Category : ミリタリー
自衛隊には隠蔽体質がある。海自にももちろんあるし、幹部、海曹士を問わない。ある程度エラくなっても、結構、粗暴な隠蔽をやっている。
「海自自殺訴訟:いじめ調査の破棄指示 海幕幹部、存在把握」※ なのだが。自殺した事件があり、イジメがあったかどうかについて、誰かが艦内あたりでアンケートを取った。アンケート取った奴、まずは副長かそれ以上は、例の雰囲気の圧力で「なかった」という結論を期待したのだろうが、案に相違して「あった」とする正直な結果が含まれていたといったところか。
しかし、「あった」その答えは訴訟で困る。「いじめは他人でも気づく水準にあった」とされると困る。だから、その存在そのものを秘した。原告に「アンケートがあったろ」と言われたら「破棄したので分からない」と言い張った。
しかし、処理が事務官だから、隠蔽のやり方も中途半端になった。「処分した」と言い張るなら、本当に処分しとけばいいものなのだが。役人同士の申継で残したといったあたりか、現物を残してしまった。自衛官なら、悩まずに本当に処分しただろうが、事務官・技官は結構、思い切りが悪い。
「ない、処分した」と言いはったものの、現物が残ったのだから、2回も嘘をついたことになってしまった。
イジメと自殺だと隠蔽だと、艦艇で実習受けていた時にも、それっぽい話はあった。隣の護衛艦で、海士が海に飛び込んだ。残念ながら、彼はそのまま見つからない結果になった。その後なのだが、副長が己達を集めて「イジメとか自殺とか言うな」と箝口令っぽいものを出したことがある。そう言えば、言うことを聞くと思っているのが浅はかだと当時から思っていた。
隠蔽話なら、他にも幾らでもある。ニュースになった横須賀に限っても、大小問わなければ、何件も思い出せる。横須賀は、今回の事件の2年前には働いていた。今回のアンケートで問題となったところから、半径で20m以内にいたよ。その頃にも、その手の隠蔽事件はあった。
、横須賀通信隊での薬物事件も、隠蔽だった。幹部自衛官(知っている人だった)が薬物をトイレに流して証拠隠滅を図ったという話だ。本人が使ったのではない。怪訝な海曹士の机か何かから、白いおクスリが出てきたのだが、保全して警務隊に連絡せず、隠蔽を図った結果である。
後に問題になった航海日誌処分も、その頃の横須賀のフネの話だ。いまから見返しても、なんで給油実績を隠蔽するのかわからない事件だった。だが、最終的には航海日誌をシュレッダーに掛けてごまかそうとしていた。
横須賀ではないが、目の前で隠蔽の話をされたこともあった。どこぞの部隊で働いていた時なのだがね。略同期相当の、目の前で艦艇の砲雷幹部と経補幹部が「漁網引っ掛けたけど、即座に信号長が艦位を消しゴムで消してズラして書いた、ベテラン海曹は違う、偉いねえ」みたいな話をしていた。己が「気の利いた漁協はレーダと暗視装置で見てる。レーダなんか記録とっているけどね」というと「そんなことはあるはずない」、「証拠がなければ終わりじゃないか」といってきたのには、気が滅入った。
漁網切断では自衛隊はシラを切る。周辺対策関係やっていると、その話は漁協から毎回聞かされるし、実際の記録見せられる。でも艦艇側に言うとシラを切られる。だいたい、艦長クラスか先頭になってシラを切る。一回、己と同職域のエライさんが総監部の総務課長だか幕僚長だかをやった時の話なのだが。漁協から通報を受けたそのオトッァン、ついに爆発して、艦長集合をかけて「オマエらがやったのは、わかってんだぞ」とやったらしい。でも「連中はシュンとするだけでダメだったよ」といっていた。
まず、艦艇部隊はなんでも隠蔽しようという傾向が強い。海に出ていればバレないという頭なのだろう。例えば油流出にしても、艦艇部隊は如何に報告しないで済ませるかを考える。
逆に、海自の陸上・航空部隊は、比較的、隠蔽しようとしない。それでも比較問題の話だが、艦艇ほどではない。どこかの航空基地で、基地内油流出をやった時には、敷地内で食い止めたが消防に連絡した。その時に、隊長級の一人が「言わなくてもバレない」と発言したが、その人は指揮官級から集中砲火を食らったね。
まあ、最近の自衛隊は世間の好意を寄せられているけど、足許はこんなもんだ。だから、何かあると大変なことになるんじゃないのかね。ツイッターやらドラマへの協力で脚光浴びるのもいいけれども、落とし穴をそのままにするほど危ないものもない。この手の体質改善を、10年20年掛けても、着実にどーにかしないといけないと思うよ。
※ 「海自自殺訴訟:いじめ調査の破棄指示 海幕幹部、存在把握」『毎日.JP』(2013.7.30)http://mainichi.jp/select/news/20130731k0000m040057000c.html
「海自自殺訴訟:いじめ調査の破棄指示 海幕幹部、存在把握」※ なのだが。自殺した事件があり、イジメがあったかどうかについて、誰かが艦内あたりでアンケートを取った。アンケート取った奴、まずは副長かそれ以上は、例の雰囲気の圧力で「なかった」という結論を期待したのだろうが、案に相違して「あった」とする正直な結果が含まれていたといったところか。
しかし、「あった」その答えは訴訟で困る。「いじめは他人でも気づく水準にあった」とされると困る。だから、その存在そのものを秘した。原告に「アンケートがあったろ」と言われたら「破棄したので分からない」と言い張った。
しかし、処理が事務官だから、隠蔽のやり方も中途半端になった。「処分した」と言い張るなら、本当に処分しとけばいいものなのだが。役人同士の申継で残したといったあたりか、現物を残してしまった。自衛官なら、悩まずに本当に処分しただろうが、事務官・技官は結構、思い切りが悪い。
「ない、処分した」と言いはったものの、現物が残ったのだから、2回も嘘をついたことになってしまった。
イジメと自殺だと隠蔽だと、艦艇で実習受けていた時にも、それっぽい話はあった。隣の護衛艦で、海士が海に飛び込んだ。残念ながら、彼はそのまま見つからない結果になった。その後なのだが、副長が己達を集めて「イジメとか自殺とか言うな」と箝口令っぽいものを出したことがある。そう言えば、言うことを聞くと思っているのが浅はかだと当時から思っていた。
隠蔽話なら、他にも幾らでもある。ニュースになった横須賀に限っても、大小問わなければ、何件も思い出せる。横須賀は、今回の事件の2年前には働いていた。今回のアンケートで問題となったところから、半径で20m以内にいたよ。その頃にも、その手の隠蔽事件はあった。
、横須賀通信隊での薬物事件も、隠蔽だった。幹部自衛官(知っている人だった)が薬物をトイレに流して証拠隠滅を図ったという話だ。本人が使ったのではない。怪訝な海曹士の机か何かから、白いおクスリが出てきたのだが、保全して警務隊に連絡せず、隠蔽を図った結果である。
後に問題になった航海日誌処分も、その頃の横須賀のフネの話だ。いまから見返しても、なんで給油実績を隠蔽するのかわからない事件だった。だが、最終的には航海日誌をシュレッダーに掛けてごまかそうとしていた。
横須賀ではないが、目の前で隠蔽の話をされたこともあった。どこぞの部隊で働いていた時なのだがね。略同期相当の、目の前で艦艇の砲雷幹部と経補幹部が「漁網引っ掛けたけど、即座に信号長が艦位を消しゴムで消してズラして書いた、ベテラン海曹は違う、偉いねえ」みたいな話をしていた。己が「気の利いた漁協はレーダと暗視装置で見てる。レーダなんか記録とっているけどね」というと「そんなことはあるはずない」、「証拠がなければ終わりじゃないか」といってきたのには、気が滅入った。
漁網切断では自衛隊はシラを切る。周辺対策関係やっていると、その話は漁協から毎回聞かされるし、実際の記録見せられる。でも艦艇側に言うとシラを切られる。だいたい、艦長クラスか先頭になってシラを切る。一回、己と同職域のエライさんが総監部の総務課長だか幕僚長だかをやった時の話なのだが。漁協から通報を受けたそのオトッァン、ついに爆発して、艦長集合をかけて「オマエらがやったのは、わかってんだぞ」とやったらしい。でも「連中はシュンとするだけでダメだったよ」といっていた。
まず、艦艇部隊はなんでも隠蔽しようという傾向が強い。海に出ていればバレないという頭なのだろう。例えば油流出にしても、艦艇部隊は如何に報告しないで済ませるかを考える。
逆に、海自の陸上・航空部隊は、比較的、隠蔽しようとしない。それでも比較問題の話だが、艦艇ほどではない。どこかの航空基地で、基地内油流出をやった時には、敷地内で食い止めたが消防に連絡した。その時に、隊長級の一人が「言わなくてもバレない」と発言したが、その人は指揮官級から集中砲火を食らったね。
まあ、最近の自衛隊は世間の好意を寄せられているけど、足許はこんなもんだ。だから、何かあると大変なことになるんじゃないのかね。ツイッターやらドラマへの協力で脚光浴びるのもいいけれども、落とし穴をそのままにするほど危ないものもない。この手の体質改善を、10年20年掛けても、着実にどーにかしないといけないと思うよ。
※ 「海自自殺訴訟:いじめ調査の破棄指示 海幕幹部、存在把握」『毎日.JP』(2013.7.30)http://mainichi.jp/select/news/20130731k0000m040057000c.html
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