Category : 有職故実
大名行列の前を横切っても、まずは切られることもない。御茶壺道中の「ずいずいずっころばし」の意味を知りたくてググったのだが。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1111835471の回答の中で「大名行列も前を横ぎったり無礼をすると切られてしまう」とあるのを見つけてどんなものかと。間違いとはいえないが、実態に即しているわけではない。
大名行列の前を子供が横切ったくらいで、人斬り包丁を振り回す乱暴な御家中はまずない。子供の行列横切りは見て見ぬふり、大人でも痴れ者扱いで、多少のことはあっても横桁張る程度、ぶった斬るのはなかなかやることじゃない。
もちろん、大名行列の先触れは邪魔なものを蹴手繰り、投げ捨てるくらいなことはする。たとえば、幕末百話には、南部の家中と汁粉屋が遭遇した例が採録されている。お汁粉の屋台が、道なかでおしるこ沸かしていて、夜の大名行列に気づかないでいると、何も言わずに前触れが道具をぶん投げ蹴ったぐりする。しかし、この例でも、切れる鉄の延べ棒は振り回していない。下がる汁粉やを殴る蹴るもしていない。
例外は、領民に不人気な東北のA藩くらいなものか。他所の領民でも切るし、子供でも罪を減ずると称して耳を切り鼻を削いだ。幕末に横須賀の警備も担当していたのだが、そこでもロクなことはしていなかった様子。警備を交代した川越が「A藩は余り評判よくないので、何やったのか?」という調査すらしている。
そのような事をしていると、領民に愛想をつかされる。戊辰戦争で、官軍がA藩領内に進入した時も、領民が全く立ち上がらなかった。他所の例なら、なんだかんだでお殿様大事があるので、いろいろ協力する。だが、A藩は200年の支配をしながらも、それが起きていない。しかも、落城とお仕置きの時も、お殿様を救え一揆も起きていないのは稀有な例である。
武士道云々で賞用されていた御家中であるが、統治は非難されるようなものであったということか。殿様や家来も、民の父母ではなかったツケが回ったのだろう。士大夫として落第ということか。
ちなみに、御茶壺道中は旗本と御坊主の臨時編成にすぎない。確かに、権威あって大名行列よりも優先されたが、編成が編成なので、余程のことがない限り、お仕置きはしないだろう。
大名行列の前を子供が横切ったくらいで、人斬り包丁を振り回す乱暴な御家中はまずない。子供の行列横切りは見て見ぬふり、大人でも痴れ者扱いで、多少のことはあっても横桁張る程度、ぶった斬るのはなかなかやることじゃない。
もちろん、大名行列の先触れは邪魔なものを蹴手繰り、投げ捨てるくらいなことはする。たとえば、幕末百話には、南部の家中と汁粉屋が遭遇した例が採録されている。お汁粉の屋台が、道なかでおしるこ沸かしていて、夜の大名行列に気づかないでいると、何も言わずに前触れが道具をぶん投げ蹴ったぐりする。しかし、この例でも、切れる鉄の延べ棒は振り回していない。下がる汁粉やを殴る蹴るもしていない。
例外は、領民に不人気な東北のA藩くらいなものか。他所の領民でも切るし、子供でも罪を減ずると称して耳を切り鼻を削いだ。幕末に横須賀の警備も担当していたのだが、そこでもロクなことはしていなかった様子。警備を交代した川越が「A藩は余り評判よくないので、何やったのか?」という調査すらしている。
そのような事をしていると、領民に愛想をつかされる。戊辰戦争で、官軍がA藩領内に進入した時も、領民が全く立ち上がらなかった。他所の例なら、なんだかんだでお殿様大事があるので、いろいろ協力する。だが、A藩は200年の支配をしながらも、それが起きていない。しかも、落城とお仕置きの時も、お殿様を救え一揆も起きていないのは稀有な例である。
武士道云々で賞用されていた御家中であるが、統治は非難されるようなものであったということか。殿様や家来も、民の父母ではなかったツケが回ったのだろう。士大夫として落第ということか。
ちなみに、御茶壺道中は旗本と御坊主の臨時編成にすぎない。確かに、権威あって大名行列よりも優先されたが、編成が編成なので、余程のことがない限り、お仕置きはしないだろう。
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Category : ミリタリー
水兵帽の、前盾の部分に巻くリボンの事をペンネントと呼ぶ。帽子の上に巻く鉢巻だと思えばよい。(画像)
基本的に、自分の所属する艦艇・部隊の名称が入る。ただし、転勤時には「大日本帝国海軍」とか「海上自衛隊」というものに差し替える。 戦時にも、所属がわからないように漠然とした「大日本帝国海軍」とか「海上自衛隊」に変えるらしい。
もちろん、英海軍仕込みの習慣である。英海軍系以外の海軍にもペンネントがある。フランス海軍も、赤いボンボンのついた水兵帽にペンネントをつけているし、ロシア海軍もつけていた。ないのは、米海軍くらいか。米海軍水兵は白帽になにもつけていない。
そしてペンネントが、日本でも海軍以外でも使われていた例がある。戦前の官報をみていたら関東都督府海務局が「舵取、油指、水夫、火夫」に「関東都督府」というペンネントをつけさせていた。
明治41年11月1日の、関東都督府告示101号であり、そこにペンネントが図示されている。ちなみに、関東都督府とは、中国東北部、遼東半島先端にある関東州を支配する役所である。南洋庁や樺太庁の親戚みたいなものだ。
今は下士官以上しかいないが、海上保安庁に水兵がいれば「海上保安庁」。水産庁に水兵相当がいれば「水産庁」というペンネントをつけることになる。
各県の漁業取締りや水上警察も似たようなものだ。警察に水兵相当がいれば「長野県水産部」や「埼玉県水上警察」とかいうペンネントをつけるのが本来の姿ということになる。
基本的に、自分の所属する艦艇・部隊の名称が入る。ただし、転勤時には「大日本帝国海軍」とか「海上自衛隊」というものに差し替える。 戦時にも、所属がわからないように漠然とした「大日本帝国海軍」とか「海上自衛隊」に変えるらしい。
もちろん、英海軍仕込みの習慣である。英海軍系以外の海軍にもペンネントがある。フランス海軍も、赤いボンボンのついた水兵帽にペンネントをつけているし、ロシア海軍もつけていた。ないのは、米海軍くらいか。米海軍水兵は白帽になにもつけていない。
そしてペンネントが、日本でも海軍以外でも使われていた例がある。戦前の官報をみていたら関東都督府海務局が「舵取、油指、水夫、火夫」に「関東都督府」というペンネントをつけさせていた。
明治41年11月1日の、関東都督府告示101号であり、そこにペンネントが図示されている。ちなみに、関東都督府とは、中国東北部、遼東半島先端にある関東州を支配する役所である。南洋庁や樺太庁の親戚みたいなものだ。
今は下士官以上しかいないが、海上保安庁に水兵がいれば「海上保安庁」。水産庁に水兵相当がいれば「水産庁」というペンネントをつけることになる。
各県の漁業取締りや水上警察も似たようなものだ。警察に水兵相当がいれば「長野県水産部」や「埼玉県水上警察」とかいうペンネントをつけるのが本来の姿ということになる。