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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.05
20
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Category : 未分類
 防衛省が「敵基地の攻撃を検討」とあるのだが。まあ、いまどきに敵の上陸を待ってからしか使えない新戦車よりも優先するものは一杯あるという話だ。

 新防衛大綱策定にあわせて、敵基地攻撃能力保有を検討するとのこと。朝日新聞に出ている。※ まずはアドバルーンか、将来での地ならしなのだろう。まず、保有するかどうかでどれだけの反対が出るかを試す。あるいは、将来に具体的装備を購入するときに、急に言い出しても話が上手くいかない。北朝鮮がミサイルを振り回している時に言っておこうというものだ。

 それほどの反対もないだろう。20年まえなら憲法論議で面倒だったが、今はその辺りにアレルギーはない。専守防衛というお題目も、インド洋へ、イラクへ、アデンに自衛隊を派出している現状ではあまり意味もない。なにより、思い出したようにミサイルを発射して、核実験もやられている現状では、敵地攻撃への反論は少ない。

 だいたい、弾道弾やらを発射してから落とすよりも、発射する前に撃破したほうが効果的なのは当然の話で、それなりに賛同は得られるだろう。マヌケな連中は、巡航ミサイルで自走式発射機は狩れないみたいな、木を見て森をみないような話をするだろうが、別に発射機だけを叩く必要もない。ミサイルの整備工場や需品倉庫を叩いてもいいし、ミサイルが自在に通れないように橋を落としてもいい。やりようはいくらでもある。

 なんにしても、対上陸戦よりも重視すべきことはどんどん増えていくということだ。日本本土に敵の軍隊が上陸してくることは、まず重視するような脅威ではない。政治的にも無視して良いし、やりそうな国の軍事力を見てもそれは不可能である。※※

 それよりも、海外での日本の国益や、弾道弾に対する防衛、中国との軍隊を使ったゲームでの勝利が重視されている。海外での日本国益保護としては、海上輸送路の安定確保や国際社会との協調があり、その対処として海賊対策等に力をいれなければならない。弾道弾については北朝鮮の核とロケットがある行動がある。中国とのゲームも、尖閣諸島での睨みあいも含めて手を抜くことができない。

 敵基地攻撃能力は、悪手ではない。効用は、弾道弾対処だけではない。情勢次第では、国際貢献に資することもできる。中国とのゲームにしても、日本がそれを持つことで中国側に幾許かの負担を強いることもできるだろう。何の役にも立たない10式戦車を整備するよりも、敵基地攻撃能力保有のほうが、安全保障や国防の上ではよほど役に足つ。戦車教団を除けば、コレは誰もが頷ける話だろう。



※「敵基地攻撃能力保有を検討へ 防衛省、新大綱案へ議論」『朝日新聞デジタル』(朝日新聞,2013.5.18)http://www.asahi.com/politics/update/0518/TKY201305180002.html
※※ 基本、あまり準備する甲斐のない対上陸戦闘用に新戦車を整備することは、お金をドブに捨てるようなものだ。仮に10式戦車が優れていても、敵が上陸して来なければ役に立たない。そもそも仮に敵が上陸してきても、現今の90式戦車で十分である
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