Category : ミリタリー
アレな幹部には際限がない。
自分で判断できないので「許可がないからできない」という奴は結構いる。それなら、適当な奴から許可みたいな言質をとれば良さそうなものだが、それすらしようとしない。「前例がないのでやり方が分からない」というのもアレだ。それなら自分で関係者が誰か調べて、話つければいいのだが、それもしようとしない。
ただ、この程度は可愛いもので、中には箸棒にもかからないのがいる。一番ひどいとおもったのは、横須賀に転勤してきた初任幹部。そもそも、晴海から横須賀への道を聞いてくるところからアレだった。
この箸棒幹部、前々日に艦艇からインマルで電話を掛けてきた。衛星電話インマルサットは目の玉の飛び出る通話料がする。あるところでも、緊急時以外は許可制だった。通信抑制のためか、管制額も書いてあった。練習艦隊から、そのインマルで着任後の話をするのだから尋常ではない。インマルなので「着いてから電話しろ、まず当日こっちに来てから休暇処理」とだけ言ってサッサと切った。あとから考えれば、あまりにアレで着任もアヤシイので艦艇側から電話をさせたのだろう。
そして晴海入港のあとに、公衆電話か何かで電話を掛けてきた。晴海なので、防衛省回線の港湾電話ではないはず。その電話で、晴海から横須賀に行くにはどうしたらいいのかを尋ねられた時には、完全にヤバイと思った。何を言っても要領を得ない。そんなどうでもいい話でガタガタ抜かすので「横須賀に行く同期あとくっついてくればいいだろ」とか、最後には「左手で海岸線を触りながら海自につくまで歩け」と言った。
ご本尊は現物も酷かった。まず、電話が取れない。取り方がわからないのではない。課長の内線電話でも不在なら「課長卓上、◯◯3尉、課長は不在ですがご用件は」と言えと言っても、他人の電話(回線)に出ることはできないと言って取ろうとしない。配布資料を複写してくれといっても、ご本尊が座る脇にあるコピー機なのに「使っていいのか分からない」という。取らせても、ソート機能やホチキスまであるのに、酷いものだった。
人事分隊士の仕事もアレだった。
まず、黒表紙と赤表紙の管理ができなかった。アレは金庫の中に放り込んで置くのだが、その前に御本尊は点検表なぞ作って張っている。その点検表に、日時と自署と押印している。だが、赤黒使うのはそいつしかいない。そんなの、自署も押印もいるはずもない。気になるなら、自分のノートに「◯月◯日全数チェック異常なし」とでも書けばよい。そして、その前に分隊士業務をやっていた己が、黒全部、赤全部をそれぞれ一つの箱に入れて散逸しないようにしていたのを、わざわざ階級別にわけて別の金庫にしまおうとしていた。曹長、1曹×1、2曹×3、3曹×3の職場でそんな事する必要もない。
事務的事項も処理できない。人事配置の都合上「この人は艦艇勤務何年、航空勤務に何年、部外機関に何年」と書くところがある。その航空勤務のところで「航空基地隊勤務だから航空要員ではないのか」と愚問を発する。「それは旧陸軍で言う空中勤務者だ、グランドクルーは含まれない」と言っても、根拠を教えてくれという。それこそ、お前が根拠を探すなり、人事に聞けば良い話だろうと呆れた。もちろん、海曹の生年月日と序列と入隊期別、現階級昇任日、家族構成なんか暗記してもいない。普通に分隊士していれば、50人程度わけもなく覚えられるものなのだがね。
その海曹との関係も酷かった。学部で7年掛けて卒業したのはともかく、大学出たてが海曹に対して上位者としての命令ずくで振る舞おうとするのはアレだった。課内であれば、どうにかできるが、課の外でもその面だからどうしようもない。
甲板士官的な仕事も当然駄目。海曹寄越せと言って自分では作業をしようとしない。大きな艦艇ならそれもいいが、海曹8人しかいない繁忙部署でそれはない。課長以下で草むしりしているときにも、自分は作業をしようとしない。その頃には、まあ、味噌っかすだからと面倒なので皆で放置していた。
本番の仕事は、推して知るべしなので、危ないので業者打合や行政折衝、予算関連、監査検査は触らせなかった。これ位ならできるだろうし、失敗してもいいだろうと、各地区の正門現状写真と、正門幅(突入阻止器材のボラード整備関連だった)をしらべさせようとしても駄目。カメラと測量に使う海曹と、車を出せと宣う。メンドイので、幅だけでいい、巻き尺と自転車を渡して、近所はこれで調べてこい、教育隊はバス券やるといった。そうすると、わざわざそれぞれの部署に電話してから、午前に1ヶ所行って帰って戻って数値を記入、午後に1ヶ所いって数値を記入していた。その数字もメチャクチャ、cm単位で書いてあるのに、m単位の誤りがあるという代物だった。
最初は、課先任幹部から「文谷おまえキチンと教えているのか」と怒られたが、その先任幹部に指導を譲ったあとには「こないだはゴメン、俺が悪かった、昼飯おごるよ」と言われたよ。
思い出したが、決済終わった後の休暇線表を弄られたことがあった。己が課の線表を作り、部長決済までとった線表だが、休暇開始以降に変更された。なんか、仕事をしたかったのでやったらしい。その中で、当直士官の予定も勝手に入れ替えられた。1月1日当直の予定を、31日に代えられた。31日の人も勝手に30日に入れ替えられていた。お陰で、大変なことになったのだが、休暇明けに部長以下でとっちめても、御本尊はアッケラカーのカーだったよ。
この手の箸棒先生は、階級関係なく、幹部100人に1人はいる。大抵はやる気を演じているから、教育機関の成績はそんなに悪くもない。だが、部隊は大迷惑ということになる。沖ノ鳥島管理隊かなにかを作って、纏めて放り込んでおけば部隊は安泰なのだが。まあ、余計な仕事を探すので、波平の頭髪程度に風前の灯火である島を喜んで削ったりするだろうから駄目だろう。
自分で判断できないので「許可がないからできない」という奴は結構いる。それなら、適当な奴から許可みたいな言質をとれば良さそうなものだが、それすらしようとしない。「前例がないのでやり方が分からない」というのもアレだ。それなら自分で関係者が誰か調べて、話つければいいのだが、それもしようとしない。
ただ、この程度は可愛いもので、中には箸棒にもかからないのがいる。一番ひどいとおもったのは、横須賀に転勤してきた初任幹部。そもそも、晴海から横須賀への道を聞いてくるところからアレだった。
この箸棒幹部、前々日に艦艇からインマルで電話を掛けてきた。衛星電話インマルサットは目の玉の飛び出る通話料がする。あるところでも、緊急時以外は許可制だった。通信抑制のためか、管制額も書いてあった。練習艦隊から、そのインマルで着任後の話をするのだから尋常ではない。インマルなので「着いてから電話しろ、まず当日こっちに来てから休暇処理」とだけ言ってサッサと切った。あとから考えれば、あまりにアレで着任もアヤシイので艦艇側から電話をさせたのだろう。
そして晴海入港のあとに、公衆電話か何かで電話を掛けてきた。晴海なので、防衛省回線の港湾電話ではないはず。その電話で、晴海から横須賀に行くにはどうしたらいいのかを尋ねられた時には、完全にヤバイと思った。何を言っても要領を得ない。そんなどうでもいい話でガタガタ抜かすので「横須賀に行く同期あとくっついてくればいいだろ」とか、最後には「左手で海岸線を触りながら海自につくまで歩け」と言った。
ご本尊は現物も酷かった。まず、電話が取れない。取り方がわからないのではない。課長の内線電話でも不在なら「課長卓上、◯◯3尉、課長は不在ですがご用件は」と言えと言っても、他人の電話(回線)に出ることはできないと言って取ろうとしない。配布資料を複写してくれといっても、ご本尊が座る脇にあるコピー機なのに「使っていいのか分からない」という。取らせても、ソート機能やホチキスまであるのに、酷いものだった。
人事分隊士の仕事もアレだった。
まず、黒表紙と赤表紙の管理ができなかった。アレは金庫の中に放り込んで置くのだが、その前に御本尊は点検表なぞ作って張っている。その点検表に、日時と自署と押印している。だが、赤黒使うのはそいつしかいない。そんなの、自署も押印もいるはずもない。気になるなら、自分のノートに「◯月◯日全数チェック異常なし」とでも書けばよい。そして、その前に分隊士業務をやっていた己が、黒全部、赤全部をそれぞれ一つの箱に入れて散逸しないようにしていたのを、わざわざ階級別にわけて別の金庫にしまおうとしていた。曹長、1曹×1、2曹×3、3曹×3の職場でそんな事する必要もない。
事務的事項も処理できない。人事配置の都合上「この人は艦艇勤務何年、航空勤務に何年、部外機関に何年」と書くところがある。その航空勤務のところで「航空基地隊勤務だから航空要員ではないのか」と愚問を発する。「それは旧陸軍で言う空中勤務者だ、グランドクルーは含まれない」と言っても、根拠を教えてくれという。それこそ、お前が根拠を探すなり、人事に聞けば良い話だろうと呆れた。もちろん、海曹の生年月日と序列と入隊期別、現階級昇任日、家族構成なんか暗記してもいない。普通に分隊士していれば、50人程度わけもなく覚えられるものなのだがね。
その海曹との関係も酷かった。学部で7年掛けて卒業したのはともかく、大学出たてが海曹に対して上位者としての命令ずくで振る舞おうとするのはアレだった。課内であれば、どうにかできるが、課の外でもその面だからどうしようもない。
甲板士官的な仕事も当然駄目。海曹寄越せと言って自分では作業をしようとしない。大きな艦艇ならそれもいいが、海曹8人しかいない繁忙部署でそれはない。課長以下で草むしりしているときにも、自分は作業をしようとしない。その頃には、まあ、味噌っかすだからと面倒なので皆で放置していた。
本番の仕事は、推して知るべしなので、危ないので業者打合や行政折衝、予算関連、監査検査は触らせなかった。これ位ならできるだろうし、失敗してもいいだろうと、各地区の正門現状写真と、正門幅(突入阻止器材のボラード整備関連だった)をしらべさせようとしても駄目。カメラと測量に使う海曹と、車を出せと宣う。メンドイので、幅だけでいい、巻き尺と自転車を渡して、近所はこれで調べてこい、教育隊はバス券やるといった。そうすると、わざわざそれぞれの部署に電話してから、午前に1ヶ所行って帰って戻って数値を記入、午後に1ヶ所いって数値を記入していた。その数字もメチャクチャ、cm単位で書いてあるのに、m単位の誤りがあるという代物だった。
最初は、課先任幹部から「文谷おまえキチンと教えているのか」と怒られたが、その先任幹部に指導を譲ったあとには「こないだはゴメン、俺が悪かった、昼飯おごるよ」と言われたよ。
思い出したが、決済終わった後の休暇線表を弄られたことがあった。己が課の線表を作り、部長決済までとった線表だが、休暇開始以降に変更された。なんか、仕事をしたかったのでやったらしい。その中で、当直士官の予定も勝手に入れ替えられた。1月1日当直の予定を、31日に代えられた。31日の人も勝手に30日に入れ替えられていた。お陰で、大変なことになったのだが、休暇明けに部長以下でとっちめても、御本尊はアッケラカーのカーだったよ。
この手の箸棒先生は、階級関係なく、幹部100人に1人はいる。大抵はやる気を演じているから、教育機関の成績はそんなに悪くもない。だが、部隊は大迷惑ということになる。沖ノ鳥島管理隊かなにかを作って、纏めて放り込んでおけば部隊は安泰なのだが。まあ、余計な仕事を探すので、波平の頭髪程度に風前の灯火である島を喜んで削ったりするだろうから駄目だろう。
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