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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

プロフィール

文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.08
20
CM:2
TB:0
12:00
Category : コミケ
 宇多丸が実写版で喝破したとおりです。デザインをリファインさせると、ヤマトが古臭く見えてしまうというジレンマがあります。

 『2199』を見ても、ヤマトそのものに古臭さが目立ちます。時代のせいか、ヤマトは円筒形の船体にデザインされている。上甲板を上部1/3 あたりに設定して兵装を集めたため、船体は下ぶくれして大航海時代の帆船のタンブルに見えてしまう。船体後尾末端にある尾翼部分も時代を感じるデザインになっている。トップにある艦長室、第一砲塔の前と船体側面の謎の膨らみもそうです。 そのあたりはリファインできません。リファインしてしまったら、ヤマトはヤマトでなくなる。20 年前のシド・ミードのアレとか、よくて大ヤマトになるので、できない話でしょう。

 しかし『2199』のクレジット・タイトルに松本零士が記されていないのは怪訝です。ヤマトを始め、地球- ガミラスの艦艇も航空機もオリジナル・デザインは松本零士です。内装の計器類は松本メーターになっています。松本零士と無関係とは到底言えません。訴訟の関係にせよ、徹頭徹尾名を秘すのはあまりに不自然です。

 松本零士の名前があれば、七色星団の戦いももっと面白くできたでしょう。ザルツの工作員を削岩弾に載せて、それをガルントに載せれば、あの傑作ができます。既にガミラスには物資がない。ガルントも、供出された鍋や釜を溶かして、女子供が作った機体。しかも操縦も全部老兵で、重い削岩弾を積んでいるのでエンジンが息をつく始末。急降下爆撃隊の攻撃に隠れて「イオン乱流に沿って飛べ」と言いながら接近するガルントですが、直掩機の山本に補足され攻撃を受ける。削岩弾のザルツ兵は「もういい、早く切り離して身軽になってくれ」と繰り返しまずが、機長のバレンは「まだまだ飛べるぜよ」と笑いながら答える止めだと叫びながら接近する山本機に、バレンが南無三と漏らした瞬間、出撃前にザルツ兵と喧嘩したゲットー機が体当たりします。関係修復? ノラン伍長と一緒に酒でも飲ませて肩組んだカット入れとけばいいですよ。

 もちろん『2199』は、楽しみに見ています。映画館で見せてBD で売ってからテレビ放映する手練手管はよく考えたものです。逆をやるよりも、ヨリ大きな満足感を与えて、しかもお金もとれる。当節、最高のリバイバルでしょう。

 ヤマトだけでもないですが、当節はリバイバルの類ばかりになりました。今年に入ってからは『這いよれ』、『はがない』と2 期続きですが、まあ酷いものです。いずれも何の新味も出せない。特に『はがない』は、必要性があるのかないのかのキャラを多数追加して終わり。もともと原作信者を満足させるためのアニメだから、そんなものでしょう。夏コミのカタログにも全然カットはありません。人気は推して知るべしです。

 2 期で気を吐いたのは『俺妹』だけでした。基軸であった「兄- 妹」から離れましたが、視聴を楽しみにするものでした。黒猫の未来日記で「京介と別れる」と書いてあるところでは、いい歳こいてどうなるのかと。久々に「大切なモノが壊れてしまう」というスリルを与える展開でした。

 黒猫ファンでもありませんが、8 話「俺が後輩とひと夏の思い出を作るわけがない」はやられました。イイコトが寸止めの話ですが、脳内では苦界の話に変わりました。貧しさのため、妹のために松戸に身売りが決まった黒猫が、売られる前に京介とイイコトをしようとしたが果たせない。そして玄人になり、堅気の学生さんに迷惑をかけてはならぬと「先輩と別れる」と一方的に通知する話です。しかも、その姉の気持も知らず自暴自棄になり、ドロップアウトをして青線に出入りするヒナタが、あの時代の雰囲気を活写するのです。もちろん二人とも儚くなって、一人残ったタマキを京介と桐乃が引き取る展開です。

 最初は『プラズマ・イリア』の話でもしようかと思ったのです。『プリティ・サミー』との相似性、『CCさくら』との関係とか、『ナデシコ』からスピンオフした『ゲキガンガー』との関係ですかね。でも、比較しても面白く無いのでやめて、例によって書いていたら脳汁が出てきた『2199』と『俺妹』になったというわけです。

 『風立ちぬ』でも良かったのですけどね。96艦戦で音速突破した話もそうですが、堀越さんが試作烈風の胴体内で戦ったシーンでの「どうだ自分の作ったヒコーキの乗り心地は」「あんまりよくない」「じゃあもっといいのを作れ」「分かった」とかねえ。アノあたりは最高でした。



こないだコミケで売った『瀛報』2013年夏号のあとがきです。ヤマトもTV放送が七色星団の戦いに追いついたみたいですし、俺妹もラスト3話が公開されたので、時期的に公開するのは今頃かと。

 まあ、あれだ、地味子があと一日待っとけばよかったんじゃないかなと。
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2013.08
20
CM:1
TB:0
00:19
Category : 有職故実
 『みんぱく』8月号に小笠原クレオールの記事がある。ダニエル・ロングさんの「ごちゃまぜではないハイブリッド言語」に、西欧系小笠原島民が使う言葉の例があった。

 「Next Saturday Morning, meはyouのhouseに来るから、タマナの木で作った銛でワフーの突きん棒漁しよう」

 「MeらのlanguageはEnglish and Japaneseをmixしたものじゃ」

 我々からみると、無規則なごちゃまぜにしか見えないものだが、そこにも規則性があるらしい。ロングさんの記事によると、代名詞と時間関係は英語起源が多く使われ、動詞の活用部分に日本語が使われる傾向が強いとされている。

 ロングさんが、試しにごちゃまぜ言語を喋ると笑われるという。具体的な文は載っていないのが、まず「ミーはおフランスに行くザマス」みたいな文例なのだろう。それを聞いた古老曰く「それはsound funnyだじゃ meらはそれ言わないよ」と言われたという。

 父島には、父基分という部隊があり、そこの技官の氏名がハイブリッドだった。
そのものズバリを書けないので、デタラメに作ると田中ブルックマンみたいなお名前だったが、それを思い出したよ



※ ダニエル・ロング「ごちゃまぜではないハイブリッド言語」『みんぱく』8月号(千里文化財団,2013.8)pp.7-12.