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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.06
14
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Category : ミリタリー
 陸自は無駄に将官ポストを保有しているのではないか?

 陸自は実数14万人弱でありながら、野戦部隊として師団と旅団を合計15個持っている。これは、13万5000人と、ほぼ同じ規模であるフランス陸軍が8.5ヶ旅団であることと較べると、相当に多い。

陸自・フランス陸軍の比較

 陸自は、野戦を担当する部隊として、師団と旅団を15個、師団×9、旅団×6を保有している。別に旅団級の野戦部隊を2個もっている。内訳は空挺団と富士学校教導団である。支援部隊として、旅団と連隊の中間程度の団を14個もっている。14個の内訳は、混成団×5、通団×1、施設団×4、高射特科×2、特科団×1、ヘリ団×1になっている。

 フランス陸軍は、野戦部隊を旅団8.5個保有している。内訳は、特殊戦旅団×1、機甲旅団×2、軽装甲旅団×2、機械化歩兵×2、山岳旅団×1、空挺旅団×1、加えてドイツと折半の仏独共同旅団を、フランス持分0.5個とみると、9.5個旅団になる。ほかに、独立連隊(相当)8個を持っている。内訳は空挺×1、外人部隊×3、陸戦隊×3、アフリカ連隊×1。旅団級支援部隊は4個、砲兵旅団×1、施設旅団×1、通信旅団×1、電子戦/情報旅団×1に過ぎない。

 日本はフランス、旅団級以上の部隊数をフランスの2倍持っている。比較すると、日本は、日本が17(師団×9、旅団×6、旅団級×2+)、フランスは9.5に過ぎない。フランスは独立連隊を8個持っているといっても、比率はあまり変わらない。旅団換算にすると、独立連隊8個は、旅団換算でだいたい5-3個旅団相当になる。しかし、日本は師団を9個含んでいる。これを旅団換算すれば、だいたい20-15個旅団相当になる。乱暴に、師団を2個旅団、旅団を2個連隊で換算すると、日本は26個旅団相当、フランスは13.5個旅団相当になる。日本はフランスの2倍という数字は変わらない。

 もちろん、軍隊をどう分割するかは、それほど意味のある話ではない。その単位を師団と呼ぶか旅団と呼ぶか連隊と呼ぶかは、その国の勝手だ。

 しかし、日本がフランスに対し、矢鱈と高級ポストを作り出し、維持していることは判然とする。部隊将官ポストでみると、日本とフランスの比率は、40対13.5と、3倍野さがある。師団は師団長(陸将)・副師団長(陸将補)と二人の将官を含む。旅団は旅団長(少将、陸将補、准将、代将※)が一人いる。将官ポストで見ると、日本は野戦部隊で26、フランスは9.5と3倍の差が出る。旅団級支援部隊では、日本が14、フランスが4である。

 司令部・学校でも、将官ポストには差がある。陸自は司令部として中即・5方面総監部を持ち、学校を14個もっている。フランス陸軍は、タイプ司令部2個、タスク司令部3個、学校は7個に過ぎない。将官ポストで見ると26である。内訳は陸自が司令部で12(2人づつ)、学校で14。フランスが17、司令部が10(2人づつ)、学校で7となっている。

 指揮官等の将官ポストは、日本が66、フランスが20.5と3倍の差がある。この他にも将官ポストには、省庁ポストや統幕・陸幕・参謀本部、開発・研究機関もある。その辺りは調べていないが、司令部、師団、旅団、学校長といった指揮官等ポストだけを見ても、陸自将官ポストはフランス陸軍に比較して相当に多い。

 陸自の将官ポストの数には、削減の余地があるのではないか。日本は、ほぼ同じ陸軍兵力を持ち、しかも陸軍国であるフランスよりも、指揮官等での将官ポストが多くする必要性はない。将官ポストを増やしても何もいいことはない。極端な話、将官指揮官には、佐官指揮官に較べて高コストである。給料や官舎、自動車といった待遇だけではない、多くの幕僚や、高級な副官、大規模な付隊を消費する。

 師団以下の部隊を見ても、内実に較べて相当に飾っている。世界標準で見ると、人数的に陸自9ヶ師団は9個旅団が妥当である。6ヶ旅団は混成旅団、空挺団は空挺大隊に過ぎない。支援部隊である団も、内実は連隊-大隊である。方面司令部も、ムダに多い。陸幕の下にタスク司令部を2個も作っておけば充分だろう。学校も、14個もいらない。武器、需品、輸送あたりは1個でもいい。あるいは、少数職域は、訓練隊の形にして1佐で十分である。

 現場に人が足りないというなら、余っているところから足りないところに持って行くべきだろう。将官ポストや、その司令部で人数を取られると、現場に誰もいなくなる。そのあたりは、将官を適正な数に削減するだけで相当に改善する。※※



※   方面混成団長は、実質准将である、団長である一等陸佐が宛てられており、代将にあたる。

※※  普通科各連隊を、中隊数を維持したまま大隊にすれば、相当に人員は節減できる。陸自は今の連隊は外国の大隊規模というなら、連隊の看板を大隊と変えても問題は起きないだろう。あとは、謎の編制特科隊も、人数と大砲の数をそのままに、大隊・中隊に落としてでいいのではないかな。

※※※ 海空自も、相当に将官ポストはインフレして減らすとこは一杯あるけどね。
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