Category : ミリタリー
当節は天測暦が廃止されたので、今も六分儀(ろっぷんぎと読む)で夜間の天測をやっているかどうかは知らないのだけれども。
練習艦隊の時には、GPSから星の高度(角度)を計算していた。星の高度から艦位を出す逆のズル。
まず、天測暦をEXCEL化した。天測の計算は、対数表のような読み取りが多いので面倒臭い。理系(確か防大)の奴が、天測暦を元にして計算式をExcelにブチ込んだ。コレで面倒な計算が省略できる、ラッキー。
早くても30分かかる計算が、入力含んで1分もかからない。しかし、艦長付にバレると面倒なので、40-50分時間をズラして誤差三角形を書き、推測位置を停止するようしていた。艦長付は、多分気づいていない。本当にオレの指導で天測の計算精度が上がったと思い込んでいたようだった。
そのうち、すぐに星の高度を適当に変えて、現在のGPS位置から正確な答えを出すようになった。ナンにしても当時、すでにGPSはあった。艦橋で実習中のヤツが、測定時の艦位を教えてくれる。それを聞いてから、星の高度を操作するようになった。自分の測定値が大外れの時には、誤差2マイル程度になるように入力値を弄るようになった。もちろん、毎回正確だと怪しまれるので、そこは日により適当に外れるようにもする。
そして、エクセルの式を逆から計算できるようにした。サインならコサイン、タンジェントならコタンジェントにする類である。私大文系には面倒だが、今までやった数字があるので、ヒント(イルカ以前だったはず)と関数の意味を調べればできる。なんせ時間はいくらでもあるのだ。
ついにGPSから、普段使う星の、その時間の高度が計算できるようになった。測定時間の予想位置から星の高度を逆算するわけだ。一応、見えるかどうかの確認を兼ねて、自前で測定もする。正しく六分儀を使った結果が分かっているのだから、自分の誤差を生んだ悪いところがわかる。直に測定そのものが正確になる。昼間に太陽高度を利用した子午線正中法もヨリ正確になる効果をもたらしたよ。
そうこうしているうち、どうやっても天測が合格しないWAVEの面倒を見ろと言われた。秘密のGPS逆算法は見せないが、EXCEL天測暦は使わせた、というか、己がノートパソコンで計算した。
しかし、どうやっても合わない。3日目か4日目も駄目。最後は己が六分儀で図った角度でも大偏位した。翌日?の子午線正中法でも駄目なときに気づいたのだが、件のWAVE、腕時計の時刻が3分近くズレていた。それでは天測はできようもない。
練習艦隊といえば、海図の位置記入で一等賞をとったことがある。
ナンのことはない、海図上での予想位置を頭のなかにプロットしておくだけ。
太平洋(大西洋だったかな)を練習艦は一定の針路を保っている。時間と位置の関係は、単なる一次関数のグラフにすぎない。予想といっても10分もないので地球の球面誤差なんて無視して良い。そこでGPSを睨んで、時間あたりの緯度と経度の変化量を別々に測っておく。緯度経度で必要なのは、所詮、度分までである。○○度○○分キッカリになるのが何時何分で、30秒以前か以降かを暗算をする。そして○○分+1分は何時何分の30秒から前か後か、同じように+2、+3分まで手許の雑用紙に書いておく。
同時に、海図での現在推測位置と、近くにあるベンチマークとなる緯度経度の交差部を、どこらへんか暗記する。そして雑用紙に+0、+1-+3分の時、ベンチマークからの海図上での採寸幅を書いておいて暗記する。具体的には時計を見て、あの秒針が30秒を超えたら○○分で東西の距離は○○、そこから1分後まではに南北の距離は□□といった塩梅。
「今の位置」と言われた時には、東西距離と南北距離は分かっている。しおらしくGPSの現在位置、その分と秒を書くが、その数字については考えない。必要量を海図の縁でデバイダーで採寸して、ベンチマークからその距離を移して記入するだけ。あとはおおまかに正確であるかどうかだけチェックしておわり。必要時間15秒。記入時間を時計で測った船務士は勝手にえらく感心していた。それまで船務士には始終殴られていたが、以降まったく殴られなくなったよ。
練習艦隊の時には、GPSから星の高度(角度)を計算していた。星の高度から艦位を出す逆のズル。
まず、天測暦をEXCEL化した。天測の計算は、対数表のような読み取りが多いので面倒臭い。理系(確か防大)の奴が、天測暦を元にして計算式をExcelにブチ込んだ。コレで面倒な計算が省略できる、ラッキー。
早くても30分かかる計算が、入力含んで1分もかからない。しかし、艦長付にバレると面倒なので、40-50分時間をズラして誤差三角形を書き、推測位置を停止するようしていた。艦長付は、多分気づいていない。本当にオレの指導で天測の計算精度が上がったと思い込んでいたようだった。
そのうち、すぐに星の高度を適当に変えて、現在のGPS位置から正確な答えを出すようになった。ナンにしても当時、すでにGPSはあった。艦橋で実習中のヤツが、測定時の艦位を教えてくれる。それを聞いてから、星の高度を操作するようになった。自分の測定値が大外れの時には、誤差2マイル程度になるように入力値を弄るようになった。もちろん、毎回正確だと怪しまれるので、そこは日により適当に外れるようにもする。
そして、エクセルの式を逆から計算できるようにした。サインならコサイン、タンジェントならコタンジェントにする類である。私大文系には面倒だが、今までやった数字があるので、ヒント(イルカ以前だったはず)と関数の意味を調べればできる。なんせ時間はいくらでもあるのだ。
ついにGPSから、普段使う星の、その時間の高度が計算できるようになった。測定時間の予想位置から星の高度を逆算するわけだ。一応、見えるかどうかの確認を兼ねて、自前で測定もする。正しく六分儀を使った結果が分かっているのだから、自分の誤差を生んだ悪いところがわかる。直に測定そのものが正確になる。昼間に太陽高度を利用した子午線正中法もヨリ正確になる効果をもたらしたよ。
そうこうしているうち、どうやっても天測が合格しないWAVEの面倒を見ろと言われた。秘密のGPS逆算法は見せないが、EXCEL天測暦は使わせた、というか、己がノートパソコンで計算した。
しかし、どうやっても合わない。3日目か4日目も駄目。最後は己が六分儀で図った角度でも大偏位した。翌日?の子午線正中法でも駄目なときに気づいたのだが、件のWAVE、腕時計の時刻が3分近くズレていた。それでは天測はできようもない。
練習艦隊といえば、海図の位置記入で一等賞をとったことがある。
ナンのことはない、海図上での予想位置を頭のなかにプロットしておくだけ。
太平洋(大西洋だったかな)を練習艦は一定の針路を保っている。時間と位置の関係は、単なる一次関数のグラフにすぎない。予想といっても10分もないので地球の球面誤差なんて無視して良い。そこでGPSを睨んで、時間あたりの緯度と経度の変化量を別々に測っておく。緯度経度で必要なのは、所詮、度分までである。○○度○○分キッカリになるのが何時何分で、30秒以前か以降かを暗算をする。そして○○分+1分は何時何分の30秒から前か後か、同じように+2、+3分まで手許の雑用紙に書いておく。
同時に、海図での現在推測位置と、近くにあるベンチマークとなる緯度経度の交差部を、どこらへんか暗記する。そして雑用紙に+0、+1-+3分の時、ベンチマークからの海図上での採寸幅を書いておいて暗記する。具体的には時計を見て、あの秒針が30秒を超えたら○○分で東西の距離は○○、そこから1分後まではに南北の距離は□□といった塩梅。
「今の位置」と言われた時には、東西距離と南北距離は分かっている。しおらしくGPSの現在位置、その分と秒を書くが、その数字については考えない。必要量を海図の縁でデバイダーで採寸して、ベンチマークからその距離を移して記入するだけ。あとはおおまかに正確であるかどうかだけチェックしておわり。必要時間15秒。記入時間を時計で測った船務士は勝手にえらく感心していた。それまで船務士には始終殴られていたが、以降まったく殴られなくなったよ。
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