在すら知られていない。
「“鉄兜”製造でも万全な保全態勢」


 しかし、耐弾試験室への立ち入り制限を情報保全の必要性であると断じる点に疑問が湧く。既に述べたように、ヘルメットは2次製品であり、秘密はない。通常であれば、安全措置のために立ち入りを制限するのが通例である。この点、桜林さんが「立ち入り制限」=「情報保全」と判断しただけではないのかという疑念が湧く。

 ボディ・アーマーに関しても、桜林さんは秘密保全を強調している。
秘密保全上、防弾技術の流出を防ぐのは当たり前で、自国に技術がなくて輸入に依存せざるを得ない国は、だいたい旧世代の製品を買わされている。
「イラク派遣で国産メリット実感 防弾チョッキにも研究・開発力」


 しかし、ボディ・アーマーに新世代も旧世代もない。20年ほど前から、必要に応じてトラウマ・プレートの類を挟みこむようになっているが、世代を超えるような技術でもない。また、それらが挟み込まれた製品も、民間で販売されている。

 防弾性能についても、大した秘密はない。どこの国が作っても、同じような性能で同じようなものができる。桜林さんは
日本人の体形に合わせることが欠かせない。臓器がどこに位置するかなどを綿密に考慮し、死傷率低減ための研究を尽くしているのだ。
「イラク派遣で国産メリット実感 防弾チョッキにも研究・開発力」
と主張しているが、民族によって臓器の位置が違うという話も聞かない。これはターヘル・アナトミアの時代にはわかっていることである。あっても、足の指がエジプト型かギリシア型か程度である。

 桜林さんは、防衛産業は、常に高度産業であると修飾している。かつては常装の制帽まで高度技術であると称賛している。

 だが、桜林さんが称賛する技術には首を傾げたくなるものが多い。実際に高度技術でないことも多い。また、高度技術であっても、それは本当に必要な技術や品質なのか。さらに、必要な少数をわざわざ国産する必要があるのか。そういった点を一切見ようともせず、日本の防衛産業は優れているので国家や国民は金を出せとしか言わないのは怪訝である。

 前にも書いたが、桜林さんには自衛隊や防衛産業について「スゴイ、エライ、大事にしろ」といった片思いの発露しかない。その主張は、無理矢理でも現状を肯定しようとする動機と展開に引きづられて、奇妙なものになっている。全く贔屓の引き倒しといって良いだろう。
スポンサーサイト



2013.04
06
CM:0
TB:0
12:59
Category : 未分類
 数えたら11個ほど書いているのだけれども。

 桜林さんの自衛隊・防衛産業擁護の立場はともかくとして。取材の結果をオウム返しにして、周辺にある関連情報は調べない。すでに明らかになっている問題点は一切触れず、ただどうあっても現状を肯定する。努力しない安直さあたりがアレだから書き溜まったのだろうね。


桜林美佐さんがいうほどの秘密はない
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-545.html

桜林美佐さんは確認をしているのだろうか
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-523.html

交通安全協会の必要性はまだ完全に理解されているとは言いがたい気がしています
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-513.html

桜林美佐さんの主張は情緒的にすぎる
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-502.html

記事名と中身が一致しないことに違和感
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-485.html

桜林美佐さんは重油価格を確認していない
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-480.html

桜林美佐さんの主張は「愛国無罪」ってことかね
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-476.html

桜林美佐さんは、防衛にとって都合の悪いことは見ようとしないのではないかね
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-466.html

桜林さんは「奉祝ムード」でウキウキな時代だというけれども
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-458.html

「自衛隊スゴイ、エライ、大事にしろ」しかない
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-395.html

零戦の生産規模だと、開戦時まで200人殉職できない
http://schmidametallborsig.blog130.fc2.com/blog-entry-361.html