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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.08
18
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12:00
Category : ミリタリー
 海自も人間魚雷対策をやっているのだが、基本的に目視でやるには厳しいのではないか。

 人間魚雷は強力な攻撃法である。停泊している艦船に、水中から接近し、リムペット・マイン(吸着式水雷)ほかを設置する攻撃法である。大戦中に英伊が多用した攻撃法であり、シンガポールで日本軍艦の高雄も攻撃され、大被害を受けている。リムペット・マインは泳者が持てる重さであるため、極端な大破孔は作れない。だが、弱点を正確に狙い、密着させられるため、侮れない威力を持つ。

 海外派遣が増えた海自にとって、人間魚雷は警戒しなければならない脅威である。人間魚雷は比較的単純な攻撃法である。まず、潜水具は民生用で構わない。リムペット・マインも専用品でなくても問題はない。極端な話、旧軍の破甲地雷の類はそのまま転用できる。民生品の工事用爆薬でも構わない。

 この点、海自も対策を講じているものの、どうやって発見するのかは、相当に手つかずである。見つけた泳者に放水したり、発見したリムペット・マインをSWAG(という自作器材)でオシャカにしたり、引き剥がしたりするお稽古をしている。しかし、どうやって探すのかは概ね手つかずになっている。噂では、米軍は警戒のため○○を持った潜水員を入れたりしているらしいが、それも長時間の警戒は難しい。

 そろそろ水上艦には、人間魚雷に備えた専用ソーナーといった警備器材が必要なのではないか。上から目視で見て見えるものでもない。潜水員にやらせるにしても人数が足りない。警備犬のように、海棲哺乳類にやらせるのも手間がかかる上に、準備に時間が掛かり過ぎる。

 現物はある。DDS、潜水員探知用ソーナー、Diver Detect Sonerといった機材がある。また、それにEO/IR探知を組み合わせた探知システムもある。実際に、ドイツの125フリゲートにはCerberus社製の可搬型システムが搭載されるという。器材によって差はあるが、パッシブで水中スクーターを1000-500m、開式スクーバを700-350m、閉式スクーバを500-250m程度で探知できる。300khzあたりの高周波のアクティブ・モードがあるので、目標についても画像として識別できる。

 海外派遣される艦艇用に、その手のシステムを導入してもいいのではないか。いつ撃つかわからないアスロックよりも役には立つ。実際に、ドイツの125フリゲートにはCerberus社製の可搬型システムが搭載されるというし、英海軍のサンダウン級掃討艇にもSentinel DDSが搭載されているという。※



※ "Intruder Alart""Navy international"(IHS,2013.6)pp.30

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