Category : ミリタリー
防衛省平成26年予算要求に、ちよだ後継艦として508億円の「新型潜水艦救難艦」が挙げられている※ が、果たして必要なものだろうか。
防衛省は「ちよだ」後継艦を要求している。会計上、艦艇建造費は5年払いなので、認められれば2014年発注の2019年に就役となる。特に、大規模災害対応を前に出すことにより「ちよだ」よりも2000t大型化しようとしている。
しかし、「ちよだ」代艦は、特に必要性があるようにも見えない。まず「ちよだ」は、まだ老朽化しておらず、新型艦に代える必要はない。また、後に「ちよだ」が老朽し代艦が必要としても、同じような潜水艦救難艦を建造する必要もない。
今、運用されている救難艦「ちよだ」は、代艦が必要なほど老朽化していない。「ちよだ」は1985年就役なので、艦齢28年であり、代艦完成時でもまだ艦齢33年である。ディーゼルを搭載した中低速の支援艦であり、同じような中速商船同様に寿命は40年かそれ以上はある。護衛艦以下の寿命延長の流れからすれば、まだまだ使えるのに新型艦を建造する必要はない。また、潜水艦救難について新技術への対応についての必要もない。潜水艦救難技術は、「ちよだ」建造当時から特に技術的な進歩もないためである。
後に老朽化したとしても、潜水艦救難艦を建造しなければならない必要性もない。最近の潜水艦への救難は、まずはDSRVという小型の救難潜水艇で実施される。そして、このDSRVは運用上、必ずしも救難艦を必要とはしない。たとえば米海軍は、DSRVを至近の港まで空軍輸送機で運び、そこから潜水艦に乗せて救難する体制にあり、救難艦は運用していない。DSRVがあれば、特に救難艦は必要というものでもなく、適当な水上艦船/潜水艦で運用できる。ある意味で、救難艦は、DSRV以前のレスキューチェンバーほかの時代の名残に過ぎない。
潜水艦への救難で必要なのはDSRVであり、救難艦ではない。DSRVが運用できれば、別に新しい救難艦を買う必要はない。
「ちよだ」更新については、救難艦を建造せず、搭載艦船を選ばないDSRVを作ったほうが安く付く。護衛艦でも、掃海艇でも、民間曳船でも運用でき、航空輸送が可能なDSRVと支援ユニットを作る。その補助装備として、ROV、乗員/潜水員用加減圧チェンバー、潜水用ハードスーツを用意すればよい。DSRV以下は高価であるが、508億円の救難艦を買うよりは安い。
救難地点までの展開時間云々をいうのなら、複数を準備して、横須賀と呉以外、例えば稚内や沖縄、佐渡、父島あたりに保管しておいてもよい。今の横須賀と呉にだけ救難艦を置く体制よりも、短時間での展開が可能になるだろう。
なんにせよ、新型潜水艦救難艦の必要性はない。交代する「ちよだ」は老朽状態にはなく、更新の必要はない。また、将来的にも新型潜水艦救難艦は必須ではない。潜水艦救難ではDSRV運用がメインである。救難艦を必要としない新型のDSRVと、その周辺機材を整備すれば済んでしまう話である。金がない折に、500億も掛けてどうでもいいような支援艦を作るべきではない。
※ 『我が国の防衛と予算 -Defense Programs and Budget of Japan』(防衛省,2013.8)http://www.mod.go.jp/j/yosan/2014/gaisan.pdf、P.5
※※ 別にDSRVを甲板上に搭載/泛水できなくとも、曳航すれば済む。通信指揮と充電機構は甲板上に乗せなければならないが、コンテナ程度に収まる。加減圧チェンバーも今は組立/折畳式があるので、これら艦船への搭載も難しくない。
防衛省は「ちよだ」後継艦を要求している。会計上、艦艇建造費は5年払いなので、認められれば2014年発注の2019年に就役となる。特に、大規模災害対応を前に出すことにより「ちよだ」よりも2000t大型化しようとしている。
しかし、「ちよだ」代艦は、特に必要性があるようにも見えない。まず「ちよだ」は、まだ老朽化しておらず、新型艦に代える必要はない。また、後に「ちよだ」が老朽し代艦が必要としても、同じような潜水艦救難艦を建造する必要もない。
今、運用されている救難艦「ちよだ」は、代艦が必要なほど老朽化していない。「ちよだ」は1985年就役なので、艦齢28年であり、代艦完成時でもまだ艦齢33年である。ディーゼルを搭載した中低速の支援艦であり、同じような中速商船同様に寿命は40年かそれ以上はある。護衛艦以下の寿命延長の流れからすれば、まだまだ使えるのに新型艦を建造する必要はない。また、潜水艦救難について新技術への対応についての必要もない。潜水艦救難技術は、「ちよだ」建造当時から特に技術的な進歩もないためである。
後に老朽化したとしても、潜水艦救難艦を建造しなければならない必要性もない。最近の潜水艦への救難は、まずはDSRVという小型の救難潜水艇で実施される。そして、このDSRVは運用上、必ずしも救難艦を必要とはしない。たとえば米海軍は、DSRVを至近の港まで空軍輸送機で運び、そこから潜水艦に乗せて救難する体制にあり、救難艦は運用していない。DSRVがあれば、特に救難艦は必要というものでもなく、適当な水上艦船/潜水艦で運用できる。ある意味で、救難艦は、DSRV以前のレスキューチェンバーほかの時代の名残に過ぎない。
潜水艦への救難で必要なのはDSRVであり、救難艦ではない。DSRVが運用できれば、別に新しい救難艦を買う必要はない。
「ちよだ」更新については、救難艦を建造せず、搭載艦船を選ばないDSRVを作ったほうが安く付く。護衛艦でも、掃海艇でも、民間曳船でも運用でき、航空輸送が可能なDSRVと支援ユニットを作る。その補助装備として、ROV、乗員/潜水員用加減圧チェンバー、潜水用ハードスーツを用意すればよい。DSRV以下は高価であるが、508億円の救難艦を買うよりは安い。
救難地点までの展開時間云々をいうのなら、複数を準備して、横須賀と呉以外、例えば稚内や沖縄、佐渡、父島あたりに保管しておいてもよい。今の横須賀と呉にだけ救難艦を置く体制よりも、短時間での展開が可能になるだろう。
なんにせよ、新型潜水艦救難艦の必要性はない。交代する「ちよだ」は老朽状態にはなく、更新の必要はない。また、将来的にも新型潜水艦救難艦は必須ではない。潜水艦救難ではDSRV運用がメインである。救難艦を必要としない新型のDSRVと、その周辺機材を整備すれば済んでしまう話である。金がない折に、500億も掛けてどうでもいいような支援艦を作るべきではない。
※ 『我が国の防衛と予算 -Defense Programs and Budget of Japan』(防衛省,2013.8)http://www.mod.go.jp/j/yosan/2014/gaisan.pdf、P.5
※※ 別にDSRVを甲板上に搭載/泛水できなくとも、曳航すれば済む。通信指揮と充電機構は甲板上に乗せなければならないが、コンテナ程度に収まる。加減圧チェンバーも今は組立/折畳式があるので、これら艦船への搭載も難しくない。
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