Category : ミリタリー
海自では適格性審査で、前々から余計なことを調べている。適格性審査というのも、これは「秘の取扱資格」とか「特特防」言うやつで、5年だか7年だか毎に更新するものだ。その審査の時には、報道されたとおり思想信条友人関係を書けと言われる。「衆院特別委:『海自で思想調査や通話記録提出誓約の疑い』」※で指摘された調査とはそんなものだ。
なに、落ちるように書く奴はいない。まず、自分から宗教団体や所属団体を書く奴はいない。友人関係も外国人の友人や、政治的活動している奴がいるなんて書かない。
それで構わない。自衛隊側の資料と突き合わせて矛盾しなければ分からない。ちなみに自衛隊側も、特に入隊するときにある程度は調べ上げられている。赤表紙(人事記録)には、ヤバイ宗教や団体なら、親の宗教や政治団体まで書いてある。たとえば「父親、矛の会[仮名](右翼結社)」とか「おたふく教団[仮名](政府転覆を標榜)」とハッキリあるので、そこは逃げられない。だが、そこを逃げ切ればノーチェックである。また、友人関係なんかは調べようもない。仮に、他国の外交官や、国内活動家と友人であっても、偶然でもない限り分からない。※※
だから、適当に書く。そして、適当に書いても海自は分からないので、キチンと適格性は降りる。よくあるのが、結婚する段になって外国人との親密なお付き合いが分かる例である。本人が言い出すまで、中国人、韓国人のオネーチャンと付き合っていたことなんかわからない。以降は適格性は降りないが、逆に言えばそれまでは降りる。ちなみに、2佐で中国人、フィリピン人のオカミさんがいる人もいた。それでも寿命を縮める海幕勤務を免れないのは海自の人員不足を如実に示している。
ただ、気に喰わないのは、海自や自衛隊は、そのあたりを命令論理でどうこうしようとするところである。ただし、リアルで内面に入り込むことには、隊員も抵抗する。
イージス事件で、パソコンにウィニーが入っていないことをチェックしろといわれた時には、己は「クリーンインストールしたPC持ってこい」と指示した。べつに「ファミコンでもピュータでもいい」とも言った。これは他所も「調べたことにした」と同じようなことをしたらしい。
薬物事件のあとに、抜き打ち薬物検査をやることになった時にも、事前周知や拒否の話をできるだけした。具体的にはよくわからないのだが。体毛で見るらしいとか、ヤバそうなのいたら国立下総療養所に放り込めば内緒治療できるんじゃないのとか、拒否してもクビにはならんだろうという話をしておいた。まあ、やってなければ問題ないんだけどね。
部下の携帯チェックと言う話もあった。海自ではなく、統幕のときだが、どうでもいい「心の相談室の電話番号入れろ、それを確認しろ」とする指示は全部やったことにした。これは、己の付幹部(2陸尉)も「やりすごしましょう」と賛同したので、三幕共通だろう。入れるなら各都道府県の当番弁護士のほうが役に立つだろうに。
おおむね各現場でも、適当にやりすごしている。話を聞いても「真面目に調べて面倒なことになるのはゴメンだ」とか「自衛隊にはそこまで調べる権限はないだろう」という。昔の上司は「組織が性悪説に立ったらオシマイ」とも言っていた。現場は、頭の悪い幹部、硬直的な幹部を除けば健全である。
ただ、上層部が個人の内面に踏み込むことの危険性を承知していないのは、ヤバイ。命令すればなんでもできると思っている思いあがりがある。それが露呈したのが、今回の国会での指摘だろう。
いつものことだが、上層部の頭の悪いヤツは、自分たちの指示が悪いとは考えない。それを部外に漏らしたことが悪い。やったのは誰かと犯人探しをしようとする。だが、この手の調査では散々反感を買っている。記入要領なんて「この通りに書け」と各個人に配るものだ。上は1佐から下は2士まで、だれでもできる。わかるはずもない。
※ 衆院特別委:『海自で思想調査や通話記録提出誓約の疑い』」『毎日JP』(毎日新聞,2013.11.11)http://mainichi.jp/select/news/20131112k0000m010066000c.html
※※ 情報保全は成果やその品質も見られない仕事である。成果を挙げた話も聞かない。特に数を捌かなければならない適格性審査は、綿密にやっているとも思えない。この辺りはまず見つけられないだろう。
なに、落ちるように書く奴はいない。まず、自分から宗教団体や所属団体を書く奴はいない。友人関係も外国人の友人や、政治的活動している奴がいるなんて書かない。
それで構わない。自衛隊側の資料と突き合わせて矛盾しなければ分からない。ちなみに自衛隊側も、特に入隊するときにある程度は調べ上げられている。赤表紙(人事記録)には、ヤバイ宗教や団体なら、親の宗教や政治団体まで書いてある。たとえば「父親、矛の会[仮名](右翼結社)」とか「おたふく教団[仮名](政府転覆を標榜)」とハッキリあるので、そこは逃げられない。だが、そこを逃げ切ればノーチェックである。また、友人関係なんかは調べようもない。仮に、他国の外交官や、国内活動家と友人であっても、偶然でもない限り分からない。※※
だから、適当に書く。そして、適当に書いても海自は分からないので、キチンと適格性は降りる。よくあるのが、結婚する段になって外国人との親密なお付き合いが分かる例である。本人が言い出すまで、中国人、韓国人のオネーチャンと付き合っていたことなんかわからない。以降は適格性は降りないが、逆に言えばそれまでは降りる。ちなみに、2佐で中国人、フィリピン人のオカミさんがいる人もいた。それでも寿命を縮める海幕勤務を免れないのは海自の人員不足を如実に示している。
ただ、気に喰わないのは、海自や自衛隊は、そのあたりを命令論理でどうこうしようとするところである。ただし、リアルで内面に入り込むことには、隊員も抵抗する。
イージス事件で、パソコンにウィニーが入っていないことをチェックしろといわれた時には、己は「クリーンインストールしたPC持ってこい」と指示した。べつに「ファミコンでもピュータでもいい」とも言った。これは他所も「調べたことにした」と同じようなことをしたらしい。
薬物事件のあとに、抜き打ち薬物検査をやることになった時にも、事前周知や拒否の話をできるだけした。具体的にはよくわからないのだが。体毛で見るらしいとか、ヤバそうなのいたら国立下総療養所に放り込めば内緒治療できるんじゃないのとか、拒否してもクビにはならんだろうという話をしておいた。まあ、やってなければ問題ないんだけどね。
部下の携帯チェックと言う話もあった。海自ではなく、統幕のときだが、どうでもいい「心の相談室の電話番号入れろ、それを確認しろ」とする指示は全部やったことにした。これは、己の付幹部(2陸尉)も「やりすごしましょう」と賛同したので、三幕共通だろう。入れるなら各都道府県の当番弁護士のほうが役に立つだろうに。
おおむね各現場でも、適当にやりすごしている。話を聞いても「真面目に調べて面倒なことになるのはゴメンだ」とか「自衛隊にはそこまで調べる権限はないだろう」という。昔の上司は「組織が性悪説に立ったらオシマイ」とも言っていた。現場は、頭の悪い幹部、硬直的な幹部を除けば健全である。
ただ、上層部が個人の内面に踏み込むことの危険性を承知していないのは、ヤバイ。命令すればなんでもできると思っている思いあがりがある。それが露呈したのが、今回の国会での指摘だろう。
いつものことだが、上層部の頭の悪いヤツは、自分たちの指示が悪いとは考えない。それを部外に漏らしたことが悪い。やったのは誰かと犯人探しをしようとする。だが、この手の調査では散々反感を買っている。記入要領なんて「この通りに書け」と各個人に配るものだ。上は1佐から下は2士まで、だれでもできる。わかるはずもない。
※ 衆院特別委:『海自で思想調査や通話記録提出誓約の疑い』」『毎日JP』(毎日新聞,2013.11.11)http://mainichi.jp/select/news/20131112k0000m010066000c.html
※※ 情報保全は成果やその品質も見られない仕事である。成果を挙げた話も聞かない。特に数を捌かなければならない適格性審査は、綿密にやっているとも思えない。この辺りはまず見つけられないだろう。
スポンサーサイト