Category : ミリタリー
仮に対日戦で中国が全力で航空戦をやるとした場合、中国側の勝ち目は薄いのではないか。アラアラの計算ではあるが、開戦初日で実質パリティ、4日目でソーティ数で並び、8日目以降は日中戦力は逆転する。
日中の航空戦力は、質で超越する空自と、数で超越する解放軍空軍といった態勢にある。
空自側は質で優れる。戦闘機や兵装での性能、パイロットの技量や、整備能力、AWACSや空中給油機といった優位がある。対中戦での防空を考慮すると、洋上救難体制や、JADGEや陸海空対空ミサイルによる支援も優位にある。ただし、中国に対しては数で劣る。F-15は200、F-2(F-16改良型)は100と、約半分である。
中国空軍は、数で優れる。概ねF-15に対抗できると見られているSu-27系をざっと400、F-16系に対抗できると考えられているJ-10を250保有している。ただし、質的には日本に劣る。Su-27系統はF-15に勝るものではなく、J-10はF-16に優位に立つ機体ではない。中国空軍パイロットの飛行時間は相当短いといわれている。整備能力は特に高いという話はない。実用AWACSは持たず、空中給油機も少ない。また、対日戦での攻勢的航空戦を考慮すると、J-10は航続距離の限界に近く、余裕ある戦闘ができない。日本側とは違い、航空救難や防空システム、対空ミサイルによる支援は期待できない。
一概にどちらが優れているというわけでもない。仮に、日本が中国本土に空襲を掛けても、巧くはいかないだろう。Su-27やJ-10といった新鋭機だけでなく、J-7以降の旧式機も立ち向かってくるし、地対空ミサイルによる攻撃も考慮しなければならない。
ただし、日本での防空戦であれば、日本側が有利な態勢を確保できる。日中両空軍が日本周辺で戦闘するなら、日本側が優位は確実である。使用できる基地数や、そこから戦場までの距離、JADGE、SAM、空中給油、航空救難その他の支援で、日本側は優位にある。中国側としては、航空撃滅戦で戦闘機を地上撃破したいだろうが、日本側の航空基地や、転用可能な民間空港の数から、それらを覆滅するのは難しい。仮に、琉球列島や九州にある航空基地を叩いても、足の長い日本側航空機が本州ほかから防空戦参加を阻止できない。本州西部にある基地や、本州、四国や大東諸島の空港を転用した特設航空基地から、悠々と防空戦に参加する。
対日航空戦では、中国空軍は早期に戦力を損耗し、日本への航空戦が不可能になるのではないか。中国空軍は多数の作戦機を持っているが、態勢上の不利から日本周辺での消耗戦では分が悪い。仮に、日中の損耗比を1:3、日本機が1撃破される間に、中国機が3撃破される。航空戦1日あたり日本の損耗が5%、中国15%とすると、8日目で日中戦闘機数は209:208と同数となってしまう。
航空戦での数的優位も、中国側はなかなかとれない。中国側が数的優位が取れるのは、開戦第一撃だけである。
機体回転率を加味すると、航空戦では日本側が有利になる。日本側は防空戦で進出距離が短く、非常着陸も容易で疲労も少なく整備等後方支援に優れる。中国側はそれがない。日本側が1日3ソーティ、中国側が1日2ソーティとすると、初日の段階で中国はそれほど優位を取れない。中国が優位を取れるのは650機を集中運用できる第一撃だけになる。
ソーティ数でみれば、日本側は開戦第一日でもパリティを確保できる。機体の稼働率を無視した計算だが、日本は初日900ソーティを出せるが、中国は1300ソーティに留まる。空中での戦力比は1:1.4であるが、中国側の圧倒的優位ではない。日本側はJADGEにより優位な対勢を作れるし、SAMによる支援も得られる。中国側は基地攻撃やレーダサイト攻撃にも戦力を吸引される不利がある。日本側防空任務と中国側制空任務の機体数は、1:1に近いものになるだろう。
そして、4日目になると、日中の在空戦力比率は完全にパリティになる。日本側残存機257、771ソーティに対して、中国側残存機399、798ソーティと、ほぼ1:1になってしまう。これでは質的に優位にない中国側は、レーダサイトや航空基地を初め、軍港や交通結節点への対地攻撃の余裕は全くなくなる。対日航空戦をやる意味は相当に失われる。
8日目、日本側209機、627ソーティに対して、中国側208機、416ソーティと、日中比は1:0.66となる。航空機性能や、JADGEほか支援、稼働率を考慮すると、中国側には勝ち目がない。そもそも、ここまで消耗する前に中国側は対米戦や、日本側空襲、それ以外との戦闘に供えて戦力温存を図るだろう。

これに機体稼働率を加味すると、中国側はさらに悲惨になる。日本側稼働率を0.8、中国側を甘めに見て0.7とすると、一日早い3日目にソーティ数が648対656とパリティになる。東側航空機の耐久性や、その運用、整備思想から、稼働率が維持できるのは、実際は3日が限度となる。3日目以降の稼働率が、日本側0.7、中国側0.5に低下すると、8日目のソーティ数での戦力比率は450:200になってしまう。
また、日本側には、航空戦に使える予備戦力がある。50機のF-4も、防空任務に随時投入可能である。在日米軍の米空軍90機、海兵隊40機も、防空ほか航空撃滅戦や含む航空戦に投入可能である。空母に搭載される米海軍戦闘機約50機も、防空にもその他航空作戦にも参加できる。他にも、米国からの戦時増援は、少なくとも空軍戦闘機で50-100、空母1-2隻はある。
これらから、中国には全面対日戦は相当に困難である。仮に日中の損耗比や一日の損耗率、ソーティ数や稼働率が多少変動しても、中国空軍には対日航空戦での勝ち目はない。中国は対日戦で制空権を、言い方を変えれば絶対的航空優勢をとることはできない。※ それからすれば、中国軍による日本本土侵攻は初手で躓くということだ。中国脅威論で、日本本土防衛を云々してもこんなものである。
日本軍事力は強力であり、周辺国による本土上陸は無理な相談だということだ。本土防衛にしか使えない戦力を更に積み増しても無駄な話である。日本の安全保障上の問題はグローバル化している。陸自の戦車みたいな本土防衛にしか使えない戦力を作るよりも、その資源を外洋やその向こうで使える戦力に投入したほうが良い。
※ 尖閣諸島や先島諸島でも中国は制空権を打ち立てられない。仮に尖閣諸島での航空優勢が中国ベースになっても、日本側は任意の時期に航空戦力を集中運用することにより、航空優勢を奪うことができる。一時的な航空優勢で上陸戦なんかできやしないが、通り魔的な攻撃で上陸戦を頓挫させることはできる。
日中の航空戦力は、質で超越する空自と、数で超越する解放軍空軍といった態勢にある。
空自側は質で優れる。戦闘機や兵装での性能、パイロットの技量や、整備能力、AWACSや空中給油機といった優位がある。対中戦での防空を考慮すると、洋上救難体制や、JADGEや陸海空対空ミサイルによる支援も優位にある。ただし、中国に対しては数で劣る。F-15は200、F-2(F-16改良型)は100と、約半分である。
中国空軍は、数で優れる。概ねF-15に対抗できると見られているSu-27系をざっと400、F-16系に対抗できると考えられているJ-10を250保有している。ただし、質的には日本に劣る。Su-27系統はF-15に勝るものではなく、J-10はF-16に優位に立つ機体ではない。中国空軍パイロットの飛行時間は相当短いといわれている。整備能力は特に高いという話はない。実用AWACSは持たず、空中給油機も少ない。また、対日戦での攻勢的航空戦を考慮すると、J-10は航続距離の限界に近く、余裕ある戦闘ができない。日本側とは違い、航空救難や防空システム、対空ミサイルによる支援は期待できない。
一概にどちらが優れているというわけでもない。仮に、日本が中国本土に空襲を掛けても、巧くはいかないだろう。Su-27やJ-10といった新鋭機だけでなく、J-7以降の旧式機も立ち向かってくるし、地対空ミサイルによる攻撃も考慮しなければならない。
ただし、日本での防空戦であれば、日本側が有利な態勢を確保できる。日中両空軍が日本周辺で戦闘するなら、日本側が優位は確実である。使用できる基地数や、そこから戦場までの距離、JADGE、SAM、空中給油、航空救難その他の支援で、日本側は優位にある。中国側としては、航空撃滅戦で戦闘機を地上撃破したいだろうが、日本側の航空基地や、転用可能な民間空港の数から、それらを覆滅するのは難しい。仮に、琉球列島や九州にある航空基地を叩いても、足の長い日本側航空機が本州ほかから防空戦参加を阻止できない。本州西部にある基地や、本州、四国や大東諸島の空港を転用した特設航空基地から、悠々と防空戦に参加する。
対日航空戦では、中国空軍は早期に戦力を損耗し、日本への航空戦が不可能になるのではないか。中国空軍は多数の作戦機を持っているが、態勢上の不利から日本周辺での消耗戦では分が悪い。仮に、日中の損耗比を1:3、日本機が1撃破される間に、中国機が3撃破される。航空戦1日あたり日本の損耗が5%、中国15%とすると、8日目で日中戦闘機数は209:208と同数となってしまう。
航空戦での数的優位も、中国側はなかなかとれない。中国側が数的優位が取れるのは、開戦第一撃だけである。
機体回転率を加味すると、航空戦では日本側が有利になる。日本側は防空戦で進出距離が短く、非常着陸も容易で疲労も少なく整備等後方支援に優れる。中国側はそれがない。日本側が1日3ソーティ、中国側が1日2ソーティとすると、初日の段階で中国はそれほど優位を取れない。中国が優位を取れるのは650機を集中運用できる第一撃だけになる。
ソーティ数でみれば、日本側は開戦第一日でもパリティを確保できる。機体の稼働率を無視した計算だが、日本は初日900ソーティを出せるが、中国は1300ソーティに留まる。空中での戦力比は1:1.4であるが、中国側の圧倒的優位ではない。日本側はJADGEにより優位な対勢を作れるし、SAMによる支援も得られる。中国側は基地攻撃やレーダサイト攻撃にも戦力を吸引される不利がある。日本側防空任務と中国側制空任務の機体数は、1:1に近いものになるだろう。
そして、4日目になると、日中の在空戦力比率は完全にパリティになる。日本側残存機257、771ソーティに対して、中国側残存機399、798ソーティと、ほぼ1:1になってしまう。これでは質的に優位にない中国側は、レーダサイトや航空基地を初め、軍港や交通結節点への対地攻撃の余裕は全くなくなる。対日航空戦をやる意味は相当に失われる。
8日目、日本側209機、627ソーティに対して、中国側208機、416ソーティと、日中比は1:0.66となる。航空機性能や、JADGEほか支援、稼働率を考慮すると、中国側には勝ち目がない。そもそも、ここまで消耗する前に中国側は対米戦や、日本側空襲、それ以外との戦闘に供えて戦力温存を図るだろう。

これに機体稼働率を加味すると、中国側はさらに悲惨になる。日本側稼働率を0.8、中国側を甘めに見て0.7とすると、一日早い3日目にソーティ数が648対656とパリティになる。東側航空機の耐久性や、その運用、整備思想から、稼働率が維持できるのは、実際は3日が限度となる。3日目以降の稼働率が、日本側0.7、中国側0.5に低下すると、8日目のソーティ数での戦力比率は450:200になってしまう。
また、日本側には、航空戦に使える予備戦力がある。50機のF-4も、防空任務に随時投入可能である。在日米軍の米空軍90機、海兵隊40機も、防空ほか航空撃滅戦や含む航空戦に投入可能である。空母に搭載される米海軍戦闘機約50機も、防空にもその他航空作戦にも参加できる。他にも、米国からの戦時増援は、少なくとも空軍戦闘機で50-100、空母1-2隻はある。
これらから、中国には全面対日戦は相当に困難である。仮に日中の損耗比や一日の損耗率、ソーティ数や稼働率が多少変動しても、中国空軍には対日航空戦での勝ち目はない。中国は対日戦で制空権を、言い方を変えれば絶対的航空優勢をとることはできない。※ それからすれば、中国軍による日本本土侵攻は初手で躓くということだ。中国脅威論で、日本本土防衛を云々してもこんなものである。
日本軍事力は強力であり、周辺国による本土上陸は無理な相談だということだ。本土防衛にしか使えない戦力を更に積み増しても無駄な話である。日本の安全保障上の問題はグローバル化している。陸自の戦車みたいな本土防衛にしか使えない戦力を作るよりも、その資源を外洋やその向こうで使える戦力に投入したほうが良い。
※ 尖閣諸島や先島諸島でも中国は制空権を打ち立てられない。仮に尖閣諸島での航空優勢が中国ベースになっても、日本側は任意の時期に航空戦力を集中運用することにより、航空優勢を奪うことができる。一時的な航空優勢で上陸戦なんかできやしないが、通り魔的な攻撃で上陸戦を頓挫させることはできる。
スポンサーサイト