Category : ミリタリー
防衛白書のWEB版に、日本と周辺国の戦力比較が載っている。防衛省が防衛予算を増やすための本なので、脅威を大きく見せる立場で作っているのだが、中国海軍970隻と極東ロシア海軍240隻は膨らませ過ぎではないか。
防衛白書は、防衛省が自分たちの政策を肯定してもらうために作っている。そのため、内容は防衛省自衛隊に都合よく書く。もちろん、それを攻めるつもりもない。企業のPR、広報部と同じで、目くじらをたてるほどではない。
ただし、防衛白書もその傾向にあることから、割り引いて見る必要がある。企業のPR、株屋のPRが株やると儲かる、健康食品のPRではこれ飲むとビンビンになる、毛生え屋のPRが毛も生えてくる、保険屋のPRが癌になると儲かるし、掛からなくとも祝い金で儲かるというようなものだ。防衛白書での判断や主張についても、眉つばで聞くのがちょうどいい。
特に眉つばでみるべきが、中国と極東ロシアの艦艇隻数である。(「図表Ⅰ-0-0-1」)中国970隻、ロシア240隻はなんにしても多すぎる。タグやら水船やらを足して、さらに軍港内に放置している鉄くずも足しての数字なのだろう。
防衛白書は、日本艦艇数について140隻としている。ざっと護衛艦が50、対機雷戦艦艇が30、潜水艦20、その他40で勘定しているのだろう。その他を10隻分づつ挙げると、補給艦・練習艦・掃海母艦10、訓練支援艦、輸送艦、観測艦、音響測定艦で10、支援艦、ミサイル艇で10、あとは試験艦と「はしだて」の類、それにLCUを足して10といったところだろう。
同じ方法で中国海軍を勘定しても、保管艦艇を足しても、どうやっても970隻に足りない。どう頑張っても650隻である。中国は水上戦闘艦について、どうみても使いものにならない旧式艦を多めに足しても100隻である。同様に潜水艦70隻、機雷戦艦艇100隻、商船改造の雑多な補給艦が80隻、LSM以上の揚陸艦が80隻、高速艇が200隻といった程度だ。
おそらく、数合わせてどうしようもない艦艇を足しているのだろう。しかし、どうしても120隻足りない。保管装備としても腐る寸前の上海型砲艇(100t)30隻、オーサ級コピー(200t)20隻を足して50隻。陸地が見える範囲で使うのが限界の、150t未満のLCMーLCU相当の揚陸艇保有数150隻。これでも足して850隻である。
足りない分、120隻は、80t・機銃1丁の警備艇(8隻)とか、揚陸戦で出てくる20tクラスの通船(名称・数不明)とかを足しているのだろう。それならば、それよりも大きなタグボートや水船も足しているとしか思えない。
ロシアも同じである。極東ロシアには、甘々にみても100隻である。動いているかどうかも怪しい艦艇を足しても、水上戦闘艦25隻、潜水艦25隻、ミサイル艇20隻といったところ。極東ロシアで限定するのが難しいが、補給艦、機雷戦艦艇、ホバークラフトのうち1/3が極東に居たとしても30隻がいいところである。
240隻との差、140隻については相当の小艇を足してもなかなか足りない。116tの内水調査船GPB-480の1/3が20隻、70tの魚雷回収艇を同じように1/3、15隻、300t-42t潜水支援船を同じく1/3、40隻。あとは、本当に港湾用タグを含む曳船の1/3を足して25隻。アムール河の河川艦隊30隻を足してどうにか120隻である。あと20隻は誤差やどうでもいい船だろう。
さて、日本と中国と極東ロシアを比較する上で、140隻 対 970隻 対 240隻 とする比較は妥当だろうか?
日本は、100t未満の小艇を足していない。日本は、50年前に作った、腐りかけた上海級を足しているわけではない。ましてや通船に毛の生えたような、魚雷回収船や潜水支援船を足していない。
防衛白書も、あやしげなPR広告同然の表記があるということだ。970隻が本当かといわれると、コマゴマと数を数え上げた資料を読み上げて「間違っていない」というだろう。あたかも、毛生え会社が、薬は効く、毛が生えた喜びの声のこんなに来ていると手紙の実物を示すように。
まあ、日本の艦艇数が少なくて危険が危ないと危機感を煽られたなら、日本艦艇数を140隻以上に勘定しなおせばいい。中国や極東ロシアが勘定しているような、300t未満のタグ・水船・油船は結構ある。100tに満たない通船も港務隊には何席も転がっている。起重機船やハルクを数えてもいい。なんなら、候補生学校や教育隊にあるカッターや、艦艇に積んでいる作業艇・内火艇も、数が同等になるまで計算に入れてもいいだろう。所詮その程度の数字である。
防衛白書は、防衛省が自分たちの政策を肯定してもらうために作っている。そのため、内容は防衛省自衛隊に都合よく書く。もちろん、それを攻めるつもりもない。企業のPR、広報部と同じで、目くじらをたてるほどではない。
ただし、防衛白書もその傾向にあることから、割り引いて見る必要がある。企業のPR、株屋のPRが株やると儲かる、健康食品のPRではこれ飲むとビンビンになる、毛生え屋のPRが毛も生えてくる、保険屋のPRが癌になると儲かるし、掛からなくとも祝い金で儲かるというようなものだ。防衛白書での判断や主張についても、眉つばで聞くのがちょうどいい。
特に眉つばでみるべきが、中国と極東ロシアの艦艇隻数である。(「図表Ⅰ-0-0-1」)中国970隻、ロシア240隻はなんにしても多すぎる。タグやら水船やらを足して、さらに軍港内に放置している鉄くずも足しての数字なのだろう。
防衛白書は、日本艦艇数について140隻としている。ざっと護衛艦が50、対機雷戦艦艇が30、潜水艦20、その他40で勘定しているのだろう。その他を10隻分づつ挙げると、補給艦・練習艦・掃海母艦10、訓練支援艦、輸送艦、観測艦、音響測定艦で10、支援艦、ミサイル艇で10、あとは試験艦と「はしだて」の類、それにLCUを足して10といったところだろう。
同じ方法で中国海軍を勘定しても、保管艦艇を足しても、どうやっても970隻に足りない。どう頑張っても650隻である。中国は水上戦闘艦について、どうみても使いものにならない旧式艦を多めに足しても100隻である。同様に潜水艦70隻、機雷戦艦艇100隻、商船改造の雑多な補給艦が80隻、LSM以上の揚陸艦が80隻、高速艇が200隻といった程度だ。
おそらく、数合わせてどうしようもない艦艇を足しているのだろう。しかし、どうしても120隻足りない。保管装備としても腐る寸前の上海型砲艇(100t)30隻、オーサ級コピー(200t)20隻を足して50隻。陸地が見える範囲で使うのが限界の、150t未満のLCMーLCU相当の揚陸艇保有数150隻。これでも足して850隻である。
足りない分、120隻は、80t・機銃1丁の警備艇(8隻)とか、揚陸戦で出てくる20tクラスの通船(名称・数不明)とかを足しているのだろう。それならば、それよりも大きなタグボートや水船も足しているとしか思えない。
ロシアも同じである。極東ロシアには、甘々にみても100隻である。動いているかどうかも怪しい艦艇を足しても、水上戦闘艦25隻、潜水艦25隻、ミサイル艇20隻といったところ。極東ロシアで限定するのが難しいが、補給艦、機雷戦艦艇、ホバークラフトのうち1/3が極東に居たとしても30隻がいいところである。
240隻との差、140隻については相当の小艇を足してもなかなか足りない。116tの内水調査船GPB-480の1/3が20隻、70tの魚雷回収艇を同じように1/3、15隻、300t-42t潜水支援船を同じく1/3、40隻。あとは、本当に港湾用タグを含む曳船の1/3を足して25隻。アムール河の河川艦隊30隻を足してどうにか120隻である。あと20隻は誤差やどうでもいい船だろう。
さて、日本と中国と極東ロシアを比較する上で、140隻 対 970隻 対 240隻 とする比較は妥当だろうか?
日本は、100t未満の小艇を足していない。日本は、50年前に作った、腐りかけた上海級を足しているわけではない。ましてや通船に毛の生えたような、魚雷回収船や潜水支援船を足していない。
防衛白書も、あやしげなPR広告同然の表記があるということだ。970隻が本当かといわれると、コマゴマと数を数え上げた資料を読み上げて「間違っていない」というだろう。あたかも、毛生え会社が、薬は効く、毛が生えた喜びの声のこんなに来ていると手紙の実物を示すように。
まあ、日本の艦艇数が少なくて危険が危ないと危機感を煽られたなら、日本艦艇数を140隻以上に勘定しなおせばいい。中国や極東ロシアが勘定しているような、300t未満のタグ・水船・油船は結構ある。100tに満たない通船も港務隊には何席も転がっている。起重機船やハルクを数えてもいい。なんなら、候補生学校や教育隊にあるカッターや、艦艇に積んでいる作業艇・内火艇も、数が同等になるまで計算に入れてもいいだろう。所詮その程度の数字である。
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