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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.09
26
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Category : 未分類
 北海道で鉄道は維持できるのか。

 JR北海道のトラブルが問題になっている。補修作業が必要なレールを放置するといった問題に、維持補修そのほかをしっかりやれと国交大臣が叱咤している状況(「JR北海道トラブル、国交省が連絡会議」)である。だが、そもそも不採算であるJR北海道に、しっかりした設備維持や更新をするお金を出せるのか。

 北海道には、鉄道に対する需要は少なく、鉄道事業を維持する収益も確保できないのではないか。

 北海道での人員輸送で、すでに鉄道は選択肢ではない。北海道への移動や、北海道からの移動は、まず航空機が選択されている。青森ほか北東北からの移動でも、自動車とフェリーがが選ばれる。鉄道を利用するのは、鉄道に乗ることを目的とした趣味的な観光旅行程度である。北海道内の移動も同じである。まず自動車が選択されている。鉄道は出る幕はない。一部の都市間移動に急行があるが、そこでも高速道路が使われている。

 北海道での貨物輸送でも、トラックがメインになっている。そもそも北海道から鉄道で運ぶようなものがない。かつては石炭や木材といった、鉄道輸送に向いた大重量低価格、いつ届いても構わない貨物があった。しかし、国産炭、国産材の時代は終わった。石炭も木材も、輸送費込みでも外国産が安い状況にある。農産物や水産物も鉄道輸送するようなものはない。高級品は航空輸送され、それ以外の品もトラックや船舶で冷凍・冷蔵の上で輸送されている。北海道に運び込む物資も、消費物資がメインであり、トラック輸送がメインになっている。

 ピギーバックそのほかの余地もない。日本の鉄道では大型トラックをピギーバック搭載できない。鉄道コンテナも効率はよくない。積み込み積み下ろしの手間が掛かり過ぎる。それなら本州各地からの船舶輸送と組み合わせたほうがよい。フェリーは大型トラックを迅速に搭載でき、コストもコンテナよりも安い。トレーラ置き去りもできる。トラックの自走も非常識と言うまでの距離でもない。

 北海道では、人員輸送でも貨物輸送でも鉄道は役割を終えている。JR北海道は設備を維持するよりも、鉄道事業をやめたほうが効率はよい。一部路線を残すにしても、採算から札幌以南・以西が限界だろう。おそらく、政治的な判断から、根本にある赤字構造を放置したまま、公費を突っ込むことになるが、それは問題を先延ばしにするだけの方策である。問題を根治するためには、鉄道を廃止するのが最も有効な施策である。
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