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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.06
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Category : ミリタリー
 東北方面隊は、まとめて1ヶ師団としたほうがよいのではないか。

 東北方面隊には、1ヶ師団分の戦力しかない。正面戦闘部隊である普特機は、歩兵6ヶ大隊、砲兵1ヶ連隊、戦車1ヶ大隊でしかなく、規模でみれば、師団が妥当な規模である。そこに方面総監部と師団司令部2ヶを置くのは無駄が過ぎる。

 まず、東北方面隊にある歩兵部隊は1ヶ師団分、正味6ヶ大隊しかない。東北地方を管轄する東北方面隊は、主として第6師団と第9師団で構成される。師団はそれぞれ普通科(歩兵)連隊×3を基幹とする。東北方は、普通科連隊×6が主力となる。だが、普通科連隊は、世界標準では歩兵大隊に過ぎない。東北方は、歩兵大隊×6が主力と言って間違いはない。歩兵大隊×6は、下手な師団よりも少なく、やもすると旅団級である

 東北方面隊隷下にある特科連隊、戦車大隊も1ヶ師団分しかない。第6師団、第9師団の2ヶ師団分を足して、ようやく1ヶ師団分にしかならない。

 特科連隊は、師団砲兵でありながら、編制上30門しかない。※ 世界標準では、編制通りの師団砲兵は50門以上もっているものだが、その半分程度にとどまっている。両師団の第6特科連隊,第9特科連隊を足して、ようやく標準的な砲兵連隊である。

 戦車大隊も、それぞれ2ヶ中隊編制になっている。砲兵ならまだしも、戦車大隊で2ヶ中隊とする編制はあまり考えられない。2ヶ中隊であれば、先任中隊長が指揮を取れば充分にも見えるが、それはさておく。これも、第6戦車大隊と第9戦車大隊を合わせて4ヶ中隊であり、それで1ヶ大隊とするほうが普通だろう。

 施設大隊・通信大隊は、逆に多い。支援すべき正面戦闘部隊の所要を超えている。第6師団、第9師団ともに、師団ナンバー大隊に相応な戦力を保有している。しかし、両師団の内実が、歩兵3個大隊基幹の旅団クラスであることを考慮すれば、支援部隊として施設大隊、通信大隊がそれぞれ1ヶづつ必要なのかどうかは疑問である。

 東北に配置された戦力からずえば、軍司令部である東北方の必要性は疑わしい。東北には1ヶ師団分の戦力しかないのに、師団司令部より高級な方面総監部を置く必要はない。さらに、その隷下に2ヶ師団を置き、2つの師団司令部を置く必要もない。

 配備戦力で見れば、東北師団とするのが相応に見える。方面隊を師団に落とすことで、人員や予算、庁舎敷地は相当に節約できる。

 方面総監部は、司令部だけで300人以上、付属する通信部隊他を含めれば、間違いなく1000人以上を保有している。仙台市街地にある方面の敷地や、霞の目飛行場も、それぞれ1平方キロ以上の地積を占めている。方面を廃止し、師団司令部とすれば、これらの相当部分を節約できる。

 また、東北方を師団に変えれば、隷下の第6師団司令部、第9師団司令部も省略できる。師団司令部と通信関係を整理すれば、やはり300人以上づつを整理できる。

 方面と師団司令部を整理すれば、少なくとも1000人は浮く。1000人あれば、歩兵大隊規模である普通科連隊1ヶ分に宛てられる。この普通科連隊も、普通科大隊に落とせば、連隊本部から大隊本部に減量した人員で各中隊を強化できるのだか、それは置いておく。

 いずれにせよ、数だけやたらと多い高級司令部を減らすことで、予算を節減するだけではなく、現場部隊を強化できることになる。一例として説明しやすい東北方面隊を挙げたが、多方面も同様である。北方も東方も中方も西方も、正味はとうてい軍ではなく、隷下に無駄に師団・旅団司令部を抱えている。

 陸自は、人がいない、足りない、減らせないといいながらも、高級司令部を無駄に作っている。ポストを作り、維持したいのが官僚組織なので、放っておけば現場を減らしてでも将官以下のポストを維持するだろう。金もない当節、この手の病的構造に手をいれるのが政治である。だが、支持者を慮り、漫然と予算を増額したようでは、無駄遣いを減らすこともできないだろう。



※ 編制を見ると、特科中隊(バッテリー)の数と大砲を減らしている。特科連隊は、砲3個大隊で編成されている。ここは世界標準通りである。しかし、1ヶ大隊は2ヶ中隊編制であり、しかも1ヶ中隊は5門でしかない。通常は、1ヶ大隊は3-4ヶ中隊、中隊は6-8門である。(英軍は8門バッテリー)
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