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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.11
11
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Category : ネトウヨ批判
 NHK経営委員には、安倍首相のオトモダチが就任するというが、それは妥当なのか。日経「NHK経営委員に百田氏ら、国会同意 衆参が可決」※ で国会同意人事の可決が報じられている。その人選に関する中立性の怪しさは、前にJ-CASTニュース※※ で報じられている。

 中でも、百田尚樹さんについては、政治的なバイアスで経営に関与するのではないか。百田さんは娯楽小説家として知られているが、その政治的主張にはキツイものがある。

 最近では、右翼誌での記事が相当にキツイ。『ジャパニズム』に掲載された「完成した『永遠の0』を試写室で見たら、どんどん涙が流れて止まらなかった」がそれだ。『ジャパニズム』は経営が厳しい青林堂が、そろばんづくで出した右派誌なので、そのキツさはなかなかのものである。どれくらいかといえば、幸福実現党のPRマンガが掲載されているほどである。

 その「完成した『永遠の0』を…」で、百田さんは「満州は中華民国に帰属しない」と述べている。ワシントン会議での九ヶ国条約で、どこの勢力圏にも属さないとされたのがその主張である。
百田 そもそも大正十一年(1922)のワシントン会議の九ヵ国条約でも、満洲は中華民国に帰属するかどうか当時の国際上では分からかなかった
「完成した『永遠の0』を試写室で見たら、どんどん涙が流れて止まらなかった」p.6
後の満洲事変を、侵略ではないと肯定するニュアンスであり、あたかも満洲が「無主の地」であったかのような主張である。

 しかし、九ヶ国条約に至る経緯は、中国での列強権益を調整するものである。そこで本来の当事者である中華民国や、満洲代表の意見はまともに取り上げられていない。それを盾にして、満州事変以降は合法的であると言うのは妥当ではない。しかも、それを今日に述べて、侵略ではないと主張するのは、軋轢を生むだけで無意味な主張である。だいたい、侵略でないというのなら、日本は大陸に良いことをしに行ったとでもいうのだろうか?

 NHK経営委員には、NHK執行部への権能をもって、NHK報道に影響を及ぼしうる立場にある。安倍首相は、前の内閣の時からNHKの中立性や公共性に対して政治的影響力を及ぼそうとしている。百田さんや他の経営委員は、その安倍首相の意向で送り込まれた委員である。既に述べたように、平生の言動から政治的中立性には怪しいところがある。いずれは自虐史観云々でやらかしてくれるだろう。



※ 「NHK経営委員に百田氏ら、国会同意 衆参が可決」『日本経済新聞』(日経新聞,2013.11.8)http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0800C_Y3A101C1MM0000/

※※ 「NHK経営委員に仰天『安倍人事』 百田尚樹、長谷川三千子氏ら『保守派論客』メンバー」『J-CASTニュース』(ジェイ・キャスト,2013.10.25)http://www.j-cast.com/2013/10/25187271.html

※※※ 「完成した『永遠の0』を試写室で見たら、どんどん涙が流れて止まらなかった」『ジャパニズム』(青林堂,2013.8)p.p.5-15
    青林堂は、『ガロ』の会社だが、もともと経営的にアレなので、最近はこの手の出版を行っている。ソロバンずくであれば救いようがあるのだけれども。
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