Category : ネトウヨ批判
これは頭の悪い出羽守ではないのか?
「ドイツでは~」といっているが、外地との比較では、日本本土のほうが悪条件であることを、全く考慮に入れていない。
「心温まる日本の難民救出」だが、dragonerさん以下の理解はあまりにも表層的に過ぎる。中でも一番表層的な理解は、次の「ドイツでは~」だ。
戦争末期に、外地国民の内地帰還が出来なかったこと指して「ドイツと比較して日本は国民保護の観点に欠ける」とするのは、妥当ではない。dragonerさん以下は、その背後にあった条件を全て無視している。
昭和20年では、内地よりも外地の方が安全であった。この事実を無視して「ドイツでは」とするのは、相当に乱暴である。外地邦人の安全確保といった面で見れば、内地還送の利は薄い。具体的に整理すれば次の3つに集約される。
1 本土決戦の危険性:内地は本土決戦で戦場になるが危険性ある
2 食料の問題:内地は飢餓線上にあるため健康上の問題がある
3 海上輸送力の喪失:当時は船舶輸送力そのものを喪失しており、海上輸送でのリスクが高い
実際、当時は、政府も外地邦人も、これらの理由から外地残留が内地に還送よりも安全であり、有利と判断している。
・1 本土決戦の危険性
当時の日本が、表向きに本土決戦構想を維持していた点考慮していない点、Dragonerさん以下甘すぎる。当時は、外地よりも内地の方が危険であった。本土決戦では、全内地を戦場にする建前であり、民間人を義勇隊として防衛戦投入すら考慮されており、大量死傷も已むを得ないとされていた。対して、朝鮮、台湾、樺太、関東州等の外地や、大陸での日本占領区域は保持出来る見込みをもった比較的安全な後方地域であり、本土決戦以降に戦争継続をする上での策源地になると考えられていた。外地に居る民間人保護の方策として、昭和20年7月までの段階で、内地還送をしなかった点を非難することは妥当ではない。
・2 食糧の問題
内地での食料問題を考慮していない点も甘すぎる。日華事変から内地の食糧事情はすでに厳しくなっている。さらに昭和20年度以降は、内地の食糧事情は更に悪化している。昭和20年度は、配給でも、最低限と考えられた穀物換算2合6勺も達成でない状況にあった。昭和20年度当時には、農業生産も食料品物流も麻痺している。本土決戦準備で農民含めて根こそぎ動員され、肥料生産も火薬製造にほぼ吸い取られ、少量できた肥料も飛行場整備に取られている。物流はもっと悲惨で、生産段階から末端まで全て麻痺している。トラックや馬の不足による小口輸送や、基幹となる船舶輸送の破綻、限界を超えた鉄道輸送といった問題があった。むしろ外地の食糧事情は戦時下でも良好であった。朝鮮、台湾、樺太、関東州と、いずれの地域でも食料や、石炭等の生活必需品入手は内地よりも格段に有利であった。食糧事情でも有利な外地に残すことが、在外邦人保護としては好ましい状態であった。
・3 海上輸送力の喪失
そして、昭和20年には、外地邦人を内地に送る手段がほぼ途絶している。この時期には、まともな外洋船舶はない。昭和19年には船団に汚穢船まで組み込む状況である。太平洋沿岸域に艦載機による空襲を受け、機雷による航行不能船舶も頻発した昭和20年には動かす船がない。仮に動かせる船があっても、沖縄方面以南への航路は途絶している。東シナ海や関釜航路、日本海航路も、内地側港湾は悉く機雷で封鎖されている。そもそも、瀬戸内海に残った船舶も、関門や大阪湾機雷封鎖により動けない状況にあった。仮に船腹に都合をつけてたとしても、潜水艦や機雷、航空攻撃にさらされる海上輸送を行うことは、在外邦人保護の面から妥当な判断ではない。
dragonerさん以下による「ドイツでは~」とする批判は、これらの点を検討しない表層的な理解である。外地在留邦人の問題について、満州の事例をクローズアップして内地送還を行わかなったことを批判している。だが、7月までの判断としては、北満地域(2月には民間人引き上げを計画していたが、実施しなかった)はともかくとして、全般的な判断としては外地残留が妥当である。また、8月、ソ連参戦以降には、やろうとしても輸送力がなかったという問題に行き当たる。満州以外でみれば、戦後まで外地に残った方が正解である地域も多い。終戦後も、台湾や朝鮮、樺太、上海では残留が有利と考える日本人は多く存在している。特に在台日本人は、食糧事情がよく、治安も良いために民国軍が上陸してきても、なお将来的に台湾に居住するつもりであった。
別に、樺太や張家口からの民間人救出事例を無視している点でも、dragonerさん以下による「ドイツでは~」は批判として表層的である。樺太やではソ連参戦以降、北海道への疎開が始まり、終戦後にも継続した事実がある。張家口でも駐蒙軍は終戦後なおソ連と戦闘を続け、在留邦人を国府支配地域に逃している。それを無視して「ドイツではソ連占領区域から助けたが、日本はそれをしなかった」とするのは、乱暴な結論だろう。
ただ、この話で一番興味深い点は、dragonerさんがする言動の盾である。dragonerさんは、平時において一般国民への惻隠の情もないのに、国家が戦時に一般国民を守ることを力説している点は指摘するべきだろう。dragonerさんは、今、起きてもいない「戦時日本の国民保護問題」に「ブチ切れ」ている。
「ドイツでは~」といっているが、外地との比較では、日本本土のほうが悪条件であることを、全く考慮に入れていない。
「心温まる日本の難民救出」だが、dragonerさん以下の理解はあまりにも表層的に過ぎる。中でも一番表層的な理解は、次の「ドイツでは~」だ。
内田弘樹@uchidahiroki
ドイツ海軍のように「バルト海沿岸から難民を必死で脱出させました!」みたいな「誰にも否定しがたい正義」(いやまぁこれもネオナチの錦の御旗になっちゃったりいろいろアレなんですが)を掲げられなかった軍隊というのは、直視するのは辛いモノです。
https://twitter.com/uchidahiroki/status/391579288199114752
dragoner@dragoner_JP
ドイツよりも遥かに広い地域に同胞バラ撒いておいて、あれですもの…… RT @uchidahiroki @dragoner_JP 戦時中のドイツ海軍みたいに「難民を脱出させるために頑張りました!」というエピソードさえまともにないあたり嫌ですよね。
https://twitter.com/dragoner_JP/status/391579312253456385
戦争末期に、外地国民の内地帰還が出来なかったこと指して「ドイツと比較して日本は国民保護の観点に欠ける」とするのは、妥当ではない。dragonerさん以下は、その背後にあった条件を全て無視している。
昭和20年では、内地よりも外地の方が安全であった。この事実を無視して「ドイツでは」とするのは、相当に乱暴である。外地邦人の安全確保といった面で見れば、内地還送の利は薄い。具体的に整理すれば次の3つに集約される。
1 本土決戦の危険性:内地は本土決戦で戦場になるが危険性ある
2 食料の問題:内地は飢餓線上にあるため健康上の問題がある
3 海上輸送力の喪失:当時は船舶輸送力そのものを喪失しており、海上輸送でのリスクが高い
実際、当時は、政府も外地邦人も、これらの理由から外地残留が内地に還送よりも安全であり、有利と判断している。
・1 本土決戦の危険性
当時の日本が、表向きに本土決戦構想を維持していた点考慮していない点、Dragonerさん以下甘すぎる。当時は、外地よりも内地の方が危険であった。本土決戦では、全内地を戦場にする建前であり、民間人を義勇隊として防衛戦投入すら考慮されており、大量死傷も已むを得ないとされていた。対して、朝鮮、台湾、樺太、関東州等の外地や、大陸での日本占領区域は保持出来る見込みをもった比較的安全な後方地域であり、本土決戦以降に戦争継続をする上での策源地になると考えられていた。外地に居る民間人保護の方策として、昭和20年7月までの段階で、内地還送をしなかった点を非難することは妥当ではない。
・2 食糧の問題
内地での食料問題を考慮していない点も甘すぎる。日華事変から内地の食糧事情はすでに厳しくなっている。さらに昭和20年度以降は、内地の食糧事情は更に悪化している。昭和20年度は、配給でも、最低限と考えられた穀物換算2合6勺も達成でない状況にあった。昭和20年度当時には、農業生産も食料品物流も麻痺している。本土決戦準備で農民含めて根こそぎ動員され、肥料生産も火薬製造にほぼ吸い取られ、少量できた肥料も飛行場整備に取られている。物流はもっと悲惨で、生産段階から末端まで全て麻痺している。トラックや馬の不足による小口輸送や、基幹となる船舶輸送の破綻、限界を超えた鉄道輸送といった問題があった。むしろ外地の食糧事情は戦時下でも良好であった。朝鮮、台湾、樺太、関東州と、いずれの地域でも食料や、石炭等の生活必需品入手は内地よりも格段に有利であった。食糧事情でも有利な外地に残すことが、在外邦人保護としては好ましい状態であった。
・3 海上輸送力の喪失
そして、昭和20年には、外地邦人を内地に送る手段がほぼ途絶している。この時期には、まともな外洋船舶はない。昭和19年には船団に汚穢船まで組み込む状況である。太平洋沿岸域に艦載機による空襲を受け、機雷による航行不能船舶も頻発した昭和20年には動かす船がない。仮に動かせる船があっても、沖縄方面以南への航路は途絶している。東シナ海や関釜航路、日本海航路も、内地側港湾は悉く機雷で封鎖されている。そもそも、瀬戸内海に残った船舶も、関門や大阪湾機雷封鎖により動けない状況にあった。仮に船腹に都合をつけてたとしても、潜水艦や機雷、航空攻撃にさらされる海上輸送を行うことは、在外邦人保護の面から妥当な判断ではない。
dragonerさん以下による「ドイツでは~」とする批判は、これらの点を検討しない表層的な理解である。外地在留邦人の問題について、満州の事例をクローズアップして内地送還を行わかなったことを批判している。だが、7月までの判断としては、北満地域(2月には民間人引き上げを計画していたが、実施しなかった)はともかくとして、全般的な判断としては外地残留が妥当である。また、8月、ソ連参戦以降には、やろうとしても輸送力がなかったという問題に行き当たる。満州以外でみれば、戦後まで外地に残った方が正解である地域も多い。終戦後も、台湾や朝鮮、樺太、上海では残留が有利と考える日本人は多く存在している。特に在台日本人は、食糧事情がよく、治安も良いために民国軍が上陸してきても、なお将来的に台湾に居住するつもりであった。
別に、樺太や張家口からの民間人救出事例を無視している点でも、dragonerさん以下による「ドイツでは~」は批判として表層的である。樺太やではソ連参戦以降、北海道への疎開が始まり、終戦後にも継続した事実がある。張家口でも駐蒙軍は終戦後なおソ連と戦闘を続け、在留邦人を国府支配地域に逃している。それを無視して「ドイツではソ連占領区域から助けたが、日本はそれをしなかった」とするのは、乱暴な結論だろう。
ただ、この話で一番興味深い点は、dragonerさんがする言動の盾である。dragonerさんは、平時において一般国民への惻隠の情もないのに、国家が戦時に一般国民を守ることを力説している点は指摘するべきだろう。dragonerさんは、今、起きてもいない「戦時日本の国民保護問題」に「ブチ切れ」ている。
dragoner@dragoner_JPだが、実際に起きた原発事故で故郷を追われた人々には、国家のために「産業の空洞化はさけるべき」だ「だから原発、必要」だとも言い放っている。
昨日、私がブチ切れたのは、戦時日本の国民保護問題を僅かな例外から肯定する人間は、未来の日本人を殺す存在になるという確信があるからです
https://twitter.com/dragoner_JP/status/391903541654077440
dragoner@dragoner_JP軍事に絡むことでは国民の安全、感情を主張し、原子力では現実に安全と安寧を奪われた被害者に「わりかし言えます」という。dragonerさんの矛盾は、非常に興味ふかいものである。
わりかし言えます RT @noiehoie: 耐え難きを耐え忍び難きを忍んで故郷を追われた人々や、生まれ来る子供の健康を心配する妊婦や、死と隣り合わせの労働を強いられる原発労働者に、「いやー、産業の空洞化はさけるべきでしょ?だから原発、必要でしょ?」とか、お前ら言えるのか?
https://twitter.com/dragoner_JP/status/89690064224911360
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