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隅田金属日誌(墨田金属日誌)

隅田金属ぼるじひ社(コミケ:情報評論系/ミリタリ関係)の紹介用

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文谷数重

Author:文谷数重
 零細サークルの隅田金属です。メカミリっぽいけど、メカミリではない、でもまあミリタリー風味といったところでしょうか。
 ちなみに、コミケでは「情報評論系」です

連絡先:q_montagne@pop02.odn.ne.jp

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2013.11
24
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Category : 未分類
 中国が尖閣諸島に防空識別圏を設定したという報道がある。だが、中国にとってこの識別圏は、実際に運用できるエリアなのだろうか?

 中国が識別圏を作ることは、突飛な話ではない。中国側からすれば「尖閣諸島は中国領域である」であり、当たり前の話なのだろう。日本側が尖閣諸島上空も実効支配しようとしている。中国には、それへのカウンターを打ち出す必要がある。

 だが、中国は尖閣上空を把握できるのだろうか? 尖閣諸島は、中国本土から350kmほど離れている。大陸沿岸にはあまり高所はない。沿岸部にある400mほどの山にレーダを置いても、計算上、尖閣上空では6400m以上の飛行機しか発見できない。水平線ギリギリでは、角度分解能の話も出てくるかもしれない。(距離分解能で解決するかもしれないが)
 仮に、飛行機を発見しても対処できるかも怪しい。中国が尖閣上空で高高度を飛ぶ日本機を発見しても、大陸から飛んで行く時間もある。離陸から始めれば20分や30分は掛かってしまう。そのころ日本機はどこかに行っている可能性も高い。厄介なことに高度を下げられると、まだいるのか、日本に帰ったのかもわからないし、目標に戦闘機を誘導することももできない。

 結局は、告示して終わりではないか。中国の目的は、あくまでも日本側実効支配への対抗である。実際に戦闘機を飛ばして云々できないかもしれないが、それでも構わないという発想なのだろう。

 ただし、日本側も尖閣の真上に戦闘機を自由に飛ばさせないほうが良い。
[日本]政府関係者は「中国は尖閣は自国領と言ってきた。ある程度は想定できたことだ」と事態を冷静に受け止める一方、「日本の領空で空自機の活動が影響を受けることはあり得ない」と述べ、毅然(きぜん)とした対応が必要だとの認識を示した。
と時事通信は報道している。だが、中国機が来たわけでもないのに、尖閣上空に空自機、特に戦闘機を飛ばすのはやめたほうが良い。それを海監経由で知った中国側も、対抗措置として尖閣の真上に戦闘機を飛ばすだろう。そうなると、今、海でやっているような無駄な消耗戦になる。泥仕合をしても、日本の得になるものでもない。それなら、上空については寝た子を起こさないしておくのが妥当ではないか。今までのように、P-3Cや陸自CH-47で領海上を飛ぶ程度にとどめて置いたほうがよい。



※ 「不測の衝突懸念=中国『防空圏』設定-日本政府」『時事ドットコム』(時事通信,2013.11.23)http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013112300223
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