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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.10
20
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Category : ミリタリー
 74式戦車の部品再生産は、容易に実現可能である。

 前に「74式戦車の部品の再生産はできない、予算は単歳だけど再生産は1年では終わらない」という半端な知識をひけらかす人がいた。普通に国債で契約できると教えたのだが、調べてみると実際に国債でやっている。

 ちなみに国債とは国庫債務負担行為のことで、国が1つの契約の履行期限を2-5年とするもの。普通は2-3年で、それぞれ2国、3国と呼ぶ。ミサイル艇は3国、掃海艇は4国。護衛艦と潜水艦は5年だが、これは国債ではなく特例の艦艇継続費でやっている。艦艇建造は年度ごとの支払いがバラつくが、国債だと年度支払いの標準があるが、

 平成25年度の一般会計予算をみると、武器車両等整備費用は最長の5年国債になっている。25年予算では、戦車や装甲車を購入する武器購入費も5国である。例の水陸両用車、AAVP-7、昔のLVTP-7を買う話があるので、輸入につきものの納期トラブルを防ぐために、このあたりは5年にしているのだろう。やる気になれば、明許繰越と事故繰越を使えば、この予算は7年まで引き延ばすこともできる。明許と事故繰は昔やったことがあるが、面倒だが難しいというほどでもない。

 武器車両整備費が5年国債なら、その枠内に74式の部品再生産を入れれば5年、伸ばして7年でできるということだ。もちろん、全ての整備費が5国というわけでもなく、中には単歳や2国・3国も含まれている。だが、枠の最長が5国なら、74式の部品再生産でも、理由を立てれば5国にするのは難しくない。

 車両については、輸入でなくとも国債にしている例もある。国産大型トラックは納期の関係で2国とされている。大型トラックで理由が立っているなら、戦車用部品調達でも理由は立つ。

 「74式は寿命だ、足回りやらエンジンやら」も、結局はやるべき整備をやっていないだけの話だ。確かに、油気圧式のサスペンションも面倒だろうし、エンジンは12ZC系列で素性は悪い。

 だが、エンジンと足回りに高度整備を施せば、74式はまだまだ使える。砲は機動戦闘車と同じである。FCSにしても、L-7は中距離までなら直接照準でも命中率に大差はない。装甲も、機動戦闘車よりも丈夫である。

 もちろん、戦車は余っている。90式戦車が350両、10式が50両もあれば、74式はなくても良い。ただ、74式の過半は製造から30年も経っていない。その足回りとエンジンに高段階整備を施せば、別に10式も機動戦闘車も新しく作る必要はなくなる。本土防衛やら警備所要は大したものではない。また、その優先度も低い。74式でも性能は充分であるし、無駄に高い新車両を買うよりも既存品を活用したほうが経済的である。
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